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2016年7月11日 (月)

疑似人格

その日、巧妙なサイバーテロにより数多くの人々が仮想現実世界に閉じ込められてしまった。
現実世界に残された肉体は深い眠りに就いたまま、緩慢な死に向かってゆくだけだった。

 

 

「ネットワークからの切り離しを行う。カウントダウン。3、2、1!!」
俺は教授のカウントに合わせてスイッチを押した。
「生体系、異常なし。」
「ネットワークからの離脱が確認できました。」
それぞれの担当者から報告が入る。
「疑似人格のダウンロードを行う。」
教授の次の指示がきた。
俺達の組み上げた疑似人格が被験者に送り込まれるのだ。
疑似人格とは言っても大した事ができる訳ではない。
特定の刺激に対して筋肉を動かすだけの簡便な仕組みでしかない。
が、筋肉を定期的に動かしてやることで、仮想現実世界からの復帰後のリハビリ期間が大幅に短縮できるのだ。
(?)
疑似人格のダウンロードは完了した筈であるが、被験者は何も反応しない。
「教授。反応がありません。」
俺が声をあげると
「生体系は?」
「異常は見られません。」
「疑似人格のエコーを3ポイント上げて再ロードしろ。」
それは俺への指示であった。
席を立ち、操作用のヘッドセットを被った。
「馬鹿っ、まだ接続が切れてないぞ!!」
誰かの叫ぶ声がしたが、俺は激しい耳鳴りに教われてそれ以降は誰が何を言っているのかも解らなくなっていた…

 

「…山本、山本!!」
遠くで誰かが俺を呼んでいた。
「教授、被験者の意識が覚醒しています。」
その報告に人が集まってきた。
俺の周りにだ。
どうやら、俺はベッドの上にいるようだ。
「この反応は疑似人格ではありません。本人の意識が戻っているようです。」
「そうか…」
と教授の声がした。
「坂木さん、聞こえますか?」
と声を掛け、俺の肩が叩かれた。
坂木さんとは被験者の名前だ。
「違いますよ教授。俺は山本です。」
ゆっくりと目を開けると教授が俺の顔を覗き込んでいた。
「や、山本君なのか?」
驚いたような教授の顔…
「俺、意識無くしてました?」
俺は起き上がろうとしたが、
「待て。そのまま安静にしていろ。」
と押し戻された。
「山本君。その身体に違和感は感じないか?」
そう言われ、ようやく俺はパジャマに着替えさせられているのに気づいた。
「済みません。迷惑掛けて…服、着替えさせてくれたんですね?」
「服?…まあ、そうだな。私達が着替えさせた訳ではないがな♪」

 

 

俺は疑似人格の代わりに被験者の坂木優菜の中にいた。
プロジェクトとしてはこの事態を表沙汰にはできなかった。
つまり、俺が疑似人格のフリをする事で実験が成功したと公表されたのだ。
当然だが、俺は疑似人格が行う事になっていた刺激に反応して彼女の筋肉を動かす「芸」を見せる事になる。
逆に疑似人格が行う筈のない行動を起こすことは厳禁であった。
(折角の女の子の肉体なのに、何もできないのかよ!!)

 
俺が「芸」を見せている間にも、仲間達は不眠不休で疑似人格の改良を進めていった。
今回は「俺」という員数外の被験体がある。俺の轍を踏まないようにすれば、倫理申請不要で何度も試行できるのだ。
ひと月を待たずに「俺」は疑似人格で動くようになった。

 

それと前後して公式には2番目の被験者が俺の部屋=実験室=に送り込まれてきた。
被験者の肉体は常にモニタされている必要があるので、俺は実験室で寝起きしていた。
新しいベッドが運び込まれ、俺の隣に並べられた。
程なくして疑似人格の移植が開始された。
「ネットワークからの切り離しを行う。カウントダウン。3、2、1!!」
前回と同じように、教授がカウントを行う。
「生体系、異常なし。」
「ネットワークからの離脱が確認できました。」
それぞれの担当者から報告が入る。
移植作業は実験室で行われているので、その声は俺の耳にも届いてくる。

「疑似人格のダウンロードを行う。」
教授の次の指示が出された。

俺の代わりのメンバーがモニタを睨んでいた。
(…)
しばしの沈黙の後、
「エコーバックを確認しました。」
との声があがった。
「生体系は?」
「異常は見られません。」
「疑似人格を起動。」
「「おおっ」」
っと声が上がった。
疑似人格が被験者の筋肉を動かしたのだろう。
「問題ありません。」
生体系からの報告を受け
「今度こそ、本当に成功したんだ。山本君という尊い犠牲はあったが、我々は…」
「俺はまだ死んでません!!」
俺は堪えられずに上半身を起こし叫んでいた。
「こ、こらっ!!被験者一号は疑似人格で動いてる事になってるんだ。勝手に動いちゃイカン!!」
慌てて抑え込まれた。

成功の余韻も覚めやらぬ内に、再びどさ回りが始まった。
被験者二号と一緒に行く事もあるが、その時はいつも以上に神経を使う。
なにせ二号は本物の疑似人格で動いているのだ。違いがあってはならない。
入念に動作を真似てゆくのだった…

 

3番目の被験者が運ばれてきたが、どうやらこれは公にはされていないようだ。
俺と被験者二号は一時的に別室に移された。
代わりにベッドが二台運び込まれてきた。
続いて、被験者と思われる男がネット接続を維持したまま運び込まれた。
その後、いかにもSPという男達に囲まれて、車椅子の老人が実験室に入っていった。

 

その夜。俺と被験者二号の部屋に侵入してくる者がいた。
ここの研究員ではなかった。
3番目の被験者の男だった。
ドアを閉め、真っ直ぐに俺の枕元にやってきた。
疑似人格の動きではない事は明らかである。
「優菜ちゃんていったっけ?この身体の使い勝手の確認に付き合ってもらうよ♪」
俺の意識ははっきりしていたが、身体を…指一本動かす事ができなかった。
男は診察着を脱ぎ、全裸となっていた。
そして、その股間は明らかに興奮していた。
(俺が男に教われる?)
有り得ないシチュエーションではあった…が、今の俺は「坂木優菜」…女の子だった。

「おお♪サスガに若い肉体じゃ。ビンビンに勃起しておる♪」
彼は俺が被っていた毛布を剥ぎ、パジャマのボタンを引きちぎるようにして、俺の胸をはだけさせた。
「優菜ちゃんは可愛いね♪」
と乳首にしゃぶり付いてきた。
(痛っ!!)
歯が立てられた。
痛みに顔が歪む。
「疑似人格とやらでもこんな反応するんだ♪じゃあ、こっちはどうかな?」
パジャマのズボンとパンツが一気に剥ぎ取られた。
恥ずかしさよりも恐怖が先に来た。
とはいえ身体を動かす事ができないのだ。男の為すがままとなるしかない…

股間が広げられる。
俺でさえ、まだ触れていない優菜の秘裂の奥に指を押し込んできた。
そこには「男」には存在しない器官があり、その内に侵入してきた指の存在を感じている。
「優菜ちゃんはハジメテかい?なかなか濡れて来ないな…」
男は指を抜くと唾液をたっぷりまとわせ、その部分に塗り込んでいった。
「この身体では加減ができそうもないんじゃ。痛かったら御免さな♪」
と俺の脚をM字に畳ませ、男の股間を…憤り勃ったペニスを近付けてきた。

先端が股間に触れ…そのまま一気に突っ込んできた。
「あ゛ぎっ!!」
俺の肉体が痛みに叫ぶ。
「おお♪良い媚声じゃ♪」
更に奥まで肉棒が突っ込まれ、先端がその奥のモノに触れた。
「子宮口じゃな♪まだ開かれてないようじゃが、その内快感にヒクヒクしだすからな♪」

快感どころではない。痛みしかないのだ。
それに「オンナの快感」はもっと、じっくりと、俺の手で感じてみたかったのだ!!

「い、イヤーーッ!!」
俺の叫びが迸った。
逃れようと足掻きもがこうとする意思が、徐々に肉体に届き始める。
…が、既にしっかりと合体しており、女の細腕…寝たきりで衰え…たった今まで麻痺していた…では男を遠ざけることは不可能である。
「おやおや?疑似人格がこんな反応までできるとは知らなかった。それとも、わしと同じように誰かがその肉体に憑依してるのかな♪」

つまり、俺がこの肉体に捕らわれたように…多分車椅子でやってきた老人だろう…第3の被験者の肉体を乗っ取ったという事か?
それが出来るという事は…
優菜の中に俺がいる事を知っている。
俺と同じ事を故意に起こすことを強制できる権力を持っている。
そして、この老人はそこまでしても若い肉体を手に入れたいほど年老いているのだろう。

俺が抵抗らしい抵抗もできないでいるうちに、彼はその逞しいペニスで俺の膣を刺激し続けていた。
「んぁ…♪」
俺の意思とは別に、快感に目覚めた肉体が反応を始める。
股間から、くちゅくちゅと卑猥な音がしてきた。俺の膣からは愛液が供給され始めたのだろう。
「ぁあん…あ~ん♪」
俺の喉から甘えたオンナの淫声が溢れてゆく。
俺はオンナの快感に身を任せてしまっていた。
その快感を受け入れる事で、更に快感が高まってゆく…
「な…何?コレ…」
快感の高まりの頂点が見えたような気がした。
これがオンナが「イク」ってこと?
「ああん♪イッちゃう~!!」
男の精液が放たれると同時に、俺は高みに達していた。
それは男の性的快感とは全く異質のものだった…が、俺はその快感に魅了されてしまっていた。

「ぁっ…」
男が離れていった。
「どうした?」
と男が聞く。
「…」
俺は返す言葉を躊躇していた。
(止めないで)
それは俺が男として存在する事を否定してしまう言葉だ。
「もっと…」
俺は何を言おうとしている?
(もっとシて♪)
(もっと激しく)
(あたしのナカを、もっとぐちゃぐちゃにして!!)
言葉を詰まらせる俺に男が助け船を出す。
「もっと欲しいのか?」
俺はその言葉に頷いていた。
「なら、頑張って硬くさせてみろ♪」
と今まで俺の膣に填まっていた逸物を指し示す。
男の精液と俺の愛液にまみれた肉棒が力なくぶら下がっている。
手を伸ばそうとすると、
「そこは当然口だろう?」
と股間を突き出してきた。
俺は何の躊躇いもなく、ソレを咥えていた。
俺の口の中で次第に硬さを増してくる。
コレが再び俺の膣を掻き回して、快感を与えてくれるようになると思うと、奉仕にも熱が入ってゆく…

 

 

 
俺は「坂木優菜」となった。
元々彼女の意識がネット内に囚われている事は公表されていなかったので、何の疑いも持たれずに彼女に成り代わる事ができた。
それは彼も同じであった。
既に、彼は老人の後継者として指名されており、老人の死後はその遺産を全て受け継ぐ事になっていた。
「そろそろ葬式をあげようと思う。お前も喪服を用意しておけ。」
ベッドの上で俺を貫きながら指示する彼は、若さを取り戻しその活力に酔いしれていた。
毎夜…どころか、暇さえあれば俺を抱いている。
俺としては四六時中、快感に浸っていられるので問題はないのだが…

 

 
俺は喪服を着て、独り葬式に参列していた。
彼は再び疑似人格の世話になっていた。
老人の死と共に、その意識も元の肉体と運命を伴にしたようだ。
俺は老人の後継者の配偶者として扱われていた。
この状況で「坂木優菜」を辞める事は許してもらえそうになかった。
彼は養父の死にショックを受け寝たきりになった事になっていた。
俺が彼の代わりに俺をオンナの快感の虜にした「彼」に花を手向けた。
もう「彼」はいないのだ。
自然と涙が溢れ、その場に崩れ落ちてしまう…
SPの男達に抱えられるようにして控え室に連れられた。
そこには彼が眠っている。
「彼」のようには抱いてもらえないとは解っていても、俺は改造した疑似人格を起動する。
彼が「あたし」の中に挿って来る…
「あん♪あ、あ~~~ん!!」
あたしは歓喜の淫声をあげ、悶えていた…

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