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2015年5月31日 (日)

アルバイト

「ねぇ、あんた『女』になって頂戴♪」

元より我儘な娘だった。
それでも高額な報酬の為に、僕は彼女の家庭教師を続けていた。
決して頭の悪い娘ではない。いや、自分の出来を詐称できるくらい頭は切れている。
つまり、家庭教師など付けずとも、彼女は容易に優秀な成績を取ることができるのだが…
「下手に成績が良いと、何かと用事を頼まれるじゃない♪」
と、勝手に成績を落としているのだ。
親は何とかして良い成績を取らせようとして家庭教師を雇うのだが、彼女の方が一枚も二枚も上手であり、新しい家庭教師に「遊び」疲れると、即に追い出して新しい獲物を要求するのだ。
「ママの服なら着れるでしょ?」
モデルだった彼女の母親は背も高く、今は昔程細くないので、小柄な僕としては服のサイズに問題なさそうだった。
「今日はママ、帰って来ないし、服の一枚や二枚無くなっても気づくようなヒトではないわ。」
上機嫌の彼女に逆らう事はできない。
仕方なく、僕は彼女の母親の部屋に向かおうとした。
「待って。ちゃんと全部着てきてもらいたいから、ここで服を全部脱いでいって。」
結局、下着まで剥ぎ取られて全裸になって部屋を出ていく事になった。

母親の部屋に入り、引き出しに詰め込まれた下着を抜き出す。ブラとショーツがセットになっていた。
ショーツを穿き、ブラの紐を肩に掛けた。背中のホックがなかなか止まらない。
何とか止めてからパンストを穿いた。
薄い布地は脛毛が強調されてしまう。探してみると、黒のレース地のパンストがあった。
脛毛が目立たないのを確認して、スカートを穿いてみた。
彼女や彼女の母親のような美しさはないが、こんな脚の女もいるのではないか?と見えるくらいにはなっていた。

女物のシャツに腕を通す。左右が逆なので、ボタンがなかなか止められなかった。

何とかシャツを着終え、その上にカーディガンを羽織った。
元々長めの髪だったので、鏡を見ながら女らしくボリュームを持たせるようにブラシを掛けると、何とか『女』に見えない事もない。

 

「まだダメね。胸はぺしゃんこだし、お化粧もしてないじゃない。アクセサリーには目を瞑ってあげるけど、この二つは何とかしないとね。」
と彼女が袋をよこした。
ずしりとした重みがある。
「これをブラの中に入れてみて♪ずれないようにシールを剥がせば接着剤が付いてるわ。」
袋の中には「乳房」が入っていた。乳首も精巧に再現されている。
言われたようにシールを剥がしたソレをブラのカップの中に入れた。
ずしりとした重みが肩紐に掛かってくる。
(女性は四六時中、この重さに耐えているんだ…)
と考えながら、ブラ越しに乳房を胸に押し付けて固定した。

「次はお化粧ね♪あんた自分ではできないでしょ?今日は特別にあたしがしてあげるわ♪」
(今日は…という事は、この先何回か女装することになるな…)
と考えながら
「あ、ありがとう…」
と言っておく。
「ああ、その声もなんとかしなくちゃね。」
(女の声を出せってか?おかまタレントでも女声に聞こえるのは僅かだろう?)
「声は考えておくから、今日はあまり喋らないでね。」
そう言いながらも、椅子に座らせた僕の顔にいろいろと塗り付けていった。

 
「まあ良いかな?じゃあ、食事に行きましょうか♪」
と立ち上がる。
彼女に続いて部屋を出たが、そのまま玄関へと向かっていった。
「外に出るのか?」
「喋らなければバレないわよ。パパも待ってるからね♪」
勿論、僕は彼女の指示に逆らう事はできない。
出されたパンプスを穿き、高い踵にふらつきながら、レストランに向かった。

 

テーブルには既に一人の男が座っていた。
「お待たせ、パパ♪紹介するわ。この人が今のあたしの先生よ。訳あって今日は喋れないの。ごめんなさいね。」
僕は彼女の紹介に合わせてその男性にお辞儀をした。
「我儘な娘で大変でしょう?」
そう言われ「その通りですね」とも答えられず、微笑みを返すしかなかった。
「パパ。先生は今日は喋れないのよ。少しは気を使ってあげてちょうだい。」
「おお、これは済みませんでした。」
と、皆が席に着いて食事が始まった。
専ら彼女が喋り、父親が相槌を打ってゆくので、僕はゆっくりと食事を堪能できた。
(口紅の味が混ざるが、それが気にならない程に美味しい料理だった)

一通りの料理を食べ終わると、彼女にトイレに誘われた。
「口紅が落ちてるわよ。今度は自分で直してみて。」
と化粧ポーチを渡された。
トイレの鏡を見る…
(この娘、誰?)
鏡には彼女と口紅が乱れた見知らぬ女が写っていた。
僕が手を上げると彼女も手を上げる…
(この娘が今の僕なんだ…)
と確認しながら、化粧ポーチから口紅を取り出した。
スティクを回し、出てきた紅を剥げた場所に塗っていった。
「本当は筆を使ってもらいたかったんだけどね?次からは気を付けてね♪」

席に戻ると
「じゃあ帰るね♪パパは先生をちゃんと送ってあげてね。ご馳走様でした♪」
と、僕は何も言えないまま、残されてしまった。
「では場所を変えましょうか?ここからは大人の時間という事で♪」
さすがにこれ以上は辞退したいのだが、喋れないのではどうにもならない。
そのまま彼に連れられて、ホテルの一室に入ってしまった。

「ここならば声を出しても大丈夫ですよ。貴女が男性である事は彼女から聞いています♪」
「え?」
「勿論、私は彼女の父親ではありません。彼女に仕事として依頼されているだけです。」
「仕事?」
「はい。ここで貴女を本物の『女』にしてあげるのが私の仕事てす。」
「女…って、僕は男ですよ。」
「ですから、貴女を『女』にするのが私の仕事なんです。もう薬も効いている頃でしょう。服を脱いでもらいましょうか?」
「薬って?」
彼には僕の問いには聞く耳はないようで、有無を言わさずに僕の服を剥ぎ取ってしまった。
「どうです?」
と聞かれ、どう答えれば良いのだろうか?
僕はショーツ一枚で彼の前に立たされていた。
ただ、胸には彼女から渡された「乳房」がしっかりと貼り付いていて、本物と見紛う程だった。
「どうです♪おっぱいを持つって事は?」
「重たいよ。でも、世の中の女性が皆同じく辛い思いをしていると思うと、そうも言っていられないか…」
「辛いですか。では、先ずはおっぱいがあって良かったと感じさせてあげましょう♪」
と彼の手が伸びてきた。
「痛いっ!!」
思わず声を張りあげてしまった。
彼が僕の乳房を鷲掴みにしたのだ。
彼の指先が乳房に食い込み、そこから「痛み」が発っせられてきた。
(?)
「君はこれを偽乳だと思っていたのでしょう?実際は今、君が感じているように、これはもう君自身のモノになっています。」
(…)
「何故?と思っているのでしょう?コレには薬が仕込まれていて、君の肉体を改造していったのですよ。ですから、痛みだけではなく、快感も感じる事ができるのです♪」
と彼が指の腹で乳房の先端にある…乳首を弄った。
「うぁっ!!」
何とも形容のつかない感覚がソコから発っせられた。
そして彼の手が掴んでいた乳房を、ゆったりと揉み始めた。
「ん…ぁ…」
僕の口から吐息のようなものが漏れる。
「どうです?気持ち良くなってきたでしょう♪」
僕は彼の行動に対して何も否定的な行動を起こせなかった。
「薬は胸だけではありません♪」
彼の一方の手が僕の腰に廻り、ショーツを下ろしていった。
「貴女はもう女性です。股間にはもうベニスの存在は感じられないでしょう?」
僕はコクリと素直に頷いていた。
「そればかりか、ほら。もう濡れ始めてますよ♪」
彼は僕の股間に指を這わし、滴っていた液体を掬ってみせた。
「さあ、貴女を本物の『女』にしてあげますよ♪」
僕は彼にだき抱えられた。
そのまま、ベッドの上に下ろされた。

 

 
…まだ…股間に何か挟まったままのような感じがしていた。
「この部屋は明日の昼まで借りているから、落ち着いてからゆっくりと帰りなさい。」
彼はそう言ってまだ夜のうちに部屋を出ていってしまっていた。

僕は起き上がり、シャワーを浴びた。
胸に…乳房に湯滴が当たる。湯はそこから体に沿って流れ落ちてゆく。
股間に手を当てる。いつもの存在はそこにはなく、彼を受け入れた場所がそこにあった。
「汚れ」を洗い落とした。が「女」として抱かれた事実が洗い落とされることはなかった。
「…女。か…」
その声ももう、本来の僕の声ではなかった。
彼に抱かれ、喘いでいるうちに、次第にトーンが高くなっていた。
僕の喘ぎ声は「女の喘ぎ声」そのものになっていた。
そのまま、僕の声は元に戻っていない。
鏡に映る僕の首からも喉仏の突起は見えなくなっていた。

喉から顎にかけて手を滑らす。当然のように、髭は跡形もなく、すべすべの肌に触れていた。
「お化粧しなくちゃ…」
僕は鏡の中の女の顔に、どんな化粧をすれば良いかを考え始めていた。

 

 

 

「ちゃんと『女』にしてもらった?」
午後には再び家庭教師の時間になる。
彼女の部屋に入るなり、そう聞かれて僕は「はい」と返事をした。

ホテルを出た後、僕は格安が売りの洋服屋のチェーン店で服を買った。
彼女が面白がっている間は元には戻れそうもないと判断したのだ。
アパートに戻り、買ってきた服に着替えた。
着ていた彼女の母親の服をクリーニング屋に持ち込み、特急で仕上げてもらう。
その間に、化粧道具を百均で買い求めた。

「声も変わったのね?じゃあ、外で喋る時は男言葉は使わないようにね♪」
「君の前なら良いのか?」
「そうね♪逆にいつもの喋り方の方が姿とのギャップで面白いわ。」
とは言え、出てくる声が女の声なので、僕自身戸惑う事が多い。

「たまには勉強も教えて頂戴♪」
と彼女が勉強机に向かう。僕は脇からそれを覗き込む…
「あっ、そこ間違ってるよ。」
彼女にしてはあり得ないような箇所で誤りを見つけた。
「っえ?どこ?」
「ここだよ。」
と身を乗り出した刹那、彼女の肘が僕の胸に当たった。
それは偶然なのだろうか?昨夜、散々責められて敏感になってしまった僕の乳首を刺激する形になった。
「んぁ…」
切ない吐息が漏れてしまった。
「どうかした?」
「な、何でもないわよ♪」
慌てて感じてしまった事を誤魔化す。
「先生の身体って敏感なんだ♪」
「そ、そんな事ないわよ!!」
「でも先生、女言葉になってるわよ♪」
昨夜、彼に責められた際、散々女言葉で喘がされたのだ。快感を感じると条件反射のように女言葉がでてしまうようだ。
「やっぱり、先生は『女』の方が似合ってるわ。その姿なら家庭教師よりも稼ぎの良いバイトは沢山あるわよ♪」
「あ、あたし…僕は元に戻るのよ。このままなんて嫌よ。」
「あら?元に戻れると思ってたの。そんな事できてもする訳ないじゃない♪」
(…)
「あ~あ。この玩具もつまんなくなっちゃったわね。新しいのを呼ぶから、あんたもう明日から来なくて良いわよ♪」
(つまり「クビ」って事?)
あたしは頭の中が真っ白になっていた…

 

 
「これは奇遇だね♪」
街を歩いていると、声を掛けてくる男がいた。昨夜の男だった。
「良かったら、一緒に食事でもどう?」
と誘われた。
「昨日とは全然違うわね。」
居酒屋のカウンターに並んで座っていた。
「昨日は彼女の財布があったからね♪勿論ホテルなんて予約できる余裕もない。」

あたし逹はビールで乾杯し、おでんを食べながら他愛もない話に上機嫌になっていた。

 
その晩は彼のマンションにいた。
「良いのかい?」
と彼が聞く。
「何が?」
ととぼけるあたし…
彼とキスをしながらも、あたしは服を脱いでゆく。
「もう一度シて♪」
「ただでか?」
「女に貢がせるタマか、鏡と相談したら?」
「まっ、あんたが相手なら良いかもな♪」
と、あたしの「内」に彼が侵入してくる。

「ああ…、最高♪」
あたしは快感に身を委ねる。
「一種に暮らすか?」
彼の提案に、あたしは「うん♪」と頷いていた…

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