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2016年10月30日 (日)

手遅れ

「おやっ?」
会社の定期健康診断で胸囲を計っていた医者が変な声をあげた。
胸に聴診器をあてたあと
「ちょっと触診させてもらうよ。」
と僕の胸を入念に調べ始めた。
「何か問題がありますか?」
と聞くと
「精密検査が必要だね。まあ命に関わるものではないと思うが…」

医者の一言以外は昨年と変わらない「健康体」との結果がでていたので、仕事の忙しさにかまけて精密検査には行っていなかった。

 
その数ヵ月後、突然倦怠感に襲われた。
ベッドから起き上が気も、朝御飯を食べる気も…何もする気も起きてこなかった。
それでも、毎日の習慣で会社に行く支度を始めている。
パジャマを脱ぎ、ワイシャツのボタンを止め、首にネクタイを絞める。
洗面台の前で髪をとかし、髭は…気になる程伸びてなかったので剃らないで済ませた。
歯磨きをして、トイレを済ませ、ズボンを穿いた。
忘れ物がないか確認するのも面倒で、鞄を掴むと靴を履いて外に出た。
何も考えないでも、毎日の惰性で満員電車に揺られ、会社まで歩を進め、エレペータに乗り、タイムカードを押して自分の席に座った。

そのまま惰性で一日の仕事を済ませる。
終業のチャイムが鳴った。
「一杯行くか?」
と同僚に誘われたが、
「体調が思わしくないんだ。今日はパスな…」
と席を立った。
くらっ…と目眩がした。
机に手を突き、辛うじて立っていられたが、しばらくは動く事ができなかった。
「大丈夫ですか?」
とうちの紅一点が声を掛けてくれた。
「頭痛が酷いようでしたら、あたしの薬を使ってみます?」
僕は無意識のうちに頷いていたようだ。
錠剤が一粒渡された。
「水なしで大丈夫ですから♪」
と薬を飲み下してしばらくすると多少気分が楽になった。
どんな薬か彼女に聞いてみると、なんと生理痛の薬だった。

 
帰りは休み休みの帰宅だった。
部屋に戻ると再び痛みがぶりかえしてきた。
腹の具合もおかしい。トイレに入り座り込んだ。
チポッ
と股間から滴が垂れた。
下痢便とはまた違った感触だった。
トイレロールを千切り、股間を拭いてみると…
(血っ??)
便器の中も真っ赤に染まっていた。
(これは…)
会社でもらった薬がリンクする。
まるで女の「生理」のよう…
指が汚れるのを無視して、僕は滴り落ちてくる元に手を伸ばした。

そこは肛門ではなかった。
もっと手前…まるで玉袋の合わせ目がほどけたかのように、ぱっくりと開いていた。
肉襞の中心に穴があり、そこから滴っている。
まるで女性器のよう…本当に生理になってしまったみたいだった。
何もしないでもじくじくと滲んでくるようで、下着を汚さないようボケットティッシュを挟んでみた。
(やはりナプキンがあった方が良いか…)
僕は近くの薬屋に行き、ナプキンと生理痛の薬を買ってきた。
が、ナプキンは女性用の下着に装着する前提で作られているようで、トランクスに付けてめ落ち着きがない。
今度はコンビニに行って生理用ショーツを買ってきた。
やはり生理用というだけあってぴったりと収まっていた。
(これで安心して眠れるな♪)

 

朝起きて経血を吸い込んだナプキンを新しいものと交換した。
だるさは残っていたが薬のおかげで幾分かは楽になっていた。
会社に出掛けようとして、ふと「病院に行こう」と思い立った。
昨日、僕が具合が悪かったのは皆知っている。今はなんとかなっても、今日一日を何事もなく過ごせる保証はない。
(健康診断でも精密検査しておいた方が良いと言ってたしな♪)

 

「手遅れですね。」
と医者は突き放すように言った。
「検診のあと、速やかに精密検査を受けていれば、抗TS薬で進行を抑えられるのですが、生理を迎えてしまってはね。」
僕は医者が何を言っているか理解できなかった。
「とりあえず腹部の断面を確認するのと、血液から染色体を確認しておきましょう。」

僕はピンク色の検査着に着替えさせられ、採血の後MRIに掛けられた。

「染色体の判定にはしばらく時間が掛かりますが、腹部の断面映像からも判るように、あなたの身体には女性の内性器が完全に出来上がっています。」
と写真を見せられた。
「これが卵巣です。女性ホルモンも正常に放出されていますね。胸線も発達してますから、即に胸も膨らんできますよ。」
「僕…女になってしまうんですか?」
おずおずと聞いてみると、
「君はもう完全に女性ですよ。あとで書類を渡しますから、それを役所にもっていってください。即に戸籍を変更してくれますよ。」
「男には戻れないんですか?」
「最初に手遅れだと言ったでしょう。整形で見た目を男性に近づけることができるかもしれませんが、それは私の範疇ではありません。それに、本来の性を失わせるような事は勧められませんね。」
「ぼ、僕の本来の性は…」
「今は〈女性〉が貴女本来の性なのですよ。TS病の人達は皆それを受け入れて生きているのです。」

僕は今日は休むと会社に連絡し、医者から渡された書類を役所にもっていった。
「お名前はどうされますか?」
と受け付けてくれた職員に聞かれた。
「名前…ですか?」
「一度であれば、この手続きで女性名になれます。まだお決めになっていないようですので、後日入れられるよう空白で処理しますね♪」
僕は手続きの最後に女性化証明書とカードをもらった。
これがあると様々な所で割引が利くらしい。
また、女性専用車両にも大手を振って乗り込むことも可能だそうだ。
勿論、女湯にも…
(とは言え、そんな気にもなれない…)
多分、性欲も落ちてしまっているのだろう。
女性の裸を見て興奮する事もないし、わざわざ見ようと思う事もなくなっていた。
(僕の内面も女性化してしまったという事だろうか…)
服なども女物であれば割引が利くという事で、近くの量販店の衣料品売り場に入った。
とはいえ、スカートだの女らしい服を着たいとは思わない。
男でも女でも着れそうなものを揃えるのが目的だった。

 
今日は一日休みにしたのだ。
仕事を忘れるためにも、背広から買った服に着替えることにした。
試着室を借りて着替えてみた。
女物…どこか女装しているようで気が引けたが、実際に着てみると何か気持ちが落ち着いたみたいだった。
荷物をコインロッカーに預けて建物の中を散策した。
量販店のスペース以外は専門店のモールになっていた。
歩いているとたびたび声を掛けられ、店のイチオシを紹介される。
勿論女性向けの化粧品やアクセサリーばかりだったが…

「カットモデルやってみませんか?」
美容室の前で声を掛けられた。
仕事にかまけて、髪も不精に伸び放題だった事を思い出した。
いつもは床屋で散髪していたが
「これで割引利きますか?」
とカードを見せた。
「もちろん大丈夫ですよ。カットにしますか、パーマ掛けますか?」
「お任せします。適当にやっておいてください。」
「わかりました♪」
と店の奥に案内された。

シャンプー台で仰向けで頭を洗われた。
初めてのことだが、気持ち良くてついうとうとしてしまった。
ボーとした頭のまま、鏡の前に移動した。
「突然の事ていろいろご入り用でしょう?可能な限りサービスさせていただきますね♪」
店長と思われる美容師が、そんな事を言っていた。
ドライヤーをあてては櫛や鋏を入れてゆく。見方によっては単純作業の繰り返しだ。
睡魔は一向に去ろうとはしていなかった。

「如何でしょう?」
そう言われ、作業が終わったと認識する。
一瞬、目の前の人物が鏡に写った僕自身であるとは分からなかった。
僕の目に写っていたのは一人の美しい女性だった。
着ていた服が僕のと同じであり、目の前が鏡であることを思い出し、この女性が僕自身であると結論できたのだ。
「お化粧もしたんですか?」
「カットモデルの扱いにさせてもらったからね。費用は全て店持ちだし、わずかだけどモデル料も出せるよ。」
「モデル?」
「店の裏で写真を撮らせてもらえたら、もう少し上乗せできるよ♪」
「まあ、今日は暇だから付き合っても良いですよ。」
「ありがとう。スタッフの女性が案内するから。着替えが終わったら即撮影だ。」

僕は断るタイミングを逃し、店の女の子の指示でワンピースを着せられた。
ズボンではなく、脚にまとわり付くヒラヒラのスカートの感触に戸惑う。
店の裏にあったのは、立派な写真スタジオだった。
ホリゾントの前に立たされ、パシパシとフラッシュが焚かれる。
「良いよ♪こっちに顔を向けて♪」
店長がノリノリでシャッターを切り続けた。
三回程服を替えて撮り続けた。

「ありがとう。良い絵が撮れたよ♪」
とモデル料が渡された。
「その服も似合ってるから差し上げるよ。着てきた服はこちらに畳んであるから♪」
と紙袋が手渡された。
「良かったらまたモデルになってね♪」
と店を送り出された。

 
気が付くと陽は傾いていた。
お昼を抜いてしまった事に気付いたが、お腹はそんなに空いていなかった。
今さら着替えるのも面倒なので、紙袋もコインロッカーに入れてどこかで食事をしようかと、これまでとは別の一角に足を踏み入れた。

美容院の店長の腕が良いのだろう。
今まで感じた事のない視線が僕に集まっていた。
特に男…オヤジ達の視線は〈佳いオンナを裸にして全身を舐め廻したい〉という性的な欲求がまる出しで突き刺さって来る。
女達の視線は品定めする感じで、自分より美しい女を見るとどこかアラを探して自分の方が〈上〉であると納得しないと済まないような視線だ。
このような視線を快感に感じる人もいるようだが、僕には到底信じられなかった。

  
「トイレは早めに行っておいた方が良いよ。」
と医者に言われていたのを思い出した。
今の自分の姿では、到底男子トイレに入る訳にはいかない。
女子トイレに向かった。
数人が並んでいたのでその後ろについた。
まだ「慣れる」までにはいかないが、先程と同じ女達の視線に晒された。

順番が来て中に入った。
当然の如く、男子トイレにある小便器は存在していない。
小用を足すにも個室に入るしかないのだ。
ドアを閉め、便座を上げようとして…ここで「男」のようにする訳にはいかないと思い、スカートをたくしあげて便座に座った。
(ナプキンも替えないとな♪)
男のようにしていたら、替え時を失していただろう。
新しいナプキンに交換している間に尿意もピークに達した。
シャーっと小水が迸った。が、その射出口はいつもと違っていた。
ペニスの先端ではなく、根本の辺り…股間から直接迸っていた。
当然だが、小水はお尻に滴っている。
僕は女のようにお尻を拭くことになってしまった。

他の女性達に倣って、洗面台の前でお化粧の乱れを確認した。
(今の僕にはお化粧が乱れても直す事なんてできないよな…)
少し気分が落ち込んだが、お店の並ぶフロアに戻ると美味しそうなサンプル写真に気を取られて気分も持ち直していた。
デザートにつられて、パスタ屋でレディースセットを頼んでしまった。
二種類のグラタンにサラダとスープ。フリードリンクに…大きな切り身のフルーツの入ったヨーグルトのデザートのセットだった。
見た目は量が少ないかなと思ったが、僕の胃の方が小さくなったみたいで、結構お腹一杯になった。
(勿論、デザートも完食している♪)

腹ごなしに小物類のショップをひやかしていると、あちこちで閉店ね準備が始まりだした。
コインロッカーに戻り荷物を取り出していると…

「先輩?」
と声を掛けてきた娘がいた。
(うちの紅一点だ)
「えっ、どうしてココに?」
「やっぱり先輩だったんだ♪」
つまり、彼女はここにいるのが「僕」であることは半信半疑だったのだ。
僕が返事をしなければ、僕のこの状況…女の姿をしている…はバレることはなかったのだ。
「TS病だったんですね?」
「わかってたの?」
「昨日の先輩、生理の重い日の女性そのものでしたもの♪」
「そんなだった?今日病院で言われるまで想像もしてなかったよ。」
「それにしては女姿が様になってますよ♪ロッカーから出てきた鞄が先輩のじゃなかっらたわからなかったですもの。」
「美容院でカットモデルだと安くできるって言われて…この服もその時着させられたものなんだ。」
「先輩って、元から素質があったんじゃないかしら?でも、まだ慣れてないでしょ?明日も休んで月曜から出社した方が良いですよ。」
「そうかな?」
「立派な生理休暇ですもの♪」

 
彼女の提言もあり、翌日の金曜ももう一日休む事にした。
日曜には生理も落ち着いていた。
その間にも僕の肉体の女性化はどんどん進んでいった。
ペニスは萎縮し、股間の割れ目の中に消えてしまった。
代わりに胸が痛いくらいにどんどん膨らんできた。
腰まわりもくびれて、完全に女性の体型になってしまった。
今まで着ていた服がほとんど着れなくなってしまった。
カードを提示して安い女物の服と下着を大量に買い込む事になった。
クローゼットに入っていた服を背広の1セットを残して全てポリ袋に入れ縛り上げ、押し入れの奥に放り込んだ。
この背広は明日会社に着ていくものだ。
僕が「僕」でいるアイデンティティの依り代なのだ。
が、これを着るにはかなり苦痛を伴う。
帰りは楽な服で帰れるよう、着替えも用意しておいた。

月曜の朝が着た。
早めに起きて軽い朝食を済ませ、身支度を整える。
数日前まで簡単に穿けたズボンの腰回りをギュウギュウと押し込んだ。
ブラジャーに包まれて膨らんだ胸も、ワイシャツのボタンが留められない。
仕方なく、男物にも見えるブラウスに変えた。が…、今度は胸の膨らみが強調されてしまう。
背広の上着で押さえ込んで、とりあえず「男装」が完成した。
(やはり、これって「男装」なんだよな…)
少し自己嫌悪が入り込む。
今朝の「僕」は数日前と同じ「男」の僕なのだから、化粧をする必要はない。
(まあ、髭も延びて来ないのは「楽」と言って良いのだろうか?)
とりあえず化粧水だけ塗り込んで会社に向かった。

 
「おはようございます♪」
彼女は会社の入り口で僕を待ち構えていた。
「こっちに来てください。」
と総務部のあるフロアに連れて来られた。
「更衣室」と掲げられた部屋に引き込まれる。
「ここって女子の…」
「大丈夫ですよ。先輩ももう女性なんですから。」
と僕の名前の入ったロッカーの前に立たされた。
「僕の?」
「そうですよ。中に制服が入っています。制服の着用は自由ですが、今の先輩の服よりは動き易い筈です。さあっ♪」
「さあ…って?」
「着替えてください。女同士ですから、恥ずかしがる事もないでしょ?」
と僕が何もできないでいる内にズボンを降ろされてしまった。
「可愛いショーツですね♪」
「こ、これは…」
ズボンを穿いていれば、他人に見られる事はないと、一山いくらの安物の中から適当に穿いてきたのだ。
「サンダルは予備のがありますから、それを使って下さい♪」
スカートを穿き、ブラウスの裾を整え、スカートと同色のベストを着ると、もうOLにしか見えなかった。
「口紅くらいはしておきましょうか♪」
と彼女のポシェットから取り出したステックで僕の唇を彩った。
「さあ、行きましょうか♪」
と職場に連れていかれた。

「彼…彼女には今日から女子社員として働いてもらう事になる。仕事は一緒だが、慣れない事もあるので皆でサポートしてやって欲しい。」
と、完全に女性扱いされる事になっていた。
お茶汲みと電話の対応についてレクチャーを受けた。
二日休んだ分に溜まった書類を片付けながら、いつもは取らない電話の応対を行い、部長からコピー頼まれたのをきっかけに、皆が僕にコピーを頼んでくる。
「さあ、お茶よ♪」
三時になった所で声を掛けられた。
やむなく仕事を再び中断して給湯室に向かった。
何人かの女子社員達が少し前から集まっていたようだ。
順番を待っている間に「彼女は、今日から女子社員ということなのでよろしくね♪」と紹介された。
 

「今日は新しい女子社員の歓迎会だ♪」
定時になるとそう宣言された。
仕事はまだ溜まっていたが、その飲み会の主役が僕以外の人物である可能性はまったくなかった。
「新しいって、僕は前から居たでしょ!!」
とは抗議してみたものの、聞き入れてくれる気配はなかった。
「これも女子としての付き合いだから。仕事は明日に廻しても大丈夫なんでしょ?」
と更衣室に引っ張られた。
「でも、今朝の格好で行く訳にはいかないわよね…」
と考え込む彼女に
「実は…着替えも持ってきてるんです…」
と鞄から昨夜用意しておいたワンピースを取り出した。
「何だ。ちゃんと女の子してるじゃない♪」
今度はしっかりとお化粧をして待ち合わせの場所に向かった。
 

 
「この娘も良い?」
しらっとして彼女が幹事に僕を紹介した。
「女の子が増える分には何の問題もないよ♪それより今日の主賓がまだ来てないんだ。君、一緒に出たんじゃなかったっけ?」
その言葉に彼女が突然笑いだした。
「やっぱり気づかないんだ♪彼女が今日の主賓よ!!」
「えっ!!」
皆の視線が一斉に僕に集まった。
「全然気づかなかったよ」
「別人じゃないか」
「美人になったね」
様々に声を掛けられた。
「さあさあ、メンツは揃ったんだし。早くお店に入ろう♪」
皆の視線から僕を引き離すように、彼女が僕の腕を引っ張った。
そしてぞろぞろと店に入り、宴会が始まった。

主賓ということで、取っ替え引っ替え酒を注がれたが、そこは十分にセーブしていた筈だった。
しかし、気が付くと相当に酔いが回っていた。
「大丈夫?」
二次会には参加せず、彼女と店を出た。
「少し休憩してこうか?」
と彼女と一緒に入ったのはラブホテルだった。
(まだ男のうちに彼女と来たかったな…)
そんなことを思いながらベッドに横たえされた。
(少し酔った彼女に「苦しくない?」とか言って服を脱がせてゆく…)
「苦しくない?」
と彼女が言って、僕の着ていたワンピースを脱がせてしまった。
「シワにならないように掛けておくから♪」
(僕だったら、そんな気遣いはできなかっただろう)
「シャワー浴びてくるね♪」
と彼女が離れていった。
(僕なら即に自分も裸になってベッドに突入していた筈だ…)
そんな事を考えながらうとうとしていると、シャワー上がりの彼女がベッドに上がってきた。
(?)
その姿はいつもの彼女と違っていた。
「髪の毛…短くなってない?」
「うん。いつもはウィッグしてるの♪」
「胸…ないんだけど?」
「うん。いつもは詰め物してるの♪」
「その…股間に何か付いてるんだけど?」
「あたしもTS病やって男になっちゃったの♪」
彼女…彼の股間に在るモノは激しく勃起していた。
「他の女の子には欲情したことないんだけど、先輩は別みたい♪先週に会った時から、先輩を見ると見境なくなっちゃうの♪」
「見境…って、普通は男が女を襲うものだろ?」
「そうよ♪今の先輩は女で、あたしは男なんだから、何も問題ないでしょ?」
「それは肉体的な事であって…僕の意識はまだ男のままなんだ…」
「じゃあ、意識も女の子になっちゃえば良いのよ。先輩はもう十分に女の子の素質があるわ♪」
「そ、そんなコト言ったって…」
「先ずは黙って犯られちゃいなさい♪」
彼女の…男の力に、僕は何の抵抗もできず、股間を開くことになった。
彼女のペニスが僕の膣に侵入してくる…

「先輩のナカ…暖かくて気持ちイイ♪」
僕のナカで彼女が動いているのが感じられた。
今まで経験のない感覚…やはり「快感」て呼ぶべきなのだろうか…が、どんどん増幅されてゆく。
「んあん…、ああん…」
僕の喉がオンナの喘ぎ声のようなものを漏らし始めた。
「良い艶声よ♪恥ずかしがらずにもっと艶声をあげて良いのよ♪」
彼女の動きに合わせて、快感が昂ってゆく。
快感の大きさに合わせて艶声も大きくなる。
快感に意識が呑まれ始める。
「ああん♪イクの?イッちゃうの?!」
僕は無意識のうちに嬌声をあげていた。
「そうよ♪コレでイッちゃいなさいっ!!」
熱いモノが膣の奥に向かって放たれると同時に、僕は意識を失っていた…

 
「この度、うちの部署の紅一点が寿退社する事になりました。皆も祝福してあげてください。」
と紹介され、一歩前に出たのは「元」紅一点の隣にいた「僕」…だった。
「長い間か短い間かどう表現して良いかわかりませんが、皆さんお世話になりました。僕…あたしの仕事は主人が引き継いでまいりますのでよろしくお願いします。」
僕が頭を下げると拍手が沸き起こった。

僕の妊娠が発覚すると同時に彼女は自身のTS病をカミングアウトし「男性社員」となった。
「元」紅一点の彼が、僕に花束を差し出す。
「先輩。お疲れ様でした。…明日からはもう先輩とは呼べなくなりますね♪」
「で、何て呼ぶんだ?」
と野次が入る。
「それは明日の結婚式の披露宴で公開します。」
そう、明日は僕と彼女…彼との結婚式なのだ。
「できちゃった婚」ではあるけれど、彼女…彼と一緒になる事は以前から望んでいた事だから♪
(立場は逆転してるけどね…)
それに、今は二人の子供が僕の胎の中にいるのだ。
TS病の手当ては手遅れだったけど、僕は今TSして良かったと心の底から思っている♪♪

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