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2016年9月24日 (土)

入れ替わり

多分、この部屋は僕以外の誰かの部屋に違いない。
それも「女の子」の部屋だ。
机の上には勉強道具以外に、櫛や髪止めなど女の子らしい備品が置かれていた。
その中に手鏡があった。

恐る恐る手に取り、鏡の面を自分に向けた。
(…)
そこには見知らぬ女の子の顔が写っていた。
とりあえず納得する。
これが、僕本来の顔であれば滑稽であろう。
女の子のように細い腕、膝丈のスカートを穿いている。
胸は膨らみ、ブラジャーで支えられている事は明らかだった。

この肉体はこの部屋の持ち主のものであり、僕の意識(魂か?)がこの娘の中に入り込んでいるのだ。

(?)
携帯電話が鳴っていた。
取り上げると発信元の電話番号が表示されている。
「僕」の携帯電話からだ。
「もしもし?」
と応じてみた。

「あんた誰?何で勝手に他人の携帯使ってるのよ!!」
多分、それは「僕」の声なのだろう。
「何とか言ったらどうなの?」
「…何とか…」
「………ば、バカにするんじゃないわよ!!解ってたらこの事態、説明してよね!!」
「解っている事は、君と僕の肉体と意識が入れ替わっているという事だ。あとは、君の名前が里穂っていう事と、僕と同じ高校二年生だってことかな?」
「か、勝手に他人のプライバシーを覗くんじゃないわよ!!」
「この状況ではかなりの情報交換の必要があるね。ちなみに僕の名前は堀田郎…野郎の郎と書いてガイと読む。」
「ほりたがい…井形里穂の逆さね。それが入れ替わりの原因なの?」
「今はまだ何とも…それより、会って話しができないかな?」
「それは良いけど、ここどこ?」
「神奈川県は鎌倉市になる。こっちは?」
「小田原よ。割りと近いのね。」
「これが沖縄と北海道だとまず会えなかったね。」
「じゃあ途中の平塚とかで待ち合わせる?」
「君は初めての場所でも迷わない自信ある?僕は割と方向感覚良い方だから僕が行こうか?僕の部屋なら家族に知られずに入る事ができるし。」
「そ、そうね。あたしも鎌倉ってあまり詳しく知らないから…」
「二時間は掛からないで着くと思うよ。」
「っあ。服はそのままで来て。髪の毛は少しはブラシしておいてね。椅子に掛けてあるリュックを忘れずに持ってきてね。」
「解ったよ。じゃあまた後で。」
と電話を切った。
確かに着替えとなると、見知らずの女の子の裸を見てしまうことになる。
このまま入れ替わりが続くとなると、いずれは風呂にも入らなければならなくなるのだろうが…
今は彼女と直接話すのが先決だろう。
言われた通りに髪にブラシを掛け、リュックを背負って外に出た。

小田原駅もすぐに判った。スイカの残額を確認して東海道線に乗った。
席はガラガラに空いていたけど…今の僕は女の子でスカートを穿いているのだ。
座ってしまうとつい膝が離れて大股開きになって恥ずかしい目に会うのが目に見えていた。
僕はドア脇に立って流れてゆく景色を見つめていた。

大船でJRを降りる。
鎌倉と言っても、僕の家は鎌倉駅の近くにある訳ではない。
モノレールに乗り西鎌倉で降り、坂道を上ってゆくと僕の家がある。
静かに門を開け閉めして庭に向かう。
離れの部屋が僕の部屋だ。

カーテンの隙間から窺うと「僕」が机に伏していた。
コンコンとガラスを叩くと彼女は気付いたようだ。
窓を開ける。
「ちょっと引き上げてもらえないかな?」
「ここから入るの?」
「普段の僕なら簡単なんだけどね♪」
僕が伸ばした手を掴み、引き上げてくれた。
「キャッ」
と最後にバランスを崩してしまったが、彼女がしっかりと抱き止めてくれた。
(あのキャッって僕が叫んだのか?まるで女の子じゃないか…)
「あの…靴を脱ぐから…」
そう僕が言って、ようやく僕を抱き締めていた腕が解かれた。

「初めまして…って、自分の顔に言うのも変だけどね♪」
「あたしも…始めまして。井形里穂です。」
見慣れた「僕」の顔なのだけど、何故かドキリと胸が高鳴る。
さっき抱き締められてから、何か変な感じがある。
しかし、それは自分だけの話ではないようだ。彼女=彼も何か痛みを堪えているようだ。
「痛いの?さっき、どこかぶつけた?」
「ぶつけた訳じゃないけど…ズボンが窮屈で痛い…」
と、言われた所を見る…股間が膨らみ…ズボンに勃起が阻害されているようだ。
これは「男」にしか解らない痛みだろうし、普通であればこうなる前に無意識に楽な形に動かしている…
「恥ずかしいかも知れないけど、これは僕の身体だからね♪ ズボン…脱がすよ。」
と僕は彼の後ろに回り、ベルトを外し、チャックを下ろし、トランクスと一緒に膝まで下ろしてしまった。
(?)
見慣れたモノの筈だが、いつもより大きく、硬く感じた。
「どうすれば治まるの?」
放っておけばそのうち…とは言えなかった。
部屋に居るのは「僕」独りではないのだ。
原因は僕…女体が側にあるからに違いない。放っておいて治まるものではない。
バランスを崩した僕を抱き止めた時、その手にしっかりとオンナの肉体を記憶してしまった筈だ。

「溜まったのを射せば…」
僕は何を言っているのだ?
そんなことを言っても彼女が自分でできる筈ないじゃないか。
「どうすれば良いの?」
当然訊いてくる。
「僕がやってあげるよ。」
そ、そりゃあ…コレは「僕」のだし、幾度となくマスはかいてきたのだ。が…
いつものように握ろうとすると、彼の背後に廻る必要がある。
が、背後からだと思うように動けなかった。
では…と前に戻る。が…
正面からでは今イチ感覚が掴めない。
僕の意識の上では単なるマスかきなのだが…

それに「僕」がその行為を見下ろしているのだ。
…第三者が見たら、僕が女の子にご奉仕してもらってる風にしか見えないよな♪
(♪)
そう。今の僕は女の子なのだ。
僕自身がマスかきするのを手伝うのではなく、AV女優のように抜いてやる感じでやれば良いんじゃないか?
AV女優はどうしていた?

僕は口を開くとソレを咥え込んでいた。
「何コレ?凄く気持ち良い♪」
僕は舌と上顎で刺激を与え、中から溜まったものを吸い出すように息を吸った。
「な…何か、出る…」
ドクリとペニスの中を塊が込み上げてきた。
僕の喉の奥に彼の精液が吐き出された…
思わず飲み込んでしまった。

僕の口からペニスが離れてゆく。
僕は舌で汚れを舐め取った。
「これで良いの?少しは柔らかくなったみたいね。」
「それは良かった。」
と僕が彼を見上げると…
「あ…またっ!!」
彼の股間はあっと言う間に勢いを取り戻していた。

「もう一度する?」
僕が聞くと
「いや…もっと良い方法を思い出したよ♪あたし…僕の肉体が覚えていた。」
と、僕の前に膝を突き、首の後ろに手を掛け、耳元にフッと息を掛けた…
<<ズキュン!!>>
脳天を撃ち抜かれる衝撃が全身を貫いた。
「その肉体の弱い所は皆知ってるから♪」

スッと服が脱がされていた。
「な…何を…」
「もう判ってるでしょ♪」
僕は床の上に押し倒され、パンツ…ショーツが剥ぎ取られてる。
両膝の間に下半身剥き出しの「彼」がいた。
その股間には硬く勃起したペニスが威容を見せつけていた。
「覚悟は良いかい?なんて聞いても無駄だよね♪君はまだ何も理解できてないだろ?」
否。理解はできる。
僕は「女」で、裸にされ、目の前にはペニスを勃起させた男がいる。
このまま女を犯さないで終える男はいる筈もない。
ただ、これが僕自身に為されようとしているという「実感」が伴っていないのだ。

「あんっ!!」
思わず声がでた。彼の指が僕の股間を撫で上げていったのだ。
「ちゃんと濡れてるね。準備は良いよいだ♪」
彼が伸し掛かってきた。
先端が入り口を探すように僕の股間をつついている。
「いくよ♪」
彼の宣言とともに、僕のナカに異物が侵入してきた。
ゆっくりとだが、ずんずん奥に入ってゆく。
そして、障壁の前で停まった。
「子宮口だね。僕のペニスは完全に君の膣に収まっているよ♪」
二人の股間はぴたりと合わさっている。そして、彼の硬い棒がしっかりと僕の股間に嵌め込まれていた。
「動かすよ♪」
その途端、言葉にできない「快感」に満たされていった。
「ああん♪あ~~ん♪」
自然と、僕は快感に媚声をあげていた。
その声により、彼も僕も快感を高めてゆく。
「んあん。何?これ以上責められたら、意識が飛んじゃうよ…」
「それがイクッてことだよ。もう少しなんだね。何も気にせず、イッちゃいなよ♪」
「そ…そんなぁ…僕が僕でなくなっちゃうよ!!」
「気にする事はないよ♪僕はもう〈僕〉になっちゃったみたいだからね。君も〈里穂〉に成りきってしまえば良いんだ♪」

快感に染まってゆくにつれ、僕は僕の知らない里穂の記憶が甦ってきたように感じていた。
(意識が肉体に侵食されている?)
そんなフレーズが頭に浮かんだけど、今のあたしには何の事か理解できなかった。
「さあ♪コレでイッちゃいな!!」
彼は最期のひと突きと、熱い精液の塊をあたしの子宮に向けて打ち付けてきた。
「ぁ………♪」
あたしは嬌声もあげる間もなく、快感の中に意識を没っしていた…

 

彼があたしの髪を撫でていた。
満たされた気分の中で目覚める。
「もう、大丈夫だね?」
「大丈夫って?」
「もう情報交換は必要ないって事。必要な情報は即に思い出せるだろ?」
あたしは自分の記憶にアクセスしてみた。
小さい頃の里穂の記憶…一緒に遊んだ女友達…学校の事…小田原の街…パパやママの事…
そう。あたしは「井形里穂」なんだ。

「駅まで送っていってやるよ。」
彼にそう言われ、あたしはリュックの中から換えの下着を取り出して身繕いした。
靴を履き、彼のサポートを受けながら窓から庭に降りた。
続けて彼も身軽に窓から抜け出してきた。

西鎌倉の駅に向かって二人ならんで坂道を降りていった。
頭上をモノレールが通り過ぎていった。
駅の手前であたしは彼に聞いた。
「これからも、時々逢ってもらえる?」
「それってデートって事?」
「っバカ。…でも、デートっていうのもナシじゃない…かな?」
「いつでも電話して来いよ。電話番号は判ってるだろ?」
「うん。じゃあ帰るね♪」
あたしは駅に上がり、やってきたモノレールに乗った。

そう、あたしは「あたし」の家に帰るの。
あたしはこれまでも、これからも「里穂」なのだから♪

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