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2016年4月24日 (日)

初めての朝…

「うりゃーー!!」
高々と翔び上がり、飛竜に一撃を与える。
更に反転してもう一撃…
愉しそうに戦っている「俺」を見上げている…俺…

この仮想世界では、現実世界の容姿を反映させる事が義務付けられている。
そして、身体能力も程度の差こそあれ、その容姿に相応しいものとなる。
だから、引きこもりの俺が現実世界で筋トレして得た肉体は、この世界では「勇者」として無敵を誇っていた。

 

「凄い。気持ちよかったわ♪またやらしてね?」
飛竜を落として戻ってきた「俺」がそう言った。
「じゃあ、約束の…」
と俺が「俺」の唇にキスをすると、一瞬で視点が切り替わる。
俺の目の前には可愛らしい女の娘がいた。
さっきまで「俺」を見上げていた娘だ。

この世界の制約は俺にだけ有効という訳ではない。
勿論、この娘も現実世界の容姿を反映しており、その能力も容姿に応じたものとなっている。
必然的に、この娘が竜と殺り合うことなど不可能である…ただひとつの例外を除いては…

「肉体交換」を行う事で、彼女は「俺」となり、今のように飛竜と戦う事ができるようになるのだ。
当然だが「肉体交換」は双方の合意が必要である。
男がわざわざ戦えない女の肉体になるのだ。そこには「取引」が存在する。
俺の交換条件はずばりSEXだ。
引きこもりの俺には当然のように「彼女」などいない。性処理は自ら慰める以外にはなかった。
たとえ仮想世界であったとしても、本物の女の娘とSEXできるという事は何にも換え難いものがある。

 

 

「ねえ、もう一度換わってみない?」
出すモノを出して気分良くしていた俺に彼女がそう言った。
「ここで…か?結界に守られた街には竜なんかいないぞ。」
「貴男の能力は戦うだけじゃないでしょ?その能力をあたしも使ってみたいの♪」
「能力…って?」
「良いから換わってよ♪」
強引な彼女に仕方なく同意する。
彼女と唇を重ねると…目の前に「俺」がいた。

そこにいるのは、股間を憤り勃たせた全裸の「俺」だ。
「じゃあヤるね♪」
と俺を押し倒し、伸し掛かってきた。
「な、何をするつもりなんだ?」
「勿論、ナニに決まってるでしょ♪あたしは男で、貴男は女…そして互いに全裸でベッドの上にいる…スる事は一つでしょ?」
俺も、頭では理解した。
彼女は「男」として俺とSEXをしようとしているのだ。
今の俺は「女」だ…俺は女として「俺」とSEXすることになるのだ…
頭では理解しているが…

(?!っ)

俺の股間に違和感が生まれた。
異物…「俺」のペニスが胎内に侵入してきたのだ。
今の俺には「男」を受け入れる器官…「膣」が存在する。
その膣がペニスに満たされ…俺は快感に喘ぎ声を漏らしていた。

俺の口からは女の喘ぎ声が溢れてゆく。
彼が腰を振る度に、ソコから快感が生まれ、快感に俺は「女」のように喘いでいた。
「ああん。あ~~ん♪」
俺はオンナの快感に翻弄され、知らぬ間に快感の頂きに放り上げられている。
「ああーーん!!」
俺は絶頂を迎え、真っ白な混沌の中に沈んでいった…

 

 

街は夜が明けていた。
往来を行き来する人や荷車の音が窓越しに届いていた。
ベッドの上には俺独りだけだった。
部屋の中にも彼女の姿はない。
(ログアウトしたのか?)
片方が先にいなくなるのは別に不自然な事ではない。
俺は昨夜の快感の余韻が忘れられず、しばらくはベッドに残る事にした。

まだ…股間にペニスが嵌まっていた感覚が残っていた…
俺は無意識のうちに股間に手を伸ばしていた。
(くちゅっ…)
小さな音をたてて、愛液が俺の指に絡み付いた…

 

冒険者

風が吹いていた。
巻き込まれていた冷気が針のように剥き出しの肌を突いてくる。
首に巻いたマフラーを拡げて頬を覆った。

乾いた大地はいくら寒くても、雪や氷に被われる事はない。
踏みしめる路面はかさかさの砂粒の吹き溜まりの他は、剥き出しの硬い地肌である。
足を進める度にブーツの踵が音をたてる。

 

 
ここがどこなのか…「俺」の記憶には何の痕跡もなかった。
まるで夢の中のようではあるが、肌に感じる痛みは本物である。
そして、俺の知らぬ筈の記憶が「あたし」の中にあった。
(とにかく、今は陽が落ちる前に次の町までたどり着かなくちゃ)

 
今の「俺」は見知らぬ女の姿をしていた。

最初に歩き難さを感じた。
それが、ブーツの踵が異様に高い所為だと気づく。
(まるで女が履くようなブーツじゃないか?!)
「女」というキーワードが出ると、後は芋づる式に、服が女物である…胸を締め付ける下着…そこに収まった肉塊…そして…
自分が「女」である事を納得する。

(どういう事なんだ?)
と自問した。
勿論、回答は期待していなかった。が…
(あたしが「女」で何か問題があったかしら?)
と「あたし」の記憶が甦ってきた。
この世界に生まれ育ったあたしは「冒険者」として世界中を巡ってきた。
今は極寒の地にあるという「凍竜の鱗」と呼ばれる宝石を探しに来ていた。

この世界では「冒険者」は様々な秘宝を探してくる。
秘宝は似たような場所にいくつもあるらしいのだが、一度その秘宝を探し当てると、どんな事をしても二つ目を手にする事ができないのだ。
「冒険者」は探し出した秘宝を換金すると、また別の秘宝を求めて移動しなければならない。
あたしは「凍竜の鱗」を求めてこの地に来ていたのだ。

「あたし」の記憶が甦る度に、それは「俺」の記憶となった。
俺が女である事を受け入れると、女としての立ち居振舞いを自然に行う事ができた。
歩き難かった踵の高さも苦にはならなくなった。
(が、この寒さは「あたし」の記憶でもどうにもならない)
少なくとも、陽が落ちきる前に、どこか屋根の下に辿り着かなければ凍え死ぬであろう事は理解していた。

 

薄暗がりに町の灯火が見えた。
急ぎ足で町に駆け込んでいった。
「宿屋はどこだい?」
町中を歩いていた男に尋ねた。
「今夜寝る所を探しているのかい?」
(ヤバ!!)
その男の目には好色そうな光が宿っていた。
「あたし」の記憶は、このような輩といるとロクな事がないと警告していた。
「なら、俺の所に来ないか?安くしとくよ♪」
あたしの肉体が目当てなのを隠そうともしていない。
(更に宿代を取ろうとするなんて!!)
「あたしはちゃんとした宿屋の場所を聞いているんです。ご親切な申し出はありがたいですが、他の人に訊くことにします。」
俺が立ち去ると、男は諦めたかチッと舌を鳴らしていた。

次に出会った人は、親切に「ちゃんとした」宿屋の場所を教えてくれた。
しかし、確かに言われた場所には宿屋があった。が、かなり老朽化した建物だった。
でも、今は他を探す余裕などない。
「素泊まりで良い。ちゃんと鍵の掛かる部屋はあるか?」
宿屋の主人に尋ねると、宿代と引き換えに部屋の鍵を寄越した。
軋む階段を昇り、鍵に書かれたのと同じ札の掛かった扉を開けた。
隙間風もなく、快適に眠れそうなベッドが置かれていた。
この乾いた土地では水は貴重なのだろう。シャワーの類いは用意されていなかった。
俺は用意されていた部屋着に着替えると、ベッドに潜り込んだ。
疲れの所為か、即に深い眠りに落ちていった。

 

 

まだ、朝にまでは時間があった。
部屋に近づく気配に目が覚めていた。
(毎度の事か…)
とは「あたし」の記憶。
カチャリと鍵が開けられる。
(マスターキーか?)
ドアが開き男が入ってきた。
宿屋の主人ではない。
どうやらスペアキーが使われたようだ。
「ごくり」
と男が喉を鳴らす音が部屋の中に響いた。
俺はそっとベッドを降りていた。
男がベッドに近づく。
毛布が膨れているので、夜目には俺がまだベッドの上にいるように見える。
「さあ♪キミの愛らしい寝顔を拝ませてもらうよ。」
と男の手が毛布に掛かる…
毛布の膨らみが潰れた。
「こ…このアマ!!」
男は俺がいないのに気づく。
俺は服と荷物を抱えて部屋の外に出た。
「そこかっ!!」
男が振り返った。
多分、もの凄い形相をしているのだろう。
俺はそれを確認する時間さえ惜しんで隠れられそうな場所を探した。

階段を駆け降りる。
「待ちやがれ!!」
男がミシミシと床を鳴らして追いかけてきた。
眠りの浅かった宿泊客の中には何事かとドアを少しだけ開けて様子を窺う者もいた。
俺は食堂を突っ切り、厨房に転がり込んだ。
既に朝食の下拵えを始めていた料理人逹が目を丸くしていた。
「こっちへ。」
手招きしてくれたのは初老の料理人だった。
後ろで扉が閉まった。
薄明かりに酒樽が並んでいるのが見えた。
(酒の貯蔵庫か?)

とりあえず、男はここまでは来れないようだ。
一息吐くと、途端に肌寒さが気になった。外程ではないにしろ、室内よりは低い温度を保っているのだろう。
俺は部屋着から昨日着ていた服に着替えておいた。
その間に薄暗がりに目が慣れてくる。
どうやら、屋外に続く扉があるみたいだ。
扉は内側からは簡単に開く事ができた。
一気に冷気が雪崩込んでくる。
俺はコートの襟を立て扉を閉めた。

 
空が白み始めていた。
俺はブーツの踵を鳴らして、「凍竜の鱗」を求めて次の町に向け足を進めていた。

兄貴

兄貴が帰ってきた。
三年程、海外に留学していたのだが…

 
「ねえ、久しぶりに一緒に寝ない?」
久しぶりとはいえ、一緒に寝ていたのは俺が中学生になる前だったんじゃないか?
「ベッドには余裕あるでしょ♪」
部屋の中でもやしのように育った兄貴と違い、炎天下に土の上を走りまわっている俺は家族いや親戚中でも一番デカくなっていた。
そんな俺にはキングサイズのベッドが用意されていたので、細っこい兄貴が一緒に寝ても十分な余裕がある。

が、問題なのは「兄貴」の方だ。
元々色白で背丈も平均男性より低めであったが、兄貴は「男」だった筈だ。
しかし、留学から戻ってきた兄貴は、真っ赤なボディコンワンピースに身を包み、金色に染めた長い髪をなびかせ、ばっちりと化粧をしていた。
どこかに「兄貴」の面影はあるのだが、甲高い女の子声で喋っていると、そこいらにいる女の子と見分けがつかなくなる。
勿論、兄貴は美人だ。他の女の子なんかと比べ物にならない。
しかし、そこがまた「困った」問題を起こしてくれる。
相手は「兄貴」だ。というのに、俺の股間は鎮まる気配を感じさせない。
「一緒に寝よう」と言われた途端、更に硬さを増したような気がする。
このまま兄貴が隣に寝たら、相手が兄貴であろうと俺には歯止めは存在しない。
兄貴の身体能力では、俺を拒むことなどできはしないだろう…

 
「ああ、さっぱりした♪」
と風呂上がりの兄貴は透け透けのネグリジェを着ていた。
ブラジャーをしていないので、形の良いおっぱいと、その先端に尖っている乳首が良くわかる。
下はセクシーな黒のレースのショーツだった。
勿論、兄貴の股間には「男」の証は存在していなかった。
(俺はいつまで理性を保ってられるのだろうか?)
そんな俺の危惧など何も存在しないかのように、兄貴は
「さぁ、寝よ♪」
と、俺をベッドに誘う…
「あ…兄貴。俺…」
「あたしの事は美佐って呼んで♪それに、さっき父さんに親子の縁を切るって言われたから、もう大悟とも姉弟じゃないのよ♪」
「な…何を言って…」
「だから、近親相姦なんて事にはならないから安心して♪それに、あたしのハジメテは大悟にって決めてたんだから♪」
美佐の掌が俺の股間を撫であげる。
彼女の手が、俺のズボンの中に入り、彼女の指が俺のイチモツに絡み付いた…
「うっ…」
たったそれだけの事なのに、俺の股間は快感に反応して、精を放とうとしていた。
快感を抑え込むが、俺の目の前には、美佐のバストが迫っていた。
「お口でご奉仕してくれるかな?」
と乳首を付きだしてくる。
オンナの匂いが俺の鼻に溢れる。
彼女はいつの間にかショーツ一枚になっていた。
俺の口の中に彼女の乳首があった。
鼻先が彼女の弾力ある乳房に押し込まれる。
「んあん♪」
艶かしいオンナの喘ぎ声が届く。
「イイわ♪そのざらざらした舌の感じ♪」
更に乳首を刺激すると、彼女は俺の腕の中で身を捩るようにして悶えた。
「ねぇ、ショーツは貴男の手で脱がして♪」

俺は言われるがまま、彼女の腰に手を伸ばし、ショーツの淵に指を掛けた。
クロッチが愛液に濡れている。
ゆっくりと左右の脚を抜くと、彼女は俺の上に跨がっていた。
「昔から大悟が羨ましかった。逞しい肉体・優れた身体能力…あたしがどんなに努力しても手に入れる事ができないの。」
彼女は腰を動かし、俺のペニスの先端に膣口を宛がった。
「けれど、不可能ではなかったの。あたしが貴男の肉体を自分のモノにする方法があったのよ。」
彼女がゆっくりと腰を沈めてゆく。
痛みに顔が歪んでいる。
「処女だけが叶えることのできる魔法ね♪でも、あたしは処女どころか、女ですらなかった。」
時間を掛けて彼女は彼女の膣に「俺」を呑み込んでゆく。
「でもね…あたしが女になれば、処女であることには間違いないとわかったの♪」
彼女は互いに密着を果たした俺たちの接合部に手をのばし、何かを指に絡めた。
「ほら♪処女の証よ♪」
彼女の指には赤い条が付いていた。
「さあ♪貴男の肉体をいただくわね。我慢しなくて良いのよ。あたしのナカにたくさん射してね♪」
ペニスの先端が膣の奥に当たり、心地よい刺激があった。
暖かな膣全体が、俺のペニスを圧し包み、射精を促してゆく。
「ほら♪イッちゃいなさいっ!!」
彼女の命令とともに、俺の内に溜まっていたものが、精液とともに彼女の膣に放出される。
精が尽きてもまだなお吸引されてゆく。
「俺」の全てが肉体から吸い取られてゆくような感じがした…

 

 
「大悟。大丈夫だったか?」
兄貴の…男の声がした。
まだ頭がぼんやりしているし、身体中に変な違和感がある。
「しばらくはじっとしていた方が良い。なにせ、肉体を入れ替えたんだからな♪馴れるには時間が掛かるさ。」
「入れ…替えた?」

(???)
俺の発した声は「俺」のものではなかった。
「そうだよ♪入れ替えた。今は俺が大悟でお前が美佐だ♪」
「な、何を勝手に!!」
と俺は兄貴に掴み掛かろうとしたが、肉体のバランスに馴染めていない。それ以前に「美佐」の非力な肉体では何もできなかった。
「元に戻せよ!!」
と「俺」となった兄貴に言ったが…
「無理だね。あの方法は処女しか使う事ができない。処女を失ったお前はもうどうする事もできないんだ♪」
俺は二の句が継げなかった。
「俺はもう一度処女になれば別の肉体を手に入れる事はできるけどね♪」
兄貴は「俺」の顔で卑しい笑みを浮かべた。
「まあ、先の事は追々考えるとして…先ずは俺にも美佐の肉体を味わせてくれよ♪」

俺は何の抵抗もできず、組み伏せられてしまった。
「結構名器に仕上げてもらったんだ。お前も気持ち良かっただろう?」
兄貴のペニスが俺の股間に侵入してきた…

気が付くと、俺は「女」のように快感に淫声をあげまくっていた♪

欺装(1)

そこが「病室」である事は即にわかった。
直前の記憶にあった全身が引き裂かれるような激しい痛みは、それが夢であったかのように何も感じられなかった。
そう…僕は実家に帰る夜行バスに乗っていた。
定刻通りに出発し、都内を出る前に僕は眠りに就いていた。

突然の衝撃と断末魔の悲鳴。
クラクションが鳴り続けている。
目を開けた僕の目の前で天井が裂け、黒々とした木々の連なりが垣間見えた。
そのまま、天井の断面が僕に近づいてくる。
スローモーションのように、僕をお腹から真っ二つにしてゆく。
痛みはその後からやってきたが、それも一瞬の事。
僕は意識を失っていた…

 

 

どうやら、僕はまだ「生きている」ようだ。
ホッとすると同時に様々な事が気になりだしてくる。

ここが「病院」である事はわかる。が、どこ…所在地はどこなのだろうか?
それ以上に、僕が意識を回復するまでにどれだけの日数が掛かっているのだろう?
あれだけの事故である。既に家には連絡が行っているとは思う。が、この部屋はあまりにも殺風景だ。
誰かが見舞いにきたような痕跡は見当たらなかった。

 

「気が付いたみたいだね。」
主治医とおぼしき男が部屋に入ってきた。
「ああ、そのまま。まだ、動いたり喋ったりはできないからね♪」
そう言って、男がリモコンを操作すると、ベッドの上半身部分が持ち上がった。
マットを背もたれのようにして起き上がった僕の前に、キャスターの付いた衝立を引っ張ってきた。
「君にはショックな事になるが、何れ知らなければならない事なので、ここで言っておく。」
僕は緊張っ唾を飲み込もうとするが、上手くいかなかった。

「世間的には、君は死んだ事になっている。今ここにいる君は、君であって君ではないのだ。」
と、衝立…鏡が引き寄せられた。

 

たぶん、そこに写っているのは「僕」なのだろう。
無機質な肌色の素材に覆われた腕
のっぺりとした顔
頭には髪の毛の一本もない
「ロボット」と表現するのが相応しい身体だ…

 
「それは義体と呼ばれるものだ。手や足を失った人が身に付ける義手や義足の延長線にある。ただ、全身義体はまだ研究中なのだがね。」
研究中とはいえ、ここまで完成度の高いものが存在しているのは信じられなかった。
「勿論、我々は非合法の組織であり、裏からの潤沢な資金があってこそ、ここまで到達できたのだ。」
彼がスイッチを切り替えるて、鏡はモニタとなって映像を写し始めた。
「これがクライアントに提示しているプレゼンCGだ。」
まるで映画やテレビの変身ヒーローを見ているようだった。
「義体は欺装により、様々な人物に成り代わる事ができる。生身の人間ではないので、単なる変装より幅広く対応できるのだよ。」
そこにはテレビで良く見る政治家が、普段では考えられないような演説をしていた。
人気絶頂のアイドルが舞台の上で次々と服を脱ぎ、全裸になるとオナニーとしか思えない行為を始めていた。
サッカー選手が突然味方ゴールにボールを蹴り込んだ。
横綱が相手の髷を掴み、腹に膝蹴りを繰り返す。
赤ん坊がむくりと起き上がり、滑舌良く「天上天下唯我独尊」とのたまわっていた。
「映像は特殊効果を使ったものだが、今の君であれば、同じ事ができるのだよ♪」
つまり、僕が人前で「別人」として行動することになる?
「とはいえ、ド素人が役者みたいに他人を演じられるとは思えない。それに、義体もまた完成したとはいい難い段階だ。」
彼はモニタを片付けた。
「君にはこの研究所で様々な欺装の確認に付き合ってもらうことになるからね♪」
と男が出ていくと同時に、僕はスーッと意識が飛んでいくのを感じた…

 

 

人の声がした。
何人かが僕のまわりにいるらしい。
「意識。回復してきました。」
ゆっくりと目を開け、声のした方を見た。
目の前には何かの機械が置かれていた。
「上を見て。」
あの男の声だ。
僕は首を戻し、天井を見た。
「声。出せる?」
僕は言われるがままに喉に力を入れ、息を吐いた…
「あー、あー…」
僕の耳に聞こえたのは、僕本来の声とはかけ離れたものだった。
「今は欺装してるからね。外見に合うような声が出るようになっている。」
外見?
確か「欺装」とか言っていた。つまり、今の僕は本来の僕とは全然違った姿をしているのだろう。
「今、機器を退けるからね♪」
がちゃがちゃと音をたてて僕のまわりを取り囲んでいた機器が取り払われた。
「独りで起きれるかい?」
そう言われて、上体を捻り、腕を使って身体を起こした。
パサリと何かが顔の前に掛かった。
(髪の毛?)
その先端は胸元にまで達する程長かった。
(?!)
そして、僕は胸が大きく膨らんでいるのに気付いた。
それは女の子のおっぱい以外の何物でもない…

女の子のように高い声…外見に合わせたと言っていた。
そして目の前を覆う髪の毛…
(「欺装」とは、つまりそういう事か…)
「鏡…ありますか?」
そう言うと、衝立状の鏡が引き寄せられた。

そこには裸の女の子が写っていた。
無機質ではない、健康的でピチピチした肌に覆われた腕
のっぺりではなく、パッチリと大きな瞳、ふっくらとした紅い唇が可愛らしい表情を浮かべている
長くサラサラの髪の毛が背中にまで延びている…
欺装した義体は、どこから見ても普通の女の子と変わりがなかった。

「これが…僕?」

「君にはしばらく、この欺装のままで生活してもらう。いや、無理に女の子を演じようとはしなくて良い。が服は極力スカートにしてもらいたいな。」
と、女性スタッフから服が渡された。
「一応、男性方は席を外してください。」
と彼女は人払いをしてくれた。
彼女に着方を教わりながら、女の子の服を着てしまった。
「明日からは部屋にある服を選んで、自分で着てちょうだいね。」
そう言って案内された部屋は「女の子の部屋」だった。
ピンク色を基調とした内装。花柄のカーテンにはレースのカーテンが添えられていた。
床にはクッションやぬいぐるみ、ファッション誌が置かれている。
化粧をするためのドレッサーには化粧品や様々なアクセサリーが置かれていた。

勿論、クローゼットには女の子の服が並び、引き出しには女の子の下着が詰められていた。
「お風呂も自由に使って良いからね♪」
とユニットバスの使い方を教えてくれた。
「義体は食事をする必要がないんだけど、何か欲しくなったら遠慮なく言ってね。取り寄せしておくから♪」
彼女がそう言って部屋を出た後、カチャリと鍵の掛かる音がした。
ドアのところに行ってみると、ドアノブに鍵穴が開いていた。
つまり、このドアは表裏が逆さに付いている…
鍵がなければ部屋の外に出る事はできないのだ。

(窓は?)
と窓に近づき、カーテンを開けた。
まだ夜だったようで、外はまだ暗い。が、窓は填め殺しになっていて、ガラスを割らない限り外に出る事はできないのだろう。

 

 

部屋の中にはテレビもパソコンもない。暇潰しできるのは「本」しかないが、見つかるのはファッション誌くらいしかない。
(今は夜らしいし、とりあえず寝るか…)
とベッドに向かったが、洋服を着たまま寝る訳にもいかないだろう…
パジャマの類いはおいおい探すとして、今日は下着だけで寝てしまおう。
と、服を脱いで下着姿になった。
(ブラジャーも下着だよな?)
僕は女性がブラジャーを着けたまま寝るものか知らなかったが、やはり慣れないモノは着けずにおいた方が良いだろう。
僕はパンツ(ショーツ)一枚でベッドに潜り込んだ。

 

 

ベッドに入ったからといって、即に眠れるものではない。
それに、僕が意識を回復してからも、そんなに時間は経過していない筈だ。
となると「義体」と本来の僕自身の肉体との違いが気になってくる。
殊に、今は「女の子」に欺装しているのだ。
ブラジャーから解放された胸は、男にはない膨らみがある。
僕の手は自然とその「違い」を確認しようと動いてゆく。
(これが女の子のおっぱい?)
これまで、事故で…それでも軽くでしか触れたことのないモノに、じっくりと時間を掛けて触れてみた。
(柔らかい♪)
指先から女の子の胸に触れた感触が伝わってくる…
(?!)
と同時に、自分の胸に触れる指先を感じていた。
「ぁあ…」
ゆっくりと乳房を揉みあげると、快感のようなものが沸き上がってくる。
「あんっ♪」
指を延ばし、乳首を摘まんでみると…感じてしまった♪

何かのスイッチが入ったかのように、身体の奥に熱い塊が生まれていた。
(物足りない…もっと快感が欲しい♪)

僕の手は股間に向かっていた。
ショーツの上から股間に触れる。
着替えた時にも確認したが、そこには突起物はなく、縦に割れ目が出来上がっていた。
(濡れてる?)
指先は湿り気を帯びた布地の感触を伝えてきた。
(僕の肉体が「女の子」として感じてるの?)
好奇心を抑えることはできなかった。
僕の手はお腹の隙間からショーツの中に入り込んでいた。
指先が割れ目に到達する。
割れ目の中は熱をもっているようだ。
少し力を入れて潜り込んでゆく。
指先に愛液が絡み付いた…

奥へと続く穴の入り口があった。
勿論、肛門などではない。
熱く濡れた膣口に、僕は指先を押し込んでいた。
何かが侵入してくるのがわかった。
それが自分の指だと認識していた。
力を入れると指の周りの肉壁に圧し包まれる。
力に抗うように、更に奥へと指を進める。
「んぁん…ぁあっ!!」
刺激が快感となって伝わり、僕の口から女の子の喘ぎ声のようなものが溢れていった。
(っあ、ソコ♪)
快感を生み出すポイントに指が触れた。
もう、何も考えられなくなる。
僕は快感だけを求めて指を動かしていた…

 

欺装(2)

目覚めるとシャワーを浴び、今日着る服を選ぶ。
義体は食事を採る必要がないので、そのまま夜まで暇を潰す。
数日で雑誌も読みきってしまった。
(もともとファッション誌なので読むところも少ない)
する事がないので、化粧をしてみた。
目の周りを造るだけでだいぶ印象が変わるのに驚いた。
ファッション誌を参考にいろいろと化粧や髪型を試してみた。

 
それでも退屈な日々が終わる事はなかった。
(いつまでこの欺装を続ければ良いのだろうか?)
大人しく日々を過ごすのにも限界がある。
唯一の外界の接点である「窓」のガラスを破壊しようとする衝動を抑えるのも難しくなっていた。

(否、誰がガラスを割ってはいけないと言った?)
「僕」は死んだ事になっていると言われた。
それでも、家に帰りたい。家族に会いたい。…外に出たい!!

 
ガシャン!!

 
窓は割れた。
僕は靴を履き、スカートをたくしあげて窓枠を乗り越えた。

目の前には森が広がっていた。
闇雲にだが、木々の間に分け入ってゆく。
しばらく行くと舗装された道に出たが、追っ手の待ち伏せがあるとまずいので、再び木々の間に分け入り、どんどん離れていった。

かなり歩いたが疲れる事はなかった。
夜も徹して歩いていた。
やがて木々が途切れた。
陽の下に姿が晒されるとなると、これまでのように道なき道を行く訳にもいかない。
舗装された道路を道なりに歩くしかない。
それでも「女の子」の姿は目立つと思い、日中は隠れながら進んでみた。

街が近づくと隠れてもいられない。
逆に堂々と歩いて他人から声を掛けられる隙を見せないようにした。
街に入ると、ようやく自分の現在位置がわかった。
とはいえ、一銭もお金を持っていないので、電車やバスに乗る訳にもいかない。
そのまま歩いて次の街に向かい、少しづつ自分の家に近づいていった。

 

そして…

目の前に「家」があった。

ガチャリと玄関のドアが開く音がした。
そして、そこから出てきたのは車椅子に乘った「僕」だった。
(何故!!そこに「僕」がいる??)
車椅子に乘っているという事は、バスの事故は存在していた…そして「僕」は怪我を負い、自分の足で歩く事ができなくなっていたのだろう。
だが、「僕」は死んではいなかった。
確かに僕の目の前にいるのは「僕」だ…

「何か僕に用?」
僕は「僕」に声を掛けられていた。
当然だが、彼が僕の存在を知ってる筈もない。
それに、今の僕は女の子に欺装しているのだ。

何も反応を見せない僕の前を「僕」が通り過ぎてゆく…
「ま、待って…」
とっさに出た言葉に「僕」は車椅子を止め反転した。
「ぼ…僕は…」
(って、僕は何を言おうとしている?)
僕の声はそこで止まってしまった。
その僕を「僕」がもう一度、頭の天辺から見直した。
「もしかして、君が僕の臓器提供を受けた人なのかな?」
「た、多分…」
今は少しでも口裏を合わせ、彼から情報を引き出すのだ。
「話がしたいな♪うちに来ないか?」
誘われるまま、僕は「僕」に連れられて家に入っていった。

車椅子での生活ができるように、多少の改造はあったが、僕の部屋は僕の部屋のままだった。
「僕が今、生きていられるのも君のおかげだと言っても過言じゃないんだ。」
(どういう事なのだろう?)
「君には知らされてはいなかったかな?僕がバスの事故で重症を負ったのは聞いているかい?」
僕もまた、その当事者であるのでそのまま頷いていた。
「僕の場合、結構重症で、内蔵の大部分を人工物で代用させる必要があったんだ。もちろんそんな事には莫大な費用が掛かるのも当然だ。」
「そこに君の担当医から臓器の提供を条件に費用を全額負担するとの提案があったんだ。」
「臓器の提供?」
「正確には何といったか覚えてないんだけど、僕の一部を君に提供する事になったんだ。」

『なら、あたしからもお礼をしなくてはね♪』
突然、僕の口が勝手に喋りだした。
『貴方♪まだ童貞なんでしょ?あたしがシてあげる♪』
そう言って「僕」に近づくと、そのままディープキスを始めてしまう。
「僕」はどうして良いのか解らぬまま、僕にされるがままになっていた。
僕の手でズボンのベルトが外され、チャックが広げられた。
トランクスの中に僕の手が入り、しっかりと握られる。
「僕」のペニスは反応していた。
海綿体に血が集まり、太さと硬さを増してゆく。
『さあ。ベッドに行きましょう♪』
僕は「女の子」としては考えられない力で「僕」を車椅子からだき抱え、ベッドに移していた。
その上に馬乗りになると、僕は着ていた服を脱いで全裸になっていた。
「僕」の下半身も丸出しになっている。
その股間でペニスはしっかりと勃起していた。
『じゃあ、あたしのハジメテをあげるね♪』
俺は「俺」の股間にゆっくりと腰を降ろしていった。
先端が股間に触れる。
既にソコはしっとりと濡れていた。
膣口に誘導し、咥え込む。
(僕の膣に「僕」のペニスが侵入してきた…)
キュッキュッと締め付けるとピクッピクッと反応する。
「ぁあんっ♪」
膣奥の敏感な場所を刺激され、思わず淫ら声が漏れてしまう。
自分の指でシた時より、遥かに感じていた。
彼の手が延びてきて、僕の乳房を掴んだ。そのまま、揉むようにして刺激を与える。
「何コレ?気持ちイイ♪」
「ぼ、僕もだよ♪」
彼の指が乳首を摘まんだ。
「っああ!!イイっ♪」
快感につられて彼のペニスを絞めあげる。
「だ、駄目だよ。射てしまう!!」
「良いよ。射しちゃって♪」
僕は自ら腰を振り、彼に刺激を与え続けた。
「駄目…それ以上は…」
と彼が言っているうちに…
ドクリとペニスの中を昇ってくるモノを感じ…
「あっ、ああっ!!」
僕は膣の奥に彼の精液が打ち付けられたのを感じた…

 
まだ股間に「僕」のペニスが挟まっているように感じていた。
最初は強制的に動かされいたのが、いつの間にか僕自身の意思で彼とSEXしていた。
正気を取り戻した僕は、慌てて服を着て家を飛び出していた。
勿論、車椅子の彼が追い付ける筈もない…

と、目の前の交差点で一台の黒塗りの車が、僕の行く手を塞ぐように停まった。
窓が開いた。
「どうでしたか♪ハジメテの行為は?」
あの男だった。
気が付くと車の反対側のドアから出てきた二人の男が回り込んできていた。
逃げようもなく、僕は車に押し込まれ、連れ戻されてしまった。

 

欺装(3)

再び退屈な日々が始まった。
以前と違うのは、僕が放心状態から醒めていないという事。
そして、それを良い事に、毎晩のように男逹の相手をさせられるようになった事だ。

僕以外に「僕」が存在していた。そして、今の僕は誰が見ても「僕」でない別人なのだ。
僕には存在を許される場所がない。
この部屋で朽ち果てるまで留まっているしかないのだ。
それに、「女の子」の肉体が与えてくれるSEXの快感が麻薬のように僕を侵してゆく。
僕は何かを「考える」事を放棄していた。
朝、起きてシャワーを浴び、ファッション誌に出てたのと同じような服を順繰りに着る。
お化粧をして、夜になり「男」が現れるまでぼーっとしている。

最近、気が付いたモノがあった。
頭の中にスイッチのようなものをイメージして、これをオフにすると誰かがこの部屋に来るまで意識を飛ばす事ができるのだ。
義体の呼吸や鼓動も止まっているようだ。
僕はマネキンのように部屋の中に立ったままで過ごしていた。

 

まだ「夜」には時間が早い。
誰かが部屋に侵入してきたようだ。
僕の意識が覚醒し、侵入者の存在を確認した…

侵入者は「僕」だった。

「ようやく君の所に来れたよ♪」
そう言う彼は車椅子なしにそこにいた。
「足…大丈夫なの?」
「彼から高性能の義足をもらったからね。」
「彼?」
「君の主治医だよ。この場所も彼から聞きだしたんだ。」
(彼は何を考えているのだろう?)
この場所を聞き出すとは、当然僕=ハジメテの女の子に会いたいと思っての事だろう。
そんな「僕」に義足が与えられたなら、ここに辿り着くのは容易な事だ。
「僕」は僕に会いたいのだろうが、僕は自分自身とSEXした…それだけでなく、オンナとしと感じてしまった事を負い目に感じている。
そんな「僕」を目の前にして、僕はどう行動すれば良い?

『…会いたかったわ♪』
再び僕の口が勝手に喋り出した。
この先の展開も同じ事なのだろうか?
見るに耐えられず、頭の中にイメージしたスイッチを切ろうとした。
が、スイッチはピクリとも動こうとしない。
『ねぇ♪抱いてくれるんでしょう?』
僕の手が「僕」の腕に絡み付き、ベッドに倒れ込もうとする。
が、
「先ずはここから出るんだ!!」
倒れ込もうとする僕を抱え上げる。
僕は大人しく彼の首に両手を廻した。

ドアの影から通路を確認し、スプリンター並みのスピードで外へと駆け抜けていった。
茂みを越えると止めてあった車の助手席に僕を下ろした。
即にエンジンが回りだし、心地よい加速感とともに発進していた。

 
しばらく走っていると、僕の肉体の奥に熱い塊が出来、次第に大きくなっていった。
「どうかした?」
と聞かれた。
僕はどう答えて良いかわからず…
「大丈夫。」
と言った。
無意識に僕の手が延び、ハンドルを握る彼の手に触れた。
そうすると、熱い塊の成長が止まった。
「運転中は危険だから、手を放してくれないか?」
そう言われて手を離すと、再び熱い塊が大きくなってゆく。
(彼に触れれば止まるのか?)
僕は手ではなく、彼の太股に掌をあてた。
思った通り塊は成長を止めた。
が、身体に溜まった熱が逃げ道を探していた。
熱が腰の奥に降りてきた。
熱せられた股間が汗を吹いたかのように蒸れてゆく。
水蒸気が壁に付き滴となるように、僕の股間がぬるぬると濡れていった。
それは「男」逹を受け入れる準備ができたのと同じこと…
太股に置いた掌を、少しずらせば彼の股間に触れる…
ズボンの布地の内側には、硬く勃起した彼のペニスがあった。
チャックを下ろして中から取り出す。
僕を最初に貫いたのがこのペニスだ。
優しく掴んだだけでビクビクと震えている。
(手だけでもイッちゃいそう♪)
だけど、そんな勿体ないコトなどできないわ。
あたしは上体を倒し、彼のペニスを咥えようと頭を押し込んだ…

キキーッ!!

急ブレーキが掛かった。
「ダメだよ。そんな事されたら運転できないよ。」
ブレーキのショックで僕も正気を取り戻していた。
慌てて身体を助手席に戻した。
彼は路肩に車を寄せると、ズボンを元に戻してゆく。
「そんな恨めしそうな目で見ないで欲しいな。」
僕はそんな風に彼を見ているつもりはなかったが、身体の奥で再び熱い塊が成長しだすのを感じていた。
「もう少し行けばホテルがあるようだ。そこで休憩しよう。」
彼の言葉に気分が軽くなった。

彼が言ったように、しばらく走ると「休憩・宿泊」と看板が掲げられたホテルがあった。
駐車場に乗り入れ、簡素なフロントでチェックインを済ますと、エレベータで部屋の前まで昇っていった。

既に僕の肉体は内からの熱に耐えきれなかった。
ショーツを濡らした愛液が内股を幾筋も滴っていた。
「も、もう…我慢できない♪」
部屋のドアが閉まりきらないうちに、僕は彼のズボンのベルトを外していた。
トランクスと一緒に一気にずり下ろすと、硬く勃起したペニスにしゃぶりついていた。
舌や唇で舐め回すのももどかしく、一気に喉の奥まで咥え込んでいた。
そのままガンガン首を振り、喉全体で締め付け、刺激を与える。
「い…いきなり過ぎるんじゃないか?もう少し…」
彼の抗議など関係ない。
(さあ、早く射して♪)
あたしは彼の尻にも指を差し入れ、更なる刺激を与えた。
「ぅうっ!!」
彼が呻くと同時に、喉の奥に彼の精液が放出された。
「ちょっと、今のは何なんだよ?こんなあっと言う間に…」
今のあたしには彼の声は聞こえていても、何も理解できていなかった。
けど、精液を得た事て少し落ち着くことができた。
少しだけ彼から離れる。
「じゃあ、シて♪」
あたしは彼の服を全て脱がせ、自分も脱いで全裸となった。
その場に転がり、お股を開く…
「ベ…ベッドで…」
と腕を引かれる。
「ああん♪」
駄々を捏ねて抱っこしてもらいたくもあったが、今は即にでも「彼」が欲しかった。
誘われるままにベッドに向かう。
既に彼の股間は復活していた。
「早く~ぅ♪」
再び股間を開き、彼を誘う。
彼は一気に体を重ねてきた。

ズンッ!!

彼の硬いモノが押し入ってきた。
充分に濡れているあたしの股間は、難無く「彼」を迎え入れる。
「ああ~ん♪」
繋がれた幸せに媚声が上がる。
あたしのナカで彼が暴れまわる。
熱い塊の中に二人が溶け込み、快感がどんどん増幅してゆく。
「あん、あん、あん。イクぅ、イッちゃう~♪」
あたしは一気に絶頂に達しようとしていた。
彼もまた、次の射精を間近に迎えているようだ。
彼自身までも吸い取るかのように膣を絞りあげた。
「うあっ!!」
彼が呻く。
あたしの膣の奥に彼の精液が叩き込まれる。
あたしの中を快感が突き抜けてゆく。
「ああああ~~ん♪」
あたしは嬌声をあげ、意識を飛ばしていた…

欺装(4)

甘美な気だるさの中で目が覚めた。
ベッドの隣で女の子が可愛らしい寝息をたてていた。
体を起こした僕は、胸に掛かる重みがない事に気付いた。
(?)
そう…ベッドの上には僕と女の子の二人しかいない。
僕はもう一度、自分の身体を確かめた。
(「僕」の身体だ♪)

どういう訳か、僕は「僕」自身の身体で目覚めたのだ。
勿論「女の子」だった記憶はある。
そう、僕の隣で寝ているこの娘だ。

「…ん…ああん♪」
彼女は寝ぼけているかのようにゆっくりと目を開けた。
「まだ大丈夫?シよ♪」
と、彼女は上体をずらすと僕の股間に顔を埋めた。
ペニスが暖かく湿ったモノに包み込まれる感覚があった。
彼女が僕のペニスを咥え込んだのだ。
ホテルに入った時に僕がしたのと同じように…否、今の僕のペニスはそれほど硬くはなっていない…刺激を与え始めた。
忘れかけていた「勃起」の感覚が蘇ってきた。
彼女は僕を押し倒し、尻を僕に向けて馬乗りになった。
僕は彼女の股間を間近に見る事になった。
僕は「彼女」として、目の前の膣口に僕のペニスを受け入れていたのだ。
快感に喘ぎ、膣の奥に放出された精液を感じていたのだ。
そして、彼女の股間のそこここに僕の精液の残滓が残っていた。

「あうっ!!」
思わず声をあげてしまった。
彼女の指が僕の尻の穴を刺激し始めたのだ。
一気にペニスが硬くなり、射精に向けて準備が整えられてゆく。
「んあっ…」
ペニスの中を昇ってくるものがあった。
ドクリ…
僕は彼女の口の中に精液を迸らせていた。
忘れかけていた射精の感覚…

「今度は…」
彼女が仰向けになり、股間を開いていた。
僕のペニスは既に硬さを取り戻していた。
彼女の上に体を重ねた…
今の僕は彼女がどのように感じているか、手に取るように解っていた。
そして、その快感が男のそれよりも格段に素晴らしいものである事も…

「んあん♪ああ~ん!!」
彼女が喘ぐ。
(その快感は、あたしに与えられる筈だったものよ!!)
あたしは腰を打ち付けるように、ペニスを突き入れた。
彼女があたしを絞めあげる。
快感を甘受している表情に嫉妬さえしてしまいそう…
「っあ、ああ…」
再びあたしのペニスから精液が迸っていった…

 

 

女の子は再び失神し、軽い寝息をたてていた。
僕は彼女を起こさないようにベッドを抜け出していた。
「僕」はどこに行ったのだろう?
と考えている内に、ひとつの可能性が見えてきた。
そう。「僕」はまだ家で車椅子の生活を続けている…という可能性だ。
彼は「義足をもらった」と言った。しかし、本来の「僕」の怪我は義足を得ただけで回復できるものではないのだ。
つまり、今僕がいるこの身体は、彼女と同じ義体ではないかと思う。
「僕」に欺装した義体…
そう思ってこの身体を検分し直すと、合点がいく事が多すぎた。
(では…)
義体間を僕の意識が移動した事になる。
同じ事はもう一度起こせるに違いない。
(どうすれば良いか?)
ただSEXしただけではダメなのだろう。どこかに切り替えスイッチでもあるのだろうか?
僕は再びベッドに戻ると、彼女と身体を合わせた。
(どこかにスイッチは?)
必死に探しまわる僕を他所に、意識を取り戻した彼女が再び活動を開始した。
彼女の指が僕の全身を這い廻り、感じるところがあると一気に責めたててくる。
「ん、ああん♪」
僕が「彼女」だった時の快感が蘇り、女の子のように喘いでしまう。
「何も考えないで、快感に全てを委ねちゃいましょうよ♪」
彼女の責めに、僕は自分が今何をしているのかもわからなくなっていた。
「素直になって喘いじゃいましょう♪」
彼女に誘われ、僕は快感に流されていった。
「ああん♪」
乳首を摘ままれて媚声があがる。
「んあっ…」
胎内に差し込まれた彼女の指の動きに身悶える。
「ああ…イイッ!!」
僕の股間からペニスが消え、女の子同士のように股間を擦り付け合って快感を貪った。

僕はベッドの上に仰向けになり、女の子のように股間を広げていた。
その上に彼女が伸し掛かってくる。
その股間には「僕」のペニスが憤り勃っていた。

彼女が体を重ねる。
僕のナカに彼女のペニスが侵入して来る。
「ああ…あああ~ん♪」
僕は嬌声をあげてソレを受け入れていた…

 

 

僕は「女の子」に戻っていた。
結局の所、義体間での精神の移動などはなかった。
それは「彼女」が教えてくれた。
そう。ベッドの上…僕の隣で寝ている女の子だ。

今、ベッドの上には双子のようにそっくりな二人の女の子がいる。
一方が僕で、もう一人が彼女だ。
義体は欺装によって様々な人物になれる。僕たちは、二つの欺装を使っていたのだ。
(もっとも、欺装の切換は彼女に主導権があるのだが…)
女の子の姿(これは彼女本来の姿らしい)と「僕」の姿を選択できる。
「ね♪シよ。」
彼女に身体を寄せる。
彼女の股間には、そこだけ「僕」が存在していた。
僕は躊躇わずに「僕」を口に咥える。
ソレが次第に硬さを取り戻すとともに、彼女も目覚めてゆく。
「アナタ本当にコレ好きね♪」
僕はYESと答える代わりに、更に激しく「僕」を責めたてた。
「今度はどっちが良い?」
さすがにこれは自分の口で答えなければね♪
「やっぱり、男の人に突かれるのが良いわ♪」
「じゃあ、趣向を変えて男同士ってのは?」
「うそぉ、考えらんない!!」
「勿論、君の股間は女の子のままだけどね♪」

女の子の性器をもった僕が「僕」自身とSEXする…倒錯的で面白いかも知れないけど…
「今は普通に男と女での快感を突き詰めたいわ♪」
「どこが『普通』だよ♪」
と言いながらも、彼女は「僕」に換装してゆく。
「さあ、お嬢さん♪どんな体位がご所望ですか?」
「じゃあバックから♪」
僕…あたしは四つ這いになり、彼に向かって高々とお尻を上げた♪

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