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2015年10月12日 (月)

オジサンち(1)

「この夏は清志と佐藤のオジサンの所に行くから、ママ逹は久しぶりに新婚気分を味わってなよ♪」
大学生の姉さんがそう言って、僕逹はこの夏をオジサンの別荘で過ごす事になった。
別荘とは言っても、山の中にある訳ではない。近くにコンビニもあり、電車に乗れば二時間もかからずに東京に着いてしまう場所にあった。
受験を控えた僕は勉強道具と共に乗り込んだが、姉さんは毎日がパーティーかのようにはしゃぎまわっていた。

「キヨも来なよ♪」
と姉さんは僕を誘うが、僕は「受験勉強」を盾に部屋に隠っていた。
勿論、勉強はあったが、僕は姉さんと一緒に人前に出るのが嫌なのだ。
必ず言われる「美人姉妹なんて羨ましいね♪」との言葉が聞きたくないのだ。
そう。姉さんと一緒にいると、どんなに男の服を着ていても「妹」=女の子に間違えられるのだ。
「別に、気にする必要はないんじゃない?あんたはあんたなんだから。」
と姉さんは言うが、僕が「弟」だと言っても信じてくれる人はほとんどいない。「確かめさせて♪」と皆が身体に触れてくるのだ。
勿論「これくらいの貧乳の娘もいるよね♪」と、大抵は下半身にまで手を延ばしてくるのだ。
中には「男の子でも良いからヤっても良い?」と聞いてくる輩もいる。
「ダメよ。この子はまた処女なんだから♪」
と、姉さんがまた混乱するような事を言う。

 

 
ある日、珍しく佐藤のオジサンが別荘に顔を出した。
近くのレストランからデリバリされたもので夕食を囲んだ。
「清志君、勉強は捗っているかい?」
とオジサンに聞かれ、「順調ですよ。」と答えた。
「せっかくなんだから、部屋に隠ってばかりでないで、姉さんと一緒に海にでも行けば良いのに?」
と、オジサンからも言われる。
「姉さんと一緒に外に出ると面倒な事が起こるんですよね。」
当然ここは(なら独りででも…)となって、適当に外に出た事にすれば良い…と思っていた。が、
「なら、私と出るか?明日いっぱいは休みを取ってあるんだ♪」
これはもう、断る事はできないのだろう。

 

 
別荘から海岸まではものの数分の所にあった。
僕はオジサンと砂浜に入ってゆくが、スニーカでは歩き辛いようだ。
「もしかして、水着も着てきてないのか?」
と呆れられた。
オジサンはまだ開店前の海の家に僕を連れていった。
「この子に、らしい格好をさせてくれないか?」
と僕を店の人に預けていった。
「すみません。ご迷惑かけます。」
と頭を下げると、
「良いのよ♪佐藤さんならいつもの事だから。」
と、おばちゃんは笑って返してきた。
「いつも…って?」
「原宿とかでね、海に行かないか?って声を掛けた娘がOKしたら、そのまま車に乗せて来ちゃうの。」
おばちゃんは話しながらも、てきぱきと準備をしてゆく。
「勿論、その娘は水着なんて持ち合わせていないでしょ?だから、ここで適当に見繕って着替えさせるの。」
僕はサポーターが渡されると、観念して服を脱いでいった。
「貸し水着なんですか?」
「うちは水着を貸したり、売ったりもしていないわ。ここにあるのは佐藤さんが持ち込んできたものよ。」
次に渡された水着は、太股を覆うかなりピッチリとしたタイプだった。
「セットのジャケットもあるからね。水から上がった時に着ていると冷えないわね♪」
と、袖なしのジャケットが渡された。
前のチャックは首まで止まるようになっている。
更に紫外線避けと、フード付きの薄手の上着をその上から被せられた。

「中々良い感じじゃないか♪」
僕がビーチサンダルに履き換えていると、オジサンが迎えにきていた。
「まだ午前中は涼しいから、ジャケットの前は閉めておいた方が良いね♪」
とチャックを首まで閉めてしまった。
「服とかは別荘の方に送ってもらえるからね♪」
と僕の手を引いて波打ち際まで連れていった。

くるぶしまで波が掛かる。
そのまま立っていると、引き波が足の下の砂を奪ってゆく。
バランスを崩して、オジサンの腕を掴んで立て直した。
「どうだい?たまには自然に親しむのも良いだろう♪」
「ま、まあ…」
心の中では同意には至ってないが、とりあえず同意の返事をしておく。
「泳いでみるかい?」
とオジサン。
「とんでもありませんよ。」
さすがにそれは断った。
「せっかく水着に着替えたのにかい?」
「別に、僕が水着を選んだんじゃないですよ。」
「それはそうだ♪用意したのは私だからね。」
とオジサン。
「その水着なんだけど、面白い仕掛けがあるんだ♪」
「な、何なんですか!?水に入ると溶けてしまうとか?」
「ほう♪鋭いね。」
その言葉に、僕はギョッとして波打ち際から離れようとした。
が、バランスを崩してしまう。

「きゃっ!!」
バシャン!!

と水の上に尻餅を突いてしまった。
「溶けはしないが、色が変わるんだよ♪」
濡れた水着は青と黒のストライプから徐々に別の色に変わってゆく…

太股の辺りが透明…じゃない。肌の色と同じ色になってゆく。
このまま、肉襦袢のように描かれた「裸体」を見せるのか?と思ったが、股間…ビキニラインの所からはオレンジ色がメインの「花柄」になっていた。

「ほら、ジャケットも色が変わるぞ♪」
とオジサンが水を掛けてくる。
今まで濡れていなかった所も「色が変った」。

 

ほぼ全身が濡れていた。
水着は完全に元の姿を留めていなくなっていた。
今の僕の姿は、紫外線避けの薄い上着の下に女物の花柄の水着を着ているようにしか見えないだろう。
良く見ると、胸の辺りがぷっくりと膨らんでいる。
触ってみると、女の子のバストに触れたような…勿論、僕には触れられたような感覚は届いてこない。
「何ですか、コレは?」
「水を含むと膨らむ素材でできてるんだ。本物みたいだろ♪」

(…)

僕は何も言い返す事ができなかった…

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