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2017年6月10日 (土)

口紅

どんよりと雲が立ち込めた日曜日。
ふと、机の上を見ると、同窓会に出掛けた妻が仕舞い忘れた口紅が転がっていた。

昔の文化祭のミスコンを思い出した。
ギャップを外して繰り出してゆく…
鏡の前に立った。
もう昔のような艶やかな肌でもないし、唇もシワシワだった。

ゆっくりと紅を這わせながら、昔を思い出す。
「ヒロキ…」
彼の名前が口を吐いた。
僕を最初に抱きしめ、唇を奪った男…
その時の僕は、女子の制服を着て軽くお化粧もしていた。

「そんな姿、俺以外の男には見せないで欲しい。」
誘われるまま、僕は彼の前に跪き、ジッパーの奥から引き出した彼のペニスを咥えていた。
その後、ショーツを脱がされ、バックから犯された。
僕は「女」として快感に喘ぎ、彼が射精するのと同時に絶頂に達していた。

 

鏡の中に女の僕がいた。
が、着ている服が男物では可愛くない。
服を脱ぎ、下着を換え、花柄のワンピースに身を包んだ。
意識が「僕」から「あたし」に替わる…
髪を整え、ヘアピンで留める。
久しぶりにお気に入りのピアスを耳に飾る。
口紅だけでは物足りず、目の周りも整えてみた。

昔のような若々しさはないが、女として見られるくらいにはなったかな?
色気という点では胸元が寂しいので、ちょっと詰めものを入れてみた。
「今のあたしを見たら、ヒロキは何と言うかしら?」
あたしは携帯のアドレス帳からヒロキを検索した。

(…)

そう…僕達の結婚が決まった時に、彼の番号は消したのだった。
そのことに思い至ると同時に、僕の中に「現実」が舞い戻ってきた。
慌てて服を着替え、脱いだ服を元通りに畳む。
化粧を落とし、髪を元に戻す。
自分の内から「あたし」を消し去る。
僕はいつもの「僕」に戻っていった。

 

どんよりと雲が立ち込めた日曜日。
誰もいない部屋の中で、僕は机の上の口紅を眺めていた…

刹那

…チェック…

駆動系異常なし
探査系異常なし
通信系異常なし
艤装・装甲異常なし

…オールグリーン…

俺がスティックを握るとマシンの駆動音が高まる。
ぐい、と加速が掛かり、マシンが動き出す。
モニタが逐次情報を表示する。
現在位置…
風向・風速…
粉塵濃度…
障害物予測、そして…「敵」

敵の属性を走査し、武器を選択する。
「抜刀っ!!」
俺は風下から接敵する。
「核」を狙い、刃を突き立てる。

ガシッ!!

切っ先が敵の防御に阻まれる。
次手を繰り出す前に、敵の攻撃が襲い来る。
スティックを捻り、攻撃をかわす。
考えていた次手には位置が悪い。
が、何もせずにいては攻められる一方だ。
機銃をフェイントにして、機体後部を接触させる。
こちらにもダメージがない訳でもないのだが、一矢報いることはできた。

間合いを取る…

お互いに次の一手を決めかねていた。
時間だけが過ぎてゆく。

と、一気に黒雲が沸き起こり、天を覆った。
雷鳴がとどろき、幾本もの閃光が大地に突き刺さった。
耐雷性があるとはいえ、この状況で戦闘を続けるにはリスクが大きい。
(決めるしかない!!)
痺れを切らして飛び出した俺は、奴に余裕を持ってかわされてしまう。
コクピットの俺に向かい、必殺の一撃が繰り出された。

!!!!!!!!!!

辺りが閃光に包まれた。
計器が沈黙する。
そればかりか、マシン自体が静まりかえって…
光の中に溶け込んでゆく?

俺は光の中に浮かんでいた。
そして、光の中にはもう一人…敵のパイロットであろう人影があった。
「お…おい。どうなってるんだよ!!」
俺が声を掛けると、
「うるさいわね。少しは自分で考えようとは思わないの?」
と、返ってきた。
「女か?」
「女じゃ悪い?その女を見下したような言い方…そんなに男が偉いって言うの?」

俺は女の問いなど無視していた。
女相手にほぼ互角の戦いとなった自分が情けなかった。
(女なんかに…)
言葉にはしなかったが、その感情は彼女に伝わっていたようだ。

「まだ言うか?!」
彼女の殺気のようなものが俺を刺し貫いた。
「女だから…人一倍努力して、ここまできたんだ。」
ずい、と彼女が近づいてきた。
「お前なんかに…」
彼女の瞳から、紅色の涙が滴っていた。
「………」

 

気が付くと俺は喧騒の中にいた。
そこがいつもの酒保であることは即にわかった。
見知った顔もいくつか見掛けた。
(俺はいつ、どうやってここに戻った?)
疑問は解決したかったが、それよりも気になる「違和感」があった。
俺が着ていた服は、いつもの軍服ではなかった。
袖がなく、異様に軽い。
胸元が大きく開き、その下には胸の谷間?!

「キャッ♪」
俺は思わず叫んでいた。
誰かに尻を揉まれたのだ。
が、今の声は何だ??
「俺」の声ではない!!
まるで…女の…

俺は漸く、今の自分が「女」になっていることを認識した。
「どうした?何ボーッとしてるんだ?」
多分、今の俺の立場は、酒保で俺達の相手をする「コンパニオン」なのだろう。
「ちょっと御免。」
立ち上り、席を離れようとしたが、ハイヒールにバランスを崩す。
「おっと♪」
と近くにいた男に支えられた。
そして、そのまま男の腕の中に…
「行くか?」
と男に抱えられたまま、裏手のドアを抜けた。
が…
男は何を勘違いしたか、仮眠室のひとつに俺を連れ込んだ。

(否。男は勘違いなどしていない!!)
そのことに思い至らなかったのは俺の方だった。
今の俺は女で、酒保のコンパニオンなのだ…
当然、男は「女」を抱くべくベッドに向かう。
そう、抱かれるのは…俺だ…

あっという間に服を脱がされていた。
自分が「女」であることをまざまざと見せ付けられる。
そして、男は自慢の逸物を俺の目の前に晒した。
「何をすれば良いかは解っているだろう♪」
と、その先端を俺の唇に触れさせた。
(これを咥えるしかないのか?)
男が「女」にさせようとしていることは明白である。
そして、その「女」が俺自身なのだ…

俺は拒絶する間もなく、それを咥えていた。
先端が喉の奥を刺激する。
塞がれた口は嗚咽を洩らすこともできない。
「いくぞ♪」
の声と共に、男の精液が喉の中に放たれた。
息の出来ない苦しみから、俺はそれを飲み込んでいた。

「良い娘だ♪」
と褒められると、無意識に笑みが浮かぶ。
「男」の俺が精液を飲まされて気分が良い筈はないのだが、俺の中の「女」がそれを喜んでいた。
「ご褒美をあげよう♪」
と、俺はベッドに転がされた。
その上に男が重なり、俺を貫いていた。

「ああん、あ~ん♪」
自然と淫声が洩れる。
それがオンナの快感であると意識する間もなく、俺はその快感に呑み込まれていた。
腟の奥を刺激する彼の動きが激しくなる。
「あ、あ、あっ…」
その先に快感の頂きが見え隠れしている♪
「これでどうだっ!!」
腟の奥に彼の放った精液が叩き突けられる。
「ああ~~~~っ!!」
俺は嬌声をあげ、快感の中に意識を失っていた…

 

 
「どお?女になった気分は♪」
俺達は再び光の中にいた。
「今の幻覚はお前が見せたのか?」
「幻覚じゃないわ。それは現実にあったこと…ちょっと因果を弄っただけよ♪」
「現実?」
「まだ気付かない?今の貴女自身の姿♪」
「俺の?」
そう言われ、自分を見る…そこには幻覚と同じ女の肉体があった。

「戻せ!!」
俺は叫んだ。
その声も女声であった。
「戻せないわ♪」
と女は笑って言う。
「既にあたし達は死んでいるの…いえ、死につつあると言った方が良いわね。そう、今は死ぬ間際の刹那の一瞬。」
「刹那?」
「すべての常識が意味を成さない、不条理の時。貴女にオンナを経験させるのも簡単なこと♪」
「な、なら俺を男に戻せ!!」
「嫌よ♪女を見下すのならば、女のまま死んで、来世もまた女に生まれ代わると良いわ!!」

「来世も女?!  …俺は…俺は女になんかなりたくない!!」
「無理ね。まもなく刹那の時が終わるわ。貴女は女として死ぬのよ♪」
彼女の言葉と共に、光が褪せてゆく。
刹那の時が終わりを迎えるのだ…
彼女の嘲笑う声が最期まで響いていた。

 

「おい。大丈夫か?」
暗闇の中、遠くから声がした。
潰れたコクピットの中で、俺は身動きも取れずにいた。
外装を引き剥がす重機の音がする。
光がさし込み、人影が近づいた。
俺のヘルメットに手が掛かり、外された。

一瞬の沈黙の後、その男が言った。
「お前、何者だ?どうやってそこにいる?!」

代役

「双葉美香さん?」
ホテルのラウンジで待っていると、見せられていた写真と同じ顔…3割ほど軽薄さがUPした…男が声を掛けてきた。
「っあ…はい。」と応えると
「三崎裕です。」と精悍な笑顔を見せた。
僕が本物の女の子だったら、それだけでのぼせてしまっていたに違いない。
実際、僕も多少ではあるがクラクラして…ほんの一瞬だけど…(抱かれても良いかも♪)などと思ってしまっていた。
…って、何を僕は言ってるんだ?

僕は破格のバイト料と引き換えに、姉さんの代わりに、この「お見合い」の席に来ているのだ!!
==「破談」にしてもらうこと==
それが僕に課せられた使命だった。
間違っても、向こうがその気になってしまってはいけないが、変な噂が立つのも駄目なのだ。
つまり、ここでは下手なことはできないのだ。

「貴女も代役なんでしょ?」いきなり彼がそんなことを言ってきた。
「も…って?」
「そういうことですよ♪」と片目をつぶった。
「ここでは何ですから、場所を変えませんか?」と、僕を立たせようと誘った。
確かに、こんな場所に若い男女がそれなりの格好でいては、「お見合いです」とプラカードをぶら下げているようなものだ。
僕は誘われるままに立ち上っていた。

 
「勿論、お断りさせていただくごとになりますが、今このひとときだけでも楽しみませんか?」
「楽しむ?」
「軍資金は確保できてます。何ならもう少し動き易い服に変えるところからでも♪」
「そ…そんな、悪いです…」
確かに、彼は金に糸目を付けることはないのだろうが…もし、ここで服を買ってもらったとしても、その後どうすればよい?
姉さんが引き取ることなどあり得ない。とは言っても、そのまま僕がもらっても…
「そうだね♪君も僕もこの姿は本来のものじゃなかったね。じゃあ、最初は腹ごしらえとしますか♪」
タクシーを拾い、高級そうなレストランに連れて行かれた。
美味しい料理とワインのアルコールに酔いしれ、気が付くとそこはホテルのベッドの上だった。
「お互い大人なんだから問題ないよね♪」

キスをされた。
彼の舌が僕の口の中を蹂躙する。
互の唾液が混ざり合う…
僕はこれから「男」に抱かれるんだ…
しかし、不思議と嫌悪感はなかった。

姉さんに成りきるため、「皮」を着ている。だから、彼に抱かれても僕が男だと気付かれることはない、
実際、この肉体は彼に抱かれることを期待しているかのように、股間を潤ませていた。
「ぁん♪」
胸を揉まれて、僕は艶かしく喘いでいた。

あっという間に服を脱がされ、ベッドに転がされていた。
彼も服を脱いでいて、股間には立派なモノが屹立していた。
「もしかしてハジメテなのかい?」
あの姉さんに男性経験がないはずはない。…が、僕自身にとってはハジメテの経験である。

「「皮」越しはノーカウントだから、気を楽にして僕に任せてれば良いよ♪」
と、彼が体を重ねてきた。
ぬ"ッ…と、僕の股間に彼が侵入してきた。
痛みはなかった。
満たされる快感に支配される。
「んあっ…ああん♪」
吐いて出る喘ぎ声を止めることはできなかった。

更に、僕のナカでペニスが動き回ると、次から次へと新たな快感が押し寄せて来る。
「あん♪ああ~ん!!」
喘ぎ声は嬌声に変わり、その先に快感の頂きが見え隠れしてきた。
これって、イクってこと?
僕はハジメテのオンナの快感に戸惑いつつも…
「ぁあ、イク。イッちゃう…あ、ああ~~~!!」
彼の精液が僕の腟のなかに放たれると同時に、僕は強烈な快感に叫び声をあげ、意識を失っていた…

 

 

頭を撫でられていた。
「気が付いた?」彼の優しい笑顔がそこにあった。
「勇二のイキ顔…可愛いかったわよ♪」
??…何で彼が僕の名前を知っているんだ?
「誰なの?」と僕が聞くと…
「そうよね♪皮を被ってちゃ判らないわよね♪」彼がメリメリと頭の皮を剥ぐと、その下から見覚えのある女の顔が…
「姉さん?!」
「ハジメテでも十分感じられたでしょ?あたしの肉体は知り尽くしてるからね♪」
「な…何で?」
「あたし自身のイクところを一度見て見たかったんだ♪…それより、もう一度シない?もう、下半身が痛くて♪」
姉さんの瞳が妖しく輝いていた。
「だ…駄目だよ。姉弟でこんなことしちゃ!!」
「皮を着てれば問題ないのよ♪」と、姉さんの肉棒が僕を貫く。
「あ、あ~~~ん!!」僕は快感に淫声をあげるしかない。
快感は更に高まり、もう何も考えられなくなってしまう。
再び快感の高みに放り上げられてあた…

「ねえ、またシよう♪」姉さんにそう言われ、あの快感を思い出して、ふっとその気になりかけたが…
「もう二度としないから!!」と、断った。
「そんなこと言わないでよ♪」と、恨めしそうに僕を見る。
「姉さんの言うことを聞いてくれる人を見つけきたら?」と、言うと
「中身があんただから良いんじゃない♪」と、あくまでも僕にやらせようとする。
「あんたの好きな娘とレズのも良いんじゃない?」僕の頭に女の子の顔が浮かんだ。が…
「でも、中身は姉さんなんだろう?それに僕はレズりたい訳じゃない!!」

 
その夜、姉さんは一旦引き下がった。 が、次の朝…
「姉さん、いつまで寝てるつもり?」と、聞いたことのある声…
見ると、そこに「僕」がいた。

僕は姉さんの部屋のベッドで寝ていた。
あの僕の中身は姉さんに違いない。
そして、僕は姉さんの皮を被せられているのだろう。
ネグリジェの下には姉さんの乳房が見えていた。
「いつまでも見とれてないで、さっさと着替える!!」と、姉さんが選んだ服と下着を寄越してきた。
それは、いつもの姉さんであれば決して着ないような可愛らしいものだった。
お尻にクマのプリントが付いたショーツ、ピンクのブラ、ワンピースは昭和のアイドルが着ていたようなフリフリの超ミニ!!
「コレを着なくちゃ駄目なの?」聞かなくても答えは決まっていた。

「じゃあ、出かけようか♪」と、朝食も取らずに連れ出される。
ハイヒールのサンダルに足を取られ、後をついて歩くので精一杯…姉さんが何を考えているかなどに頭が回る余裕もない!!
さすがに、この格好は人目を引く。
殊に男達の卑しい視線が、胸元や剥出しの太腿に突き刺さる。
「どお?快感を感じない♪」
「か…快感って?」
「男どもに注目されてるのよ♪素敵じゃない?」
「男」としての僕は不快感しか感じられないが、この肉体が「女」として反応していた。
乳首が勃ち、股間が濡れ始めている。
「みんな貴女を犯したくて堪らなくなってるのね♪」
「…犯すって…」
「貴女の腟に自らのペニスを突っ込んで、至高の快楽を得たがっているってこと♪」
僕は視線を向けてくる男達を一瞥した。
犯される? …僕の背筋を冷たいものが流れ落ちた。
しかし、同時に下腹部の奥が熱く煮えたぎるのも感じていた。

 
「じゃあ、ちょっと待ってて♪」結局僕らはホテルの一室に入っていた。
姉さんは何かを持って風呂場に消えた。
「どお?」しばらくして、バスタオルを巻いただけの姉さん(?)が現れた。
「約束したわよね?」その姿は、僕の好きな娘…沙織さん…の姿だった。
「この娘の服までは用意できなかったけど、どうせヤるんだから、良いでしょう♪」と、僕に迫ってくる。
「ま、待ってよ…心の準備が…」確かに、沙織さんとエッチができるのは嬉しいのだけれど、
今の僕は姉さんの姿で…
つまり、女の子同士…レズることになる。
当然、主導権は姉さんにあるのだ。
僕は沙織さんを抱きたいんであって、抱かれたいなんて思っても…
などと躊躇っている間に、僕は服を脱がされ、ベッドに押し倒されていた。
ハラリと姉さんの巻いたバスタオルが落ちた。
(?!)
その股間には勃起したペニスが…
「良いでしょう?ここだけ皮を切り取ったの♪」僕は何も言えず、
そのショックで凍りついている間に沙織さんのペニスに貫かれていた…

「美香の言っていた通りね。本当に可愛いわ♪」
沙織さんの中身は姉さんじゃなかったの?
しかし、沙織さんの姿をした人物は、的確にこの肉体の感じるところを責めたててくるっ!!
「美香とは何年もレズりあってるからね♪でも、こんな愛らしい反応は新鮮だわ!!」そのまま三度ほどイかされた後…
「今度はアタシの皮を着て♪」と、沙織さんの皮を脱ぐと僕に手渡した。
「アタシ」ってことは、彼女は沙織さん本人?
「っあ、美香の皮はそのままで。股間を細工してるから、ソコは美香のを使ってね♪」と、僕の姿の沙織さん(?)が言う。
「うん。これならいけるかも♪」

それから夜が明けるまで、僕は僕の姿の沙織さんにイかされ続けたのだった…

 

 

「野山沙織。貴女は生涯この者を夫とし、愛し合うことを約束しますか?」神父の言葉に僕は…
「はい。」と答えていた。
今、僕は「沙織さん」としてウェディングドレスを着て、この場所に立っていた。
そして、その隣には「僕」がいた。中身は沙織さんだ。
僕達は入れ替わった状態で結婚式に臨んでいた…

 
全ては姉さんの計画した事だった。
レズ友の沙織さんとは四六時中一緒にいたい。
都合の良いことに、弟の勇二が沙織さんに気がある。
ならば、結婚させてしまえば良い♪
だが、沙織には「男性恐怖症」があった。

姉さんの目論見は潰えたかに見えた。
そこに現れたのが「皮」だった。
沙織と弟を入れ替えれば、沙織とはいつまでも一緒にいられる♪
ついでに結婚させてしまえば、二人とも自分のモノにできる!!
計画が発動した。

沙織さんの男性恐怖症も、彼女の「皮」を着た僕とであれば発症することはなかった。
男性恐怖症が克服できた沙織さんも姉さんの計画に合意した。
そして、不本意なシチュエーションではあるが、僕も沙織さんと結婚できるのだ!!

全てが丸く治まるのだ。

 
「誓いの接吻を…」
促された沙織さんが僕の顔を被うベールをあげた。
僕の目の前に、僕の姿をした沙織さんの顔が迫ってきた…
唇が重なる♪
もう「代役」ではない。
僕はこの人の「妻」になったのだ。
嬉しさに、僕の瞳が涙に輝いていた♪

アキラと

「なあ、アキラ…」
俺が声を掛けたのは、親友…と言うよりは「腐れ縁」の幼馴染の九条晄(♀)だ。
もともと女っ気に乏しいアキラは宝塚的に女の子達のあこがれの対象となっている。
「麗男子」の称号も伊達ではなく、その美貌に加え、頭も良く、身体能力も並みの男子を軽く凌駕していた。
男同士であっても、並み以下の俺とは釣り合う筈もないのだが、幼馴染を理由に今もって馴れ合っている。

「何だい?」
と俺を見下ろす。
そう、アキラは背も高く、並み以下の俺はアキラを見上げる形になる。
「お前さ、自分が女だって自覚はあるのか?」
「あ?そうだね。ユキが女の子だってのと同じ位にね♪」
「ってことは、全然自覚していないってことじゃないか!!」
「どおして?」
「俺は男だ。それに、ユキじゃなくて勇気だ!!」

とはいえ、今の自分が「女の子」に見られるのも当然ではある。
伸びた髪をポニーテールに結わき、ピンクのリボンが巻かれている。
ただでさえ女顔のところに、乾くといけないからとリップクリームを塗られ、可愛さがアップしていた。
ティーシャツにジーンズとユニセックの服だと、隣にアキラがいなくても、俺は女の子に間違えられてしまう。

「良いじゃないか。その位胸が貧弱な娘もいっぱいいるよ♪」
「誰が胸の話をしているっ!!」
「でも、ユキが隣にいてくれるだけで、あまり騒ぎにならないから助かるよ♪」
確かにアキラが独りでいると、待ち構えていたファンの娘達が一気に集まってくるのだ。
以前は、俺のことなどは完全に無視されアキラ独りと変わらない状況だったのだが、悪戯でアキラが俺の頭にリボンを着けたところ、サーッと潮が退くように娘達がいなくなってしまったのだ。
何が理由かは判らないが、それ以降、アキラは俺の頭にリボンを結ぶようになったのだ。

「で、自分が女かどうかってことだったね?自分が女だってことは理解してるよ♪」
ようやく本題に戻ってきた。
「不本意ながら、月に一度は生理もあるしね♪」
「生理…って、言うに事欠いて生々し過ぎないか?」
「聞いてきたのはユキの方じゃないか?」
「お前、俺のこと男だと思ってないだろう。」
「違った?って言うのは何だけど、ユキはまだ生理は経験してないだろう♪」
「で、できるか…そんなもの!!」
「そんなものって言うのは、世の中の女の子達に失礼だな。」
「わ…悪かった。」
「だから、ユキも女の子になろう♪」
「女の子になるって?」
「最近、良いものを手に入れたんだ。これなら自分も立ちションできるし、女の子を悦ばせることだって…」
「な、何だよ…それ!!」
「だから、ユキがそれを使えば、生理も経験できるんだよ♪」

と、渡された白いサポーターのようなものを持ちかえり、夜、風呂から出た後に穿いてみた。
それは、即に白い色から肌色に変わり、俺の皮膚と同化していった。
と同時に、俺の股間は陰毛の一部を残して、その形状を大きく変えていた。
一本の筋が深く刻まれていた。
俺の男性自身は、その存在を確認することができない。
その割れ目を押し開くと、そこには女性器が存在していた。
(アリエナイ!!)
そこにある腟口に指を触れると、するりと咥え込んでいた。

そこは充分に湿り気を帯び、俺の指を圧し包んできた。
と同時に、俺は胎の中に潜り込んできた俺自身の指の存在を感じていた。
(これが俺の股間?!)
指を動かずと、股間からこれまで経験した事のない快感が沸き起こってきた。
俺は指を動かずのを止められなかった。

多分、それが「オンナ」の快感であることに間違いはない。
俺はその快感に呑み込まれ…女のように喘ぎ、淫声をあげていた。
幾度となく襲ってくる快感の頂きに、意識が途切れる。
俺は指を抜くどころか、2本、3本と増やしていた。
朦朧とした意識の中で、俺は股間を弄るもう一方の手で、胸を…乳首を責めたてていた。
その時の俺には、責めたてている乳首が女のように、ぷっくりと膨れていることに気付いてはいなかった。

 

「クチュン」
俺にしては可愛らしいくしゃみをしていた。
昨夜は裸のまま寝てしまったようだ。
毛布にくるまろうと、腕を伸ばした…
「?!」
その腕が何かに触れた。
そして、俺の胸から触れられる感覚が…

俺は一気に覚醒した!!
上半身を起こす。
俺の胸には、多分アキラのより大きい(実物は見ていないが)…オッパイがあった。
股間がサポーター状のもので変形しているのは理解している。
(しかし、何で胸まで?)
と、自問したところでどうにかなる訳でもない。
俺は電話機に飛び付くとアキラを呼び出した。

「誰?」
最初は俺のことが判らなかった。
俺の声もまた女の子のように甲高くなっていたのだ。
「とにかく、そっちに行くから待っていろ。」
と言ったアキラが荷物を抱えてやつてきたのは、それから一時間近く経ってからのことだった。

「で?俺にこれを着ろと?」
「少なくとも、ブラをしないと動き辛いんじゃないか?」
「でも…」
「いずれにせよ、ノーブラで街を歩けば即に襲われること間違いないよ♪」
「お…襲われるって?」
「今のユキは女以外の何者でもないんだ。レイプ…身ぐるみ剥がされて、股間に奴らのペニスが突っ込まれる。」
「お…俺が?」

女がレイプされる状況は、AVでよく見るシチュエーションだが、自分自身が犯られる立場になっていることを、俺は中々理解できなかった。
「何なら自分が犯ってあげようか♪」
「な、何を言ってるんだ。お前、女だろうが!!」
「大丈夫♪女の子の扱いは慣れてるから♪」
(?!)
俺の脳裏に、アキラに押し倒される俺の姿が浮かんだ。
その俺は、ワンピースのスカートから艶かしい太腿を覗かせ…
覆い被さるアキラは、その股間をモッコリと膨らませていた。

「何で俺がっ!!」
俺は少し潤み始めた股間のことを誤魔化すかのように語気を荒げた。
「犯られたい?」
「バ、バカ言うな!!」
「ふ~ん♪まあ良いか。けど、そういうことだから、身嗜みはちゃんとしなくちゃね♪」
結局、俺はアキラが持ってきた女物の衣服を一式…下着の上下も…着させられた。

更に、いつもより念入りに化粧を施されると、鏡の中には非の打ち所のない「女の子」が出来上がっていた。
「…これが俺?」
「そうさ♪でも、その姿で「俺」はないよ。やはり「あたし」って言わなくちゃ。」
「無理だよ!!」
とは言ったものの、鏡に向かい心の中で「あたし」と言ってみた。
確かに、この姿には似合い過ぎている。が…

「まあ良いか。喋らなければどうってことない。じゃあ行こうか♪」
「行くって?」
「こんな可愛娘なら、見せびらかすのは当然だろ♪カラのパフェを奢ってやるよ。」
別にパフェに吊られた訳ではないが、俺は半ば強引にアキラに連れ出された。
(勿論、カラでパフェとモンブランをご馳走になった…品数が増えてないかって?そこは突っ込まない!!)
映画を見て、公園を散策して…
まるで「デート」みたいだが、相手はアキラだ。
産まれた性別は「女」だが、こんな見た目では「男同士」としか思えない。
…見た目で言えば、今の俺は「女」だから、まさしく男女のデートは成り立つ…
(って、どういう結論だ!!)

「シャワー浴びてこいよ♪」
気が付くと俺達はホテルの一室にいた。
(この状況は何なのだ?!)
デートの最後にホテル…となればヤることは決まっている。
躊躇している俺に
「このままで良いなら僕が脱がせてあげるよ♪」
アキラの一人称が「自分」から「僕」に変わっている。
アキラは自分が「男」ではないと言い聞かせるように、これまで男らしい一人称は使ってなかった。
それが…

「良いね♪」
あっという間に服を脱がされていた。
キスされてボーッとなっている間にベッドにの寝かされていた。
アキラも服を脱ぐ。
初めて見るアキラの下着姿…トランクスの股間がモッコリしていたが、それ以上に見慣れないトップスに目が行く。
「これつて…ナベシャツって言うやつ?胸を押さえて平に見せるんだ♪」
アキラがトップスを外すと、その下から現れたのは、俺よりワンサイズでかいオッパイだった。
アキラが女の子であることを再認識する。
「いつもは上は外さないんだけどね。それに、今日は特別♪」
と、トランクスも脱いだ。
(??!!)
トランクスの膨らみに、まさかとは思ったが、アキラの股間には………ペニスがぶら下がっていた!!

「これでユキを悦ばせてあげるよ♪」
俺は何も言えなかった。
肉体を重ねてきたアキラには、大きな胸があり、「女の子」とシている…という安心感のようなものがあった。
が、アキラはこれまで数々の女の子達との経験があった。
そして今、俺の肉体には「女の子」以外の何者でもない。
アキラに触れられただけで、俺はオンナの快感に喘ぎ、悶えてしまっていた。

「じゃあ、いくよ♪」
アキラが肉体を重ね、M字に開かれた俺の脚の間に腰を割り込ませてきた。
ぬっ…と俺の股間に指ではないモノが侵入してきた。
「ユキのナカ、暖かい♪それに、締めつけ具合も…気持ちいい!!」
アキラが俺のナカで動き出す。
(?!)
その先端が俺の腟の奥に届いた。
その先にあるのは子宮?
アキラは気持ち良さそうに、そこを突つく。
そして、アキラが「うっ…」っと呻くと同時にどくりと何かが腟の奥に撃ち突けられた。
(精液?)
その正体を聞こうとしたが、アキラはぐったりと俺の上に重なってきた。
俺もまた、充たされた幸福感と共に、微睡みの中に飲み込まれていった…

俺の…あたしの隣で、アキラがどちらかと言うと男っぽい寝息をたてていた。
あたしは、あたしの子宮が彼の精液で充たされた時…
(もう「男」には戻れない)
と確信していた。
あたしはもう、アキラなしでは生きられない存在と変わってしまっていた。
この先、アキラが女のままであっても、男となることを選択したとしても、あたしはアキラの傍を離れられない。

アキラが目を覚ましたら何で言おうかしら♪
やはり
「セキニン取ってよね?」
かな?

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