« 不死身の肉体(カラダ) | トップページ | 婚姻 »

2017年9月 9日 (土)

そして、少年少女は女人になる…

その惑星には成人男性は存在していなかった。
辺境の…星間航路からも大きく逸れた、その存在も忘れられた惑星にも移殖者は活き続けていた。
だが、その惑星では、偏った科学技術が発達していた。
所謂「仕事」は全て機械化されており、人は出産・子育てに専念できるようになっていた。
この世界には「男」は不要となっていた。
男の子は精通を迎えると、精巣を提供することになる。
そして、胎内に女性器を与えられるのだ。
与えられた女性器が定着し、生理が始まるとようやく、本来の女の子達より幾分か遅れて「大人」の仲間入り…女人になるのだ。

突然発生した次元断層の割れ目に飲み込まれ、もみくちゃにされた俺の宇宙艇は通常空間には戻れたものの亜空間エンジンの受けたダメージは相当なものだった。
更に幸運にも現在地を航宙図で確認できたのだ。
航路からは外れてはいるものの、近くを宇宙船が通る可能性が残っている。
そして航宙図には近くに殖民惑星があった。
俺は壊れる寸前のエンジンを始動し、その惑星に向かった。
…その惑星が他星系との交易が途絶し、数世紀が経過しているとも知らずに…

惑星への降下中にも、この惑星がそれなりに繁栄していることは見てとれた。
都市部に近く、かつ住民に害を与えない場所を着陸点に設定した。
この惑星では飛翔体による移動は行われていないのか、宇宙港はおろか、大気圏内航空機の滑走路も見当たらなかった。
海側から都市に近付き、海上でギリギリまで減速したところで浜辺に降ろすことにした。

『この惑星は交易を絶っています。ただちに退去してください。』
多分、目視するまでこちらの存在に気が付かなかったのだろう。
かなり減速が進んだ頃に無線連絡が入った。
「悪いが故障してしまって、修理しないと宇宙に戻れないんだ。」
『退去できないということですね。』
「この状態ではね♪」
『すみませんが、乗員の方々を一時勾留させていただきます。』
「まぁ、仕方ないか。だが、この艇には俺独りしか乗ってないがね♪」
俺はそう答え、迎えがくるのを待っていた。

緊急車輌の到着までの間にギャラリーは遠巻きにではあるが、幾重にも連なっていた。
その構成が女子供ばかりで、成人男性がいないことに気が付かなかったのは、連なった美女達に目を奪われていたからと言って、誰が咎めるだろうか?

「こちらへ。」
と促す女性事務官の脇で護衛の任にあたっていたのはヒューマノイドロボット達だった。
「この惑星は美人が多いんだね♪」
と女性事務官に話し掛けた。
俺にとっては社交辞令みたいなものであった。(実際に美人が多いのは事実だ)
が、そのひと言で事態は急変した。
「あなたを第一級危険人物としなくてはならなくなりました。移送先を処置センターに変更します。」
「ど、どういうことだよ?処置センターって?」
「落ち着いてください。なにも処刑する訳ではありません。」
「だが、処置って…」
「この惑星では遺伝子は厳格に管理されています。あなたの言動には管理外の交配を起こす危険性が認められます。」
「去勢でもすると言うのか?」
「あなたの遺伝子を管理させていただくだけです。あなたが希望すればいつでも交配は可能です。」
俺は彼女が俺の問に直接答えた訳ではないことに気が付かなかった。

処置センターで処置が行われた。
俺はベッドの上で目覚めた。が…
そこにはなんとも表現し難い違和感しかなかった。
「気分はいかがですか?」
と声を掛けられた。
女性看護士か?と思ったらロボットだった。
「良い訳ないだろう!!」
相手が人間でないので遠慮なく悪態を吐いた。
…が
その声は何時もの俺の声ではなかった。
甲高く、まるで「女」のよう…
(!?)
その「女」というキーワードに、感じていた違和感が結び付いた。
胸の上に感じていた質量…直接胸に付いた双つの塊は「乳房」か?
股間にあるべき存在が失われていた。
ピタリと下半身を被う下着の感触。
胎内に感じるある筈のない器官の存在。

そう…これは「女」の肉体以外の何物でもない!!

「どういうことなんだ?これは!!」
相手がロボットであるとわかっていても言わずにはいられなかった。
「優勢保護法に応じた処置となります。」
とロボットが応じた。
「マムがあなたを遺伝情報管理に重大な悪影響を与え兼ねない人物と特定した為、規則に従い外来者への例外的適用が施行されました。」
「で、その処置っていうのが俺を女にするってことか?」
「先ずはあなたの精巣を回収しました。その後、交配可能な肉体への変更を行いました。」
「交配…って、妊娠可能ってことか?」
「その通りです。」
「お、俺は男だ!!何で俺が妊娠しなくちゃならないんだ?」
「この惑星に男性は要りません。子孫を遺す為には一人でも多くの女性が求められています。」
「だからって、女にするか?」
「あなたの性格では、管理外の交配…当方で管理していない精子による受胎…の可能性が認められたのです。あなたに出産まで要求しているわけではありません。」
「元に戻せるのか?俺は一刻も早く艇を修復し、ここを出てゆく積もりだ。その時には…」
「精巣はお返しします。しかしその肉体はそのままです。お嫌ですか?この惑星での最も理想的な容姿に仕上げていますが。」

確かに鏡に映った「女」は、即にでもベッドに押し倒したくなる美人だった。
それが俺自身であるということがなかなか理解できない。

「処置が済みましたね♪」
「はい。マム。」
入ってきたのはあの女性事務官だった。
彼女はロボットを無視するかのように俺に近づいてきた。
「立てる?」
それは問題ないようだ。が、俺は今全裸だったことを思い出した。
「気にしなくて良いわよ。施術中にも何度か貴女の裸を見ているし、何よりここにはオトコが居ませんからね♪」
隣の部屋には俺の為の衣服が用意されていた。
スカートを始めとする女物の服だった。
躊躇う俺に、彼女がてきぱきと着せていった。
鏡の前の椅子に座らされる。
長く伸びた髪を整えられた。
化粧が施され、アクセサリーが付けられる。
鏡の中の女性はより一層美しくなっていた。
「慣れないとは思うけど、頑張って歩いてね。」
スタイルは良いのだが、肉体のバランスが取りづらい。
更に、踵の高い靴では最初の一歩が踏み出せなかった。

「どお?押し倒したい女性はいました?」
今、俺の回りは年頃の女性ばかりだった。
以前の俺であれば手当たり次第に声を掛けていたであろう。
「みんな好いのだけれど…」
そう、鏡の中に俺が一番押し倒したい「女」がいるのだ。
「誰でも良ければ、あたしとシません?」
俺はそのままホテルに連れ込まれた。

主導権は彼女にあった。
服を脱がされ、ベッドに押し倒された。
「可愛い♪」
とキスしてきた。
いつもと立場が逆転している。
「ん…ぁあん♪」
と喘いだのは俺の方だった。
彼女の指をが俺の股間を撫で上げる。
そこには硬く勃起すべきペニスは無く、熱く熟れた蜜壺があった。
ゆっくりと彼女の指が中に入ってくる。
「ああ、ああ、ああ~!!」
これまで経験したことのない強烈な快感に叫ばざるを得なかった。
俺は彼女の指に佳いように翻弄され、幾度となく快感の頂に放り上げられた。
何も考えられなかった。
頭の中が真っ白に染められてゆくのを、ただ見ているしかなかった…

俺の宇宙艇はロボット達の手で、順調に修復されていった。
燃料も合成が終り、あと数日で飛び立つことができるようになる。
宇宙艇の修復を毎日のように見に来ていた男の子がいた。
俺の冒険譚を聞かせてやると、尊敬の眼で俺を見つめてきた。
しかし、ここ数日見掛けなかったと思っていたら、今日はそこに白いワンピースを着た女の子が立っていた。
「ごめんなさい。ボク、オトナになってしまったの。せっかく、宇宙に連れていってくれるって言ってくれたのに…」
彼女はあの男の子だった。
「オトナはこの惑星で、子供を産み育てなくてはならないからね。」
俺が女にされたのと同じように、男の子を女にしたのだろう。
俺の場合と違うのは、年齢相応の体型…まだ胸の脹らみは目立たず、幼さを残した面立ち…まだ男の子だった時の面影が残っていた。
「まだ飛べないけど、操縦席に座ってみるかい?」
「良いの?」
「ああ、大丈夫だ。」
俺は彼女を宇宙艇の中に連れ込んだ。
「これが操縦席だよ♪」
と座らせ、シートベルトを填めてゆく。
スカートが捲れ、太腿が露になる。
それはもう、男の子の脚ではなかった。
「リクライニングさせるよ。」
背もたれを倒し、彼女を寝かせる。
「んあっ…」
艶かしい声が漏れた。
俺の手がシートベルトの脇から彼女の胸に差し込まれていた。
「騒がないから…優しくして♪」
シートベルトが外れた。
彼女は俺の手を胸から股間に導いていった。
「お姉さんの手で、ボクを高く翔ばして♪」
俺の指は彼女の熱く濡れたナカに沈み込んでいった。

約束通り、俺の精巣は戻ってきた。
透明なカプセルの中で二つの肉塊がぷかぷかと浮かんでいる。
当然の如く、俺の肉体は「女」のままである。
元男の子への性戯が発覚し、艇の修復にスパートがかかった。
そして、修復の完了とともに、文字通り俺はこの惑星を追い出された。
「二度と来ないで頂戴っ!!」
と、自動制御が組み込まれていたようで、俺が操縦席に座るよりも早く、艇は宇宙空間に飛び出し、亜空間に潜り込んでいた。
「マジかよ?」
御丁寧にも、自動制御の中で惑星の存在に関する情報がすべて消去されていた。
惑星の座標・探索結果から航行記録まで、徹底して消されていた。
そして自動制御機能自体も痕跡も残さず消えてしまった。
残っていたのは俺の記録だけであったが、それさえも…

あたしは操縦席の上で目が覚めた。
リクライニングさせた背もたれを元に戻して異常がないかモニタを確認した。
(?)
コンソールの上に小さなカプセルが置かれていた。
「いけない、いけない♪捨てるの忘れてたわ。」
と、あたしはカプセルを焼却器に放り込んだ。
(?)
なにか重大な過ちを犯した感じがしたが、それも一瞬のこと。
あたしは即にいつもの「あたし」に戻っていた♪

« 不死身の肉体(カラダ) | トップページ | 婚姻 »

コメント

妊娠ってキーワードがあったからそのまま孕らまされて
星から退去しないかと思ったら、元男の子で新大人の女を喰っちゃて
やっぱり危険って事で記録記憶を改竄しちゃって追い出すとか
忘れられた星の人て過激だね~
そして自分好みの美人にされた異邦人(元男性)は
元の世界で喰われまくるのですね。(妄想ムハー!)

毎度コメントをありがとうございます。
秩序を守るためには徹底的にね♪

>元の世界で喰われまくるのですね。
喰われながら、時々「違うんじゃないか?」
なんて記憶の断片が浮かんできたりして♪

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: そして、少年少女は女人になる…:

« 不死身の肉体(カラダ) | トップページ | 婚姻 »

無料ブログはココログ