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2015年9月13日 (日)

狩士(4)

「これは珍しい。女の…それも人間ではないんじゃな?」
「あ、あたしが人間かなんてどうでも良いでしょう?貴方に仕事を頼みに来たのよ。」
「わしの所に女が来るのは、抱かれたいか、仕事を持ってきたかじゃな♪」
あたしは白髪の老人=トーヤをまじまじと見た。
「その才、その顔で抱かれに来る娘なんて無いでしょうが!!」
「確かに仕事以外で此処に来た女はいないな。それともあんたが一人目になるかえ?」
「な、何考えてんですか!!あたしは仕事を頼みにきたの。お金も用意してきたわ。」
彼の視線が懐から出した巾着を追って…行かずに、あたしの胸元を覗き込んでいた。
(本当にこんな奴に任せて大丈夫なのかなぁ?)
あたしはドシンとテーブルの上に巾着を置き、彼の注意を引き戻してやった。

「で、あんたは何を頼みに来たんだい?」
ようやく本題に移り、あたしは背負っていた剣を降ろした。
「見ても判る通り、この剣はあたしには重すぎるの。能力はそのままに、できるだけ軽くしてもらえないかしら?」
剣を受け取ったトーヤの目がキラリと光った。
「あんたなら、こいつを振り回すだけなら問題ないじゃろうが?」
とあたしの細い腕に付いた筋肉を正確に読み取っていた。
「でも、コレでは戦えないわ。」
「お嬢ちゃんが?誰と戦うんじゃ?」
トーヤの目は先程までのスケベ爺の目ではなかった。
あたしの心の奥まで見透かすように冷たく、鋭くなっていた。
「この肉体になるまでは、狩士として何体もの獲物を狩あげて来たのよ。」
「狩士ね。戦う相手は判った。その事は剣からも見て取れる。しかし、何でこの剣に拘る?わしが鍛え直すより、遥かに安く頃合いの剣が手に入るじゃろうが?」

「その剣だけが…あたしがあたしであった証しなのよ。どんなに姿が変わっても、あたしはこの剣と共に戦いたいの。」
「まあ、仕事じゃからな♪悪いようにはせんて…」
と確かめ終わったのか、トーヤは剣を脇に置いた。
「剣の方は大体検討がついた。次はあんたの方じゃな。」
「あたし?」
「どうせなら、あんたの肉体に最適なバランスに仕上げたいからな。動きを見てみたい。できるだけ動きが見やすい服に着替えてもらえるかな?」
あたしは単に剣を削って軽くするだけで終わるのかと思っていた。
しかし、一流の鍛冶職人=トーヤの言う事も確かだ。
あたしは衝立の裏側に廻ると、躍りの稽古で使っていた衣装に着替えた。
「おお、素晴らしい肉体じゃ♪」
とスケベ爺が戻ってきた。
旅の格好では目立たなかった体の線が、この衣装はクッキリと、更に強調するように見せ付ける。
(初対面でコレはやり過ぎだったかしら?)
とは思っても、もう他の服に着替える事など許されないだろう。
彼の目はあたしの大きな胸に注がれていた。
「軽く飛んでみなさいな。」
もう、彼の言う事に従うしかないのだろう。
トントントンと飛び上がる。
「良く鍛えているようだね。バストの揺れも少ない。何か踊れるかな?」
そう言われ、あたしは舞台で披露したのを踊ってみせた。

即に、あたしは踊る演目の選択を誤った事に気付いた。

あたしを見るトーヤの目が、舞台の下から歓声をあげていた男逹と何ら変わらないものになっていた。
お尻を振れば、トーヤの視線が突き刺さってくる。
だからといって、躍りを中断する訳にはいかない。
股間を広げた際どいポーズにトーヤは満足な笑みを浮かべていた。

 

「狩士に戻らずとも、その躍りだけでも食っていけるんじゃないか?」
「この躍りは剣のためだけに習ったものよ。何であたしが男を歓ばせるような事を仕事にしなくちゃなんないの?」
「ふーん。それにしてはわしに見られて興奮してたのではないか?」
「た、単なる汗よ。もう良いでしょ?着替えてくるわ!!」
「一寸待て。あんたの筋肉の状態も確かめたい。こっちに来んしゃい。」

そ、それは不味いわよ!!
彼には否定したけど、踊っている間にあたしの肉体が興奮してきていたのは確かだった。
筋肉だけなら良いけど、ミラのように胸を弄られたりしたらどうなっちゃうか…
老人とはいえ、トーヤも「男」。痴態を見せる「女」を前に理性なんて…
彼に理性なんか期待できないじゃない!!

(…って、どこ触ってんのよ!!)
あたしはふらふらとトーヤの前に近づいてしまっていた。
トーヤがあたしの腕の筋肉を確認する。
腕から肩に、そして背筋、腹筋と…
「あんっ♪」
思わず変な声が出てしまった。
彼の手がお尻を揉みあげたのだ。
彼としてはお尻から脚にかけての筋肉を確認しようとしただけなのだろうが…
「あんた、感じ易いんだな♪」
スケベ爺が舞い戻ってきた?
今は、どこだろうとあたしの肉体に触れられる距離にいる。
腕を掴まれ、離れる事ができない。
「いやん。んあん♪」
トーヤの手は、あたしの筋肉を確かめる手から、あたしの肉体に快感を与える手に変わっていた。
あたしの声も、快感に悶える「オンナ」の声に…
彼の手が太股の内側を這い上がってくる。
あたしの股間はもう、激しく濡れていた。
「ああ~っ」
あたしは脚から力が抜け、彼の腕の中に倒れ込んでいた。
「…シて♪イかせて♪」
あたしはミラとヤッてる時と同じに喘いでいた。
乳首を弄られ、股間が撫であげられる。
あたしはあたしを玩ぶ相手が誰かなど、意識する事ができなくなっていた。

仰向けに寝かされる。
片足を抱えられ、股間を広げさせられた。
ミラとは様々な体位で絡みあったが、それとは全く違う。
あたしの股間に硬いモノが圧し当てられていた。
いつもなら、ミラの指が際限のない快感をもたらしてくれていた。
が、あたしの期待は大きく裏切られる。
引き裂かれるような痛みに教われる。
あそこに押し込まれてきたものは、許容量を遥かに越えている。
いつもなら、そこから快感が広がってゆくのに、引き裂かれる痛みが爆発したように全身に広がる。

あたしの意識は、そこで途絶えた。

 

 

「ハジメテだったようじゃな?」
それだけ言ってトーヤは何も言わず、剣を火に掛けてはハンマーで叩きあげていた。
あたしの股間には、まだ痛みと異物の感覚が残っていた。

あたしは自分が「女」である事を思い知らされた。
たとえ、この肉体が人外のものであっても、その内側には「女」として子を産むための機能が備わっているのだ。
そして「人間」が相手であったとしても妊娠しないという保証はないのだ…それがトーヤのような老人であっても…

「この小屋には近くの泉から水を引いている。水路を辿れば泉に着く。そこで浄めてくるといい。」
トーヤがぼそりと言う。
あたしは簡単に身支度を整えると泉に向かった。

 

 
小屋に戻るとトーヤの姿はなく、仕上がった剣が置かれていた。
(どういう事?)
あたしはトーヤに対価を払っていない。いくらかも決めていない。
あたしはトーヤが戻って来るのを待って、小屋で3夜を明かした。

 
「鍛冶屋は現れないよ。」
久しぶりにジンの声を聞いた。
「どういう事?」
「あんたは彼に気に入られたって事さ。対価も要求せずにいなくなるなんて珍しい事なんだな♪」
「もう、ここには現れないの?」
「結界が消えている。この小屋はもう使わないという事だよ。」
(それでも…)と、あたしはお金の入った巾着を小屋に残してきた。

 

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