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2020年4月18日 (土)

出張(3/4)

目覚めはベッドの上だった。
場所は変わっていないが、そこにはもう彼の姿はなかった。
その代わりに奴がいた。
「おはようございます♪」
と奴の視線がアタシに注がれた。
「いやぁ!!」
アタシは全裸だったのに思い至り、叫ぶと同時に手近の布で体を隠した。
「では、これをお返ししますね♪」
と鞄と紙袋が差し出された。
その男物の鞄が自分のものだったことに気付くまでにしばらく時間がかかった。
そして、何で自分が男物の鞄を持っていたのかに思い至る。
「これって、アタシのものなのよね?」
紙袋の中も確認する。
「一昨日までこれを着ていたんだ…」
今のアタシにはひと回りもふた回りも大きい。
着たとしても彼シャツのようにブカブカに違いない。
 
「こちらには昨日の昼間に着ていたものです。今日はどちらを着ますか?」
当然、今のこの体に似合うのは女物の方…
何でそんなことを聞いてくるのだろう?
「もし宜しければ、そちらの鞄と服は当方で処分しておきますよ♪」
「どういうこと?」
「貴女がこの先、女性として存在するのであれば、一昨日までの過去は重荷になるでしょう?」
「この先…も?」
 
 
 
 
鞄の中身は新しく買った旅行鞄に詰め替えた。
一昨日までの服も紙袋ごと詰めている。
更に新しく買った着替えの服といくつかの化粧品も入っている。
アタシは女物の旅行鞄を足元に置き、帰途に就いていた。
モテ薬の効果は次第に薄れていくとのこと…
「この先もモテ続けていられるかは貴女次第ですよ♪」
彼はそう言い残して去っていった。
 
(モテ続ける…か…)
アタシはこの先のことなど何も想像できなかった。
しばらくはこの姿のままだろうし、何よりも明日はこの姿で出社しなければならない。
そう…商談惨敗の報告をしなければならないのよね…
モテ薬の効果が効いて、なにもかもがうやむやになってしまえば良いのに…
アタシは心地好い振動に、眠りの中に引きずり込まれてった。
 
 
 
レディースのスーツ、黒のパンプス、小さな鞄には必要最小限のものだけを入れた。
いつもはすし詰め状態の満員電車も、周りに壁が出来たようにポッカリと誰にも触れることのない空間があった。
カツカツとヒールの音をたてながら会社に向かった。
IDカードはすんなりとアタシを通してくれる。
自分の席に着こうとすると、部長に呼ばれた。
「出張ご苦労様。今朝ほど先方から連絡があって、再度検討した結果うちと契約してくれるということだったよ。」
(何が起こったの?)
まさかモテ薬の影響が飲む前にまで作用してるの?
アタシの周りだけなら、こんな姿になっても受け入れられるとは思ってたけど…
「良くやった♪契約の為なら枕営業だろうが何だらうが私は許すよ♪」
「ま、枕…って、それセクハラですよ!!」
「下ネタはいつもの事…って、お前って女だったっけ?」
「部長、いいかげんにしてください。彼女も困ってるでしょ!!」
と、部の紅一点だった娘が助け舟を出してくれた。が…
「彼女…で良いのよね?」
と頭を悩ませ始めてしまった。
雲行きが怪しそうなので
「外回り行ってきます♪」
と部屋を後にした。
 
 
「今日も可愛いね♪」
いつものお得意先に顔を出すと、いつもとは違う挨拶となっていた。
いつもは
「なんだ、今日も来たのか。よっぽど暇なんだな?」
とか言われるのだが、今日は何故かお茶まで出てきた。
「この間言ってたやつ、うちでも前向きに考えたいんで見積り持ってきてくれないかな?」
と、こちらが切り出す前からそんな事を言ってきた。
出張の商談もそうだが、全部がモテ薬の所為なのだろう。
だとすると…
「…と言うことで、この後ホテルに行かない?」
と手を握られた。
「そ、それはまたの機会に…」
と振りほどいて立ち上がった。
「では後日、見積りを持ってきますね♪」
と、お得意先を後にした。
 
 
まだ仕事中だと言うのに、路を歩いているとワラワラとナンパ男達が集まってくる。
多少強引にでも進んでいかないと、囲まれて身動きが取れなくなりそうだった。
(どうせならもっと大人の男が良いのに…)
などと変な考えが浮かぶとまたピンっときた男性が目の前に現れた。
アタシの頭の中からは仕事のことなど消し飛んでいた。
真っ直ぐにホテルに向かっていた。
シャワーを浴びるのももどかしく、アタシは彼のぺニスを咥えていた。
「ああ、活き返るわ♪」
生命力のみなぎるような彼の精液を呑み込むと、アタシの中の「オンナ」が噴火する火山のマグマようにせり上がってきた。
アタシの股間はもうトロトロになって彼を待ち望んでいる。
「来てっ♪」
全裸になりベッドに転がり、股間を拡げていた。
彼もまた全裸となり、禍禍しく復活した屹立を遠慮もなくアタシのナカに突っ込んできた♪
「ああん、ああ~んっ!!」
アタシは抑えることなく嬌声を発し、幾度となく昇り詰めていった…

 

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