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2018年6月23日 (土)

朝…

彼女は自分が「女」である事をなかなか認めようとはしなかった。
それも当然であると言えよう。
何故ならば、彼女は昨日まではれっきとした男性であったからだ。

「突発性性転換症」
そんな病名など彼女にとっては気休めにもならなかった。
いわゆる「朝おんシンドローム」だ。
一夜のうちに性別が反転し、翌朝起きると変わり果てた自分を見出だすのだ。

端から見ている分には、コロコロと変わる彼女の表情は面白いのだが、本人にとってはそれどころではないのだ!!
「何ニヤついてるんだよっ!!」
と怒る顔もまた愛らしい♪
「諦めましょ♪なってしまった事はもう、どうにもならないのだから。」
「き、気楽に言うなよ!!これは俺の一生を左右する大問題なんだからっ!!」
「大丈夫♪ちゃんと成るようになるから。」
「他人事だと思って…あっ…」

と、ようやく彼女も気が付いたようだ。
丁度一年前に朝おんしたあたしの事を♪
「女の子の先輩として、アンなコトからコンなコトまで手取り足取りオシエテあげますからね♪」
(そう、あんたがあたしにオンナだって事をオシエテくれたようにね♪)

ソレに気づいたのは、もう何年前のことだっただろう。
コレは俺の肉体の一部であることに間違いはなく、今の俺はもうコレなしではいられなかった。

夜…俺はベッドの上にバスタオルを敷くと、全裸でその上に仰向けになる。
枕元に置いた品々を確認すると、俺は脚を開き股間に指を這わせた。
ぺニスの裏側の先にある肉襞を確認した。
排便に供される肛門はまだこの先にある…

俺は肉襞の中央で指先を曲げた。
そのまま押し込んでゆくと、俺の股間からは異物が侵入してくることを伝えてきた。
しばらくは先端だけを挿入し、入り口を揉みほぐす。
そうしていると、孔の奥からジワジワと透明な体液が染みだしてくる。
そう、これは俺の「愛液」だ♪
十分にほぐれたところで枕元に置いていたディルドウを手にする。

以前は携帯用のスプレー缶にスキンを被せて使っていたが、やがて物足りなくなって、通販でコレわを買ってしまった♪
亀頭が孔の中に入り込む。
十分にほぐれ、十分に濡れているので傷みは感じない。
ディルドウを根元まで押し込むと、胎の中にソレがあるのが外からでも判るようだ。
モーターのスイッチを入れる…

「ぁ…」
思わず声が漏れる。
慌てて気を引き締める。
俺はソコの一点以外は全くの「男」なのだ。
胸が膨らんでいるわけでもなく
腰が括れているわけでもなく
股間には逸物が存在し
顔の造りも髪の長さもそのままである。
当然、声もそのままであるから、感じている快感と聴こえてくる声のギャップで興ざめも甚だしい。

だから俺は脳内でのみ声をあげる。
それは当然♪艶かしいオンナの喘ぎ声だ。
(んあん♪ソコ…  もっと激しくぅ~!!)
俺はオンナの声に応じてソレを激しく突き動かす。
俺の内を快感が突き抜けてゆく。
(ああ、イク…イッちゃう~♪)
俺はオンナの快感に身を委ねるのだった…

その日は朝から気分が優れなかった。
下腹部に鈍痛が籠っている。
カレンダーを見て更に憂鬱になる。
(生理か…)
俺はタンポンを取りだしてトイレに向かった。

どうやら孔の奥には女性器の一式が揃っているらしく、毎月律儀にも生理が訪れるのだ。
ソコ以外は至った「男」の肉体であるので、ナプキンを使う事は早々に諦めざるを得なかった。
孔の中にタンポンを挿入に、トランクスを上げ、ズボンを穿いた。
(生理なんか無ければ良いのに…)
とは思うが、来るべきモノが来ないとなると、それはそれで心配になる。
生理があるということは、俺の内にある女性器が正常に機能しているということで…すなわち、妊娠が可能であるということだ。
生まれながらの女性であれば子供を産み育てることは当然と思うだろうし、それを望むのが母性本能というものだろう。

だが…俺が子供を産む?!

俺が男に抱かれ、股間にチンポを突っ込まれ、精液を送り込まれる…
想像したくない!!
(………)

ふと、俺の頭の中を一人の男の顔が過った。
(誰々?)
その顔は俺の記憶にはなかった。
が…
(カレになら抱かれたい♪)
温かな感情がどこからともなくふつふつと沸いてきた。
彼の…男の人の逞しい腕に抱かれていた。
彼に貫かれ、あたしは幸福の絶頂にあった。
あたしのナカが彼の精子に満たされてゆく…

思いもよらない既視感に捕らわれた。
(何だ、これは?)
自分の事を「あたし」と言っていた…まるで女みたいに…
そのイメージの中では、俺は完全に「女」だった。
膨らんだ胸、華奢で綺麗な手足、首に纏い着く長い髪…
(誰だ?この女は!!)

誰…って、あたしは自分の顔も判らなくなったのかしら?
あたしはあたしでしょ?
凄く長い間眠っていたような気がするけど…
「う~ん♪」
あたしは大きく伸びをした。
ヤダ、あたしったら裸のままで寝ていたみたい。
あたしは起き上がると洗面台に向かった。
鏡の中に「あたし」が写っている。
ブラシを取ってボサボサの髪の毛を鋤いていった。

(俺は何をしている?)
鏡に写っているのは誰だ?
俺は!!
俺は…
……

この世界にはあの人はいないようだ…
探し疲れたあたしは部屋に戻るとベッドに横たわった。
彼を想い、あたしは股間に指を這わせた。
愛しい彼の代わりに、あたしは自らの指を孔に挿れた…
「んあんっ♪」
艶かしい声があたしの喉から漏れだしていた…

クローゼットの奥には…

このSSはフィクションであり、医学的な記述を始め、現実とは異なる記載があることをご了承願います。

僕の部屋のクローゼットの奥にはセーラー服が掛かっている。
コスプレ衣装なんかではない。
僕の通っていた高校の正式な女子の制服だ。
実際、僕は高校の最後の数ヶ月はコレを着て通っていたのだ。

発端は夏休み直前の一騒動に閉じ込めった…

「それはセクハラ以外の何物でもないわ!!」
と、生徒会室に一部の女子達が乱入してきたらしい。
槍玉に挙げられたのは秋の文化祭の目玉である「ミスコンテスト」だった。
「女生徒の可愛さ美しさに点数を付け、優劣を競わせるのはセクハラの第一歩に他ならないわ!!」
というのが彼女達の主張だった。
ただ「ミスコン」は文化祭の目玉だったので、簡単に中止という訳にもいかない。
そして、安直にも決められた代替企画が…

「男子ミスコン」
だった。

僕以外の全会一致で僕がクラスの代表に選ばれた。
僕自身の素直で頼まれ事を断れない性格と、クラスのみんなのいい加減さの賜物である。
用意も良く、僕と同じくらいの体格の女子が「冬服」を僕に手渡した。
全員の目が僕に「着替えろ♪」と言っていた。
流石にみんなに注視されている状態で着替えたくはなかったので、近くの空き部屋を使わせてもらった。

「十分十分♪」といい加減な男子達。
「黒タイツすれば脚も誤魔化せるわね♪」と女子からのアドバイスもあった。
が、真面目と言うか、凝り性と言うか…クラスのみんなは「これで問題は解決した♪」と既に夏休みをどう過ごすかとかに頭は切り替わっていたが、僕にはまだ不満が残っていた。
別に僕がミスコンに出されるのが不満なのではない。
ただセーラー服を着ただけではミスコンの意味がないのでは?との思いが膨らんでいった。

家に帰ると僕は「女装」の情報を収集した。
最初は脚を綺麗に見せる方法をチェックしていたが、タックと言う股間の処理を見つけて、これを実践した。
無駄毛の処理も済んでいたので、これなら水着も着れるかも…とスクール水着を買ってきた。
しかし、実際に着てみると平らな胸が気になった。
胸を大きくするにはホルモンしかないと思っていたが、サプリや同様な効果のある食材の情報が手に入った。
まだ夏休みは始まったばかり♪と、僕は胸を膨らませる努力を始めていた。
並行して、健康的な日焼け肌と女の子らしい日焼け跡を作るために、セパレートの水着やキャミソールを着て外に出たりもした。
勿論、外とは言っても庭とかで誰にも見られないように気を配っていた。

僕の努力はやはり文化祭で報われる…事にはならなかった。
そう、僕は「女の子」になりきる事にばかり考えていたためミスコンでの評価は…

それ以上に別の問題が浮上してきた。
そう…夏休みを費やして造り上げた女の子の肉体は一晩や二晩で元に戻る筈もない。
普通にTシャツにワイシャツを着るだけでは乳首が擦れてしまうので、ブラジャーは必須だった。
しかし、ブラジャーをしているのが丸判りの男子は注目を浴びる。
ならばいっそ…
と、男の肉体に戻るまで…とセーラー服を着て学校に通うことになったのだ。
しかし、胸の膨らみは一向に収まらず…否、逆にAカップのブラジャーに収まりきらなくなっていった。

医者に診てもらった時には、既に手遅れの状態となっていた。
タックをし続けていたことで、僕の男性器はその機能を停止してしまっていた。
胸を大きくするために採っていた食材で僕の中に蓄積された女性ホルモンは減る事なく、今もまだ僕の肉体をより女性らしくしようとしていた。
「男には戻れないんですか?」
そう聞くと、
「君の肉体は元々女性ホルモンを受け入れ易い体質だったようだね。ホルモン療法を行ったとしても、あまり効果は期待できないと思われる…」
つまり、男性ホルモンを投与しても僕の肉体が受け入れてくれない可能性が高く、逆に女性ホルモンを使えば僕は普通に「女性」として受け入れられるようになるということだった。
中途半端な「男性」になるよりは、思いきって「女性」として生きるのも良いんじゃないか?とアドバイスされる。
子供を産むことはできないが、それ以外は「女性」として幸せになれるようにもできる…
「君の場合な、ある程度治療が進めば自ら女性ホルモンを生成できるようになれるよ♪」

僕はセーラー服を着て高校の卒業式に出ていた。
誰も違和感を覚えることはなかった。
僕は3年間、このセーラー服を着て過ごしていたような錯覚を感じていた。
学校側の配慮で、僕は女子達に混じって卒業証書を受け取っていた。
もしかすると、誰も僕が「男」だってことを思い出せないのかも知れない…

今、僕の部屋のクローゼットの中には男物の衣服は一つもなかった。
先週、僕に初めての生理があった。勿論、僕の胎の中に子宮があるのではないが、男性を受け入れられるように股間に穿たれた孔の奥から経血のような物が出てきたのだ。
「もう、通院の必要はないよ♪」
と医者は言った。
胎の内に収まった睾丸が変質して一定量の女性ホルモンを生み出せるようななっているという。

僕は鏡を閉じ、化粧道具を終うとパンプスを穿いて外に出ると、カレとの待ち合わせ場所に急いだのだった♪

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