« 無題 | トップページ | 任務 »

2014年12月21日 (日)

呪い

「最近、変な女につきまとわれていたんだ。」
久しぶりに親友の雄司に会うなり、俺は愚痴を吐いていた。

雄司と会うのが久しぶりなのは、俺が毎日のように違う女と付き合っているからで、俺が会いたいと思わない限り時間が取れないからだ。
そして、その変な女は俺の付き合っている女逹の一人ではない。その容貌では、俺から声を掛ける事さえあり得ないだろう。
「女ストーカーか?」
「そうなんだ。昼も夜も、気が付くと目の端にそいつが紛れ込んでいるんだ。」
「偶然とか、見間違いなんかじゃないのか?」
「まあ、怖がっていれば、どんな影でもお化けに見えるようなものかも知れない。」
俺は店の中に彼女がいないかと目を走らせてみた。
「夜、窓の外に気配を感じるのも毎晩の事になっている。少し寝不足にもなっていた。」
「それはちょっと不味い状態じゃないか?何か証拠でもあれば警察に突き出してやろうぜ。」
と雄司は言ってくれるが、その女の存在を証明できるものは…
「証拠として唯一あるのは、先日届いたこんなメールくらいかな?」
俺はメールの文面を雄司に見せた。
そこには『あなたがあたし以外の女と付き合っているのを見続ける事に我慢ができなくなりました。他の女と付き合えなくなるよう呪いを描けさせてもらいました。』とあった。
「送信元はフリーメールか。相手を特定する事は難しそうだな。」
「それより気になるのがその文面なんだ。呪いとか書いてあるだろう?」
「呪いなんて迷信だろう?それとも何か心当たりがあるのか?」
「多分、呪いの所為なんだと思う。このメールを受け取って以降、あれだけ付き合っていた女の子逹に会いたい・抱きたいと思わなくなっていたんだ。」
「そのストーカー女しか愛せなくなったということか?」
「それとも違うんだ。女性全般に対する性欲が失われてしまったようなんだ。」
「性欲がなくなった?」
「いや、なくなった訳じゃないんだ。方向が変わったみたいなんだ。」
「方向が変わった?女ではなく、男が好きになった?」
「そうなんだ。俺はお前を愛している事に気がついた♪大好きだ雄司♪俺を抱いてくれないか?」
「ちょっと待て。お前とは親友だが、俺には男を抱く趣味はない!!」
「問題ないよ♪今のボクはもう男じゃないんだ。胸はまだ発育途中だけど、股間はもう完全に女の子だよ♪」
「股間は…って、お○んこがあるのか?」
「ええ。今朝起きた時にはもうおち○ちんはなくなってたわ。おしっこは座ってしたのよ。その時に確かめたら、割れ目の奥にちゃんとお○んこも出来ていたの♪」
喋っているうちにあたしの声はだんだん高くなって、他の女の子と変わらなくなっていた。
胸が苦しくなるくらい、バストが急速に膨らんでいった。髪の毛が伸び、指が細くなった。
あたしは完全に「女の子」になってしまったようだ。

「お前…」

雄司があたしを見つめている。
その瞳にはある決意が窺えた。
「な、なんでお前は俺の好みにドストライクなんだ!!いくらでも抱いてやるぞ♪」
その夜、あたしはあたしのハジメテを雄司に捧げたの♪♪♪

 

« 無題 | トップページ | 任務 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 呪い:

« 無題 | トップページ | 任務 »

無料ブログはココログ