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2020年2月 2日 (日)

女装の理由(わけ)

「取り敢えず、コレを着ておいてくれないか?」
親友の大悟から渡されたのは、女物の衣服の一式だった。

数年越しで取れた一週間の連続休暇だった。
以前から約束していた親友の大悟と旅行に出ていた。
高原の別荘を借りて自然に親しもう!!
という事で、とある山奥に来ていた。
近くに小川が流れているのを見付け、貸別荘に車を付けるなり小川に降りていった。
せせらぎに指先を浸ける…冷たさが心地よい♪
「大悟っ!!こっちに来いよ♪気持ち良いぜ♪♪」
車から荷物を降ろし、別荘に運び入れている大悟に声を掛けた。
「いい大人がはしゃぎ過ぎじゃないか?」
「これだけの自然だぞ。童心に還っても文句を言われる筋合いなんかないさ♪」
俺は靴を脱ぎ、ズボンの裾を捲り上げ、靴下を脱いで流れの中に足を浸けた♪
「苔に滑るなよっ!!」
と大悟の声掛けに
「大丈夫♪」
と振り返った途端
「っうあ!!…」
俺は流れの中に素っ転んでいた。

「やっちまった…」
と全身ずぶ濡れで別荘に上がってゆくと、
「濡れたまま入って来るな。そこで着ているものを脱いで風呂場に行け!!」
と玄関で服を脱がされた。
交換で渡されたタオルで頭から滴る水気を拭いながら風呂場に行き、シャワーを浴びた。
暖かな水滴に気持ちが解れる。
既に大悟が洗濯機を回してくれていた。
「取り敢えず、コレを着ておいてくれないか?」
と、着替えも用意してくれていた。
バスタオルで水気を拭い、用意してくれた着替えに手を伸ばした…

(?!)

これは何だ?
トランクスでないのは即に理解していた。
白いブリーフが小さく畳まれているもの…との思い込みでソレを広げていた。
脚周りの所にレースの縁飾りが付いている。
勿論、穴も無いので前後不明…ではなく、前面の目印となる小さな赤いリボンが飾られていた。
そう…
これは女性用の下着だ。
大悟が出してくれた着替えの山は女物の衣服の一式だったのだ。
ブラジャー、キャミソール、ブラウスと上半身に着けるものが続き、
その下にはスカートが畳まれて置かれていた。
「大悟、なんでこんなモノが出て来るんだよ!!」
「ちょっと待ってくれ。僕も着替えてから説明するよ。とにかく、そいつを着てきてくれ♪」
勿論、はいそうですか…と、簡単に女装なんか出来るものではない。
俺はバスタオルを身体に巻いてリビングにいる大悟の所に向かった。

「あら、来たのね……何で裸のままなの?はしたない!!」
と、そこに居たのは大悟?
…確かに「大悟」ではあるが、彼もまた女装していた。
(それにオネエ言葉になってないか?)
「先ずは理由を聞かせてくれないか?」
「あぁ、ごめんね。まだ説明していなかったわね。」
シナを作る大悟は男声であることさえ除けば「女」にしか見えなかった。
「今回の旅行ね、あまりにも急だったので予算内で取れた貸別荘がここしかなかったのよ♪」
「そ…それが、どう女装と関係するんだ?」
と言いながらも予想がつくような気が…
「この別荘って、女性専用だったのよね♪男子禁制だから、男の姿が見つかると拙い事になるのよ~」
「だからって俺も女装しなくちゃならないって…」
「女装…っていうよりは、女の子になる…って言った方が良いかしらね♪…ほら♪出がけに飲んだ薬が効いてきた頃でしょ?」
「く…薬…って?」

喋っているうちに、大悟の声が女声になっているのに気がついた。
そして、俺の声もまた…

「ほら♪さっさと服を着ちゃいなさい。風邪ひくわよ。」
と、いつの間にか大悟に背後に廻り込まれ、バスタオルが剥がされてしまった。
「キャッ!!」
あたしは女の子みたいに叫んで、胸と股間を腕で隠してうずくまっていた。
(胸?)
いつの間にか、あたしの胸は女の子みたいに膨らんでいた。
(女の子みたい…って?)
「あ…あたしって…女の子だったっけ?」
「何バカな事言ってるの?ここは女性専用の貸別荘なのよ。ここにいる間は二人とも女の子だからね♪」
「これって、さっき言ってた薬の所為?」
「人によって効果に差があるらしいけど、あんたの場合少し効き過ぎたみたいね。」
ほらっ、と手渡された下着を着け、ブラウス、スカートを穿いていった。
「そんなに心配する事はないわよ。昨日までの事は忘れて、一週間のバカンスを楽しみましょ♪」
「うん♪」
あたしはこれから先の一週間のプランで頭がいっぱいになっていた♪


・・・・・・・
今日は水着を着て川で水遊び♪
…で、その晩、風呂場で鏡を見ると、しっかりと肩から水着の跡が残っていた。

近くの別荘にいる人と意気投合した。
その晩のパーティーにお呼ばれ♪ どんなドレスがいいかしら?

あのヒトが気になって仕方ない。
でも、彼の前では何も言えないの… そして、突然抱きしめられて…ハジメテのキッス…

ふたりだけの夜…
浴衣の紐が解かれて …あたしは彼の腕の中… そのまま彼を受け入れていた♪

夢のような一週間が終わる…
彼とは… 別れたくない!! でも、明日にはもうあたしはあたしでなくなる

どうしたら良いの?

・・・・・・・


「これ、誰の服だったけ? 大悟には小さすぎだよね?」
「それはお前が着てきたんだろう。でも、もう着れないな♪」

昨夜、大悟に選択を迫られた。
「この薬を飲めば元に戻る。明日になれば彼等に会っても、もうお前とは判らない。」
「飲まなければ?」
「お前はもう元には戻れなくなる。一週間前以前のお前の過去は消えてなくなる…」
「あたしは… あたしはあたしのままでいたい!!」
大悟は「そうか…」と言って薬を仕舞ったのだった…

 

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