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2016年9月24日 (土)

異世界

ここが異世界だという事は即に解った。
異世界ではあるが、見慣れた景色ではある。
ここは、僕が好んでプレーするRPGの世界…そのものだった。

「どうした?ぼーっとして。」
と声を掛けてきたのは、このパーティーのリーダー:勇者アーサーだ。
僕たちはオープンカフェで朝食を採っている所のようだ。
「単にアーサーに見とれていただけだろう?」
低い声でコメントを入れたのは戦士ガイ。
「おぉ、ジンが戸惑っている…」
と訳の判らない事を言っているのは魔法使いのムだ。
僕の属しているパーティは四人で構成されている。
残りの一人は妖精ナルだ。
ナルはこのパーティーの紅一点で、アーサーに惚れて付きまとっている…という設定だった。

確かに、テーブルには僕を入れて四人が席に着いている。
人数はそれ以上でも以下でもない。
そして、僕の前には妖精ナルが好んで食べる果物サラダが置かれている。

…つまり…
僕が「ナル」なのか?!
「何で僕がゲームの世界に…それも妖精の女の子になってるんだ?」
声に出すと確かに「僕」の声ではないどころか、甲高い女声にしか聞こえなかった。
「ジンが言っている…」
とム。
「今は全てを受け入れ、状況に身を任せるしかない。と…」
「この状況を受け入れろって?そんな簡単に言ってくれるなよ…」
「落ち着けナル。お前がヒステリーを起こすとパーティーは動けなくなる。」
とガイ。
「ヒステリーって何だよ!!他人事だと思って、皆適当な事を言って!!」
「ジンは沈黙した…」
「またそれ?」
「今はナルに落ち着いてもらうのが最良だ。」
「だからぁ、こんな状況で落ち着いていられる方がどうかしているよ!!」
「だからと言って、今即にどうこうできるものでもない。」
「でも…」
と言葉を続けようとする僕の手を、隣からアーサーがぎゅっと握り締めてきた。
「ナル…」
アーサーが僕を見つめている。
ドキッ
って僕の心臓がトキメいた。
(何で?僕は男なのに…)
アーサーの美しい瞳が「僕」だけを見つめていた。
「ナルはナルだよ。どのような状況であっても、君が君以外の者となることはないんだ。」
アーサーの言葉の意味は半分も判っていなかったけど、アーサーの言葉だと納得してしまう。
「うん…」
と僕は項垂れた。
「良い娘だ♪」
とアーサーが僕の頭を撫でてくれた。
何故か僕は幸せな気分に満たされてゆくのだった。

 

「今日はナルもまだ本調子じゃないようだから、軽めのクエストにしておこう。」
とアーサー。
「まあ、それが無難だな。」
とガイが立ち上がった。
「ジンも否定していない…」
ムもいつの間にか立っていた。
「クエスト?」
とアーサーを顧みる。
アーサーも立ち上がった。
「それが僕らの日課であり、収入源だ。それは解るだろ?」
アーサーが伸ばした手を掴み、僕=ナルも立ち上がった。
流石に妖精なだけあって「ナル」の身体は軽く、簡単に空を飛んでしまいそうだった。

街を出てしばらくは草原が続いていた。
「ナル。ちょっと上から近くのダンジョンの位置を確認してきてくれないか?」
とアーサーに頼まれた。
僕=ナルは妖精だ。背中には薄い羽があり、設定では飛翔が可能である。
(本当に翔べるのか?)
半信半疑で僕は背中の羽に意識を集中した。
だらりと服の一部のように身体にまとわり付いて羽は生気を取り戻して大きく拡がった。
トンッ
と軽く跳躍しただけで、アーサーの頭の上に達していた。
更に羽を動かすと、ぐいっと身体が上へと持ち上げられていった。
しばらく上昇し、下を見るとアーサー達が僕を見上げていた。
そして視界を広げると、そこには見慣れたゲームの地形が俯瞰できた。
ダンジョンの位置を思い出す。
(アーサーは軽めと言っていたよね♪)
東の小高い丘の下にダンジョンがあった筈…(♪)
妖精の視力はかなり優れているようで、上空からダンジョンの入り口を視認することができた。
皆の所に戻り、ダンジョンの場所を報告した。
「では行こうか♪」
アーサーの声に移動を開始する。
アーサーが先頭で、その次が僕。その後ろがムで、しんがりがガイだ。
そのままの体勢でダンジョンも進んでゆく。
現れる怪物をアーサーが斬り倒す。
軽めのダンジョンだから、アーサー一人で十分だった。
ダンジョンの最奥の部屋にあった宝箱から金貨を手に入れた。
「まあ、今日はこのくらいにしておこう♪」
と、まだ陽の高いうちに街に戻ってきた。
そのまま居酒屋に入る。
料理と酒が並び、ガイが喋りまくり、アーサーが適当に相槌を打つ。
ムはいつものようにマイペース。
そして僕は…アーサーばかり見ていた。

「…ナル?」
声を掛けられ、僕は酒に酔ってかテーブルに伏して居眠りをしていたのが判った。
「宿に戻るかい?」
とアーサーに訊かれ、
「うん…」
と同意して立ち上がったが、足元がおぼつかない。
僕はアーサーに付き添われて、宿の部屋に入った。
二人部屋だった。
そして、ベッドは大きいのが一つあるだけ…
アーサーはそこに僕を寝かせて立ち去ろうとした。
僕は無意識に彼の腕を掴み引き寄せていた。
「一緒に…」
と彼の首にもう一方の手を掛け引き寄せる。
「…寝よ♪」
アーサーの顔がどんどん近づき、そのまま僕は彼の唇を奪っていた♪
アーサーの肉体が僕の上に重なる。
彼の逸物が硬くなっているのが判った。
僕の意識は「男」のままなのに、不快感はなかった。
それ以上に「僕」に反応してくれた事が嬉しかった。

服の紐を解き、少し身体を動かすだけで、僕は全裸になっていた。
この肉体はナル…オンナだった。
既に股間はしっとりと濡れていた。
アーサーのズボンを脱がすと、立派な逸物が露になった。
「キテッ♪」
僕がそう言うと、彼は重ねた身体を更に密着させた。
僕が脚を広げると、彼の先端が僕のナカに潜り込んでくる…
「あ、ああーん♪」
僕は艶かしいオンナの喘ぎ声をあげていた。
僕のナカで彼が動く。
僕は快感に満たされていた…

 

朝…
異世界の日差しが僕達を優しく包んでいた。
「もう一回良い?」
と聞くと、アーサーは優しく微笑んでくれた♪

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