« ここから出せっ!! | トップページ | 着TS »

2019年11月21日 (木)

花嫁は父

どうしてこんな事になっちゃったんだろう?
マリッジブルーとかで塞ぎこんでいたあたしに囁いてきたのは悪魔だったに違いない。
よりにもよって式の前日の夜中に父さんと肉体が入れ替わってしまうなんてっ!!

「あるっ!!ないっ!!」
目覚めるなり響き渡った父さん…声はあたしのものだけど…の叫び。
「どうしたのよ?」
と母さんがあたしの隣から起きあがり、叫び声のしたあたしの部屋に向かった。
そして、あたしは自分の肉体が父さんのものになっているのに気が付いた。

今日の今日で式を中止する訳にも行かない。病気や大怪我をした訳ではないのだ。
「とりあえず、今日一日を乗りきれば身内だけの問題で済むわ。」
と母さん
「俺にウェディングドレスを着ろと?」
「娘の一生に一度の晴れ舞台なのよ。父親としてそれくらい協力しなさい!!」


そして今。あたしはあたしの肉体の父さんと一緒にバージンロードの端に立っていた…


父さんを彼に引き渡し、あたしは親族の席に座った。
式は何事もないかのように進んでゆく。
ベールの下で父さんはどんな顔をしているのだろう?
「…を誓いますか?」
司祭がお決まりの言葉で問い掛ける。
「はい、誓います。」
彼の力強い宣言が返った。
本来ならもっと間近でその言葉を聞いていた筈なのに…
「…を夫とし、生涯変わらぬ愛を誓いますか?」
それは、あたしに向けて問われるものだった。
「はい…誓います…」
父さんはあたしの声で弱々しく、そう応えていた。

『あ~あ、神様に誓っちゃったよ♪』
昨夜あたしに囁いてきた声がまたしてきた。
『これでお前の父親は魂のレベルであの男の妻になってしまったな♪』
どういうこと?あたしはもうあの肉体に戻れないってこと?
『戻れないことはないが、戻ったとしてもお前はあの男の妻にはなれない。それにお前の父親はもっと悲惨かもな?』
どういうこと?
『元の姿に戻っても、魂はもうあの男の妻だ。どんな姿になろうともあの男に添い遂げようとする。夜になると抱いて…とか言ってな♪』
うそ…
『見てみろ。あの幸せそうな顔♪』
指輪が交換され、ベールが外され、彼に包容された父さんはこれ以上ないくらいに幸せそうな顔をしていた。
あたしはどうすれば良いの?
『このまま彼女の父親として、お前の母親の夫として生きていくか、または別の人生を選択するかだな。』

 

 

「…で、お父さんはもう戻れないってことなのね?」
その晩、あたしは母さんにその事を告げた。
「まあ良いわ。あたしも娘の姿のお父さんと抱きあったりはできないものね♪」
「って、母さん?」
「夫婦の営みって大事なのよ♪」

あたしは今度は母さんと入れ替わっていた。
だから、あたしは、今、父さんに…

 

« ここから出せっ!! | トップページ | 着TS »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« ここから出せっ!! | トップページ | 着TS »

無料ブログはココログ