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2014年10月 5日 (日)

異世界にて(後)

 
 
その後、しばらくは敵にも動きはなく、あたし逹は普通の学校生活を送っていた。
「ネネ?」
「なあに、マリちゃん?」
あたしは他の友達との話を切ってマリの方を向いた。
「そうやってると、本来のネネと変わりがないね。」
「そう?あたしは特にこれといって変わりはないんだけど。」
「自覚なし…か。」
「それがどうかしたの?」
「ここでは言えないよ。放課後、部屋に戻ってから話すよ。」
あたしは去ってゆくマリちゃんに背を向けると、中断していたお菓子のレシピに話を戻した。
この間の調理実習の後、何故か料理に目覚めてしまい、特にお菓子は何度か本を見ながら自分で作ったりもしてみた。

 

部屋に戻るとマリが待っていた。
「ネネに替わってもらうよ。」
とあたしの胸に手を当て、刀を引き抜いた。
「ネネ。あんたの意見を聞きたい。」
マリは刀を置き、ネネに迫った。
「サールさんの事ね。多分あたしのマナに染まってしまったんだと思う。」
そう言って刀を取り上げた。刀身に触れ、撫であげる。
「かなり脆さが出てきているわね。もう、この間のような使い方には耐えられないかも。」
「どうすれば良い?またアレをやるのか?」
「もう一度やって、同じ結果が得られるとは限らないわ。」
「刀を鍛え直す事はできないのか?」
「武器はマナによって創られるものよ。物理的な刀とは違うわ。」
「打つ手なし…か。」
「可能かどうかわからないけど…」
「何か手があるのか?」
「サールさんを一度、元の世界に帰すと良いかも。マナの無い世界に戻ればあたしのマナも抜けて、本来のサールさんに戻れるかも。」
「仮定が多いな。だが、今はそれしか手はないんだろ?」
「まあね。」

 

 

 
あたし…ボクは一瞬で元の世界に戻っていた。
目覚めたのは「僕」の部屋のベッドの中だった。
カレンダーを見る。
ネネとして過ごした日々は一日や二日ではない。が、ボクがあの世界に呼ばれてから、1日しか経っていなかった。
つまり、それは一晩の出来事…誰もボクが異世界に行っていたとは気づいていない…

元の日常が戻っていた。
一週間経っても、ネネに呼び戻される事はなかった。
ネネ逹の世界がどうなったかを気にしつつも、ボクはこちらの世界での生活を続けていた。
でも、今までとまったく同じとはいかない。ネネであった時に染み付いた癖とかがしばしば出てしまう。
他人からは「女っぽくなった」と見られているだろう。それはボクも十分に認識していた。
身体の違和感にはどうしても馴染めなかった…

 
この世界に戻ってからも、ボクは体の内にマナの存在を感じていた。
マナがあれば魔法が使える筈である。ボクは残っていたマナを全部使って、自分の身体に魔法を掛けた。
この世界に魔法は存在しない。魔法を使う事でどういう結果を引き起こすかまで、深く考える事はできなかった。
それほどまでに、ボクはこの違和感に耐えられなかったのだ。だから…いちかばちかでやってみた♪

 
結果…魔法は成功し、ボクは身体に感じていた違和感を無くす事に成功した。

が、当然それだけでは終わりはしない。
いち早く、親友のマサトにボクの身体の事が知られてしまった。
マサトは彼の部屋にボクを呼び、服を脱がせた。
「その体…本物なのか?」
ボクはそのままマサトのベッドに押し倒された。
マサトの太いモノがボクの中に入ってくる。それはマリからマナを受ける時と同じに思えた。
「(マナを)ちょうだい♪」
あたしは無意識のうちにそう言っていた。
マサトの動きが激しくなる。
そして、マサトの精液があたしの中に放たれた。
それは、マリが与えてくれたのと同じ快感…放たれたものは全くマナと同じものに感じた。

 

 

あたしの内にマナが復活した。魔法も問題なく使える事ができた。
あたしはもう一度マリ逹に会いたかった。あの世界に戻る事ができないか、あたしの内に残っていたネネの記憶を呼び覚ましたが、どうやら術者の元に呼び寄せ、送り返す事しかできないようだ。
なら、彼女逹をこちらに呼ぶ?

向こうとこちらでは時間の流れが違うようだ。彼女逹は浦島太郎になってしまうだろう。
でも…

 
あたしは欲求に抗う事ができなかった。
あたしは毎日のようにマサトに抱かれ、マナを溜め込んでいった。
そして…
 

「こ、ここは?」
マサトの内にマリが宿ったようだ。
そして、ネネもまたあたしの内にあった。
「マリ?ネネ?あたしは悟。ようこそあたしの世界へ♪」

 

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