« 僕の妻と | トップページ | 追求 »

2016年10月30日 (日)

女の子の日

とうとう俺にも「女の子の日」がやってきた。

 

少子化対策の一環として20代で未婚の成人男性に年一回、一週間の女性化の義務が課せられていた。
女性化している間は学生なら出席日数の自動付与、働いている場合は有給扱いで学業や仕事から解放され、自由に遊んで構わないとされている。
勿論、ただ遊ぶだけではない。可能な限り「男性」と付き合い、良いと思えばそのまま女性として結婚・出産する事が望まれているのだ。

 
俺の所にも一週間前にピンクの紙…召集令状が届いた。
20才になって初めての「女の子の日」を迎えるのだ。
大学の事務局には今日から一週間、休みになる旨を伝えてある。
俺は朝飯を済ませると指定された女性化センターに向かった。
「初めてですね?」
差し出した召集令状を確認した受け付けの女性が次に俺の向かう場所を指示した。
初めての人向けに講習会が用意されていた。
中学の保健の時間に見たような図が掲げられ、授業のような退屈な時間をうつらうつらして過ごした。
次に処置室に案内された。
ここで男から女に変わるのだ。
「ちょっと目眩があるかもしれませんが、手摺りに掴まって進んでいってください。」
そう言われ、全裸になると装置の入り口から入っていった。
シャワーを浴び、温風で乾かす…
真っ暗な通路でこれが三回繰り返されると出口に到達した。
俺の身体はしっかり「女」になっていた。
用意されていた標準服を着るとセンターから放り出される。
「戻る時には男性の衣服を忘れないように。また次回からは標準服の支給はありませんので、各自で用意してきてください。」
と着てきた服が紙袋に入って渡された。
用意の良い娘はちゃんと持ち帰り用の鞄を持ってきているし、標準服ではない自前の服に着替えていた。
まあ、標準服の娘は「初めて女の子の日」だというのが明らかであり、男達もそれを前提に声を掛けてくるようだ。
ちなみに、標準服は毎年デザインが変わるので、コレクションにするような輩もいるらしい。

俺はまだ右も左も判らないので、取り合えず大学に向かった。
出席日数に影響はないといっても、遊んでばかりいては授業から取り残されてしまう可能性があるからだ。
既に授業は始まっていた。教室の後ろの扉からそっと入り、空いている席に座った。

「ねぇ君♪見かけない顔だけどどうしたの?」
工学部のクラスである。もともと女の子は数える程しかいない。
全員の顔は覚えられているので、見知らぬ女の子が居れば途端にチェックが入るのは当然であった。
「博也か?」
見知らぬ女の子に名前を呼ばれ、親友の武藤博也は固まっていた。
「俺だよ。敦♪信楽敦。今日から一週間、女の子の日だ。」
「あ…敦…なのか?」
「そう言ってるだろう?」
「し…信じられない…」
「信じるも信じないも、これが事実だ♪」

「こほんっ!!」
と教壇から咳払いの音がした。
私語は慎め!!の警告だ。
博也は慌てて席を正した。

授業が終わると、机を飛び越えるようにして博也が俺の隣に陣取ってきた。
「お前、もう女の子の日の対象なのか?」
「もう…って、二十歳過ぎれば誰でもやる事だろう?」
「成人…男性はな♪」
「何だよ、その〈成人〉に力を入れるのは?」
「成人でない者…童貞は対象外なんだよ。つまり、お前は女性経験があったという事だ。今迄何人落としたんだ?」
「ち、ちょっと待て。童貞には召集令状は来ないって本当か?」
「だから、女の子の日をやってない奴は自分が童貞だって事を公言してるようなものだよ♪」
「そ、そう言うお前はどうなんだよ!!」
「僕は…そうだな♪お前で童貞を卒業させてもらおうか?」
「な、何バカな事言ってるんだよ!!義務だからって女の子になってるのに、童貞のまま男に犯られるなんて…」
「えっ?」
「俺、センターに確認に行って来る。」
「そうか?独りじゃ心細いだろ。僕も付いていってやるよ♪」

 

何故、俺は博也の申し出を受け入れてしまったのだろうか?
確かに彼がいてくれた事でセンターでつれない対応をされても何とか自分を保つ事ができた。
「手違いで条件外の方にも送付される場合がありますが、処置前なら意義は受けられましたよ。」
「今からキャンセルは…」
「講習会でも周知しているように、一旦処置を行うと一週間は元に戻れません。」
とその場で追い返されてしまった。

呆然としていた俺に
「僕がサポートしてやるよ。たった一週間だ。なんとかなるよ♪」
と博也が声を掛けてくれた。
彼がこんなに優しいと思った事はなかった。
(ズキッ!!)
俺の心に痛みが走った。
何かが突き刺さったような痛みだった。

しかし、痛みは博也の行動で即に薄れた。
「取り合えず何か服を買おう。標準服のままじゃイカニモって感じじゃん♪」
と近くのショッピングモールに連れて行かれた。
色とりどりの服を見ているだけで気分が落ち着いてきた。
鏡の中の女の子が「俺」だと思わないでいれば、次々と彼女を着せ替えてゆくのは結構楽しい事だと知った。

「これなんか良いんじゃないか?」
博也が髪飾りを持ってきた。
鏡の中の彼女の着ているピンクのワンピースに似合う、赤い水玉のリボンだ。
「何か手慣れてない?」
俺がそう言うと
「モデルさんが良いからイマジネーションが沸いて来るんだ♪」
(彼の言うモデルって「俺」の事か?)
何故か頬が上気するのを感じた。

「お腹空いてないか?」
と聞かれ、昼飯を食べていないのを思い出した。
処置をするので朝ご飯も抜いていたのだ。
意識した途端、
「くう~っ」
とお腹が鳴っていた。
「そこのドーナツ屋で良いか?」
博也とは喫茶店などには行っていたが、ドーナツ屋などは選択肢になかった筈だった。
(甘いものなんか…)
とは思っていたが、いざショーケースの中を見ると、どれもが美味しそうで選ぶのに迷ってしまった。
博也のアドバイスに従い、お店のお薦めセットを注文した。
飲み物はコーヒーではなくカフェオレだった。
「美味しい♪」
一口食べただけで頬っぺたが落ちそうだ。
(女になった事で甘いものを好むようになったのだろうか?)
実際、コーヒーだと苦くてダメだったかもしれない。
砂糖を沢山入れた甘いカフェオレに心が落ち着く♪

 

「なあ、さっき言ってたこと覚えてるか?」
と、博也が突然真顔になって聞いてきた。
「さっきのって?」
「童貞を卒業するならお前だって。」
「ぶっ!!」
俺は驚いて吹き出してしまった。
口の中に何か入ってたら惨事になるところだ。
「僕が女の子の日を迎えたら、お前にハジメテをやるからさ。」
「お前、真顔でそう言う?」
「おちゃらけた顔で頼むもんじゃないだろ。」
彼の真剣さに俺の心の奥が揺らいでゆく。
(俺は博也に抱かれたいと思ってるのか?)
「女の子の日」自体、男女の結婚・子作りの機会を増やす制度である。
女の間は極力男性と付き合う事を求められている。
後日、女になった博也を俺が抱けるかは別として、博也なら抱かれてやっても良いかも…
「ま、まあ…今日はいろいろ付き合ってもらったから…お礼と言ったら何だけど…」
「オーケー♪じゃあ気が変わらない内に!!」
と腕を引かれ、席を立った。

この近くにも何件かラブホテルがあるのは知っていた。
そのうちの一軒に迷わず突っ込んでゆく。
勿論、俺も入るのは初めてだ。
博也は機械を操作し、ルームキーを手にすると、俺を引っ張ってエレベーターに乘った。

扉が開くと、そこはもう部屋の中だった。
可愛らしいファンタジー系の装飾が施されていた。
「何か遊園地に来たみたいだね。」
俺が部屋の中を見ている間にも、博也は自分の服を脱いでいた。
「デリカシーがないのか?即物主義がっ!!」
「どうとでも言ってくれ♪これからの事を考えただけでココがビンビンになってるんだ♪」
「だから童貞男は…」
「お前だって童貞だろうが?」
「これから卒業できるお前と、卒業させてやる俺では立場が違うよ!!」
「何でも良いから早くシようぜ♪」
俺は博也の勢いに圧されてベッドに倒れ込んだ。
片手で服の上から乳房を揉みあげ、もう一方の手をスカートの中に入れて来る。

「ちょっと待て。服が皺苦茶になっちゃうじゃないか!!」
と一旦身体を離れさす。
ワンピースを脱ぎ、畳んでサイドテーブルに置いた。
下着も脱いでその上に重ねる。
「イイよ♪」
と俺が言うと、博也は突進してきた。
再びベッドの上に組み敷かれる。
服がないので、直に彼の温もりを感じる。
「あんっ♪」
俺が何もできないうちに、股間に割り込むと憤り勃ったペニスが俺のナカに突っ込まれていた。

痛みは無かった。

俺は内側から満たされる幸福感に染められてゆく。
「ああん♪」
と女のように喘ぐと快感が増してゆく。
その喘ぎ声に彼の勢いも増す。
「あん、あん、あん♪」
彼の動きに合わせて喘ぎ続ける。
「ああ、もう我慢できないっ!!」
膣の中でペニスが一瞬膨らんだと思うと、膣の奥に向かって何かが放たれた。

「ああ…良かったよ♪」
と彼が身体を離す。
ずるっとペニスが抜け落ちてゆく…
(ま、待てよ。俺も確かに快感は感じたが〈イク〉っていう感じじゃなかったぞ!!)
満足げに俺の横に転がった博也を見る。
彼は天井を見ていた。
(まだ終わりじゃないぞ!!)
俺は彼の股間に手を伸ばした。
ピクリ
とそれが反応した。
俺は身体を起こし、ソレを刺激することに集中した。
ゆっくりと鎌首を持ち上げてゆく。
(最も効率的な方法は?)
俺の脳裏に過去の映像情報が浮かんだ。
多くの女優達がやってきた行為だ。
躊躇いはあったが、俺は彼のペニスを口に咥えた。

効果はてきめんだった。
ペニスは一気に硬さを取り戻した。
俺は彼の上に跨がると、その上に股間を降ろしてゆく。
ペニスが再び俺のナカに入ってきた。
「博也は動かなくても良いぜ。俺が自分で快感を感じたいんだ♪」
いろいろと角度を変えてゆくと、
「ああんっ!!」
物凄く感じるポイントがあった。
集中してソコを責めたててゆく。
「ああん♪あんっ!!」
快感がどんどん増してゆく。
「そ、それ以上はダメだよ。射ちゃう!!」
「もう少しでイけそうなの♪我慢して!!」
あたしは更に激しく腰を動かす。
その先に快感の頂が見えてきた。
「ああ…イクの?イッちゃうの?」
「も…もうダメだよ…」
「っあ!!そこっ!!」
彼が再び精液を放つと同時に、あたしも快感の頂に達していた。
「あんっ!!イクッ!!ああ~~っ!!」
あたしの意識は白い靄に包まれ、彼の胸の上に身体を預けていた…

 

「妊娠の兆候が見られます。」
一週間が経過し、男に戻ろうと女性化センターに行くと、最初に検査があり、その結果が言い渡された。
「はあ…」
博也との交渉の結果であるのは間違いない。
「一ヶ月後に経過を確認します。今日はこのままお帰りください。」
「えっ?男に戻るのは?」
「妊娠している人を男に戻してどうするんですか。これは少子化対策なんですよ。一ヶ月後に妊娠の兆候が無くなっていれば元に戻せます。」

結局、一ヶ月後には俺の…あたしの妊娠は確実なものとなった。
出産を終えれば男に戻る事はできるということだけど、そうなるとあたし達の子供は奪われ不妊の夫婦に引き取られてしまう…
勿論、後になって母子関係を蒸し返すことなどできないようになっているのだ。

「僕もちゃんと責任を取るよ。」
と再検査に付き添ってくれた博也が言った。
「えっ?責任って?」
「僕が女の子の日を迎えたら、お前の道程を卒業させてやるって約束は反故になるけどね♪」
あたしは博也を見返した。
「女の子の日」が免除されるのは「童貞」の他に「既婚者」というのがある。
彼が約束を反故にするって事は…

「結婚しよう。産まれて来る子供のためだけじゃなく、僕はお前自身を女として本当に愛してしまったんだ。」
「あ…あたしなんかで良いの?」
「なんか…じゃない。お前だからだよ♪」
博也に抱き締められたあたしの目からは嬉し涙が止まることはなかった♪

« 僕の妻と | トップページ | 追求 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 女の子の日:

« 僕の妻と | トップページ | 追求 »

無料ブログはココログ