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2017年4月28日 (金)

過去

時間とは何であろう?
「過去に戻る」ということは進んできた道を後戻りするのとは違う。

否!!
それは「同じ」とも言えるか…
後戻りであっても進むことには違いないのだ。
例え後向きに一歩づつ戻ったとしても同じ位置に足は戻らないし、再び歩き始めても、全く同じ足跡を残す事は出来ない。
時間とて同じ事。
戻ったように見えても、それは同じ過去ではない。
ましてや、改変された過去を現在に戻って確認するなどとは…不可能である!!

では、過去には戻れないのだろうか?
そう…「同じ」過去には戻れない。だが、異なる過去であれば、そこに行く事は可能であるのだ。
ただし、それはあくまでも「同じ」過去ではない。
そこはその人物にとっては、新たな「現在」なのである。 

 

「ここは?」
そこが僕の飛ばされた過去なのであろう。
身体に違和感があるのは単に肉体が若返っただけではないようだ。
過去に戻るということは、そのぶん肉体年齢も若くなることは想定の内ではあった。が…
今の僕は、そもそも僕自身の肉体の内に居る訳ではなさそうである。
つまり、本来の僕自身が別に存在していると言うことだ。
僕は僕自身に干渉し、未来を変えることになる。
まずは「僕自身」の存在を確認すべきであろう。
僕は起き上がり、身支度を…

「何だ!?」

僕はその時になって初めて、今の自分が若い「女」であることに気付いたのだった。
パジャマの下には双つの肉塊があり、ズボンの上からでも股関に何もないのがわかる。
男であれば、じっくりとこの女体を隅々まで確めたい欲求が沸いてきて当然である。
が、今は「僕自身」の存在を確認することを優先させなければならない。

とはいえ「女」の身仕度など、どうすればよいのだろうか…
パジャマを脱ぐ…小さなパンティに股関は覆われていたが、上は何も着けていない。
しかし、ノーブラというわけにもいくまい。
部屋の中を探すと、女物の衣服と下着類が見つかった。
パンティと同色のブラジャーを着け、男として慣れ親しんだジーンズとワークシャツを着た。
化粧などできる筈もないのだが、鏡を見るとボサボサの髪の毛が気になったので、とりあえずはブラシを掛けておいた。

スマホで現在位置を確認した。
「僕」本来の自宅からもそう遠くはないところだつた。
「僕自身」に干渉すべく、僕は「僕」のところに向かった。

目の前に「僕」の住むアパートがあった。
階段を登った。
そう…このドアの向こうに「僕」がいるのだ。
気配はある。
否…物音がし…微かに声も聞こえる。

が、それは「僕」の声ではない…
忍殺した女の声…喘いでいる…
(「僕」が女の子とSEXしている?)
本来の僕ではあり得ないこと…
(過去もまた改変されている?)
僕は台所の窓の裏に手を伸ばして、隠しから鍵を取り出すと、ドアを開いた。
ベッドの中から女の声が聞こえる。
布団の下で悶えている。

(?)
しかし、そこには「僕」の存在は確認できなかった。
女は独りで情事に耽っているようだ。
「あん♪ああ~ん!!」
女は僕が入ってくるのにタイミングを合わせたかのように、盛大に淫ら声をあげた。
(この女は何者なんだ?)
勿論、僕には知りようもない。 

「来たのね♪」
いつの間にか女は起きあがり、こちらを見ていた。
「驚かないんだね。」
「そう。貴女が来るのがわかってたから♪」
「わかってた?」
「だって、貴女はあたしだからなね♪」

この女は何を言っているのだろう?
彼女が僕?
(…)
否…彼女の顔には見覚えがあった。
そう…身仕度をしていた時、鏡に映っていたのと同じ顔?

「混乱してるのね♪当然よね。」
彼女は立ち上り僕に近づくと、ギュッと抱きしめた。
そのまま僕の唇を吸い上げた?!
僕は更に混乱してゆく…
「貴女は一度目の時間遡行で女になった。女になったあたしは再び時間遡行して貴女の前に現れた。そこまでは良い?」

(この女は何を言っている?)
僕の理解を遥かに超えた話だった。
ひとつ言えるのは…
「本来の僕はどこにいる?」

彼女はゆっくりと頷いた。
「彼はあたしが殺したわ♪」
(えっ!!)
僕は何も言えなかった。
「あたしは未来を変えたかった。それは貴女も同じでしょう?」
そう言いながら、彼女は僕の服を脱がしてゆく…
「あたしは貴女だから、何でも知ってるし、貴女の知らないことも知ってるの♪」

「ぁっ…」
彼女に敏感なところを責められ、僕は喘ぎ声をあげていた。
「あたしが彼に教えられたように、あたしが貴女にしっかりとオンナの悦びを教えてあげるわね♪」
僕はベッドに押し倒されて、本格的にオンナの快感に目覚めさせられていった。

「じゃあ、変えられた未来を確実なものにするために、貴方自身を殺してらっしゃい♪」
そう…僕は未来を変えるために過去にやってきたのだ。
しかし、この過去では既に「僕」は死んでしまっている。
「更に確実にするため」と彼女は言うが、本当にそうなのだろうか?

否…彼女は本当に過去から来た「僕」なのだろうか?
「行きません…」
僕はそう答えた。
「何故?」
「既に僕の未来は変わってるから…」
「な…何でなのよっ!!」
突然彼女の表情が変わった。
「駄目なのよ…この世界にあたしが二人居ては!!」

「どういうこと?」
僕が聞くと…
少しして落ち着きを取り戻した彼女が語り始めた。
「貴方が未来から来た時、玉突きのようにあたしの意識が弾き出されてしまったの…」
彼女は幼い「僕」の中で覚醒した。
その「僕」の意識がどうなったかまでは、今では知りようもない。
「僕」の中で覚醒した彼女は「僕」として成長する一方で、「彼女」自身を取り戻していった。
性別を元に戻し、体型を元に戻し、元の自分の顔を取り戻した。
そして、彼女は注意深く「彼女」自身には干渉しないようにしてきた。
そう…今日この時まで!!

彼女は今ここで僕を更なる過去に送り出すことで、元の「彼女」に成り代わろうとしたのだった。
「残念だけど、僕はこのままで良いよ♪未来を変えたいのなら、貴女が過去に行けば良い。」
既にマシンは起動を始めていた。
「っえ、何?また?」
その言葉と共に、彼女は過去に飛ばされていった。
と、同時に「現在」が改変される。

僕の目の前には「僕」がいた。

「君は誰?」
「僕」は何が起こったのか理解していないようだった。
「あたしは貴方の恋人でしょ?さぁ、続きをしましょう♪」
僕は「僕」の唇を奪うとその場に押し倒し、硬くなった彼を「あたし」の中に導いていった♪

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