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2017年1月12日 (木)

奈落の部屋 更新のお知らせ

奈落の部屋 に よくある話 を掲載しました。
http://pfb01406.o.oo7.jp/yokuaru.htm

これは2016年12月~2017年1月にかけて初心に戻った連作をしてみたものです。
(もしかしたら まだ追加でUPするかもしれません)

行列

長い行列だった。
何の行列かは知らなかったが、並んでなければならないことだけは解っていた。
僕の前にも、後ろにも人が並んでいる。
(どんな人が並んでいるのだろうか?)
好奇心に駆られて後ろを振り向いてみた。
が、その人の顔がぼんやりと霞み、どんな人なのかを確かめることができない。
(何ではっきり見えない?)
僕はジッと目を凝らした。
ぼんやりとした顔に、やがて輪郭が現れ、目・鼻・口が判別できるようになった。
(どこか見覚えのある顔?)
僕は知り合いの顔を思い浮かべた。
が、なかなか一致する顔が見当たらない…

「おいおい。勝手な事はしないように。」
と肩を叩かれた。
(誰?)
と振り向いたが、そこには誰もいなかった。
そして、振り向いた拍子に僕はバランスを崩してしまった。
「…っと♪」
と踏み止まったが、その一歩で僕は列をはみ出してしまった。
戻ろうとしたが、その列には僕の入るべき隙間はなかった。

「あ~あ。やっちゃった♪」
再び声が聞こえた。
「どうする?もう元には戻れないよ♪」
ならば、この辺りをうろついてみるか♪

とくに制止する声はなかった。
しかし、列から離れてみても景色が変わる訳でもなく、ただ「列から離れた」と判るだけだった。
離れた場所から列を見てみたが、先頭も後方も果てしなく続いているようだ。

再び列に戻る。
その誰もが同じように前を向いて歩いている。

「止めろっ!!」

僕が列に並んだ一人に声を掛けようとした途端、制止の声が飛んできた。
勿論、姿は見えない。
「列を乱すことは許されない。」
(なら見てるだけなら良いのか?)
「それなら問題ない。」
僕は再び目を凝らした。
さっきとは別の人の筈だが、見えてきたのはさっきと同じ顔だった。

(!!)

突然にその顔の主が思い出された。
それは「僕」の顔だった。
別の人の顔を見た。
その顔も「僕」だった。
そこに並んでいる全員が「僕」なのか?

 

得体の知れない恐怖に駆られ、僕は走りだしていた。
列からはどんどん離れていった。

気が付くと列はどこにも見当たらなかった。
切らした息を整え…
(?)
僕は息など切らしていなかった。

立ち止まったのは身体に違和感があったからだ。
そう…胸が痛かった。
苦しいとかそういうのではなく、物理的に引っ張られる…

何が引っ張られる?
胸?
僕は視線を落とした。
(?)
僕の胸が膨らんでいた。
女の子みたいに乳房があるようにシャツを押し上げている。
(女の子のよう?)
気が付くと髪の毛が伸びていた。
女の子のように背中に届く程…
そして、腕も手の指も細く、白くなっていた。
いつの間にかズボンがスカートに変わっていた。
スカートの下に伸びる脚も女の子みたいだ。
(…)
スカートの上から掌を股間に当ててみた。
(…)
確証はない!!
そんな事があるのだろうか?
僕はスカートをたくしあげ、パンツの中に手を入れてみた…

 

 

「おい、大丈夫か?」
男の声に目が覚めた。
「うなされていたようだけど、怖い夢でも見たのか?」
「夢?」

僕はベッドの中で寝ていた。
男も同じベッドにいる?
僕は胸と股間に手を伸ばした…
そして男の顔を確認した。

男は「僕」だった。

行列から漏れてしまった僕は、もう「僕」には戻れないのだろう。
僕は大人しく「僕」に抱かれていた…

 

絶倫

僕は姉さんの旦那に良い印象が持てなかった。
最初の出会いからして、僕を女の子と間違えていた。
「女ばかりの家に俺なんかが足を踏み入れて、すみませんね♪」
確かに父は他界しており、母と姉と妹の三人の女性でこの家は動いていた。
「流石、美しいお義母さんの娘さん達ですね。アニメの美人3姉妹を彷彿しますよ♪」
最初は母を長女に見立てていたのかと思ったら、僕を次女だと見ていたらしかった。

ただ、そんな事は序の口だった。
新婚旅行を終えてこの家に住み着くなり、毎晩のように姉さんを責め立てていた。
姉さんの淫声とベッドの軋み音が一晩中続くのだ。
更に日曜日の昼間、姉さんが出掛けている時、母の寝室から母の淫声が聞こえてきた。
(母も「女」だったんだ…)
などと思っていると、母が買い物に出ていった直後、妹の部屋から可愛らしい喘ぎ声が漏れてきた…
(どうなってしまったんだ?この家は!!)
どうやら三人と関係を持つことは既に合意ができているらしく、たまに姉さんが早く帰ってきて母や妹とヤッている最中であっても顔色ひとつ変えることはなかったのだ。

 

商店街の福引きで母が温泉旅行を当ててきた。
妹と一緒に日曜日に一泊してくることになった。
朝早く二人は出掛けていった。
姉もまたいつものように外出してゆく。
家に残ったのは僕と義兄の二人だけだった。
トントンとドアがノックされた。
「アレから連絡があって、今夜は友達の所に泊まってくるそうだ。良い機会だから夕食は二人で食べに出ないか?」
義兄がいなければ、カップ麺で終わらせるのだが…
彼の誘いを断る口実も見当たらず、時間になり二人で家を出た。
近くのファミレスか居酒屋かと思っていたが、タクシーに乗せられてとなり街の繁華街で降ろされた。
淫靡な飾りの入り口を入ると店内のソファのどれにも男とドレス姿の女性が肌を密着させて座っていた。
案内の女性が空いているソファに誘導してくれる。
「俺は水割りで。この子の方はよろしく頼むよ♪」
と僕は店の更に奥に連れていかれた。
「その格好は店の雰囲気に合わないので着替えてもらいます。」
(ドレスコードというやつか?)
「これがあなたのロッカーになります。着ているものを全て脱いでください。」
このような店は初めてなので、店の人の言う通りにするしかない…と、パンツ一枚になった。
即に着替えるのではなく、鏡の前に座らされた。
頭にネットが被せられ、髪の毛が抑えられた。
「しばらく目を閉じててください。」
と、丁寧に顔を拭かれ、その上から顔パックのようなものが貼り付けられた。
また、頭には何か被される…肩に髪の毛が触れる感触がある。
長髪のカツラなのだろうか?
「目を開けて良いですよ。」
その言葉に目を開けると、僕の目の前に茶髪の女の子がいた。
否。それは「僕」の顔だった。
茶髪は被されたカツラなのは解るが、顔に貼り付いたパックの効果なのだろうか…
口紅を塗ったような唇。
白い肌に赤みを帯びてふっくらした頬。
眉毛は細く描かれ、睫毛が伸び、目の周りも縁取られている。
「可愛いでしょう?その顔に合った服を着ましょうね♪」
ショックから立ち直れないうちに、胸には模造バストが貼り付けられ、ブラジャーで固定された。
その上から淡い水色のドレスが被された。
髪の毛が結い上げられる。
僕はどこから見ても「女の子」だった。

「立って。」
言われるままに立ち上がると、スカートが捲られパンツを脱がされた。
パンツの代わりに別のものが穿かされた。
顔パックと同じようにペタリと股間に貼り付いた。
最初はひんやりしたが、体温であたためられると不快感はなくなる。
少し縮んだのか僕の下半身を軽く締め付ける。
その上からショーツを穿かされた。
「脚は綺麗なのね♪」
それは僕のコンプレックスでもあったが、スカートの下に覗く脚には脛毛はなく女の子のようにほっそりしていた。
「それじゃあ戻りましょうか♪」
と踵の高いサンダルを履かされ、ふらふらしながら義兄のいる席にもどっていった。

「俺の目に狂いはない。君にはなかなかの素質があるよ♪」
義兄の隣に密着するように座らされた。
「な、何の素質ですか?!」
そう聞くと
「見た通りだよ♪」と返された。
側から見れば、他のソファと同じ男女のカップルに見えるだろう。
「ここは料理も美味いからね♪」
と運ばれてきた皿から一片を切り分けて僕の口に送り込んだ。
「美味しい…」
確かに美味しい。だが、料理に罪はないが義兄と二人で一皿…更にナイフもフォークも義兄の分しかないのだ。
次の一片は義兄の口の中に消えていった。

「どういう事なんですか?」
再び問い掛ける。
「こういう店は初めてだろう?どうして良いかわからない時は他の席の娘を真似すれば良いよ♪」
「初めてとか、そういう事ではなくて、何で僕がこんな格好をしなくちゃならないかって事です。」
「俺がその格好をして君が元のままでは、この店の雰囲気は確実に損なわれる。」
「だからって…」
「ロッカーはひとつやふたつではなかったろう?ここにいる女性の半分以上が君と同じ事をしているんだ♪」
「男の人なんですか?」
「そうは見えないだろう?」
「は…はい…」
良く見ると、隣の女性の胸元に手を入れ、モミモミしている男達がいた。
女性の方は快感にうっとりしているようだ。
更には男の股間に顔を埋めている女性もいた。
口に咥えているのは男のペニスだった。
(本当に男が変装しているだけなのだろうか?)
「君もシてみるかい?」
「するっ…て?」
義兄は膨らんだ股間を指差し、ニヤッと笑った。
「まだ、ハードルが高いよね♪」
と僕の肩に腕を回して引き寄せた。
「最初はこの位からかな?」
と、もう一方の手を僕の胸元に差し込んできた。

ふにっ!!

僕の胸の上で肉塊が変形した。
と同時に僕自身の胸が揉まれるのを感じた。
(この「胸」って造り物の筈…)
僕はその刺激により乳首が硬くなるのを感じた。
「どうだい?女の子として感じたのは♪」
「女の子?」
「胸だけじゃないよ♪試しにエッチな事を考えてご覧。」
突然エッチな事と言われても…と思ったが、周りのソファではその「エッチな事」が展開されていた。
男の人の上に座っている女の子がいた。
スカートを捲り、脚を広げ…股間に男のペニスが突き立てられていた。
膣の中をペニスが出入りしている。
「ああん♪」という彼女の淫声が聞こえてくるようだ。

その男と同じように、僕も女の子とSEXしている所を想像する。
ショーツを脱いでゆく女の子…スカートを捲ると股間の筋がはっきり見える。
(?)
良く見ると、その女の子は鏡に写った「僕」だった。
スカートを捲り、秘所を晒している。
僕はそこにペニスを咥え込み、さっきの女の子のように快感に淫声をあげるのだ…
(ジッ…)
股間に何かが滲み出てきた?

「どうだい♪勃ったかな?」
そう言われ、確認すべき事を思いだした。
が、僕の股間では「硬く」なるべきものの存在が感じられなかった…
「ここにあるのは何だと思う?」
彼が掌でスカートの上から僕の股間を撫でた。
僕の股間から滲み出たものがショーツを濡らした。
「準備は良いようだね♪」
彼の手がスカートの下で僕の太股を撫であげた。
そして、ショーツの縁に指を掛けて引き下ろした。
あっという間にショーツを外され、そのままスカートを捲られて彼の上に乗せられた。
彼の股間ではグロテスクな肉棒が屹立している。
その先端が僕の股間に触れ…そのまま僕を貫いていた。
「ああん♪」
僕は周りの女の子達と同じように淫声をあげていた。

 

 

姉さんがいない時、僕は姉さん達のベッドの上にいた。
母さんも妹も…姉さんさえも…
「彼と頻繁にヤってると体がもたないから♪」
「たまにヤらしてもらえれば♪」
「男の子は体力あるものね♪」
などと言っている。
義兄の精力には限界はないらしい。
他所に「女」を作られるよりは、身内で対処できた方が良いというのだ。
「あんたなら妊娠の心配もないしね♪」

僕は模造バストを胸に貼り付けると、義兄に買ってもらった姉と色違いのネグリジェをまとい、彼の上に跨がった。
勿論、ショーツなど穿いてはいない。
屹立した彼のペニスが僕の膣を埋めてゆく…
「あぁ…♪」
甘美な時間が始まる♪

消失

とうとう、僕は小便をするにも便座に座らざるを得なくなってしまった。

ペニスが萎縮しているのに気付いたのは三日前だった。
単に縮こまっているだけだと思っていたが、その晩、勃起させてみて長さも太さもいつもの半分くらいしかないのだ。
この一ヶ月程、自慰もしていなかったので、普段の生活でおかしいか?と思っても気の所為と片付けていた。
だから、いつからこんなになったか?何が原因か?など解る筈もなかった。
その日とて、自慰をしようとする性欲があった訳ではない。
気の所為では済まされないと思い、確認してみることにしたのだ。

その時点で既に玉は消え失せ、袋も股間に同化してしまっていた。
その晩はしっかりと握ったまま眠りに就いたのだった。

 
昨日の一日はどんどん小さくなってゆくのを実感することになった。
勿論、日中に勃起させてサイズを計ることなどできないが、尿意もないのにトイレに行っては小便器の前でパンツの中から引っ張り出して確認していた。

夜になり、ベッドの上に鏡を置いて剥き出しの股間を写し出してみた。
既に、それは単なる小便を出すホースでしかなかった。
海綿体も亀頭も失われている。
その時点では、なんとかズボンの外に尿を誘導できるだけの長さはあったのだが…

 

今朝、目覚めとともに股間を確認した。
僕の下半身には女の子のような溝が出来ていた。
その隙間にホースの先端が覗いているが、到底ズボンの外にまで出せる長ささなかった。
便座に座り夜中に生成さるた尿を排出する。
ホースの中を通ってゆくのを感じたが、それだけのことだった。
鏡で確認したが、僕の股間は女の子みたいではあるが、ホースの奥には肛門があるだけで、おまんこが出来ている訳ではない。
単に、ペニスが萎縮しただけ…それだけなのだ。

 

夕方にはホースもなくなり、股間から直に排尿するようになっていた。
(それでも僕は「男」なんだよな?)
それを確かめるべく、性欲がないにも拘わらず、僕はその晩に自慰をしてみた。
指先で尿道口の辺りを擦ってみる。
ペニスを弄っているときと同じように感じるようだ。
少し奥の方にシコリのようなものがあった。
皮の上から亀頭を弄っているような快感があった。
弄っていると、シコリに血が溜まってきたのか、硬さを増していた。
(ああ、射る…)
いつものように精液の込み上げてくる感じがして…

尿道口から精液がどろり…と出てきた♪
ティッシュで拭き取る。
いつもと同じ臭いがしたので安心した。

久々の射精だった。
まだイけそうな感じもした。
オカズになりそうなビデオを再生する。
女の割れ目がアップで映る。
ソコに突っ込みたいという感情は一向に湧いてはこない。
場面が切り替わり、女がフェラチオをしていた。
逞しいペニスを咥えては美味しそうに舐めあげてゆく。
今の僕には逞しい云々どころか、そのペニスさえ失われているのだ。
「ううっ…」
手での刺激だけで精液が込み上げてくる。
だが、射精を終えてもまだまだ快感は続いている。
やがて精液も出尽くしたか、出てくるのは透明な液体に変わっていた。

「あぁ、あぁ、あぁ…」
僕はうつ伏せになり、腰を上げながら股間を弄っていた。
『あん、あん、あん♪』
僕の喘ぎとビデオの女の喘ぎ声が重なった。
映像を見ると、女も僕と同じ姿勢をしていた。
後ろにいる男が突き入れる度に女が快感の声をあげる。
僕も男に突き入れられたように感じた。
「『ああん、あ~~ん♪』」
男が僕のナカに精液を放った。
(これがイクって事なの?)
僕は快感の中で意識を失っていた…

 

 

何事もなかったかのように「男」としての一日を終えていた。
帰り道、路地裏のアダルトショップに立ち寄った僕はディルドゥとローターを手に入れていた。
股間のシコリを刺激するのに丁度良かった。
固定すると両手が空く。
僕はビデオの女のようにディルドゥを咥えてフェラチオの真似をした。
今日のビデオでは女が男の上に跨がっていた。
僕も同じようにディルドゥを床に立て、その上に腰を降ろしていった。
「んあん、イイ♪太いのが入ってくる…」
僕の股間にはそれを受け入れられる器官は存在しない。
が、ソレはゆっくりと僕のナカに入ってきた。
しっかりと根本まで填まり込む。
『良いぞ。イイ締め付け具合だ♪』
ビデオの男がそう言った。
『それじゃあ、サービスしてやらんとな♪』
と男が腰を突き上げると同時にディルドゥのスイッチが入った。
「っあ、ダメ!!こわれちゃう。」
『問題ない。じゃあもっと気持ち良くさせてやろう♪』
ディルドゥの動きが激しさを増す。
「んあん、あん♪イイ~!!」
僕の発する声はもう、言葉にならなかった。
快感にのみ従い喚き散らす。
腰を振り、更なる快感を追い求める。
愛液の溢れえいる股間がどうなっているのかなど、考える余裕もない。
「ああん、イク!!イっちゃう~~」
僕は再び、快感の中に意識を失っていた…

 

 

 
僕は「男」なのだろうか「女」なのだろうか?
僕は女の格好をして街を徘徊するようになっていた。
やはりディルドゥは造り物でしかなかった。
一度、本物を経験すると、他に代えようがない。
(それに小遣いも稼げるし、美味しいものもご馳走してくれる♪)
僕は真っ赤なパンプスを履き、腰を揺らして夜の街に呑まれていった…

みのり

俺は親友の上に跨がっていた。

俺の股間には親友のモノを受け入れる器官があるのだ♪
俺の胸ではたわわに実った果実が揺れ…
「ああん、あああ~ん♪」
俺の発する声は、愛らしく…ミダラだった…

 

 
俺がこんな姿になったのは俺の行っていた実験の影響であることは間違いない。
別に「女」になる為の研究をしていた訳ではない。
植物の成長に影響する電磁波の特定を研究していたのだ。

様々なタイプの電磁波の下で植物の成長にどのような変化が見られるのか?
中には一気に巨大化するものもあったが、成長も早ければ一気に枯れてしまうのが殆どだ。
そして、実が成れば味見もする。
これも殆どが「食べられる」程度のものばかりであった。
「お前は野菜しか食わないのか?」
親友の太一が心配するくらい俺は研究施設に隠りきりだった。
そこで収穫できたものがあるので、わざわざ食材を買いに出ることなく、野菜ばかり食べて生活していたのも事実である。
電磁波を長時間浴びていた所為か、その電磁波で育てられた野菜が変質した所為か定かではないが、気が付くと俺の肉体は「女」になっていたのだ。

 
「お前…朗(あきら)なのか?」
久々にやってきた太一に発見されるまで、俺は研究施設から出る事はなかった。
女になった姿を曝したくないという思いもあったが、原因が不明なままであるので、ここを封鎖しなければならないという思いもあった。

既に電磁波の発生装置は停止させていた。
人工照明も落とし、暗くなった施設内で植物が死滅してゆくのを見届けた。
俺は残った野菜と水だけで食いつないでいたが、やがて身体は衰弱してゆき、施設を抜け出すタイミングを失ってしまっていた。

 

太一に連れ出され、病院に放り込まれた。
様々な検査が行われたが、栄養失調の他には特に「異常」はないという。
俺の肉体が完全に「女性」となっている事が改めて確認された。

「まだ、研究を続けるのか?」
「こんな状況を公にはできないだろう?俺はもう表には出られないんだ。」
「そりゃそうだな。だが、どこかに就職するとか考えてるのか?」
「この先、女として生きなければならないんだよな。まだ他人と接触する自信がないよ。でも、ここにはそう長くも居られないらしいね。」
「なら、僕の所に来るかい?部屋には余裕がある。」
「お前のとこなら願ってもないが、良いのか?」
「それが親友ってものだろう♪」

 

彼の言葉に甘え、彼の家での生活が始まった。

ひとつ屋根の下で暮らしていると、俺と太一の関係は「親友」の枠では括れなくなっていった。
それは、専ら俺の意識の変化でしかない。
彼の俺に対する態度は一貫して「親友」のままである。
が俺自身、肉体だけが「女」であるだけでなく、「女」の服を着て「女」のように身嗜みを整えるようになっていた。
無償で居候させてもらっているのにも負い目を感じ、家事をするようになっていった。
それは「主婦」の生活に近いものだ。
と意識してしまうと、自分が太一の「妻」であると錯覚し始めていった…

「妻」であれば「夫」の夜を満足させてあげるのも必要に違いない。
ある晩、俺は太一のズボンを脱がし、彼のペニスを咥えていた。
口の中で次第に硬くなってゆくのに悦びを感じた。
「出る…」
と彼が身体を離そうとしたが、俺はそのまま彼の迸りを口で受けていた。
確かに美味しいものではないが、彼のものをこの身に受け入れることができた満足感がそこにはあった。

(でも…)
もっと彼を悦ばせたかった。
そう、俺の股間にはペニスを受け入れるための器官が存在しているのだ。
俺はスカートを外し、ショーツを脱ぎ取ると彼の上に跨がった。
ペニスの先端がその器官の入り口に触れた。
そのまま腰を降ろしてゆくと、彼のペニスが俺のナカに入ってきた。
「ああん、あん♪」
俺は快感に声を抑えられなかった。
俺の器官を太一のペニスが埋め尽くしていた。
「ああ…気持ち良いよ♪」
と太一。
俺が「あたしもよ♪」と言うと、彼はぎゅっと俺を抱き締めた。
「朗。愛してる♪」
太一の口からそんな言葉が発せられた。
「えっ?」
思わず聞き返した。
彼にとって俺は「親友」…男同士の関係でしかなかった筈なのだ。
「愛してる。僕は今、女の朗を愛してしまったことを認識したんだ。」
「女の…あたし?」
「そうだ朗。愛してる。結婚してくれないか?」
「う…嬉しい…」
俺は涙目になって太一にキスしていた…

 

 

「いってらっしゃい♪」
俺…あたしは笑顔で太一…旦那さまを送り出す。
「無理はしなくて良いからな♪」
彼が掌であたしのお腹を撫でてゆく♪
その奥の子宮には二人の愛の証しが存在していた。

 

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