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2017年7月29日 (土)

無題

近ごろ、嫁さんに愛想がない。
それが自分の成為だと気付くことはほとんどない。
「何でそんなにつんけんしてるんだ?」と聞いたところで、本当の答えが返ることはない。
自ら気付けなければ、そこにある溝は深まる一方であろう。

「よう、大将♪どうしたい、そんな不景気な顔して?」
声を掛けてきたのは、痩せぎすで白髪の老人だった。
「何か困ったことでもあるのかい?」
「あんたには関係ないだろう。」
「まあまあ♪ここで出会ったのも何かの縁じゃ。良かったらこの棒に願いを掛けてみなさい。」
と棒状のものを手渡された。
「あ…あんた、何者なんだ?」
「ただの通りすがりの仙人じゃよ♪」
そう言うと仙人を名乗る老人は掻き消すように消えてしまった。

「何よ、その棒は?無駄遣いできる立場だと思ってるの?」
家に戻ると目敏い嫁さんに、棒が見咎められた。
信じる信じないは別として、仙人を名乗る老人のことを話した。
「無料だから良いけど、そんな怪しいモノとっとと捨てちゃて頂戴!!」
と再びテレビに向かっていた。

しかし、捨てろ言われても素直に応じる気にはなれなかった。
(何か願いを掛けてみるか?)
とその夜、寝る際にしっかりと棒を握りしめた。

(?!)
突然、棒がフニャリと柔らかくなった。
柔らかいだけでなく、微かに温かい。
「ううん…」と呻く声。
(誰の声だ?)
確認するより先に、枕だと思って頭を預けていたものが誰かの肉体…腹の上であることに気付いた。
声は後ろから聞こえた。
だから、視線の先は下半身方向に違いない。
握っていた棒は、片端がその肉体に固定されている。
(?)
即に何かが連想させられた。

棒を握り直すと、ピクリと反応した。
(嫌な予感がする…)
徐々に棒が硬さを増してきた。
手を動かした。
肉体との接合部は剛毛に覆われていた。
先端に向かうと凹凸があり、更にその先が何かで濡れていた…
(間違いない。今握っているのはぺニスだ!!)
穢れものから即に手を離したかったが、手がいうことを聞かない。
更に激しく扱き始める。
「おっ、あっ、ああ♪」
男が快感に呻いている。
(何であたしがこいつのぺニスを扱いてなきゃいけないのよ!!)
???
今、何と言った?
実際に声に出した訳ではないが、自分のことを「あたし」と言っていた?
そう…女みたいに…

女…
そういえば、胸の辺りに違和感があった。
自分の肉体もまた「女」になっていて、これが乳房であるとすれば…
(!!)
意識を下半身に移動させた。
そこにあるべきものが感じられない?
ぬめりと汗(のようなもの)で湿気を帯びている。
これは女の肉体?

「っあ、射る…」と男が呻く。
条件反射のように、ぺニスを咥えていた。
ドクリと幹が震えると、精液が口の中に放たれていた。
(吐き出さねば…)
と意識する以前に、ごくりと呑込んでいた。
「ありがとう♪」と男が言った。
ぺニスから口を離し、声のする方…その時初めて男の顔を見た。

(!!!!!!)
「だ、誰だあんたは?!」
そこにあったのは、自分自身の顔だった。
「誰って、夫の顔も忘れたのか?」と男は言う。
そこから導き出されるのは、女の「あたし」が彼の妻であるということ?
「頭では忘れても、肉体は覚えているだろう?」
むっくりと起き上がった男が「あたし」を仰向けに転がすて、その上にのし掛かってきた。
「ちゃんと濡れているな♪」
指先で「あたし」の秘部を確認すると、再び硬くなった逸物を一気に突っ込んできた。
「あん、ああ~ん♪」
経験したことのない感覚に戸惑っている間に、肉体が勝手に反応して媚声を洩らしてゆく。
肉体が伝えてくる快感に翻弄され、考えることができなくなってゆく。
快感を求める肉体に意識が引っ張られてゆく。
「ああん♪もっとぉ…もっと奥まで、強く、激しくぅ!!」
いつの間にか自ら「男」を求めるようになっていた。
「あっ、ああ。イク。イッちゃう~!!」
頭の中が快感に染め上げられ、絶頂に放り投げられると同時に意識を失っていた…

「気が付いた?」
声を掛けてきたのは妻だった。
胸に触れ、いつもの男の胸であることを確認した。
(何で、そこでがっかりする?)
「あれはあなただったのでしょう?何でそうなったかはわからないけどね♪」
「あれ…って?」
「可愛いかったわよ。あんあん言っちゃって♪」
彼女の言葉で、あれが…妻になって、受け身のセックスに興じていた…現実のものであったと理解した。
そして、あたしを犯したのが妻自身であったことも…
「それはコレの成為?」
彼女はどこからか、あの棒を取り出した。
「…そ、それは…」
「あたしも一度だけじゃ物足りなかったところなの♪貴女も良いでしょ?」
そう言うと、棒を自らの股間に圧し付けた。
みるみるうちに、棒はぺニス変型し、更に彼女の肉体を男のものに変えていった。
と、同時にあたしの肉体が再び女のものに変わってゆく。
「良いわよね♪」
彼女…彼が股間の逸物をあたしの下腹部に擦り付ける。
それはスルリとあたしのナカに挿っていった。
「あ、ああん♪」
再び淫声が漏れる。
「あはっ!!貴女、可愛いわよ♪」
彼に貫かれ、あたさはあっという間に快感の渦に呑込まれていた…

その夜から、旦那様は毎夜のようにあたしを愛してくれるようになった♪
昨日までの自分が何を悩んでいたのかさえ、思い出せなくなっていた。
でも、そんなことは何も気にならない。
だってあたしはこんなにも幸せだもの♪

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