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2015年2月 9日 (月)

感覚シミュレーター

(これが…オンナのカ・ラ・ダ♪)
俺は股間に這わせた指を折り曲げた。
既に愛液にまみれた指がズブズブとめり込んでゆく。
そして、俺の下半身は胎内に侵入してくる異物を感じていた。

 

今、俺は「感覚シミュレーター」の中にいる。
この中では実際に自分の体を動かす事はできない。動かそうという信号を捉えて、繋がれたコンピュータの中に造られた肉体が動くのだ。
そして、その情報が俺の脳にフィードバックされ、実際に体が動いたように感じるのだ。
勿論、フィードバックされるのは動かした対象だけではない。動いたことによりシミュレーションされる様々な事象がその肉体に与える感覚をも返してくる。
例えば、掌で顔を扇ぐと、生み出された空気の流れが顔に当たる感触を得ることができるのだ。

そして、その究極が自分とは異なる肉体…異性の肉体を体験する事だった。

 

設定は若い女性。全裸でベッドに寝ている。既にオナニーに向け肉体は臨戦態勢に入っている所だ。
女の感じている感覚がフィードバックされてくる。股間が愛液に濡れているのを感じた。
チリチリと乳首が疼いている。勃起した乳首…それ以上に豊かな乳房の重みが、この肉体がオンナである事を伝えてくる。
意識を腕に集める。持ち上げ、掌を腹の上に広げる。
そこから上に滑らせてゆくと、即に障害に接触した。
(乳房だ♪)
ゆったりと掌で揉み上げる。俺は乳房を揉まれるという体験を初めてした。
(初めてはまだまだあるよ♪)
もう一方の掌を下に下ろしてゆく。
指先が陰毛に触れ、更にその先に進めてゆく。
男であればある筈の障害物はそこにはない。
指先が愛液に触れた。
そこには溝が穿たれていて、愛液に濡れていた。
俺の指先が愛液にまみれる。
伸ばした指を溝に沿って這わせる。
そして、その指をゆっくりと曲げた。
指はズブズブと割れ目の中の秘洞にめり込んでいった。
「んぁん…」
俺の漏らした吐息は、甘いオンナの淫声になっていた。
俺の下半身が胎内に侵入してくる異物を感じた。
指先を肉壁に沿わせてぐるりと回した。
(一本じゃ物足りないな♪)
中指に加え、人差し指と薬指を参加させた。
(オンナはここに男のペニスを咥え込むんだよな?)
自分の指ではその太さも長さも再現できそうにない…
俺の目の橋に止まったものがあった。
それは、男のペニスを模したディルドゥだった。
(これを挿れたらどうなるんだろう?)
俺は無意識の内にソレを手に取っていた。
「男」である俺が、こんなモノを欲しがるなんて…と躊躇いはあるものの、好奇心がそれを上回っていた。
俺は脚をM字に広げると、その中心に挿入を開始した。
(イキむんじゃない。ゆっくりと息を吐くんだ。)
「ダメよ。そんな太いの挿れられたら壊れちゃうわ。」
(大丈夫だ。オンナの体はどんな男のモノでも受け入れられるようになってるんだ。)
俺は一人二役で挿入されるシチュエーションを悦しんだ。
(もしかしてお前、処女なのか?)
「……えぇ……」
(まあ、痛いのは最初だけだ。そのくらい我慢しろ。)
「男に破瓜の痛みなんてわかるもんですか!!」
(五月蝿い。いくぞ!)
そして、ぐいっとペニスがあたしの膣に割り込んできた。
引き裂かれるような痛みに一瞬意識が飛んでいた。
気がつくと太いペニスはあたしの膣を一杯に満たしていた。

が、それは本物のペニスではない…ディルドゥ…疑似ペニスだ。
いや、そもそも「この空間」自体が造りモノではなかったか?
そう。これはコンピュータの中に造られた仮想空間なのだ。この肉体とて「俺」のものではない。
俺は今、「感覚シミュレーター」の中にいるのだ!!

 
俺は何とか「俺自身」を保つ事ができた。
が、これ以上性的な刺激に晒されていては、いつ再び「女」に流されてしまうか解らない。
俺はシミュレーターの停止シークエンスを起動させた。

 

 

「どうでした♪ハジメテの体験は?」
全身の拘束が解かれ、カプセルから起き上がると助手の大毅が声を掛けてきた。
「何でお前がここにいる?」
彼はシミュレーションをモニタしていたに違いない。そう思うと一気に赤面した。
「主任がこんな事にシミュレーターを使うとはね♪」
大毅のニヤニヤ顔が癪に障る。
「以前から知っていたのか?」
「面白そうだったので差し入れをしておきました♪」
「アレを置いておいたのはお前か?」
確か、ディルドゥなど当初の設定にはなかった筈だ。
「指だけでは物足りなくなると思いましてね♪それとも、茄子や胡瓜の方が良かったですか?」
俺は自らの股間に茄子や胡瓜を突っ込んでいる姿を想像してしまい、頭を振って震い落とした。
「俺は単なる学術的好奇心を…」
「オンナになってみたかったんでしょう?良い事を教えてあげます♪」
大毅はそう言いながらデータグローブを手に嵌めていった。
「主任がソフトの開発に掛かりきりになっている間にハードも進化しているんですよ。」
彼は俺に近付いてくると、首筋に何かを貼り付けた。
「機能は限定されますが、シミュレーションにカプセルを使わなくても良くなっているんです。今貼り付けたシートで感覚のフィードバックが可能になっているんです♪」
彼がデータグローブで俺の胸に触れる。掌が何かを掴んだ形で止まった。
俺の胸で乳房が揉まれ、乳首が摘ままれている。
刺激が快感を呼び覚ます。
「ぁあん♪」
俺はオンナとして喘ぎ声をあげていた。
その「声」は俺本来の男の声とシミュレーターからフィードバックされた女の声が重なっている。
「やはりお前は淫乱なオンナなのだな♪もう股間をぐっしょりと濡らしているのだろう?」
確かに俺の股間には愛液で濡れている感触がある。
「どうなんだ?」
ふうっと耳元に息を吹き掛けられた。

「あっ、ああ…」

脚から力が抜けた。
彼の腕があたしを支えている。
そのまま、ゆっくりと床に下ろされた。
「コレが欲しいんじゃないのかな?」
あたしの目の前に逞しい肉棒が突き出されていた。
躊躇いつつも、あたしは首を縱に振っていた。
「ギブアンドテイクだ。まずはお前が僕を気持ち良くさせてくれないか?その可愛いお口でね♪」
あたしはおずおずと口を開き、肉棒の先端を口の中に入れた。
「もっと奥まで呑み込めよ♪」
これはもうシミュレーションではない。本物のペニスがあたしの喉を圧っしている。
苦しいのだが、あたしは彼に逆らう事ができなかった。
しばらく抜き差しを繰り返したのち、彼の精液があたしの喉の奥に放出された。
ごくりと喉を鳴らして精液を呑み込んだ。
(次はいよいよあたしの番だ♪)
が、彼の指示はあたしの期待とは少し違っていた。
「尻を向けて四つ這いになれ!!」
あたしはどんな形でも、彼のモノが欲しかった。言われるがまま尻を向け、高く持ち上げた。
彼の手があたしの腰を支えてくれている。
「いくぞ♪」
彼のペニスがあたしの膣の中に侵入してきた。
造り物のディルドゥではない。本物のペニスにあたしは貫かれている…
「ああ、いいっ!!」
その媚声に触発されてか、彼の動きも激しくなる。
あたしのナカがぐちゃぐちゃに掻き回され、快感のるつぼに堕されてゆく。
頭の中がまっしろに染まり肉体はあたしの意思から外れ、快感に勝手に反応する。
「ああん♪イクぅ~♪イッちゃう~~!!」
快感の頂点に達したところで、あたしは意識を失っていた。

 

「主任もすっかりオンナの顔になりましたね。そのアへ顔、素敵ですよ♪」
声のする方を見た。
あたしの前に大毅が立っている。
(でも、あたしは腰を掴まれ、ナカにはまだペニスが…)
その感覚がシミュレーターにより造り出されたものである事にようやく気付いた。
あたし…俺は「男」でその股間に膣などは持っていないのだ。肉棒に貫かれた感覚は全て造りモノだったのだ。
「おや♪男の意識を取り戻しましたか?でも、もう手遅れだと思いますよ。立ち上がって自分の姿を確認してご覧なさい♪」
彼がそう言うと同時に、膣からペニスが引き抜かれる感触があった。俺の腰を支えていた手も外されていた。
立ち上がると、重力に捉えられて膣の中から精液が内股を滴っていった。

俺は大毅が用意した姿見の前に立った。

(!?)

そこに見えたのは、全裸の女の姿であった。
意識を集中すると、うっすらと「俺」の姿が重なって見えた。
「どうです?面白いでしょう♪」
どうやら感覚のフィードバックが強すぎて、本来の感覚認識を上書いてしまっているようだ。
「やり過ぎだぞ。即に接続を切るんだ!!」
彼に届いているのは本来の男の声だろうが、俺の耳には女の声にしか聞こえない。
「そうですか?こうしておけば、主任は四六時中女性でいられるんですよ♪」
「バカな事は言わないで!!自分の認識は女でも、他人から見たらあたしはあたしなのよ。」
「問題ありませんよ。既にご自身で補正を掛けてるじゃないですか。今はもう、ちゃんと女性の声に聞こえますよ♪」
「えっ、うそ…」
あたしは自分の声とシミュレーターが伝えてくる声を比較してみた。
「あ、ああーっ」
しかし、どうやってもシミュレーターからの声と違えて発声する事ができない。
「どうです?主任はご自身の性別を認識できますか?」
「あたしは女よ。…って、あたしは…あたしは…」

 

 

「主任?ご気分はいかがですか?貧血を起こすなど働き過ぎですよ。」
助手の大毅君が湯冷ましを持ってきてくれた。
あたしとしてはそう根を詰めていたとは思わなかったが、体が休息を欲しているのに気が付いた。
「そうね。今日はもう上がらせてもらうわね♪」
あたしはそう言って更衣室に向かった。
ロッカーを開けると、今朝着てきたブラウスとスカートが掛かっていた。
(これって自分の服だったっけ?)
一瞬、違和感に囚われたが、これが自分のロッカーであり、確かに朝はこれを着てきた筈なのだ。
単なる気の迷いね♪と切り捨て、あたしは着替え、お化粧を直すと家路についた。

 

 

 
建物を出た所でシミュレーターとの接続が切れ、俺は「自分」を取り戻した…

 

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