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2015年10月12日 (月)

仮装

「そろそろハロウィンだね♪」
「今年はどんな仮装をするんだい?」
「シンデレラなんて良いかな?なんて考えてるの♪」

彼女とそんな会話をしていると、そこに見慣れないお店があった。
「コスチューム☆ショップ?こんな店あったっけ?」
「この時期の限定ショップじゃない?入ってみましょうよ♪」
と、彼女と一緒に店の中に入っていった。
店の中は様々な衣装に埋め尽くされ、迷路のようになっていた。
外から見た感じより奥行きがあるのか、かなり広く感じるが、それ以上に衣装の山に埋め尽くされていた。

「自由に試着して良いみたいよ。あなたも着てみたら?」
などと言いつつ進んでゆくと、お姫さま系ストーリーの区画に辿りついていた。
シンデレラ、白雪姫などの有名なキャラクターの衣装ばかりでなく、その作品の他の登場人物のものまでかなり豊富に揃えられていた。
「あ、これは魔女のコスね。こっちは良い魔法使いか♪」
早速、彼女はシンデレラを変身させた魔法使いになってやってきた。
「どお?」
と言われても答えに窮する。
「あなたも何か着てみたら?」
「って、王子様とかかい?柄じゃないよ。」
「じゃあ、こうやって魔法で変身する?ビビデバビデブ~♪」
彼女が呪文を唱えると、俺の体が光に包まれ…俺はシンデレラのように変身していた。
「な、何?…」
と彼女も驚いている。
そうだろう。本当に魔法のように、俺の着ていた服がシンデレラのドレスに変わってしまったのだ。
ご丁寧にガラスのハイヒールまで履かされている
(……)
「俺の足って、こんなに白くて綺麗だったっけ?」
ガラスの靴は俺の素足に履かされているのだが、その足はどう見ても「俺」のものではない。
「あ、あなた…よね?」
恐る恐るというように、彼女が声を掛けてきた。
「俺は俺だけど?」
と返事をしたが、その声に違和感があった。

「か、鏡がそこに…」
と彼女が言う。
そこにある鏡を覗き込むと、そこにはシンデレラのドレスを着た女性がいた。
顔や胸元など露出している肌は、さっきみた俺の足と同じ白さをもっていた。
結い上げられた髪にはティアラが飾られている。
俺が手を挙げると、鏡の中の女性も白いグローブに包まれた手を伸ばす。彼女の指先がティアラに触れると、俺の指先に固い金属が触れた感覚があった。

シャラシャラと耳元で発する音の正体がイヤリングであるとわかる。
鏡の中の女性が今の俺自身であることに疑いようもない。
胸元の膨らみは、本物の乳房であった。

「魔法の所為?」
「本当に魔法が掛かるなんて有り得ないわ…でも、あなた可愛いわよ♪」
と魔法使いの彼女に抱き締められた。

「ビビデバビデブ~」
もう一度、彼女が魔法を掛ける。
彼女が俺を抱く力が強まる。
いつの間にか、彼女の方が背が高くなっていた。
俺は彼女(?)の顔を見上げる形になる。
その顔は…
「王子さま?」
俺の心がキュンと高まった。

密着度が高くなり、彼の股間がお腹に圧し付けられる。
ズボンの内側で彼の逸物が硬くなっているのが判る。
あたしの股間もジュンと潤んでゆく…

「今夜は帰さないよ♪」
彼が耳元で囁く。
あたしはコクリと頷いていた。

 

店を出ると、あたし逹はそのままホテルへと向かっていた♪
コスチュームは試着だけだったけど、あたしには「お姫さま」だった余韻が残っていた。
「愛してるよ♪」
と耳元で囁かれただけで、あたしはもうトロトロに蕩けてしまいそうだった。

服を脱がされる。
下着も脱がされる。
全裸の「あたし」が彼の目に晒されていた♪
「綺麗だよ♪」
そう言う彼も、痩せてはいても逞しい筋肉を纏っていた。
「行こうか♪」
と軽々あたしを抱き上げる。
お姫さまだっこでベッドに運ばれた。
「来てっ♪」
あたしが誘うと彼が伸し掛かって来る。
(あたしって「ハジメテ」だったっけ?)
記憶が混沌としていた。
彼のペニスがあたしの中に挿ってきた。
(痛みが無いのは充分に濡れている所為?)
あたしはこれまでに何度も彼と体を合わせていた筈…なのに、この「感覚」は記憶にない?
「ああっ、イイっ♪」
彼を抱き締める腕に力が入る。
彼のペニスが更にあたしの奥に送り込まれる。
「凄い。何なの?この快感は?初めてじゃないのに、新鮮で気持ちイイ♪」

「そうね♪あ・な・たはハジメテかもね♪」

枕元の時計が0時に変わった。
「魔法が解ける時間ね♪」

 

王子さまの顔が変わっていった。
そこには見慣れた彼女の顔があった。
「俺は…?」
声が元に戻っている。
俺逹の体は俺が彼女に組み敷かれたまま元に戻ってゆく。
膨らんでいた胸が萎んでゆくとともに、彼女の胸が膨らんでゆく。
彼女が纏っていた筋肉が薄れていくと同時に、俺の肌の白さも褪せていった。
「それでも、朝まで帰さないわよ♪」
彼女が腰を突き上げると、俺の中で快感が湧き起こる。
「ああん♪何だよコレ!!」
「オンナの快感以外ないでしょ?ちゃんとイかせてあげるからね♪」

その一点以外は俺逹は元に戻っていた。
多分、結合している状態がそこだけ元に戻すことを阻んだのだろう。
そして、彼女は俺をイかせるまでは抜く事は考えていないようだ。
彼女=彼を受け入れた時は意識も「女」になっていたのですんなりと受け入れてしまった。
しかし、今は男の意識に戻っている。
女みたいに…女としてイかされる事など、男の意識のままではなかなか許容できるものではない。
しかし、意識は拒絶していても、肉体は素直に反応してしまっている。
快感が押し寄せ、更にその上に新たな快感が被いかぶさってくる。
「あん、あん、ああ~ん♪」
我慢しようとしても、勝手に喘ぎ声が漏れてしまう。
その声を聞いて、更に快感が増してゆくようだ。
そして、その快感の先に何かが垣間見えてきた。
「そこに行くのがイクって事?」
それは次第にはっきりとしてきた。
もう少しでそこに手が届きそうだった。
「イクの?イっちゃうの?」
「そうよ♪コレでイっちゃいなさいっ!!」
フィニッシュとばかりに彼女が突き入れたペニスの先端から、勢い良く放たれたものがあった。
彼女の精液が俺の中に放たれたのだ。
が、そんな認識できる状態ではない。
「ああああっ!!ああ~~ん♪」
俺は嬌声を発し、快感の中に意識を失っていた…

 

 
「どうしよう…」
意識を取り戻した俺に彼女がそう言った。
快感の余韻に思考力は戻りきっていないが、何が問題かは即に解った。
合体を解いても、俺達の股間は元に戻っていないのだ。
「中に残ってるからかな?シャワーを浴びてくるよ。」
と股間の奥まで綺麗にしてみたが、変化は現れない。
「次の0時に戻るかも知れないよ。」
気休めでしかないと解っていたが、今はそう言うしかない。
俺達はその後合体することなく、抱き合ったまま眠りに就いた。

翌朝になっても、股間が元に戻る事はなかった。
「言わなければ誰にも判らないよ♪」
と服を着たが、やはり彼女のスカートには変な膨らみができてしまっていた、
「ガードルで押さえればなんとかなるわよ。」
と彼女は言う。
「あなたも立ったままオシッコしないようにね♪」
と念を押された。

ホテルを出ると、真っ先にあの店…コスチューム☆ショップに向かった。
が、その場所には何もなかった。
「ここだったわよね?」
確かに左右にあるビルは昨夜と同じものに違いない。
そのビルに挟まれて、その店があったのだ。
が、目の前では左右のビルは隣接し、猫一匹が通れるくらいの隙間しかない。
「夢でも見てたのかしら?」
彼女はそう言うが、俺達の股間は現実問題である。
「魔法…としか考えられないね。」
そう言い残して、俺達はその場所を後にした。

 

やはり…と言うか、次の0時を回っても俺達の股間は元に戻ることはなかった。
俺達は開き直り、現状を受け入れた。

これまでと同じように生活し、デートした。
そしてデートの夜にはこれまでと同じようにホテルでSEXする。
同じでないのは、俺達の股間だけだった。
必然的に彼女が攻め、俺が受ける形になる。
これはこれで快感が得られ、俺達は満足していた。

 

が、ある日、俺に悪阻の症状が出た。

勿論、最初はそれが悪阻とは思ってもいなかった。
彼女に会った時、症状を伝えると
「まるで悪阻みたいね♪」
と言って、二人とも凍りついてしまった。
俺達はこれまで避妊の事など何も意識していなかったのだ。
快感に溺れて生で結合を繰り返し、俺は彼女の精液を受け入れてたのだ。
 
「妊娠してたから戻らなかったんだね♪」
と解っても今更どうにかなるものでもない。
「出来ちゃった婚になっちゃったね♪」
と彼女にプロポーズされた。

俺の腹の中で、俺達の子は順調に育っていった。
世間の目は見た目しか意識していないようだ。
男のままの服だと「変に太っている」としか見られない。
マタニティ服を着ているだけで、世間は皆俺を「妊婦」として扱ってくれる。
しかし、マタニティー用品は皆女性用である。
「仮装のつもりで着てみれば良いんじゃない?」
と彼女に言われ、マタニティーのワンピースなどを着るようになっていた。

そして、もうすぐ結婚式。
「マタニティ用はこれしかないみたいよ。」

俺はウェディングドレスを着ることになった♪

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