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2016年11月23日 (水)

(ない??)

小便をしようと便座を上げてズボンのチャックを下ろしてトランクスからソレを引きずり出そうとしたのだが…
指に触れる筈の存在が見当たらない!!
縮こまっているとかいう状況ではない。
それ以前に尿意が限界に達している。
ソレの有無に構ってる余裕はない。
慌ててベルトを外し、ズボンとトランクスを脱ぎ落とす。
(も…もう、限界っ!!)
俺は便座を下ろすのももどかしく、便座と蓋を抱えるように便器に跨がった…

しゃーーー…

股間から小水が放出されてゆく。
ほっ、として…直後に現在の状況に意識が戻った。

そう…アレが無いのだ!!

飛び散ったのと跳ね返ったので俺の股間は濡れてしまっていた。
雫が尻たぶから滴っている。
たかが小便だけで「女」のように尻を拭かなければならないのだ。

そう、「女」…
俺の股間から逸物が消えてしまい、そこを見ると「女」のように深い溝が刻まれていた。

洗面台に鏡はあるが、胸元から上を写すものであるので、そこを見るにはアクロバット的な姿勢が要求される。
玄関に全身を写せる姿見がある…
便器の水を流すと、俺は下半身まる出しのまま玄関に向かった。

床に尻を付き、M字に脚を開いた。
谷間を形成している肉の壁を指先で広げると、裏AVで見た女のマンコそっくりな形状が見てとれた。
その中心には「穴」があり、テラテラと淫靡に濡れ始めている。

男なら、ココに逸物を突っ込みオトナになるのだ。が…
俺は童貞のまま、逸物を失ってしまったのだ。
これでは「オトナ」になれない…

 
と、呆然としていると
ガチャリと玄関のドアが開く音がした。
「コージいるか?」
親友のタクヤの声と共にその姿が現れた。

(鍵を掛け忘れた?)
否っ!!そんな後悔は後でよい。
俺は今下半身まる出しで、鏡に股間を写すという変態的な体勢にあった。
転がるようにして姿見の前から離れる。
下着にしているティーシャツの裾を延ばして股間を隠す。
トランクスとズボンの位置を確認し…
「何やってんだ?お前♪」
飄々としたタクヤの声が降り注いできた。
「な、何でもない。少なくともノックしてからドアを開けろ!!」
と捲し立てたが、
「そうか。お前もTS蚊にやられた口か♪」
「な、何だよ。そのTS蚊って?」
「現在のお前の様に一晩で男を女に変えてしまうウィルスを媒介するやつだ。」
「で、伝染病?」
「一部の好事家が取引しているらもので、それが流出したらしい。」
「た、大変じゃ…?」
「まあ、飼育器を出た蚊は夜明けを待たずに死んでしまうし、TS効果も三日で解消すると言われている。」
「TS効果って…これの事?」
「ああ♪男の肉体が女に変わってしまうんだ。それ以外はいたって平穏。三日なら隠し通すのにも問題はない♪」
「や、やけに詳しいな…?」
「まあ、僕の手元にも冷凍保存されたTS蚊がやってきたのでね♪試しに夕べ、その窓の隙間から一匹放り込んでみたんだ♪」
「貴様の所為か!!」
「そんなに怒るなよ。三日経てば元に戻るんだ。それまでは、折角手に入れた女の身体じゃないか♪」
「大黒屋。お前も相当な悪よのォ。ひっひっひ…って、悪代官ごっこしてる場合か!!」
「時代劇好きのお前なら、一度はやってみたいんじゃないか?」
「な、何を?」
「ほら、女の帯を引っ張って、あ~れ~とか言うやつだよ♪」
「したいんであって、されたい訳じゃない!!」
「なんだつまらん。折角振り袖とか用意してきたのに。」
「…振り袖…か…」

時代劇好きの俺である。
これまでも忍者や侍、岡っ引きなど様々なコスプレを楽しんできたが、流石に女物の衣装を借りるのは気が引けていた。
花魁や姫君でなくても良い。一度は「振り袖」なる衣装は着てみたいと思っていたのだ。
「き…着るだけなら良いぞ…」
「そうこなくちゃ♪」
「あ~れ~、はナシだからな。」
「判ってるって♪」

 
振り袖に始まって、タクヤの持ち込んだ様々な衣装を着てみた。
もちろん、そこには時代劇以外のものが大多数を占めていたが、それはそれとして楽しんでいる自分がいた。
様々な「女」に成りきってみると、かなり意識が変化してゆく。
そうなると…
「アレをやってみ・な・い♪」
清純そうな女子高生が淫淘な笑みを浮かべてタクヤに迫る。
「良いのか?」
「もちろん♪」
と俺はもう一度振り袖に着替えた。

「ああ、お止めくださいまし…」
「ここまで誘っておいてそれはないだろう?」
タクヤの指が帯を解き、その端を掴んだ。
「そら、いうてみろ♪」
俺が両手をあげると…
「あ~れ~!!」
帯が引かれ、俺はぐるぐると回っていた…

そのまま敷いておいた布団の上に倒れる。
その上にタクヤも乗り掛かって来る。
「な、何をなさいます?」
「お前とて知らざるものではないであろう?」
着物の袷が広げられ、俺の裸体がタクヤの前に晒されていた。
「わたしにも役得というものを頂きませんとね♪」
目が回っていた俺には、何の抵抗もできなかった…

 
「…で?五日目の朝を迎えた事になるんだが?」
と、俺はタクヤの持ってきたネグリジェを脱ぎ、これもタクヤの持ってきた女子高の制服に着替えながら言った。
制服とは言ってもセーラー服でもジャンパースカートでもない…ブラウスとタータンチェックのスカートにハイソックスだ。
コスプレの中でも、これなら着て出歩いても奇異に見られなので、昨日も昼間はこの格好で買い物にも出掛けていた。

女の格好をしてタクヤに食べさせる晩御飯のメニューを考えながらスーパーで買い物などしていると、何か「主婦」になったみたいだ。
お腹の大きな妊婦が旦那さんと買い物に来ていた。
このまま男に戻れなかったら、俺もあんな風に身ごもり、子供を産んで育てる事になるのだろうか?
その時、俺の隣にいるのは…

と、優しく俺を見下ろすタクヤ…
(ナシナシ!!)
俺は慌てて変な妄想を掻き消した。
タクヤには早急に俺を元に戻してもらうのだ。
TS蚊の効果は三日で解消する筈がもう五日目なのだ。
TS蚊の情報を持ってきたタクヤなら、この状況を説明できる情報も見つけられる筈である。
いや、見つけてもらわなければならない。
だから、タクヤを俺な部屋に缶詰にし、俺はタクヤの身の回り…主に食事の用意をしているのだ。
(食事の「お礼」と言って寝る前に俺の…オンナの肉体を求めてくるが…
 これも彼を缶詰にしている代償だ。
 ちょっとは俺も気持ち良いと感じているが…♪
 全ては俺が元に戻る為なのだ!!)

 
「ただいま♪」
と部屋に戻った。
チクッと首筋に…
パチンと掌で叩くと、そこには潰れた蚊がいた。
(この季節に…蚊?)
「タクヤ?」
と机に向かうタクヤに詰め寄る…が、
タクヤは居眠りをしているようだ。
何かの拍子に蓋が外れたようだ。小さな瓶と蓋の間に隙間がある。
瓶の中には何もなく、ラベルには「TS蚊」の文字…
タクヤの鞄には同じ空瓶があと二本あった。

 

 

 
TS蚊の持ち主はタクヤだった。
六日前の夜に解凍した一匹目を窓の隙間から俺の部屋に送り込んだとの事だ。
二匹目は一昨日の夜に部屋の中に放ち、タクヤやトイレに隠っていた。
そして、今晩に解凍を終えた三匹目をどうしようか考えているうちに居眠りしてしまっていたらしい。
「これで終わりだな?」
と聞くと、
「瓶は全部で六本ある。だからあと三本が冷蔵庫に…」
「早く処分して来い!!」
とタクヤを叩き出した。

しばらくしてタクヤから電話が入った。
「ちゃんと処分したよ。したけど…」
タクヤの声が貸すカスれている。
「どうした?」
「俺も刺されたみたいだ。シャツのボタンが嵌められない…」
次第に涙声の女の声に変わってゆく。
「お前の部屋にはもうコスプレの衣装は残ってないのか?」
「全部、お前のサイズで揃えてるからね♪」
俺は頭がクラクラした。が、親友を放っておく訳にもいくまい。
俺のところにある服でサイズフリーなもの…といっても殆どが体の線を際立たせるものばかりだ…を見繕ってバッグに入れるとタクヤの部屋に向かった。

 

そして三日後…
「コーちゃんいるか?」
ガチャリと玄関のドアが開く音がした。
と男の姿のタクヤが現れた。
TS蚊の後遺症はどこにもないようだ。
「今回は全く迷惑を掛けてしまったな♪お詫びといっちゃなんだが、飯でも奢るよ♪」
「ご飯だけで済むと思ってるの?」
俺は身支度を整えると鏡に自分の姿を写した。
三度も続けてTS蚊に刺された俺は体内に変な免疫ができてしまったらしく、どうやら「女」に固定されてしまったらしい。
「せ、責任は取るよ…」
「責任て結婚て事?あたしにも選ぶ権利はあるんだからね♪」
俺はお化粧が乱れてないかもう一度確認して、昨日買った真っ赤なパンプスに足を入れた。
「まあ、ご飯のお礼くらいはシてあげるから♪」
タクヤとのSEXの相性は良いみたいなので、付き合ってやりのも悪くはないかも♪

俺…あたしは部屋の鍵を閉めると、彼の腕に自分の腕を絡めた♪

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