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2021年6月 6日 (日)

一夜が明けて…

朝になってしまった。
魔法が解ける…

アタシはベッドから抜け出すと、昨夜着ていたワンピースを纏い、化粧もせずにホテルを飛び出していた。
今、自分がどんなみっともない恰好をしているか…などということはどうでも良い。
太陽が昇るにつれて、アタシの肉体が「元」に戻ってゆく。
彼に揉みしだかれた胸が潰れてゆく。
股間には男の証が生えてゆく。
アタシ…ボクは「男」に戻されてゆくのだ…

長かった髪の毛が失われる。
あごにはうっすらと髭が現れていた。
喉仏が現れたボクの声はもう誰が聞いても女の子の声ではなくなっている筈だ。
腕に筋肉が付き始め、ワンピースの袖に締められ始める。
足が痛い。
靴のサイズが合わなくなっているのだ。

タクシーを止めた。
運転手さんがギョッとした顔で応じる。
ボクはマンションの場所を言った。
「シートの上に横になっていると良いよ♪」
ドアを閉めた運転手さんがそう言ってくれた。

タクシーは朝靄に包まれてその場所を離れていった。

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コメント

このシチュエーション、みょーにツボです。

奈落です。
コメントありがとうございます。
感謝します。

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