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2020年4月18日 (土)

出張(2/4)

ベッドの脇のソファーには服が畳まれて置かれていた。
それは公園で着替えた女物の衣服の一式だった。
勿論、今の肉体では本来の自分の服はサイズが合わないし、今はこれしか着るものがない。
さっきも、シャワーを浴びてこの肉体が全くの「女」であることも確認した。
薬の効果が切れるまでは「女」として振る舞うしかないのだろう。
 
公園に向かった。
そこは幼い子供達とその若い母親達で溢れていた。
自分が「場違い」であると感じていると
「お姉ちゃん、一緒に遊ぼう♪」
と子供達に囲まれてしまっていた。
困惑しているのに気付いた母親のひとりが
「お姉ちゃん困ってるでしょ。」
と子供を引き離し
「すみませんね♪」
とこちらに頭を下げた。
このままでいると再び子供達に囲まれてしまいそうなので、こちらも軽く頭を下げて公園を後にした。
 
子供達を引き付けたのも、あの薬の効果なのだろうか?
子供にモテてもしょうがない。
否。今はモテる事自体が問題なのだ。
薬の効果が切れなければ、モテ続けるし、この姿のままなのだということだ。
一刻も早く薬の効果は切れて欲しい。
遅くとも明後日には休みが明けるので、出勤しなくてはならない。
惨敗した商談の後始末も必要だ。
たとえこの姿のままでも仕事を休む訳には行かないだろう。
自宅に戻れば何とか自分を証明する事は出来る筈だ…が
 
ここには出張で来ていたのだ。
自宅に戻るには帰りの切符が必要だった。
切符は財布に入れ、上着の内ポケット…
(!!)
上着はこの服に着替えた時に公衆トイレのゴミ箱に棄ててきた?
自宅の鍵も一緒だ。
 
「お困りですか?」
不意にあの男の声がした。
モテ薬を売っていた彼だ。
「ここに鞄と服があります♪」
「か、返せ…返してもらえませんか?」
「無料でという訳にはいきませんね。」「だが、金はそっちにしかない。」
「いえ、お金ではありません。今晩、もう一晩男性に抱かれてください。今度の相手はこちらで指名させていただきますがね♪」
 
(抱かれる)
そう聞いた時、もう二度とあの快感には流されまいと思うと同時に、もう一度あの快感で満たされたいと…
この肉体が反応していた。
ジクッと股間の奥から滲み出すものがあった。
 
「な…何で?」
「貴女にはそれを知る権利はありません。こちらの言う通りにするか、そのままで放り出されるかです。」
「もう一度だけで良いのか?」
「貴女がオーケーすれば、支援は惜しみませんよ♪」
「本当に一度だけか?」
「明日にはこれを返します。約束は絶対です。」
と鞄と服の入った紙袋を持ち上げた。
 
 
 
「ここは?」
まだ夜までには時間があったが、それまでにも色々することがあるらしい。
「エステサロンです。貴女を更に磨き上げてもらいます。」
サウナで汗を流し、全身を揉みほぐされ、得体の知れない液体を全身に塗られた。
「全身パックです。リラックス効果もありますのでしばらくはお休みになっても構いませんよ♪」
催眠効果のあるBGMと相まって、いつの間にか眠ってしまっていた。
眠っている間に、どうやら手足の爪にネイルアートも施されたようだ。
 
ヘアサロンでは髪の毛を金色に染め上げられ、カットされ、これでもかと盛りあげられた。
メイクもかなり派手なもので、そこらじゅうでラメがキラキラと輝いていた。
用意されていた新しい服も、これまで以上に「オンナ」を強調していた。
本来は「男」である自分がこのような姿を晒すことになるとは思いもよらないことだった。が…
鏡の中に変わってゆく自分を見て、更にどう変わってゆくのかという好奇心も生まれていた。
 
「あとは口調と仕草だな。」
「無理だよ。中身は男のままなんだから。」
「可愛い声でそう言うのもギャップ萌えで喜ぶ客もいるが、今回はそうも言ってられないんだ。」
「だから無理だって。」
「いや、昨夜も本番になれば無意識に可愛いい仕草や言葉を出していたじゃないか♪」
「き、記憶にないな…」
「まあ成るようになるかな♪試しに自分のことをアタシって言ってみな。」
「自分のことをアタシって言った所で何が変わるっていうのよ。…のよ?」
「これなら問題ないな♪」
「どういうことなの?アタシって…元に戻ってもこんなじゃ嫌よ!!」
「まあ、今晩ひと晩そのままでいてくれれば良いんだ。無理しなければ自然と仕草や言葉遣いは補正される筈だ。」
彼はアタシの言うことなど聞いてないみたいだ。
 
連れてこられたのは高級クラブのような場所だった。
姿だけならアタシはナンバーワンのホステスにも負けないと思う。
(って、何でそんな対抗心が沸いてくるのよ!!)
奥の個室…って言ってもかなりの広さのある部屋だった…に通された。
「ここで待ち合わせることになっている。言うことを聞いて一晩従っていればそれで終わりだ。」
そう言って鞄と紙袋を持ち上げ
「これは明日迎えに行った時に渡してあげるからね♪」
と言って彼は部屋を出て行った。
アタシは独り部屋に残されている。
たとえここから逃げ出したとしても、こんなピラピラなドレスでは昼間の街中を歩けないし、着替えを買おうにもお金も持っていない。
(まあ、成るようにしか成らないのよね♪)
と、慣れないピンヒールのサンダルで疲れた脚を休めるように近くにあったスツールに座った。
 
そう…座ったのはスツールだった。
近くには立派なソファーがあったにもかかわらずに…
(アタシって、根っからのホステスなのかしら?)
脚を休めながらぼーっと時間が過ぎてゆくのを待っていたら、しばらくして外に人の気配があった。
アタシは立ち上がるとスカートの乱れを直し、鏡で笑顔を確認した。
「待たせたね。」
と、恰幅の良い男性が入ってきた。
テレビの国会中継に映っていたような人だった。
「私が何者かは詮索しないこと。今宵ひと晩は君は私のパートナーだからね♪」
そう言われた途端、アタシはこの人のパートナーであることを自覚していた。
彼が上着を脱ぐのを手伝い、上着をハンガーに掛けた。
彼がソファーに座るのを見ながら、バーカウンターに向かった。
「何にします?」
とアタシが聞くと
「ブランデー…今は少しだけで良い。」
アタシは言われた通りにブランデーをグラスに注いだ。
彼はグラスを受け取ると、そのままアタシの腕を引いた。
「キャッ!!」
アタシはバランスを崩してそのまま彼の膝の上で抱き止められた。
「君と出会えた奇跡に♪」
と、彼はグラスを掲げてブランデーを口に含んだ。
そしてそのままアタシの口に…
彼の口からブランデーが注ぎ込まれた。
喉が熱くなり、その液体を呑み込むと、その熱が全身に広まってゆく。
「良い反応だ♪」
彼はグラスをサイドテーブルに置くと、その手をアタシの胸元に差し込んできた。
「ん…ぁあん♪」
指先で乳首が弄られ、アタシは軽く喘ぎ声を漏らしていた。
「感度も良いんだね♪」
とそのままアタシを抱き上げた。
見た目の年齢以上に体力があるようだ。
そのままお姫様だっこでカーテンで仕切られた裏側に…
そこには立派なベッドが鎮座していた。
 
「そのままで良い♪」
ベッドに寝かされたアタシの上に彼が股がってきた。
そのまま股間の逸物を引き出すと、アタシの目の前に近付けた。
その先端がアタシの口に押し込まれた。
まだ十分には勃起していない柔らかなソレを、アタシは口の中で丁寧に刺激してあげた。
 
それが硬く勃起すると、彼はアタシを四つん這いにさせた。
服は着たまま、下着だけを剥ぎ取っていた。
アタシはもう股間がグショグショに濡れていることなど隠そうとも思っていなかった。
指先で軽く膣口が揉み解されただけで、彼は一気に突っ込んできた。
「んあっ、ああん!!」
快感がアタシの中を突き抜けてゆく。
でも、それはまだ始まりでしかないと分かっていた。
 
繋がれたまま、服が脱がされてゆく。
ブラのカップから溢れでた乳房の先端を弄られる。
「あっ!!ああっ♪」
痛みと快感が入り交じる。
結い上げられた髪が解かれ、背中に広がった。
誰がどう見ても、アタシは淫乱な「オンナ」だった。
再び、アタシの内で彼が暴れ始めた。
「ああ、ああ、ああ~ん♪」
突かれる度にアタシは淫声をあげる。
激しさが増すとともに快感も増大してゆく。
「これはどうかな?」
と角度が変わった途端
「あっ、ああ~~っ!!」
アタシはイかされていた…

 

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