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2018年1月 7日 (日)

雨宿り

突然の雨に慌てて雨宿りの場所を探した。
ぽつりと一軒だけ、庇を広げている店があった。
一気に駆け込んだが、大分濡れてしまった。

冷たい雨水が体温を奪ってゆく。
「くしゅん」
くしゃみが出た。
その音で店の中にいた人が僕に気付いたようだ。
「中に入らない?」
美人のお姉さんが僕を招いた。
「他にお客さんもいないから恥ずかしがることないわよ♪」
ショーウィンドウがなかったので、何の店かはわからなかったが一歩足を踏み入れると、僕はパステルカラーに包まれていた。
恥ずかしさに身動きが取れない。
「奥に乾燥機があるから、脱いでしまって♪」
と上半身が剥ぎ取られた。
「風邪ひくといけないから、これでも着ていて♪」
と白いティーシャツ(?)が渡された。
予想はしていたが、女性用の下着だった。
首回りが広く開いていて、胸のところにパットが付いていた。
「キャミソールなんかよりは違和感ないと思うんだけど?」
「…」

違和感アリアリです…とも言えず、好意を無視することもできず…

「じゃあ、下も脱いじゃって♪さすがに下半身の下着は無理でしょ?これでも巻いといてね。」
とバスタオルが渡された。
しかし、巻いてしまうと…
スカートにしか見えなかった。
元々脛毛が薄いので、裾から覗く脚は女の脚みたいだ。

「首から下だけ見てると女の子ね♪」
余計なことをいう…
「ねぇ、お化粧してみない?」
更に余計な提案をしてくる。
バサリと頭にボブのウィッグが被せられた。
ガラガラと店の中の移動式の鏡を引っ張ってきた。
鏡の中に「女の子」が映っていた。

顔は僕自身なのだが、長い髪と着ているもの…そして膨らんだ胸が「女の子」であると謳っている。
そして、手早く化粧が施されると「僕」の存在はどこにも無くなっていた。
「ねぇ、コレ着てみない?」
と、ヒラヒラのワンピースが目の前に翳された。
拒否する暇もなく、下半身を覆っていたバスタオルが剥ぎ取られる。
頭から被せられて背中のファスナーが引き上げられた。
「可愛いわよ♪」
それが僕自身でなければ、鏡に映った女の子は確かに可愛かった。
僕を見ている大きな瞳に吸い込まれてしまいそうだ。
(この娘となら付き合いたいな♪)

僕の内で妄想が膨らんでゆく…
遊園地でデート♪
夕陽の中の観覧車に並んで座り、沈んでゆく太陽を見ながら、彼女の肩に手を回す。
僕を見ている彼女の瞼がゆっくりと閉じられた。
僕は彼女の唇に自らの唇を触れさせた♪

イルミネーションが静かに瞬いていた。
彼女と手を繋ぎ、街を歩く。
ホテルに入ると、部屋には大きな鏡があった。
鏡には彼女ともう一人?!
そこに映っていたのは「僕」ではなく、お店のお姉さん??

否!!
今は僕が「女の子」なのだ!!
「何をしたかったのかな?」
お姉さんには僕の妄想が見えていたのだろうか?
「この娘とエッチがしたかった?」
お姉さんは僕の背後に回り込み、僕の胸を揉み上げた。
「んあっ…」
感じる筈もないのに、僕は甘い吐息を洩らしていた。
鏡の中で女の子が身じろぎをしている。
「さあ、もっと可愛く啼いちゃいなさい♪」
耳にふっと熱い息が吹き掛けられた。
「ああん♪」
がくがくと膝から下の力が抜けてゆく。
お姉さんに支えられるようにして、ゆっくりと床に横たえられた。

お姉さんの掌が太腿に触れていた。
内股をゆっくりと撫で上げ、ワンピースのスカートの中に滑り込んでゆく。
そして、ショーツの上から僕の股間に掌を押し当てた。

(?!)

そこには本来あるべきものの存在が感じられなかった。
性的に興奮して、硬くなっているはずのものが感じられない。
僕の股間は女の子のように、熱く…濡れ始めていた…

「ん…ああん♪」
敏感なところを弄られて、僕は女の子のように喘いでいた。
お姉さんの指がショーツの中に入り、更にその奥に突き立てられた。
僕のナカでお姉さんの指が蠢いていた。
むず痒いような快感が沸き上がる。
それ以上に、何かが満たされない感じ…
「もっと…」
僕はもっと太くて大きなモノを欲していた?

「なあに?もうコレが欲しくなったのかしら?」
お姉さんが空いている手で僕の手を取った。
その手を彼女の方に引寄せる。
(?!)
そこには硬い膨らみがあった。
そこは丁度彼女の股間…女性の股間には存在しない筈のもの?

お姉さんのたくし上げられたスカートの下で、それはショーツから溢れ出ていた。
禍々しく屹立したモノを目の当たりにして、僕は思考停止状態に陥っていた。
「さあ♪もっと気持ちよくしてあげるわね♪」
僕の穿いていたショーツが剥ぎ取られ、脚が抱え上げられた。
その間にお姉さん(?)が押し入ってくる。
ぬ"ッ…
僕のナカにソレは侵入してきた。
言い様のない感覚に支配された。
「嗚呼♪やはりハジメテの娘は締まりが良いわ♪」
と彼女が動き始めた。
(快感?)
僕には何が何だか理解も追い付かなかった。

「ああん、あ~ん♪」
いつしか、僕は女の子の淫声をあげていた。
快感がどんどんと高まってゆく。
「いくよ♪」
その声と共に僕のナカにお姉さんの精が勢いよく放たれた。
一気に、快感の頂の更に上に放り上げられた。
頭の中がまっ白に染まる。
これが「イク」ということは後で知った…

「服、乾いたようだね。」
お姉さんが僕から離れていった。
とうに雨は止んでいたようだ。
「じゃあ元気でね♪」
と僕を残して出て行こうとしている。
お姉さんが着ていたのは「僕」の着ていた服だった。
「えっ??」
僕には何が何だかわからなかった。
「今日からこの店は君のものだということだよ♪」
そう言って振り返ったのは「お姉さん」ではなく「僕」だった。

「待って!!」
慌てて立ち上りドアに走ったが 、ドアは目の前で閉じられていた。
次の瞬間、窓の外が光輝いた。
そして、輝きが落ち着いた窓には、これまでとは違う景色が映っていた。
ドアを開けると窓の外と同じ景色が続いていた。
道路には、あれだけ降っていた雨の痕跡もなかった…

「信じられる?こんな話♪」
あたしは目の前で可愛い女の子に変身した青年に聞いてみた。
「つまり、次はボクの番だということなんだね?お姉さんはボクになり、男に戻れるんだ♪」
その言葉にあたしの中で躊躇いが生れた。
(あたしが…男に戻る?)
あたしの股間では「男」が復活していた。
あたしは…

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