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2020年6月13日 (土)

あいまいな記憶…

急に雨が降り出した。
彼は傘を持たずに出ている筈だった。
今頃はまだ、帰りの電車に揺られている時間だ。
今から駅に向かえば、傘を手渡す事ができる♪
 
あたしはレインコートを羽織り、長靴に足を突っ込んだ。
あたしの傘と彼の傘を持って外に出る。
あたしはあたしの傘を差して降りしきる雨の中を歩きだした。
 
駅までの道…
これまでに何度も歩いていた筈なのに、いつもと違って見える。
(雨…だから?)
違う!!
ちょっとした角度の違いで、これまで見えていたものが見えなかったり
見えていたものが見えていたり…
角度…って?
そう、あたしはもっと高い視点で見ていたと思う。
あたしの身長が縮んだってこと?
身長ってそんなに急に変わるものかしら?
 
…あたしの身長っていくつだったけ?
173cm…なんてある筈ないでしょう?
どこからそんな数字が出てきたの?
確かにそんな位の視点から見た景色なら…って…
 
何かあたしの記憶…おかしい…
でも…
あたしは自分の身長もスリーサイズも覚えていない?
そもそも、あたしって「誰」?
自分の名前も覚えていないの?
 
 
「おいっ!!」
突然、男の人に声を掛けられた。
顔を上げるとそこに彼がいた。
「どうしたんだ?ボーっとして…って、傘持ってきてくれたんだ♪}
「ぁ、はい♪」
あたしは彼に持ってきた傘を渡した。
「そっちも♪」
とあたしの手からも傘を奪った。
あたしの傘を差した彼がグイとあたしの肩を引き寄せる。
「差さないの?」
「一緒に入ろう♪」
(恥ずかしいよ)
とは言えずに、あたしは彼の差す傘の下に入った。
 
「雨もまた良いね♪」
と彼は言う。
「あの…」
あたしは彼に声を掛けた。
でも…何と言おう?
あたしが自分の名前も思い出せないなんて言っても信じてもらえないかも…
「どうした?」
「ううん…何でもない。」
「何か思い出したの?」
「え?」
あたしは足を止め彼を見上げた。
あたしに記憶がないのを知っているの?
「まだ、その身体に慣れてないものね。記憶もまだ安定していないからね♪」
「この身体?」
「まだ、そこまでは思い出していないんだ…」
 
 
部屋に戻った。
「濡れてしまったね。冷えるといけないから、先にシャワーを浴びてくると良い♪」
そう言われ、服を脱いだ。
洗面台の鏡に「あたし」が映る。
(あたし…よね?)
彼の言った「この身体に慣れてない」という言葉が引っ掛かっている。
下着も脱いでシャワーの下に立った。
暖かな湯滴がこの身体を温めてゆく。
(?)
ドアの外に彼の気配があった。
「俺も一緒に良いよね♪」
と全裸の彼が入ってきた。
狭い風呂場では、当然の事ながらふたりの身体は触れ合わざるをえない。
 
「どお、この身体?」
背後から抱きしめられる。
彼の手があたしの乳房を揉みあげる。
「この身体?」
「そうだね。まだ思い出していないんだったよね♪」
「どういうこと?…っあ…」
彼の指に弄られていた乳首から、思いもよらない刺激が届いた。
お尻には彼の硬くなった逸物が当たっている。
「ダメッ!!」
「何が?」
何が…って、何がダメなんだろう?
反射的にダメって言っていた…
 
肩を掴まれ、身体を半回転させられた。
目の前には彼の胸がある。
しっかりと腰に回された腕であたしの身体が持ち上げられた。
密着するふたりの間には彼のモノがあった。
持ち上げられるにつれて、ソレが下に降りてゆく。
そして、ソレはあたしの股間に挟まった。
「ダメッ!!」
とあたしが言うと同時くらいに、スルリとソレはあたしのナカに割り込んできた。
「ぁあんっ!!」
衝撃があたしを貫いていった。
ソレはあたしのナカにしっかりと填り込んでいた。
 
 
 
「どうだい?君自身の感じは?」
(??)
「まだ思い出せないかい?」
彼がバスタブの縁に腰掛ける。
あたしは彼の腰を跨ぐように、その上に座っている。
あたしを貫いている彼のペニスはあたしのナカで脈打っていた。
「今、君は君自身に貫かれているのだよ♪」
「あ…あたし、自身?」
「コレの事は男性自身とも言うよね?だからコレは君自身だ♪」
(??)
不意に彼があたしにキスをした。
「もう思い出せるだろう?」
 
彼がそう言うと同時に…
俺は思い出した!!
 
彼…それは「俺」自身だ。
俺は魂を抜かれ…この肉体に…
(!!!!)
では、この「俺」は誰だ?!
 
「お、お前は……っあ、あああんっ!!」
問いただそうとした途端、俺のナカでそいつが身動ぎをする。
オンナの快感が俺を呑み込み、俺は女のように喘いでしまう。
「思い出したかな?で、どうだい?君自身の味は♪」
「や…やめろ!!」
「まだ足りないかな?」
「ヒッ!!」
更なる快感が与えられる。
奴の指がアナルに突き立てられていた。
「ダ…ダメ…」
俺の抵抗は押し寄せる快感の前に脆くも崩壊してゆく…
「ぁあん…あ、ああ~~~ん!!」
俺は快感の中で意識を失っていた…
 
 
 
あたしはベッドに寝かされていた。
そこは彼の部屋だった。
(「彼」?)
「彼」って誰だっけ?
ここは「あたし」の部屋の筈…
 
起き上がり、部屋の中を見渡す。
そこが自分の部屋であることは間違いはない。
唯一、違和感があるのは机の上に畳まれた一揃いの衣服…
それは「女の子」の服…あたしのものである筈がない…
 
あたしは鏡のある洗面台に向かっていた。
 
鏡には「あたし」が映っていた。
あたし…って、こんな顔だったっけ?
「あたし」…
記憶を紐解いてゆく。
 
あたし…否…「俺」は男だった筈だ。
俺は肉体を奪われてしまった…
 
奪われた肉体の代わりに与えられたのがこれ…と、いうことなのだろう。
元の身体に戻るには「彼」という元の肉体を取り戻し、
「彼」から、どのようにこの身体と入れ替えたかを聞き出す必要がある。
しかし「彼」はもうここにはいない。
消えてしまった「彼」を見つけ出すことなどできるのだろうか?
それが出来なければ、俺はこの先もこの姿で生き続けなければならない…
 
そう…
本来の「男」ではなく「女」として…
俺は何もない股間に手を延ばした。
「何もない」のではない。
そこには女の…女性器がある。
俺はソコに「俺自身」を挿れられ…
快感に喘いでいたのだ。
 
俺はもう「女」だ…
 
俺は…あたしは股間に伸ばした指先を曲げ…
そのナカに滑り込ませていた。
 

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