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2017年10月21日 (土)

夫婦交換

「お前のカミさんも了解してるんだ。良いだろ?」
と話を持ち掛けてきたのはカミさんの友人の旦那だった。

彼が持ってきたのは、夫婦を交換してマンネリ化したSEXに新鮮さを取り戻してはどうか?というものだった。
この男とはあまり面識はないのだが、妻同士は高校・大学の同級生で卒業後も「大の仲良し」といって頻繁に交流していた。
「妻が良いと言うのなら…」
と俺が同意したことで、俺達四人はホテルの一室に集合した。

「じゃあ先ずコレに♪」
男が取り出したのは掌サイズのY字の物体だった。
先端に皿状のくぼみがあり、妻とその友人が各々針で指を指して滲み出た血を皿に乗せた。
「ほら♪あなたも。」
と促され、俺も浮き出た血を残った一ヵ所の皿に乗せた。
「じゃあ行くぞ♪」
と男が言うと、Y字状の物体がクルクルと回り始めた。
美しく輝くそれに俺の視線は釘付けになった。
そして、意識も持っていかれ…

俺は意識を失っていた。

「大丈夫か?」
男の声がした。
俺はベッドに寝かされていた。
「済まない。迷惑を掛けてしまって…」
と出てきた声は「俺」の声ではなかった。
そして、寝ている肉体にも違和感がある!!
「お前のカミさんは隣の部屋でよろしくやっているぜ♪」
彼が身体をずらすとテレビの画面が見えた。
男女の情交の真っ最中を映していた。
「お互いにヤッているところを映しているんだ♪」
そこには奴のカミさんと、その股間にむしゃぶり付いている…
「俺」が映っていた。

「ウチのが男になつて自分自身とヤッてみたいって言ったんだ♪」
「つまり、あの俺はあんたのカミさんなのか?」
「そう♪ウチのにはお前のカミさんが入っていて、お前はお前のカミさんの中にいるって訳だ♪」
そこまでは理解した。
だが、何でこの男は全裸なのか?
そして、俺もまた服を脱がされているようだ。
…薄々は、この先何が行われるかは想像がついたが…
「お前の意識が回復するのを待っていたんだ。そろそろ俺達も始めないか?」
と奴が俺の上に伸し掛かってきた。
「俺はカミさんと違って、中身は問題にならない。そこにオンナの肉体があれば悦んで犯るだけだ♪」

待てっ!!心の準備が…
と制止する隙もなく、乳首の先端を舐めあげられた。
「ひゃうっ…」
思わず声が出てしまう。
心の準備が出来ていようがいまいが、俺が女として犯られるなどとは…
「んむ…」
口が塞がれた。
突然酸素が断たれて頭がボーッとしてくる。
逃れようと身を捩ると、その隙に脚の間に奴が割り込んでいた。
股間に触れてきたのが、奴のペニスであることは容易に想像がついた。
「先ずは一気にイこうか♪」
奴は上体を起こし、俺が暴れないように脚を抱えこんだ。

ぬっ!!

広げられた股間の中心に突っ込まれた。
男には存在しない空洞に、異物が填まり込んできた。
「良い感じに締めつけてくれる♪じゃあイきますか?」
男が腰を動かした。
俺の股間から愛液が溢れ、クチュクチュと卑しい音を発している。
「あっ、ああん!!」
突然の快感が脳を貫き、俺はオンナの嬌声をあげていた。
「女はみんなおんなじだ。こうしてやれば必ず淫声をあげる♪」
同じ場所を刺激され、俺は再び嬌声をあげていた。
「中身はどうであろうと、女は女なんだ。そうは思わないか?」
奴はそう言うが、続け様に打ち付けられる快感に、何も考えられなくなっていた。
奴が動く度に快感の高みに押し上げられる。
「ああん、ああん!!」
自分でも何と叫んでいるのかわからなくなっていた。
「そろそろイきそうか?」
奴がそう言う
イく?
俺はオンナとしてイこうとしているのか?
この先にソレがあるのか?
「イくの?イっちゃうの?」
そうだ。あと少しで俺はイってしまうのだ。
そう…あと少し…
「ああん、イくから…あと少し…もっと奥まで♪」
彼の先端が子宮口に届いた。
「ソコ♪来て!!」
「そら、いくぞ♪」
膣の中で彼のペニスが膨らみ、何が勢いよく放出された。
「ああん、イく、イく、イっちゃう~~!!」
俺は叫び声をあげると同時に意識を失っていた。

「「ソコ♪来て!!」だって♪」
「やはり意識は肉体に引っ張られるのかしら?」
「可愛かったわよ♪あ・な・た♪」
奴のカミさんと「俺」が俺を覗き込んでいた。
「ち、違う!!あれは…」
「あたしの身体だもの。どうなってたかは解ってるわ♪」
と、中身が俺のカミさんの奴のカミさん。
「終わったなら早く元に戻せよ!!」
俺がそう言うと、三人は顔を見合せクスクスと笑う。
「残念だけど、今度は俺のカミさんになつてもらう。自分の肉体に戻れるのはその後になる。」

再びY字状の物体が回った。

「もう一度彼に抱いてもらう?それとも自分自身に抱かれたい?」
「俺」の肉体に入ったカミさんが妖しく微笑んでいた…

ドレスコード

「すみませんが、そのお召し物では入店できません。」
ゼミの帰りに先輩が食事をしないか?と連れてきてくれた店はかなり格式があるみたいだ。
「是非とも君にこの店の料理を味わってもらいたかったんだがな♪」
「すみません…」
と、俺は自分の着ているヨレヨレのトレーナーとジーンズに目を落とした。

「君さえ良ければ着替えてもらいたいんだが?」
「着替えが用意されているんですか?」
「こんなこともあるかもとね♪僕は先に席に着いているから…でも、急がなくても良いからね♪」
俺はボーイに連れられて脇の入り口から別室に入った。
そこはもう更衣室となっていて、大きな姿見が備えられていた。
「先ずは脱いで下さい。」
着替えるために来たのだから、当然ではあるが…
「独りでできますよ。」
どうしても見られているという恥ずかしさに言わずにいられなかった。
「お着替えにはサポートが必要です。」
と動じる事もない。
仕方なく、トレーナーとジーンズを脱いで手渡した。
「下着もです。」
と続けられた。
先輩には悪いが(帰る!!)と言おうとするが、脱いだ服はどこかに仕舞われてしまっていた。
「お帰りまでに洗濯しておきます。が、今お帰りになるのでしたらそのままと言うことになります。」
諦めて下着も渡すと同様に仕舞われて、替わりのものが渡された。
「って、女物じゃないか?これは!!」
「よろしいのですよ、そのまま帰られても。」
俺に選択肢はなかった。
女物の下着の次には、きらびやかなドレスが出てきた。
彼の「サポート」でなんとか着込むと、次に化粧をさせられた。
勿論、自分でできる筈もないので、もっぱら彼に任せきりだった。
イヤリング、ネックレスなどの装飾品もつけられ、踵の高いサワダルを履かされて、ようやく先輩のところに案内された。

「どういう事ですか?」
なるべく小声で先輩に聞いた。
「僕もこうなるとは思ってなかったんだ。ても、回りを見て御覧。男女のカップルしかいないだろ?」
言われて見渡してみた。
確かに、盛装したカップルばかりだった。
「けど、君はここにいる誰よりも綺麗だよ♪」
「そういうのは彼女に言ってあげて下さい。」
そう言ってボーイに促されて先輩の向い側の席に座った。

出てきた料理はどれも美味しかったが、借り物のドレスを汚さないようにとか、唇に塗られた口紅の味が混ざったりとかで、本来の美味しさではなかったと思う。
一通りの料理が終わるとバーコーナーに移動した。
「この状況でアルコールはちょっと…」
と言うと
「残念。酔いつぶしてベッドに押し倒そうと思ってたのに♪」
「先輩?俺が男だってこと忘れてませんか?」
「じゃあ、君が女だったら抱かせてくれるんだね?」
「んもう♪完全によっぱらっちゃってますね。」
「僕は君を抱きたい。君は女になったら抱かれても良い。そういうことだね?」
「はいはい♪これ以上変な事を言ってるなら置いて帰りますよ。」
「君の了解は得られた。じゃあベッドに行こう♪」
と先輩は俺の手を引き、店を出ようとする。
(お、俺の服…)
俺はドレス姿のまま、タクシーに乗せられていた。

近くで一番(高さも値段も)高いホテルの多分最上階の部屋に入っていた。
申し分ない夜景ではあるが、先輩は俺を抱く気が満々である。
「先輩?俺は男なんですよ!!」
そう言うと
「良いから♪服を脱いでみろ!!」
「でもコレ、独りじゃ脱げないんですよ。手伝って下さい。」

と、ドレスが脱がされ下着姿になった。
ドレスのラインを綺麗に魅せるため…と、ブラのカップに詰め物をしていたのだが…
確か、詰め物はぶよぶよした袋状のものだったと記憶していた。が、今はピタリと肌に密着して境目もわからない。
まるで本物の乳房のよう…
「ブラも外そうか♪」
と背中のホックが外された。
…乳房は落ちることなく、俺の胸に存在し続けている?
「ぁっ…」
後ろから先輩が抱き締め、俺の胸を揉み上げた。
…そう…
俺は揉み上げる先輩の指をその胸…乳房で感じていた。
(造り物なのに?)

「ちゃんと感じているね♪じゃあ、下はどうかな?」
と先輩の手が胸から腹の上をくだり、ショーツの中に入っていった。
先輩の指が胯間の中心に這い進む。
そこには何の障害物もなく、深く刻まれた縦溝の中に填まった。
「何だい?もう濡らしてるのかな?これでも女じゃないって言うのかい♪」
先輩の指がある筈のない隙間に挟まっていた。
そこには湿り気があり、それが俺の股間から湧き出てきたものであることは否定できなかった。
「ああん♪」
その指が敏感なところに触れ、俺は思わず女のように喘ぎ声を発していた。

「約束だよ♪」
「約束?」
「君は自分が女なら僕に抱かれても良いって♪」
確かにそんな話はしていたが…
俺は先輩に抱えられ、ベッドに運ばれた。
下着も全て外され、全裸になっていた。
その上に先輩が伸し掛かってくる…

開かれた股間に先輩が割り込んできた。
(?!)
下腹部に異物が侵入してきた。
それが先輩の硬く勃起したペニスであることは容易に想像がついた。
しかし、侵入してきた場所は…
男には存在しない侵入口が存在していた。
しっとりと濡れた肉壁が先輩を圧し包む。
先輩が動くと肉襞が刺激される。
俺は快感に喘ぎ、どんどん高みへと昇って行った…

自分でも、何と叫んでいるのか意識できなかった。
快感に頭の中が白く染め上げられてゆく。
「行くぞ♪」
と先輩。
膣の中で先輩が膨らみ、爆発した!!
俺は一気に快感の頂点に放り投げられ…意識を失っていた。

シャワーを浴びて快感の跡の汚れを洗い流した。
「店から服が届いてるけど、何を着る?」
そこにはクリーニングの終わった俺の服の他に幾つかの服が用意されていた。
俺が手にしたのは、花柄の…

無題

…彼の逞しい腕に抱かれ、アンアンと女のように喘いでみたい♪

そんなことを思わず思ってしまうような漢(オトコ)に遭遇した経験はないだろうか?
彼になら悦んで股間を開いてしまう…出来れば菊口ではなく、その手前に偽物でもよいから肉洞を穿ち迎え入れたい♪
そんなことを考えて、股間を濡らしてしまった経験はないだろうか?

別にホモとか性同一性障害とかいったものではなくとも、自分を遥かに上回る男性性を前にしては、一瞬でも自分が男であることを忘れてしまうことがないとは言えないだろう…
どんな男にも少なからず女性性を持ち合せている。
赤ン坊を見て、心が安らぐのも自分の中の女性性…母性の発現と言えないことはない。
全ては相対的なものである。
自らの女性性の発露は別に恥ずかしいことではない。

そう…恥ずかしいことではないのだ!!
彼の前に跪き、その股間に頬を擦り寄せる。
ズボンの生地の向こう側で、彼のペニスが硬く勃起しているのがわかる。
チャックを降ろすと勢いよく飛び出してくる。
それは軟弱に垂れ下がるようなことはない。
亀頭から独特の匂いが放たれている。
充分に薫りを堪能すると、おもむろに口の中に咥え込む。
一所懸命ご奉仕すれば、白濁の甘露がご褒美にもらえる♪

それがきにいられれば、お姫様抱っこでベッドに運ばれる♪
勃起した乳首を弄られただけで、股間は愛液の洪水に見舞われる。
彼が伸し掛かってくる。
腰が重なる。
脚が抱えられ、ズイと彼が侵入してきた♪
「あん♪ああ~~ん!!」
オンナの喚声が喉を吐いて零れ落ちる…

そんな漢(オトコ)に出合えることを夢見て、今日も自分のカラダを磨きあげてゆく♪

感じる…

太陽が西に傾き始めていた。
間もなく雲が紅く染め上げられてゆく。
俺はいそぎ足で街道を次の街に向かっていた。

何とか陽が落ちる前に街の中に転がり込むことができた。
腹は空いていたが、酒保より先にベッドの確保である。
酒場に上階に泊まれる部屋のある店もあるのだが、この身体になってからは、単独の宿屋を選ぶことにしている。

そうだ…この身体は俺本来の肉体ではない。
換魂の呪詛により、別人の肉体に封じ込められているのだ!!
俺は俺本来の身体に戻るべく、「俺」の肉体を探して旅をしていた。
幸いなことに、この身体は「俺」の肉体のある方向を感じることができた。
距離まではわからないが、それでもまったくの手掛かりなしよりは格段に役にたつ。
ただ、それを知るための方法が、今もって俺の許せるものではなかった。

それは、俺の…この身体がイッた時に天恵のようにもたらされるのだ。
イク…すなわち、俺のこの「女」の肉体を性的に高め、絶頂に押し上げてやらなければならないのだ。
『自分でやっても良いが、男にシてもらった方が手っ取り早いぞ♪』
俺に呪詛を掛けた奴はそうも言っていた。
…誰が男なんかに抱かれるかっ!!
とは言っているが、慣れぬ女の身体に戸惑っていた頃は男の腕力に逆らえず犯され…
はからずもイッてしまったこともあった。
酒場の部屋ではなく、ちゃんとした宿屋に泊まるのには男に乱入されないためもある。
が、それ以上に防音がしっかりしているので、多少の淫声なら外に漏れることがないのだ。

食事を済ませて宿に戻ってくる。
防具を外して女のやわ肌を露出させてゆく。
この身体になった当初はそれだけで興奮したものだ。
勿論、男として女の裸体に興奮するのだが、その肉体は女の身体である。
硬く反応してくれるモノは存在しない。
代わりに俺の股間からはタラタラと雫が落ちてゆくのだった。

今ではそう簡単には濡れることはない。が、本物の女のように、乳を揉んだりして昂らせてやらなければならないのも面倒ではある。
自分でやるのが面倒であれば、誰かにやってもらえば良い。
酒場の男達に声を掛ければ、こぞって集まってくるのは間違いない。
が、俺は男に抱かれるつもりはない!!
仕方なく、自分自身で自らを昂らせる。

「んあん。ああ~ん♪」
感じ始めると自然と淫声が漏れてくる。
甘い快感に浸っていると、ついつい本来の目的を忘れオンナの快感を追い求めてしまう♪
クチュクチュと卑しい音をたてる蜜壺に、自らの指ではなく逞しい男の逸物を挿入したら…
と、ついつい思ってしまうのを振り切り、自らの快感にのみ集中する。
「ああっ、ああっ、ああ~~ん♪」
俺自身、どんな艶っぽい淫声をあげているかなど意識することはできていない。
快感の頂のみを追い求めてゆく。

気だるさと共に意識を回復すると同時に、「俺」の肉体の方角に変わりがないことを確認した。

(後日談)
「三角測量って知らなかったのか?」
あたしを抱いていた男がそう言った。
肉体探しに疲れ、オンナの快感に染められたあたしは「女」として活きることを選択してしまっていた。
かなり長い付き合いとなった彼にあたしの過去を打ち明けると、彼がそんなことを言った。
「三角測量?」
「方角は判るのだろう?その直線から充分に離れた場所から目的の方角を計測すると三角形ができる。これでおおよその距離を求めることができるんだ。」

次の日、あたし達はこれまでの街道から脇道に逸れ、大きく迂回してみることにした。
「どうだい?」
達した後、彼が聞いてきた。
「変わらないみたい。」
とあたし。

結論としては「俺」の肉体は遥か彼方にあるか、そもそも肉体の方角がわかるというのがまやかしか、ということになった。
「別にもう気にしてないわ。」
とあたしは言った。
今、あたしの隣にあたしを愛してくれている彼がいる…
あたしにはそれで充分だった♪

テロ

「うあーーーっ!!」
叫んではいたが、それは音として耳に届いては来なかった。

俺はひたすら墜ち続けていた。
そこが何処なのかなど、記憶になかった。
底までどれくらいあるのか、知る由もなかった。
俺は暗闇の中を、ひたすら墜ち続けていた。

「おい、起きろ!!」
声が聞こえ、覚醒した。
夢を見ていたようだ。
俺は声を掛けてきた盟友を見上げた。
「変な声を上げるな。それにそろそろ時間だ。」
どうやら夢の中で発した叫びは現実でも発せられていたようだ。

「時間」とは俺たちが行動を開始する時間だ。
他の仲間達と綿密な計画の上で決められている。
所謂テロ行為である。
腐敗した現体制を覆すには、正攻法ではどうにもならないという結論に達したのだ。
とはいえ、下っ端の俺たちに廻ってくるのは、政庁やマスメディアなどの主要拠点ではない。
陽動工作である。
華々しい演出が期待され、奴等の目をこちらに引き付けている間に本隊が拠点を攻略するのだ。

「準備は良いか?」
「ああ…」
俺は声を掛けてきた盟友に気の無い返事をする。
怪しまれないようにするというのは解るのだが…
(何で俺が幼稚園児で奴が母親役なんだ!!)
別に俺が母親役をやりたい訳ではない。
俺が女の子の園服を着て奴を「ママ♪」と呼ばなければならないのが腹立たしい。
と小さくなった身体で奴を見上げた。
スタイルの良い女体にピシッとしたスーツを纏い、髪を結い上げ、化粧も決めている。
「ちょっと化粧が濃すぎないか?」
「良いのよ、このくらいで。それより、チーちゃんも言葉遣いに気をつけなさいね。」
つまり、これから先は女児を演じろということ…
「は~い。」
と返事をして、俺たちは近くの目的地に向かった。

「もっと速く歩けないの?」
想定はできた筈だった。
女児の足では成人男性と同じスピードは出せないのだ。
克てて、俺たちは元々速めに歩く。
それを基準にスケジュールを立ててしまっていたのだ。
かといって、遅れを取り戻す為に真剣に走っては変身した意味もない。
それに、奴もタイトスカートに踵の高い靴を履いている。
まともに走れるとは思えない。
「無理に決まっでてるでしょ。」
女児らしく拗ねたように立ち止まる。
「あのね、チーちゃん。あたしたちにはやらなくてはならないことがあるのよ。解ってるでしょ?」
奴も母親らしく、俺の前にしゃがんだ。
「間に合わなくちゃ意味ないんでしょ?」
俺が言った直後、街中に時刻を告げる鐘の音が響いてきた。
「間に合わせる!!」
奴は素に戻り、俺の鞄を奪い、靴を脱ぎ、スカートが捲れ上がるのも無視して走り出した。
走りながら起爆装置を取り付けているようだ。
周囲の状況は目に入っていないのだろう。
皆が自ら避けてくれるのを幸いに、一気に駆け抜けていった。

そして、目的地が目と鼻の先まできた。
パン、パン!!
銃声が響いた。
奴の向かった方から女の悲鳴がした。
ピッピッと警官が人々を誘導し始めた。
この場に止まっている訳にもいかない。
俺は隠れ家に戻っていった。
が…
(この先、俺はどうすれば良いのだろうか?)

まずは元の姿に戻ることだ。
こんな子供の姿では思うように行動できない。
確か冷蔵庫に変身した時の薬を入れておいた…
(あった♪)
俺はそこに入っていた瓶を手に取り、蓋を開け、一気に飲み込んだ。

全身が波打つように震える。
(来た♪)
それはこの肉体に変身した時と同じだった。
違うのは今の俺が子供だということと…
(ヤバイ!!)
前回は全裸になってから薬を飲んだのだ。
肉体の変化に服が対応できないからと奴は言っていた。
全身に傷みが走り、ミシミシ、ビリビリと音がする。
女児の衣服に押し込められた成人の肉体が、その服を散り散りの布片に切り裂いていた。
まあ、二度と着ることはないので問題はない。
と、元に戻った身体を…
(?!)
な…なんだ?これは!!

俺の肉体は大人には戻ったが、それは本来の「俺」の姿ではなかった。
強いて言えば、あの女児がそのまま大人になった?
よく見ると瓶には数字が書いてあった。
今、俺が飲んだのには18。
最初のに飲んだのには6。
盟友のには30。
冷蔵庫に残っているのにはそれぞれ54、78とあった。
多分、この女の年令なのだろう。
どの瓶を飲んでも同じ遺伝子情報なのだろう。
つまりここでは元に戻れないということだ。
俺は盟友が用意していた女の服を着て隠れ家を後にした。

街中には警官が彷徨いていた。
射殺された女テロリストと一緒にいた女児を探しているようだ。
当然ではあるが、俺とすれ違っても警官が反応することはない。
俺は地下鉄に乗った。
車内ではテレビが各地で同時発生したテロについて報道していた。
テロはそのどれもが未然に防がれていた。
時間を置かずに本部も突き止められるに違いない。
(これでは本部に戻る訳にもいかないな…)
茫然自失となった。
ドアの窓に女の子の顔が写っている。
これが「俺」なのだ…
(当分はこのままか?それとも一生か?)

駅に止まる度に人が乗ってくる。
満員になり身動きが取れなくなった。
(?)
背後から俺の尻に触れていた何者かの手が、意識的に動いていた。
(何で俺なんかの尻を?)
と思ったが、今の俺が女の子であることに思い至った。
痴漢だ。
が、騒いだところでどうなるというのか?
逆に、警察に介入されると不味いのではないか?
別に本物の女の子ではないので、屈辱を感じることもない。
が、放置している間にも、手の動きはエスカレートしていった。
スカートの中に入り込み、直接俺の肌に触れてきた。
前方に回り込み、ショーツの上から股間に触れてくる。
(ァッ…)
股間の割れ目に指が食い込んできたと思うと、感電したように快感が身体の中を貫いていった。
(俺が女として感じている?)
指先の与えてくる刺激が、快感となって俺を苛んでゆく。
ジワッと股間が濡れ始める。
ガクガクと膝が笑い、立っているのが辛くなる。
(?)
俺の腰に腕が巻かれ、支えてくれた。
更に腕は俺を、俺の背後の人物と密着させる。
腰の辺りに何か硬いモノが当たる。
それが男のペニスであることは容易に想像がついた。

徐々に俺の身体が持ち上げられた。
既に自分の足では立っていられなかった俺は、されるがままになっていた。
ショーツの隙間から指が差し込まれる。
男には存在しない股間に穿たれた肉孔に入り込んでくる。
「んぁ、ぁあっ…」
襲ってくる快感に、俺は媚声をあげていた…

俺は本部にも、どこかの支部にも向かうことはなかった。
体制の腐敗など、もうどうでもよくなっていた。
金のありそうな男に声を掛ければ、ふかふかのベッドが約束される。
快感と小遣いも手に入る。
警察に捕まらないようにするのだけは変わらないが、こんな人生もアリかと思う。

な、何だこの女は?
泥棒猫って俺のことか?
何包丁なんか取り出して…

お…俺は死ぬのか?
床の上に広がっている赤いのは、俺の血か?
ああ…意識が遠くなってゆく…
俺は、薄れる意識の中で54と書かれた瓶を手にして…

警官がその部屋に踏み入れた時には、広がった血の海だけが残っているだけだった。

婚姻

リーン、ゴーーン…
教会の鐘が鳴っていた。
俺と姫様の結婚式の始まりの合図だった。

今、この現実に至ってさえ、何故俺が姫様の結婚相手に選ばれたのか理由がわかっていない。
単に元近衛隊の隊長だったという訳でもないであろう。
まあ、家柄もかろうじてではあるがそれなりのものではある。
少々適齢期を過ぎられている姫様には、年若い俺の方が気が楽なのであろうか?

祭壇の前で待っていると、扉が開き、純白のドレスに包まれた姫様が、凛として歩み寄ってきた。
式が進む。
当然のことではあるが、主役は姫様であり、俺は添えものでしかなかった。

この結婚話が立ち上がって、実際にはまだひと月も経ってはいなかった。
その一週間前に、俺は近衛隊を辞めさせられていた。
正義感が強めの俺には宮廷周辺の様々な澱みはどうにも気に懸かり、微力ながら少しづつだがこれを正してきた。
それが気に入らない勢力があることはわかってはいた。
が一方で俺を守ろうとする力も働いていた。
それが姫様の意向であったことを知るまでに、そう時間は掛からなかった。

「死が二人を別つまで、互いに添い遂げることを誓うか?」
司祭の言葉に俺はしっかりと「はい」と答えた。
そういえば、昨夜も同じことを問われた。
地下に掘られた洞穴に祀られた祭壇は、正教会のものとはまったく異質のものであった。
床に描かれた円形の紋様の中心に立たされ、司祭のルーンを聴いているうちに意識が混沌としていった。
断片的に「死ぬまで」「姫様と伴に」「子を宿し…」などと聞こえていた。

気が付くと式の日の朝であった。
当事者の俺がどのような心理状態であるかなどお構いも無く、支度が進められていった。
そして、教会の鐘が鳴り、祭壇の前に立つ俺の隣に姫様が立ち、誓いの儀式が執り行われた。
更に式は進み、場所を迎賓館に移して盛大な宴が催された。
様々な人々が入れ替り立ち替り俺たち(実際は姫様だけに)挨拶をしてゆく。
著名な歌姫が愛の歌を詠い、踊り子たちが華麗に舞い踊る。
俺はただそれらをぼーっと眺めていた…

「そろそろ行きましょうか♪」
宴はまだ続いていたが、一通りの儀式が終わったとみて、姫様が立ち上がった。
「行くって?」
「わたしたちのお・へ・や♪」
そう言われ、自分が姫様と結婚したことを思い出した。

今夜は館に戻ることはなく、迎賓館に用意された寝室を使うことになっていた。
お付きの者たちに衣装を脱がされ、シャワーを浴びた。
ゆったりとした夜着を着て待っていると、同じようにシャワーを浴び夜着を着た姫様がやってきた。
「ようやく二人だけになれましたね♪」
と姫様が俺をベッドに誘った。
確かに俺の近衛時代を含め、完全に姫様と二人だけになったのは初めてかも知れない。
「本当に俺なんかで良かったんですか?」
改めて問い質すと
「もちろん、あなたしかいないわ♪」
と俺をベッドに横たえると、姫様は俺の逸物を剥出し、自らの口に咥えた。
「そ…そんな!!おそれ多い…」
「夫婦となったのですよ♪今宵はあたしに任せて下さいね。」
と俺のモノを吸い上げる。
俺は一気に達してしまった。
その迸りを姫様は残さず飲み込んでいった。
「まだこれからですよ♪」
と俺を全裸にし、俺の股間に陣取った。
俺の脚をM字にし、その付け根に顔を埋める。
まだ萎えたままの逸物に舌を這わせ唾液まみれにしてゆく。
舌は更に裏側を降りて肛門まわりを濡らす。
「汚いよ。」
と訴えると、
「シャワーで綺麗にしたんでしょ?それに充分に濡らしておかないとね♪」

執拗に股間を舐められていたが、一度萎えきった逸物はなかなか回復しなかった。
それでも姫様は
「準備は良いみたいね♪」
と、彼女もまた全裸になり、股間を押し付けてきた。
(?!)
ぬっ!!っと、何かが俺の股間からナカに入り込んできた。
何か?という以前に、何処から?という疑問が頭を占める。
逸物の裏側…肛門の手前…
そこに、何かが入り込めるような場所はない!!
だが、皮膚を切り裂いて強引に押し入ってきたような痛みはなかった。
「んぁっ…」
痛みとは異なる感覚に、思わす声が出てしまった。
「感じた?じゃあもっと奥まで良いわね♪」
と、M字に開いた俺の脚を抱え上げて更に股間を密着させる。
侵入してきたモノの先端が俺の腹の奥に突き当たった。
「っあ、ああん♪」
まるで女が喘いだような声が漏れていった。
(女?)
そう…俺は今、まるで女のように犯されている?
俺の股間に女陰があるかのように…
姫様の股間に男根があるかのように…
互いの股間が重なり合い、挿抜が始まる。
溢れ出た愛液がたてているかのように、クチュクチュと卑猥な音がする。
「あっ!!ああ~っ♪」
肉襞が刺激され、俺は女のように嬌声をあげる。
それは「快感」に他ならなかった。
「そうよ♪いっぱい感じて頂戴!!そして、あたしの子を孕むのよ♪」
突き上げてくる快感に、もう何も考えられなくなっていた。
「ああん♪ああ~~~っ!!」
俺は女のように悶え、叫んでいた。
「さあ、イッちゃいなさい♪」
そう言って、彼女は俺のナカに濃厚な迸り送り込む。
その刺激が俺の意識できた最期だった…

翌朝、姫様は全てを話してくれた。
男として生まれた彼女が「姫」として育てられた理由。
姫様の夫として俺が選ばれた理由。
そして、俺の肉体について…

式の前夜に行われた儀式は、初夜の行為で確実に受胎させるもので、本来は妃となる女性に施されるものだった。
それが「男」に対しても有効であるかは確実ではなかった。
が、実際に俺の股間は彼女を受入れ、彼女の精に満たされたのだ。
「正統な血を残す為には、あたしが妊娠する訳にはいかなかったの…」

儀式の効果は疑いようもなかった。
俺は彼女の初夜の精子で妊娠していた。
胎児の成長とともに、俺の肉体も「母」に…女性化が進んでいった。
その変化が下半身だけの間は姫様と一緒に外を出歩くことができたが、
やがて変化が上半身に及び、胸や胎が膨らんでくると、男物の服は着られない。
妊娠服を着ることなると同時に、俺は表に出れなくなる。
姿を見せない「俺」は兵役に出たことになる。
遠くない将来、「俺」は遠い場所で戦死したことになるのだ…

 
一方で、俺から生まれてくる子は姫様が産んだことになる。
女体化した肉体は元に戻ることはないらしい。
死んでしまった「俺」は表に出ることはできないが、俺は「乳母」として姫様の傍にいることができるそうだ。
姫様と一緒にこの子を育てるのだ。

(痛っ…)
乳が張っている。
俺の胸では母乳が造られ始めていた…

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