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2015年9月13日 (日)

治った?

黄吹葵(アオイ)
青山茜(アカネ)
赤城山吹(ブキ)

俺…赤城山吹。
通称はブキだが、姓は赤城で赤城山ではない。間違えないで欲しい。

俺には彼女がいる。
黄吹葵…アオイだ。
活発な女の子で男女を問わず人気がある。
彼女は俺と出会う前は黄吹という姓から「ブキ」と呼ばれていたが、俺も「ブキ」で混同してしまうので「アオイ」という呼称が定着した。
そんな関係もあって、俺とアオイは付き合うようになった。

アオイには青山茜という親友がいる。
アカネはアオイとは違い、大人しく線の細い美少女だ。
彼女には男性恐怖症があるらしく、アオイの彼氏という立場の俺がようやく挨拶を交わせる限界らしい。
(とはいっても、アオイ以外の女の子と一緒にいる事は少なく、アオイといないときはいつも独りみたいだ)

 

「アカネの男性恐怖症をなんとかしたいんだけど、手伝ってくれないかな?」
アオイにそう言われ、
「俺にできる事なら何だってしてやるよ♪」
と安請け合いした結果がコレだった。

 

黄吹葵(ブキ)
青山茜(アオイ)
赤城山吹(アカネ)

アオイが探してきた怪しい黒魔術の本に従って儀式を行ったところ、身体の中身が入れ替わってしまったのだ。
(ご丁寧にも怪しげな本は術後には消えてしまっていた)

 
今の俺は「黄吹葵」だ。
女の子の身体になってしまっている。
慣れない女の子の生活はアオイ(今は青山茜だ)が付ききりで指導してくれている。
問題はアカネだ。
男性恐怖症のアカネが、あろうことか自分自身が「男」になってしまったのだ。
24時間「男」から離れる事ができない。
(せめてもの救いが、多少は免疫のある「俺」の身体だったことだが…)

 
「ブキ~♪あたし、もうこれ以上耐えられない。」
と俺に抱きついてくる。
赤城と黄吹が恋人同士であるのは周知の事なので、抱きつく行為に問題はないのだが…
「そのナヨっとした態度はどうにかならないか?」
とアカネに言うが、
「あんたも男まるだしの言動はつつしんで頂戴ね。」
とアオイに横ヤリを入れられる。
「わ、わかってる…わよ。」
と何とか語尾でカバーする。

最近はこの三人で一緒に行動するパターンが多い。
(勿論、アカネは一緒にトイレに入る事はできないが…)

しかし、抱き付かれて初めて俺も「男」の大きさ・力強さを実感した。
アカネのように、自分の弱さばかりを気にしていると「男が怖い」という意識も理解できなくはない。

「アカネ…赤城君も、もう少し頑張れるんじゃない?今はそれなりにガタイもあるでしょ♪」
アオイは極力名前ではなく名字で呼ぶようにしている。
幸いにも、中の人の名前と身体の名字が似ているので、呼び間違っても多少は誤魔化せるので、他の二人も見習っている。
が、
アカネは昂ってくると、俺の事を「黄吹さん」でなく「ブキ」と呼んでしまう。
彼女にとっては「アオイ」より「ブキ」の方が馴染み深いが、俺の事を「ブキ」と呼ぶときは必ずといって良いくらい黄吹な中身が俺である事を忘れている。
女同士の気安さですり寄ってくる…それが異性間の接触であると気付く事はほとんどなかった。

 

「赤城君」と自分を呼んだのが青木さん…本来の自分の姿をしたアオイ…であることに気付き、アカネはようやく自分の現実を思い出したようだ。
「ご、ごめん。黄吹さん…」
「別に謝らなくても良いわよ。あなたとあたしの関係なんだし♪」
「ち、ちょっと。黄吹?あんた言ってる事、理解してる?」
アオイが言っているのは、本来「男」である俺が「女」として抱かれる事に抵抗はないか?という事だ。
アカネは知っているか判らないが、俺とアオイは恋人同士として、当然ではあるが「男と女の関係」を持っている。
確かに「男」に抱かれる事に恐怖心はない訳ではないが、入れ替わるまでは、アオイは何事もないように俺に抱かれていたのだ。
「問題ないわ。あんたにできていた事だもん。あたしも同じにできる筈よ♪」

と話が進んでいる間、当事者の片割れであるアオイはただ俺とアカネの会話を聞いているしかなかった。
「あのぉ、話が見えないんだけど…」
その声にようやくアオイ=赤城君の存在を思い出した。
「ごめん、ごめん。無視してた訳じゃないのよ。青木があたしと赤城君の関係をちょっとだけ忘れてたみたいだから、リマインドさせてあげたの。」
「それで、あた…ボクは何をすれば良いの?」
「簡単な事よ♪これからでも良いから、あたしを抱い…」
「ちょっと待て黄吹。それ以上は公衆の面前で語って良い範囲を越えてしまうぞ。」

そんなこんなで、俺達は俺の…赤城山吹の部屋に押し掛けた。

「お邪魔します♪」
と俺とアオイが足を踏み入れた部屋は、確かに「俺」の部屋だった。
が、少し見ぬ間に綺麗に整理整頓され、どこか他人の部屋のように感じてしまった。
「どうぞ。」
と赤城君から座布団が差し出された。
「胡座はダメよ。」
とアオイが耳打ちする。
「俺」の部屋に戻った安心感からか、無意識のうちに胡座をかこうとしていたのは確かだった。
俺は隣のアオイを手本に、両膝を付けて足先を広げ、その中にお尻を落とす…いわゆる女の子座り…をやってみた。
身体が覚えているのか、自然に座れていた。
逆に、アカネは同じように座ろうとして、硬い身体に断念するしかないようだった。
「ここなら大丈夫よね♪」
アオイが口火を切る。
「アカネの男性恐怖症を直す為に黄吹が赤城君に男とは何たるかを教えるということだったわよね?」
「そ、そこまで積極的な話じゃなかったけど、アオイが構わなければ何だってするよ。」
「と、黄吹は言っております。赤城君、お覚悟はよろしくて?」
「覚悟…って、何をするつもりなの?」
「それはもうナニまでイっちゃいましょう♪」
俺はズイと「俺」に近付いた。気圧されしてアカネは仰け反り、そのまま床の上に倒れた。
俺はズボンのチャックを下ろし、中から息子を取り出そうとする。
「あん♪ダメっ…」
男の声で女の子のように拒絶する。
少し興ざめだが…
「相手が女の子なら怖くはないでしょう?それに、いつものようにシてあげれば悦ぶわよ♪」
(いつものように?)
アオイのその言葉に一瞬躊躇してしまった。
その隙を逃さず、アカネが攻勢に転じる。
今度はこちらが拒絶しようとするが、男女の体力差には抗いようもない。
あっという間に服を脱がされてしまっていた。
「あぁん♪」
乳首を弄られ、聞きなれていたアオイの恥声を、俺は自分の口から漏らしていた。

女はオンナの感じる所を知っている…という事なのだろうか?
俺はアオイに「男」を教えてやる筈が、一方的に責めたてられ、オンナの快感に翻弄され続けていた。
「もう良い頃じゃない?黄吹も赤城君も出来あがってるよね♪」
アオイの言う意味が一瞬理解できなかった。
(この先に何があるの?)…って、決まっている!!アカネの股間が全てを物語っていた。
「さあ、挿れちゃいな♪」
アオイの言葉に導かれるように「俺」が伸し掛かってきた。
(………)
俺の胎の中に侵入してくるモノがあった。
「異物感」が半端ないが、一方で「満たされる」幸せ感が吹き出してきた。
「どお♪アオイ?」
「何か凄く気持ちイイ♪」
「それが男よ。そして黄吹もイイ顔してるでしょ?これがオンナよ♪」
「っあ。何か来る。出てきちゃう。」
「問題ないわ。彼女のナカに射してあげちゃって♪」

俺は彼女逹の会話を遠くのように聞いていた。
今は自分のコトに精一杯。オンナの快感に打ちのめされ、翻弄され、また更なる高みに放り投げられようとしていた。
「イクの?イッちゃうの?ああ、ああ、ああ~~~ん!!」
アカネが射すと同時に、俺は快感の中に意識を失っていた…

 

 
気がつくと、二人はベッドの上で絡まっていた。
「そうよ。上手になったわ♪…まだ射しちゃダメよ。我慢して、意識を逸らすの。イイわ。そこ、そこ♪一気に来て!!」
アオイがアカネを誘ったのだろう。アオイのさっきの言い種からすると、これまでも二人で女同士の危ない関係を持っていたに違いない。
が、今は「男と女」として抱き合っている。
「アカネの男性恐怖症を治すため」とは知りつつも、軽い嫉妬心に苛まれる。
(嫉妬心?)
俺は何に嫉妬しているのだろう?
アオイが他の男に抱かれているからか?
否。抱かれているのは青山茜だ。それに抱いているのは「俺」なのだ。
なら、何に嫉妬している?
いや。この命題を掲げた時点で答えははっきりしていた。

(アタシの彼を盗らないで!!)

 
「こっちにオイデよ。一緒にヤろう♪」
あたしに気付いた彼が声を掛けてくれた。
彼があの快感をもう一度与えてくれる♪
それに、一緒にいるのは他でもない。あたしの親友の茜なのだ。
あたしは立ち上がると二人の待つベッドに上がった。
「葵も茜も可愛いよ♪」
彼にそう言われ、あたしは自分の名前が「葵」だった事を思い出した。
「茜は大丈夫なの?」
あたしが聞くと
「何も問題ないわよ。この先もずっとこの三人で楽しみましょ♪」

何か重大な事を忘れているような気がしたが、あたしは彼の与えてくれる快感を逃さずにしようと、我を忘れてしまっていた…

 

 

「青山さん、大丈夫なの?」
男子と話をしている茜を指して女子があたしに聞いてきた。
「もう大丈夫よ。免疫ができたようで、人が替わったみたいでしょ♪」
あたしはにっこりと笑って隣に立つ「彼」を見上げる。
彼もあたしに微笑み返す。
「あんた逹は変わらず仲良過ぎね。あ~っ、あたしも早く彼氏が欲しい♪たまには彼を貸してよ。」
「ダメッ♪」と言うとその子はあたし逹から離れていった。
彼がプッと笑いを吹き出す。
「あんたも女の子が様になってるね♪」
と彼
「何よ、もう♪」
とあたしは彼の腕に絡めた腕に力を入れ、密着度をあげた。
彼の腕に絡まるあたしの指には、キラキラと指輪が輝いていた。

〈登場人物〉
青山茜(親友)
赤城山吹(彼)
黄吹葵(あたし)

 

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