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2016年4月24日 (日)

欺装(2)

目覚めるとシャワーを浴び、今日着る服を選ぶ。
義体は食事を採る必要がないので、そのまま夜まで暇を潰す。
数日で雑誌も読みきってしまった。
(もともとファッション誌なので読むところも少ない)
する事がないので、化粧をしてみた。
目の周りを造るだけでだいぶ印象が変わるのに驚いた。
ファッション誌を参考にいろいろと化粧や髪型を試してみた。

 
それでも退屈な日々が終わる事はなかった。
(いつまでこの欺装を続ければ良いのだろうか?)
大人しく日々を過ごすのにも限界がある。
唯一の外界の接点である「窓」のガラスを破壊しようとする衝動を抑えるのも難しくなっていた。

(否、誰がガラスを割ってはいけないと言った?)
「僕」は死んだ事になっていると言われた。
それでも、家に帰りたい。家族に会いたい。…外に出たい!!

 
ガシャン!!

 
窓は割れた。
僕は靴を履き、スカートをたくしあげて窓枠を乗り越えた。

目の前には森が広がっていた。
闇雲にだが、木々の間に分け入ってゆく。
しばらく行くと舗装された道に出たが、追っ手の待ち伏せがあるとまずいので、再び木々の間に分け入り、どんどん離れていった。

かなり歩いたが疲れる事はなかった。
夜も徹して歩いていた。
やがて木々が途切れた。
陽の下に姿が晒されるとなると、これまでのように道なき道を行く訳にもいかない。
舗装された道路を道なりに歩くしかない。
それでも「女の子」の姿は目立つと思い、日中は隠れながら進んでみた。

街が近づくと隠れてもいられない。
逆に堂々と歩いて他人から声を掛けられる隙を見せないようにした。
街に入ると、ようやく自分の現在位置がわかった。
とはいえ、一銭もお金を持っていないので、電車やバスに乗る訳にもいかない。
そのまま歩いて次の街に向かい、少しづつ自分の家に近づいていった。

 

そして…

目の前に「家」があった。

ガチャリと玄関のドアが開く音がした。
そして、そこから出てきたのは車椅子に乘った「僕」だった。
(何故!!そこに「僕」がいる??)
車椅子に乘っているという事は、バスの事故は存在していた…そして「僕」は怪我を負い、自分の足で歩く事ができなくなっていたのだろう。
だが、「僕」は死んではいなかった。
確かに僕の目の前にいるのは「僕」だ…

「何か僕に用?」
僕は「僕」に声を掛けられていた。
当然だが、彼が僕の存在を知ってる筈もない。
それに、今の僕は女の子に欺装しているのだ。

何も反応を見せない僕の前を「僕」が通り過ぎてゆく…
「ま、待って…」
とっさに出た言葉に「僕」は車椅子を止め反転した。
「ぼ…僕は…」
(って、僕は何を言おうとしている?)
僕の声はそこで止まってしまった。
その僕を「僕」がもう一度、頭の天辺から見直した。
「もしかして、君が僕の臓器提供を受けた人なのかな?」
「た、多分…」
今は少しでも口裏を合わせ、彼から情報を引き出すのだ。
「話がしたいな♪うちに来ないか?」
誘われるまま、僕は「僕」に連れられて家に入っていった。

車椅子での生活ができるように、多少の改造はあったが、僕の部屋は僕の部屋のままだった。
「僕が今、生きていられるのも君のおかげだと言っても過言じゃないんだ。」
(どういう事なのだろう?)
「君には知らされてはいなかったかな?僕がバスの事故で重症を負ったのは聞いているかい?」
僕もまた、その当事者であるのでそのまま頷いていた。
「僕の場合、結構重症で、内蔵の大部分を人工物で代用させる必要があったんだ。もちろんそんな事には莫大な費用が掛かるのも当然だ。」
「そこに君の担当医から臓器の提供を条件に費用を全額負担するとの提案があったんだ。」
「臓器の提供?」
「正確には何といったか覚えてないんだけど、僕の一部を君に提供する事になったんだ。」

『なら、あたしからもお礼をしなくてはね♪』
突然、僕の口が勝手に喋りだした。
『貴方♪まだ童貞なんでしょ?あたしがシてあげる♪』
そう言って「僕」に近づくと、そのままディープキスを始めてしまう。
「僕」はどうして良いのか解らぬまま、僕にされるがままになっていた。
僕の手でズボンのベルトが外され、チャックが広げられた。
トランクスの中に僕の手が入り、しっかりと握られる。
「僕」のペニスは反応していた。
海綿体に血が集まり、太さと硬さを増してゆく。
『さあ。ベッドに行きましょう♪』
僕は「女の子」としては考えられない力で「僕」を車椅子からだき抱え、ベッドに移していた。
その上に馬乗りになると、僕は着ていた服を脱いで全裸になっていた。
「僕」の下半身も丸出しになっている。
その股間でペニスはしっかりと勃起していた。
『じゃあ、あたしのハジメテをあげるね♪』
俺は「俺」の股間にゆっくりと腰を降ろしていった。
先端が股間に触れる。
既にソコはしっとりと濡れていた。
膣口に誘導し、咥え込む。
(僕の膣に「僕」のペニスが侵入してきた…)
キュッキュッと締め付けるとピクッピクッと反応する。
「ぁあんっ♪」
膣奥の敏感な場所を刺激され、思わず淫ら声が漏れてしまう。
自分の指でシた時より、遥かに感じていた。
彼の手が延びてきて、僕の乳房を掴んだ。そのまま、揉むようにして刺激を与える。
「何コレ?気持ちイイ♪」
「ぼ、僕もだよ♪」
彼の指が乳首を摘まんだ。
「っああ!!イイっ♪」
快感につられて彼のペニスを絞めあげる。
「だ、駄目だよ。射てしまう!!」
「良いよ。射しちゃって♪」
僕は自ら腰を振り、彼に刺激を与え続けた。
「駄目…それ以上は…」
と彼が言っているうちに…
ドクリとペニスの中を昇ってくるモノを感じ…
「あっ、ああっ!!」
僕は膣の奥に彼の精液が打ち付けられたのを感じた…

 
まだ股間に「僕」のペニスが挟まっているように感じていた。
最初は強制的に動かされいたのが、いつの間にか僕自身の意思で彼とSEXしていた。
正気を取り戻した僕は、慌てて服を着て家を飛び出していた。
勿論、車椅子の彼が追い付ける筈もない…

と、目の前の交差点で一台の黒塗りの車が、僕の行く手を塞ぐように停まった。
窓が開いた。
「どうでしたか♪ハジメテの行為は?」
あの男だった。
気が付くと車の反対側のドアから出てきた二人の男が回り込んできていた。
逃げようもなく、僕は車に押し込まれ、連れ戻されてしまった。

 

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