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2018年12月12日 (水)

夢の中

長い道を歩いていた。
不思議と疲れることはなかった。
何故なら、ここは夢の中だからだ。
 
現実にはあり得ない「長い道」。
周りには建物はおろか、木の一本も生えてはいない。
平坦な灰色の大地に真っ白な道が一本、真っ直ぐに通っていた。
 
僕はその道の上を、只歩いていた。
「どこまで行くんだ?」
と背後から声を掛けられた。
聴いたことのあるような声だったが、誰の声だったか思い出せない。
僕が立ち止まって振り返ると、
「おうっ!!」
ど彼はぶつかりそうになり、声をあげた。
余りにも近くを歩いていたようで、振り返った僕の目には彼の胸元しか見えなかった。
 
 
彼を見上げた。
その顔を確認できたが、彼が誰かは即には意識できなかった。
「…僕?」
こんな角度で見たことはなかったが、それは鏡に写った僕自身の顔と同じものだった。
 
勿論、僕には双子の兄弟などは存在しない。
双子だったとしても背丈が違いすぎる。
(否。お前が小さくなったんだ♪)
僕の頭の中に彼の声が響く。
へっ…小さくなった?
(見てみるか?)
そう声がすると
グラリッ!!
眩暈がし、視点が替わった。
 
見下ろした先に頭があった。
僕の前に女の子がいた。
多分、この娘がさっきまでの僕だったのだろう。
しかし、それはどうでも良い。
僕は「僕」に戻れたのだ♪
とりあえず一安心できる…
 
(そうはいかないよ♪)
再びあの声が頭の中に響いた。
(単にお前自身を見せてやっただけだ。)
再び眩暈がして目の前が彼の胸にふさがれた。
(どうだい♪今の自分が判ったろ?)
「でも、何で女の子なんだ?」
 
そう声に出した声が、本来の自分の声ではなくオクターブ高い女の子の声なのに気付いた。
「ここは夢の中だと判ってるのだろう?なら、現実にはあり得ない姿になるのが一番なんじゃないか♪」
「何か意味があるのか?」
「さぁな♪その事に意味を与えるのはお前自身なんじゃないか♪」
 
意味不明!!
僕は彼に背を向け道を歩き出した。
「待てよ!!」
背後から掛かる声を無視して足を早めた。
が…今になって、自身の身なりに意識が向いた。
太腿に纏い付く布地の感触…
僕はスカートを穿いていた。
足下は素足にサンダルを履いているようだが、思い切り踵が高くなっていた。
 
履き馴れていないもので足を早めたので、当然のようにバランスを崩す。
「あっ!!」
転びかけた僕を抱き止めてくれる腕があった。
「無理はしない方が良い♪」
そう言って僕を真っ直ぐに立たせてくれた。
「まだ歩き続けるつもりかい?」
勿論だが、僕には歩き続ける理由などある筈もない。
「…まだ、道が続いているから…」
「お前には道しか見えていないものな♪だが、お前が見ようとすれば色々なものが見えてくるぞ。」
「僕が?」
「道の脇には樹が生えている…」
彼の言葉につられて並木道を思い浮かべた。
すると…僕の目の前の道は樹々に覆われていた。
道は森の中を進んでいた。
その中から小鳥の囀りが聴こえてくるようだ。
森の奥には小さな湖があり、その畔に小洒落た洋館が建っている。
道はその洋館に続いている…
 
不意に、目の前に鉄門扉が表れた。
樹々が途切れ、フェンスの内側には綺麗な芝生が広がっていた。
(扉は開けられるよ♪)
その声に門扉に手を伸ばす。
指先が触れただけでスーッと開いていった。
道の右手には湖が細波を浮かべていた。
そして、想像したよりも美しい洋館がそこにあった。
(入って良いんだよ♪)
門扉と同じように、指が触れただけで玄関の扉が開いた。
 
中に入る。
階段を昇り、二階の一部屋に入った。
開いた窓から湖面からの清清しいそよ風が流れ込んできていた。
風が僕の長い黒髪を靡かせる。
「気持ちいい♪」
僕は乱れた髪を掻きあげた。
 
部屋の中央にはベッドが置かれていた。
その上に寝転がる。
柔らかなシーツが心地好い。
(気に入ったかい?)
うん♪
僕は口に出さずに彼に答えた。
 
 
少し涼しくなってきた?
窓に歩み寄り外を見ると、空が夕日に染まっていた。
暗くなり始めた空には星が瞬き出してくる。
「寒くないかい?」
彼の声がして僕の背中に温もりを感じた。
空はすっかり闇に包まれていた。
室内に灯された明かりに暖かさを感じる。
その明かりがふと遮られた。
見上げるとそこに彼の顔があった。
何?
と彼の意図が判らない内に、僕の後頭部が支えられ…
彼の唇が僕の口を塞いでいた。
これってキス?
と意識するより先に、頭がぼーっとしていた。
 
僕は再びベッドの上に横たわっていた。
先程とは違い、着ていた服は全て…下着さえも消え去っていた。
脱がされた訳ではない。
気が付くと何も着ていなかった。
そして彼もまた全裸となっていた。
これから何が始まるのかは明白だった。
怖い?
僕は自らに問い掛けてみた。
答えられる筈もない。
本来「男」である僕が、女として彼に抱かれようとしているのだ。
生まれながらの女であれば、これから成されようとする行為に恐れを抱くのであろうが、僕は何も理解していなかった。
 
彼もまたベッドに上がり、僕に肉体を重ねた。
再びキスをし、そのまま頬に滑り落ちた彼の唇は喉から胸に辿り着いた。
「んあ…っ」
僕は女の子のように喘いでいた。
彼の唇が僕の胸の頂き…乳首を甘噛みしたのだ。
(快感に身を任せても大丈夫だよ。これは夢の中だからね♪)
彼の腰が僕の脚の間に割り込んできた。
彼の尖端が僕の愛液に濡れた股間に触れる…
「挿れるよ♪」
と、彼が僕のナカに入ってきた。
僕は快感に支配され、訳もわからず嬌声をあげ続けていた…
 
 
 
まだ、夜は明けない。
多分、何日も経っている筈なのに…
アタシは彼に抱かれ続けた。
彼のペニスに何度もイかされた。
常に彼の精液がアタシの子宮を満たしている。
勿論、妊娠することはない。
アタシは永遠に快感の中にいる。
だってココは夢の中なのだから♪
 

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