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2018年12月12日 (水)

脱け殻

目の前…否、僕は僕の脱け殻を見下ろしていた。
僕は今、幽体離脱して空中を浮遊しているのだ。
勿論、これは僕が意識的に行っていることだ。
戻ろうと思えば、何時でも自分の肉体に戻ることができる♪
そして、他人に憑依して成り済ますこともできる♪
 
僕は今、電車の向い側のシートで居眠りをしている女子高生に憑依しようとしていた。
彼女の真上に移動し、ゆっくりと霊体を下ろしてゆく。
霊体が彼女の肉体と重なると、一気に彼女の肉体を支配する。
彼女が居眠りをしているからこそできる技だ。
一気にに支配するのは、僕の侵入を感じて彼女が覚醒してしまうと、僕の霊体は弾き出され、憑依に失敗してしまうからだ。
 
今回も問題なく憑依に成功する。
彼女の記憶を読み取ることができる。
直前まで彼女が夢に見ていた光景が思い出せる。
まだ告白もできていない大好きな先輩と二人きりでお昼ご飯を食べていた。
先輩はあたしのお弁当の中身に興味がありそう♪
「これ食べてみます?」
と卵焼きを箸で摘まんだ。
「良いの?」
と先輩。
本当はこのまま先輩のお口にあーんしてあげたいのだが、まだ恥ずかしい♪
「美味しいね。」
と先輩のお弁当の上に乗せた卵焼きを一口で食べてしまう。
「あ…あたし、明日も作ってきますね。」
 
って、他人の夢想は恥ずかしさに溢れている。
しかし、憑依の醍醐味は他人の記憶を覗くことではない。
リアルにその人の手足を動かし、成りきることができるのだ。
僕はゆっくりと瞼を開けた。
向い側の席には「僕」が眠りこけている。
鏡やビデオで見るのとはまた違った自分自身がそこにいる。
 
(?!)
今、何が起こった?
僕は目を擦り、もう一度「僕」を見た。
(目が開いている?)
脱け殻の「僕」には意識はないのだ。
ギロリと「僕」の視線が僕を貫いた。
(な、何が起こっているの?)
「僕」の身体が勝手に立ち上り、僕に近付いてきた。
「そんなしょんべん臭いのは止めとけ。あっちの方が良い♪」
にやりと目の前の「僕」が嗤う。
その視線の先には、綺麗に着飾ったお姉さんがうつらうつらしていた。
 
彼は僕がこの女子高生に憑依しているのを知っている。
彼もまた「僕」に憑依しているのだ。
(僕の肉体が盗まれた?)
僕は慌てて自分の肉体に戻ろとしたが、すでに支配されている肉体には戻ることができないようだ。
「大人しくあっちに行くんだな♪」
彼は余裕で僕に命令する。
僕は女子高生から離れて、お姉さんに憑依した。
「ほら、さっさと立つんだ!!」
彼が近付いてきて僕の腕を引っ張った。
「ぁんっ!」
僕は真っ直ぐに立てず、小さな悲鳴とともに「僕」の腕の中に倒れ込んでいた。
 
「こんくらいの方が面倒がないんだ♪」
僕は彼に連れられてラブホテルの一室にいた。
「お前さん、オンナの快感を試してみたかったんだろ?なら、あんな小娘より、ちゃんと開発されてる方が良いんだぜ♪」
と、着ていた服を脱がされた。
セクシーな下着に包まれたオンナの肉体が鏡に写っている。
これが今の僕だ。
「ああんっ!!」
ブラの上から乳房が鷲掴みにされた。
男には感じることの出来ない感覚には違いない。
「い…痛いよ!」
「問題ない。そのうち痛みも快感に変わってくるさ♪」
とベッドに突き倒された。
その上に彼が乗っかってくる。
ブラがずらされ、剥出された乳房の先端に吸い付いてきた。
「んぁ、あん♪」
乳首が刺激され快感がわき起こる。
「まだ、こんなもんじゃないぜ!!」
ショーツが脱がされた。
僕の股間は濡れはじめていた。
「ガキじゃ濡らすのも手間なんだよ♪」
と、彼は僕の股間に指を突き入れてきた。
男には存在しない穴の中で彼の指が蠢いている。
その指からは初めて経験する快感が、次から次へとわき起こってくる。
「ああんっ!!だめ!!これ以上は耐えられない!!」
そう懇願する僕を嘲笑いながら、更に責め立てる。
「まだまだ序ノ口だよ。指だけでコレだと、いつまでもつかな?」
僕にはもう彼の言葉は理解出来なかった。
与えられる快感に悶え、叫びまくるしかなかった…
 
 
 
気が付くと僕はベッドの上に独り転がされていた。
彼の姿はどこにもなかった。
僕は肉体の記憶を頼りにシャワーを浴び、服を着て身支度を整えた。
(どうするか?)
この肉体を離れるというのもひとつの選択肢だが、今の僕は元の肉体に戻ることができない。
となると、このまま彼女のふりをして彼女に成り代わるか?
否。それは奴と同じだ。
であれば、奴を探して肉体を返してもらうしかない。
では、奴はどこにいる?
僕なら…「僕」のふりをしてなに食わぬ顔をしているだろう。
だから、奴は「僕」の家にいる筈だ…
 
「なんだ、お前か。」
ドアが開き、奴が顔を出してそう言った。
「俺のテクニックが忘れられなかったのか?まあ入れや。可愛がってやるよ♪」
そんな彼の台詞に逃げ出したくなったが、それよりも早くドアの内側に引き込まれていた。
そこは見慣れた「僕」の部屋だったが、どこか違和感があった。
「どうだい?自分自身の牡の匂いに興奮してきたんじゃないか♪」
そうだ。匂いだ。
違和感は「僕」の部屋に立ち込めた匂いだった。
「僕」自身の匂い?
「オンナになると牡の匂いだけで興奮するだろ♪」
「ぼ…僕は…」
一旦は否定しようとしたが、僕の肉体は「オンナ」として反応してしまっていた。
ホテルで奴に責められた感覚…オンナの快感を…
だが、今はそんな快感に流される訳にはいかない。
「僕の肉体、返してくれませんか?」
ようやく、その言葉を口にすることができた。
「そんな事を言われて、即に返せると思うか?」
簡単に返すくらいなら僕の肉体など取ることもないのは当然だ。
「まあ、しばらくは俺の性処理奴隷にでもなってもらうかな♪」
奴の「性処理奴隷」という単語に肉体が反応する。
「だ、駄目…」
「何が駄目なんだい?」
「い…いえ、こちらの事です…」
この肉体がオトコを欲しているのは確実だった。
 
「僕」の布団の上に転がされた。
布団の中には「僕」の牡の匂いが充満していた。
「んぁ…」
潤んだ股間から滴が垂れてゆくのを感じる。
「欲しいんだろうコレが♪」
と奴は股間の逸物を見せつける。
僕の心は拒否しているが、肉体は奴の言葉に従ってしまう。
手を伸ばし、チャックを下ろし、取り出したソレに僕は頬をすり寄せていた。
「そうだ♪スナオが一番だ♪」
言われるがままに僕は服を…下着から一式、全てを脱ぎ去っていた。
股間に愛液が垂れるがままに、僕は奴の逸物を咥えていた。
喉の奥に先端がぶち当たる。
厭なのに…僕の肉体は嬉々として受け入れている。
奴が呻くと精液が放たれた。
それは喉から胃の中に流れ込むが、その一部は鼻腔に侵入してゆく。
精液の匂いから離れられない。
勿論、うがいなどはさせてもらえないのだろう。
再び奴に組み敷かれ、股間を貫かれる。
僕は快感に嬌声をあげ、なんどもなんどもイき続けていた。
 
 
 
「お前、この肉体を返して欲しいのか?」
奴はそう言った。
僕はうんと頷いた。
「本心からそう思ってるのか?」
(本心?)
「そんだけオンナの快感に染まってしまった今、男に戻っても良いのかということだ。」
(オンナの快感…)
奴の言葉に躊躇する僕がいた。
「何はともあれ、今日はココまでだ。今日はその女の家に戻れ。」
「え?」
奴の突然の提案に虚を突かれた。
「な、何で?」
「ここに居たら何かの拍子にその女が覚醒すると面倒だ。それとも、今ここで肉体を返してやろうか?」
「そ、それは拙いよな…」
「女の家で一晩過ごし、その上でそのままその女に成り代わるもよし別の女に憑依するもよし。もう一度俺とヤりたければ、この部屋のドアをノックしてくれ♪」
 
 
 
奴が僕をこの女の家に戻し、交渉を明日に伸ばしたのにはある意図があったようだ。
僕はその意図にまんまと乗せられてしまったようだ。
彼女の記憶を使って彼女の家に戻ってきた。
お腹が空いていたので、冷蔵庫を開きいくつかの食材を取り出し簡単に調理を行い、空腹を満たした。
料理している間にお風呂が沸いていた。
ラブホテルではシャワーを浴びたが、奴の所では何もしないで戻ってきてしまったのだ。
股間にはまだ奴の残滓がこびりついている。
できればナカまでちゃんと洗いたい。
あんな奴の精子で妊娠するなんて最悪だわっ!!
あたしはシャワーを浴び、さっぱりするといつものパジャマを着てベッドに入った。
 
朝、目が覚めるといつも通り朝シャンし、サラダとヨーグルトの朝ごはん、服を着て、お化粧して…
いつもの朝の支度が進んで…いつもって?!
自意識を維持していないと「この女」として勝手に行動してしまうようだ。
この女に成り代わるのであれば便利ではあるが、下手をすると自分自身を失ってしまいそうだ。
「ちょっと待って。落ち着くのよ!!」
あたしは口に出して勝ってな行動を止めさせた。
ベッドに腰を降ろし、心を落ち着かせる。
 
憑依を解く。
もし離れられなくなっていたら…という一抹の不安はあったが、難なく幽体離脱できた。
が、…
見下ろしたベッドの上には脱け殻となった彼女がいた。
(どういう事?なんであたしが…)
あたしは元の肉体に戻ると奴の所に電話を掛けた。
「一晩も憑依を続けてたんで、お前の魂がその肉体をお前自身と認識したんだろうな。」
「よ、良く分からないんだけど…」
「お前はもうその女そのものになってしまったという事だ。多分魂自体もその女と融合してしまっている頃だ。」
 
奴はこうなる事を知っていたのだ。
あたしの魂が彼女のものと融合してしまえば、あたしはもう奴の肉体を返せとは言い出せない…
って、何を返してもらうの?
あたしの肉体は今ここにあるじゃないの!!
奴とは昨日初めて会ったばかりだけど…
思い出せないけど何か弱みを握られて、ラブホテルで…果ては奴の部屋でSEXしてしまったんだ。
奴は変態の鬼畜でしかないのよ!!
確か夕べ帰り際に「もう一度俺とヤりたければ…」などと言ってたけど、金輪際あんな奴と関わることなんてありえないわ。
 
頭では否定していたが、あたしの肉体は昨夜の快感を思い出して、淫らな蜜を滲ませていた…
 

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