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2018年1月 7日 (日)

竜騎士

戦竜が空を駆け抜けて行った…

少年の頃の淡い思い出を払い落として、俺は現実に向き直った。
今は竜騎士となるための最終試験の最中なのだ!!
俺は目の前の岩肌に次の手懸りを探した。

最終試験の課題は「自らの騎竜を捕まえること」だった。
最終試験に残った五人は各々自分と相性の良い竜が棲息すると言われる山に向かった。
多分、俺の向かった先が最も奥まった場所にある筈だ。
ケンは戦闘力の高い赤竜を
ジョーは飛翔力の高い青竜を
ダンは堅牢で力の強い黒竜を
ジンは敏捷で頭の良い黄竜を
そして俺は幻術を持つ白竜を
追って山に入っていった。

峰を越えると、眼下には白竜の棲みかがある…筈なのだが、俺の目には他と変わらない荒涼とした岩肌が続いていた。
勿論、竜の一体も見掛けることはできなかった。
(情報が間違っていたのか?)
不安に駈られたが、俺は峰を越えて岩壁を慎重に降りて行った。

突然「キィーッ!!」と竜が警戒の叫びをあげた。
(近くには一体も居なかった筈なのに…)
気配も感じさせなかった竜が間近にいる?
振り向くと、一瞬で風景が変わった。
数メートル下に見えていた岩棚は姿を消し、足下には千尋の谷が続いていた。
(これは竜の幻術か?)
しかし、俺は諦めて戻る訳にはいかなかった。
(谷が続いていたとしても降りきれば再び昇って行ける。)
俺は再び降り始めた。

足の裏に岩棚を感じた。
強度を確認したのち、全体重を預けた。
再び景色が変わった。
「あんたは竜騎士か?」
目の前に白竜がいた。
「俺はここで騎竜を得て、竜騎士となる。」
「それは残念ね。ここにはあたししかいないのよ♪」
「ならばお前が俺の騎竜とならないか?」
「そうね、あんたが耐えられるのなら考えてあげても良いわね♪」
「ならば耐えてみせる!!」
「その覚悟があるのならば、あたしの背に跨がり、逆鱗に触れなさい。」

俺は白竜の背に跨がり、逆鱗に触れた。
雷に射抜かれたかのような衝撃に襲われる。
霞む意識を必死で押し止める。
(これを耐えられれば、この白竜は俺の騎竜となるのだ!!)
竜にしがみつく握力が低下してゆく。
内臓が掻き回される。
骨が軋み、皮膚が波打つ。
見る間に体毛が抜け落ち、肌が白く変色してゆく。
髪の毛が異様に伸び、首筋に纏いつく。
痛みにあげたあたしの叫び声が、山々に谺していった。

気が付くと竜は空を舞っていた。
「姿はあたしの竜騎士として申し分ないようになったわね♪あとはあなたがそれに耐えられるかというだけね。」
「まだ何か耐えなければならないものがあるの?」
「あなたは自分の姿が変わったことに気が付いていて?何か違和感を感じてないかしら?」
「違和感?結構快適な気分よ♪」
「なら聞くわ♪あなたは男性?それとも女性?」
「ばか言わないでよ。あたしは男に決まってるじゃない♪」
そう言って、あたしは…
(あたし?!)
いつの間にかあたしの一人称が「あたし」に変わっている!!
ついさっきまでは自分のことを「俺」と言っていた筈…

あの痛みの後。

あの痛みはあたしの姿を造り変えるものだった。
今のあたしの胸には、当然のように双つの膨らみがあった。
長い髪が風に靡く。
細くて白い腕とむっちりと官能的な太股で白竜にしがみついていた。

しかし、不思議と違和感はなかった。

「今のあたしは女のようね。」
あたしがそう言うと
「受け入れることが出来るようね。あなたなら良いパートナーになれそうね♪」
白竜は力強く羽ばたき、更に高度を上げた。
「キャッ!!」
と叫んだが、それも一瞬のこと
即に落ち着きを取り戻し、余裕で眼下を眺めることができた。
長い髪が風に靡くのが心地好い。

白竜は山を離れ、王都に向かっていた。
そして、その行く手に4色の竜が昇ってきた。
あたしには即にそれがケン、ジョー、ダン、ジンの四人とその騎竜だとわかった。
が、彼等ははたしてあたしをあたしだと認識してくれるだろうか?
「それは問題ないわ。あたしの幻術で元の姿と誤認させることなど簡単なことよ♪」
「大丈夫?仮にも彼等も竜騎士となったのよ。」
「闘いの最中ならともかく、平時に見破られるようなヤワな幻術ではないってこと♪」
「ならいいんだけど…」
あたし達は彼等と合流すると、編隊を組んで王都の上空を示威飛行していった。

五人は常に行動を共にすることになっていた。
宿舎も五人の相部屋であり、食事も共にする。
そして…
風呂も一緒に入るのだ!!

彼等にはあたしが「男」に見えているのだが、あたしはあたしの裸体を異性の前に晒していることを意識せずにはいられない。
そして…
あたしは異性の明け透けな裸体を目の当たりにさせられる。
それが、つい数時間前までの自分自身がそうであったと理解していてもだ!!

彼等の股間にぶら下がる逸物に、どうしても視線が行ってしまう。
「どうした?」
と聞いてくる彼等の股間が禍禍しく勃起してゆく。
彼等は本能的にあたしが「女」であることを嗅ぎ分けているのだろうか?
しかし、それ以上にあたしの「オンナ」の肉体が「男」に反応していた。
股間からたらたらと蜜が落ちてゆく。
子宮が疼いていた。
彼等の前に跪き、逸物に触れたい…それを咥え、しゃぶりあげ、吸い付いていたい衝動が沸き上がる。
その場に仰向けに転がるから、あたしの膣の中をその凶器で掻き回してっ!!

「大丈夫か?」
ダンがあたしの肩に手を掛けた。
「んぁっ♪」
触れられたところから痺れたような快感が波紋のように全身を震わす。
脚から力が抜け落ち、お尻がぺたりと床に付く。
(目の前にダンのが…)
オトコの芳香があたしを包み、あたしはそのまま意識を失っていた。

気が付くと、あたしは独り部屋のベッドに寝かされていた。
カチャリと音がした。
「起きていたのか?」
ドアを開けて入ってきたのはジョーだった。
「ごめん。迷惑掛けたみたいね。」
「迷惑なんて…俺達はチームじゃないか♪」
「そう言ってくれると気が楽だわ。」
「そう、俺達はチームだ。皆は一人の為に、一人は皆の為に…」
ジョーの目が血走っていた。
「ジョー?!」
「お前を見ていると何故かムラムラとしてくる。お前が男だとわかってても…」
とベッドの上に乗り上げてきた。

「そこまでだ。ジョー!!」
別の声が響いた。
ジンの声にジョーの動きが止まった。
ジンの後ろにはケンとダンもいた。
「僕も気が付くのが遅れてしまった。過去、数少ない牝竜の竜騎士の全てが女性だったのだ。
女性の竜騎士も数は少ないがそれなりの人数はいる。だが牝竜を騎竜としている例は更に少ない。
が、牝竜の竜騎士が女性ばかりであるのは単なる相性の問題だとばかり思っていた。が、騎竜を得た後の君の言動を見て確信した。
女性だけが牝竜の竜騎士になれた訳ではない。牝竜の竜騎士となった男は男ではなくなる…
その結果、牝竜の竜騎士は女性だけとなるのだ!!」
「女?」
「白竜の幻術で見た目は元の姿に変えているのだろう。騎竜と意識を合わせれば本来の姿が見えてくる。」
ジンの言葉に皆が意識を凝らす。
「本当だ。」
「それにしてもエライ別嬪じゃないか♪」
「姿は誤魔化せても、女の色香が漏れ出ていたんだ。いち早くにジョーが反応したようだ。」
「で?この先、どう対処すれば良い♪」
「今更彼…彼女をチームから外す訳にも行かないだろう。僕ら以外には女になったことはわからないのだから。」
「しかし、いつ誰かが今回のジョーのような行動に出ないとも限らないぞ。」
「そこはそれ♪慣れの問題だよ。」
「「慣れ??」」
あたしを含めジン以外の皆が異口同音に声をあげていた。

「あん♪ああん!!」
あたしは皆の前で淫声をあげていた。
今日の相手はケンだった。
あたしが「女」を抑えることで蓄積された色香を放出させるとともに、皆にも色香に慣れてもらうことができる。
白竜の能力であたしの妊娠をコントロールできるので、皆も他の女に手を出すことなく、安心して性処理ができる。
あたしはあたしで心置きなく「女」を解放する♪
「ああ、そこ♪イク…イッちゃう~~!!」
あたし達しかいない風呂場に、嬌声が響き渡った…

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