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2016年9月24日 (土)

転生者(3)

昼までの間は、彼女が選曲してくれた音楽を聞きながらぼーっとしていた。
ベッドは平には戻さず、程よい傾きで止められていた。
再び彼女が食事を持って現れるまで、俺は時間の経つのを忘れていた。
昼食は小振りのおにぎりが二つと、沢庵にお茶というあっさりしたものだった。
おにぎりの中は梅とおかかだったが、朝の粥と同じく、大変美味しかった。
お茶を飲み干すと
「転生とか言っていたっけ?説明してくれるんだよな?」
と彼女に訊ねてみた。
「ええ。お話しするわ。」
食器を片付けると、再びベッドを倒した。
「リラックスして聞いてもらいたいの。」
彼女はベッド脇に椅子を置き、そこに座った。
「この世界があなたの記憶にある世界とは異なっている事は認識しているわね。」
「ああ」
「あなたは別の世界からこの世界に来た。でも、それはあなたの精神だけであって、肉体は元々この世界に属しているものなの。」
「俺のこの肉体が?」
「これまで、あなたが自分の肉体に意識を向けないよう、暗示を掛けてコントロールさせてもらっていたの。」
「暗示?」
「既に解除してあるわ。どお?」
「どお?と言われてもあたしの身体はあたしのものでしょ?…って、あたしって何?それに、この声…あたしの声?」
「深呼吸して落ち着かせましょう♪ここに鏡があります。これで一度自分の顔をじっくりと確認してみてください。」
俺は渡された手鏡を自分に向けた…

(?!)

そこに写っていたのは「女」の顔であった。
「転生時に異なった性別の肉体に入ることも希にあるのです。でも、肉体の記憶が残っているので、即に順応できますよ♪」
「肉体の記憶?」
「既に貴女は自分の事を〈あたし〉と言っているでしょう?意識して元の自分として行動しようとしなければ、自然とその肉体本来の行動を取れるものなのです。」
「あた…お・れ・は男だ。女の真似なんかできないわよっ!!」
「時間が経てば誰でも馴れていきます。が、今は気を落ち着けて、ご自身の肉体をじっくりと把握しておいてください。」
と彼女は部屋を出ていった。

残された俺は、もう一度鏡を見た。
何度見ても、そこには「女」の顔しか写ってはこなかった。
そして、手鏡を持つ手に目がいった。
なま白く、華奢な腕・指。黒く長かった体毛はどこにもない。
視線はそのまま胸元に落ちた。
何故、これまでその存在に気付かなかったのだろう?
そこには、女に特有の胸の膨らみがあった。
決して小さくはない。
寝間着の上から掌を当ててみた。
柔らかな女の温もりを掌に感じると同時に、乳房に触れられた…という感覚もあった。
指に力を入れる。
揉む…と揉まれる感触を同時に味わう…
(ジッ…)
股間に何かが零れた。

股間…

そこもまた「女」となっているのだろうか?
寝間着のズボンの上から見ただけでは判らない。
寝間着の上から掌を股間に這わせた。
ゆっくりと密着させる。
「男」の証は感じられなかった。
俺の股間は内から零れでたモノで少しだけ濡れていた。
それが、性的に興奮した女が分泌する「愛液」であると肉体の記憶が伝えて来る。
もっと気持ち良くする為には、直接触れるのが良い。
指を立て、膣穴に挿入し、肉壁に刺激を与えてゆくのだ…

「んあ!!」

指の腹が敏感な所に触れた。
俺は女のような喘ぎ声をあげていた。
否。その淫声は女の喘ぎ声そのものなのだ。
俺はこの肉体の感じる場所を知っていた。
そこを責めれば、快感が得られる。
淫声をあげれば、更にに快感が高まる。
俺…あたしの記憶が溢れだしてきた。
(指が止まらない…)
次から次に快感が押し寄せてきた。
俺の股間はくちゅくちゅと卑猥な音をたてている。
「ああん、ああん…」
淫声が止まらない。
その先に快感の頂が見えた。
(イクの?イッちゃうの?)
止めようもなかった。
俺の指は激しさを増す。
「あん、ああああーーん!!」
嬌声をあげ、俺はオンナとしてイッてしまった。
その強烈な快感の中で、俺は意識を失っていた。

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