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2014年10月 5日 (日)

異世界にて(前)

僕が気が付いた時、そこが異世界である事は即に判った。

空には二つの太陽が在り、近くに羽の生えた小妖精が飛び廻っている。
心配そうに僕の顔を覗き込んでいた少女の瞳は金色に輝き、耳が頭の両脇に細長く突き出ていた。

「気が付いたのね?」
少女が鈴を鳴らしたような声で言った。その言語は僕の知るどこの国の言葉とも違っていたが、僕は彼女の言葉を理解していた。
「あ、ああ…」
そう答えた。
ここが何処かとかを聞こうとも思ったが、ここが異世界である以上、固有名詞を連ねられても何の意味もないと気付いた。
辛うじて
「君は?」
と聞くと、彼女は驚いたように目を見開いた。
「ネネ?あたしの事が解らないって言うの?!」
「済まないが、僕は君とは初対面なんだ。」
「ばか言わないでよっ!!ネネとあたしは昔からの親友でしょ?」
(ネネ?)
彼女は僕の事をネネと呼んでいる?
「人違いだよ。僕は君の友人のネネではない。そもそも、この世界の人間ではないんだ。」
「ネネ?何、変な事言ってるの?…いえ、ネネはそんな風には言わないわね。あなたはネネじゃない…何者なの?」
彼女は取敢えず僕が「ネネ」でない事を納得してくれたようだ。
「僕もどうしてこうなったのかは解らない。気が付いたらここにいたんだ。僕は別の世界からここに迷い込んでしまったようなんだ。」
「別の世界?信じられない。けど、あなたはネネでない事は確かなようね。名前はあるの?」
「ああ。僕は庄司悟だ。」
「ショージーサール?変な名前ね。」
「サトルで良いよ。」
「サウル?言いにくいわ。ネネのままで良い?」
「ネネ…って、女の子みたいな名前だね。」
「みたい…って、ネネは女の子よ♪」
「僕は…?」
僕は今まで、自分の体を確認していなかった。僕は自分の体ごとこの世界に飛ばされたとばかり思っていた。しかし、よく考えれば、彼女が僕をネネという女の子と見間違う訳などない筈だ。
つまり、僕は精神だけをこの世界に飛ばされ、ネネという女の子の体に納められていたのだ。
(女の子ね体?)
確かに、目に写る手の指は白く細い。何より、胸元に視線を落とせば、形の良い膨らみが存在している♪
「ま、まさかあなた男なの?!だめよ!!そんな厭らしい目であたしのネネを見ないでっ!!!!」

そうは言われても、これが今の「僕」の体なのだ。何をするにも見ないで済ます訳にはいかない。
「ごめん。気を付けるよ。」
そう言って僕は立ち上がった。
彼女が僕の服に付いた汚れを叩き落としてくれる。僕は衣服の端が太股に触れるのを感じた。
そう、僕の体はネネのままであり、彼女が着ていた衣服をそのまま着ているのだ。つまり、今の僕はスカートを穿いている…
スカートだけではない。下着から足元のサンダルまで、全てが女物なのだ。
「取敢えず、あたし逹の部屋に戻りましょ♪飛べる?」
(飛ぶ?)
良く見ると彼女の背中には羽が生えていた。どうやら僕の背中にも彼女と同じように羽が生えているみたいだ。
確かに周りでは小妖精が羽ばたいており、その向こうにも空を飛ぶ妖精の姿があった。
何をどうやったかを表現する事ができないが、僕は彼女につられ羽ばたくと、体は宙に浮いていた。

 

そこは学校の寮のようなものだった。
ネネと彼女=マリは同室だった。
「パートナーだからね♪」
とマリは言ったが、「パートナー」の本当の意味を知るのはしばらく先の事だった。

当然だが、寮は女子寮で周りは女の子ばかりである。そんな中に(意識だけではあるが)男の僕を放り込むのは双方に問題がある。と、マリは
「ネネは魔法の実験に失敗して落ち込んでるから、そっとしておいてあげてね。」
と、皆にふれまわっていた。
ここまできてはもう「魔法」という単語が出てきても驚く事はなかった。
「実験って、何をやっていたの?」
マリは少し考えた後、
「あたし逹はパートナーで、あたしが攻撃、ネネが防御を担当しているの。ネネはあたしが攻撃している間も防御魔法が使えないか考えていたみたい。」
僕はマリの説明に少し違和感を感じていた。
そう、攻撃と防御を分担しているのならば、攻撃している間も防御には何の影響も出ない筈なのだ。
「とにかく、今日は早く寝てしまいましょ♪」
とマリがネネの寝間着を出して僕に手渡した。
マリは男の僕が目の前にいるにもかかわらず、さっさと着ていた服を脱ぎ、裸になると新しい下着とパジャマを着ていった。
「何ぼーっとしてるのよ。ネネも着替えちゃいなさい…って、見てた?」
僕は正直に首を縦に振った。
「あなたは女の子なんだから、そんな淫しい目をしないの!!他の女の子逹とも自然に接するようにならないとね♪」
「努力する…」
と僕は渡された寝間着を広げた、
(…)
それはパジャマではなく、ネグリジェだった。
(コレを着るのか…)
気が重くなっていると、
「ちゃんと下着も替えるのよ♪」
と追い討ちを掛けられた。

 

翌朝はマリに起こされ、眠い目をこすりながら彼女と同じ制服を着せられた。
「中身は変わってもネネが朝弱いのは変わらないのね♪」
と僕が身支度するのを手伝ってくれた。
勿論、右も左もわからない僕は彼女に付いていくしかなかった。

「おはよう。マリ、ネネ♪」
と同じ制服を着た女の子逹に声を掛けられる。寮が女子寮であるのはわかっていたが、校舎に入っても女の子しかいない。
「男はいないの?」
と聞くと、
「男と女が一緒にいるなんて考えられないわ。」
との事。
つまり、学校はおろか彼女逹の生活圏内には「男」は存在しないらしい。
(僕がもっと大胆だったら、これは最大のハーレム状態なんじゃないか?)
そうは思っても、そんな状況を作れない自分を情けなく感じていた。

「今日は実技試験だから、HRが終わったら着替えて訓練場に行くわよ。」
と、更衣室に連れていかれた。
勿論「女子」更衣室と唱わなくとも、ここには女子しかいない。
彼女逹が一斉に体操着に着替えてゆく。
「ネネも遅れないようにね。」
とマリから体操服が渡された。

女の着替えに慣れていない僕は、かなり手間取ってしまい、訓練場に辿り着いたのは開始時間ぎりぎりになってしまった。
僕は「実技試験」がどういうものであるか何もわかっていなかった。
「幸い、あたし逹の順番は後ろだから、皆のやってるのを見ておいてね。」

かなり広い空間のこちら側に3組のペアが浮かんでいた。
教官の「始め」の合図とともに反対側に3体のモンスターが現れた。各ペアが各々に割り当てられたモンスターに向かって飛んでゆく。
「前を行くのが防御担当。敵からの攻撃を防御魔法で退けてゆくの。」
モンスターから放たれた火焔弾が魔法障壁に跳ね返る。
「敵の懐に飛び込むと、攻撃担当が前に出て攻撃を加える。この入れ替わりのタイミングが問題なの。」
攻撃担当が前に出ると、防御担当は後方に退いてゆく。
「防御担当は残りの力がないから、敵に近づき過ぎると防御しきれなくなるの。」
「かと言って、離れた場所で入れ替わると攻撃が届かないって事だね。」
戦いを見ていると、攻撃担当は開始時には持っていなかったと思われる武器を手に戦っていた。
しばらくして最初のグループの決着がつく。そして次のグループの戦いが始まった。
確かに攻撃担当は何も武器を持っていない。
そして、防御担当と入れ替わった。その直後、攻撃担当の手には武器が握られていた。
(武器はどこから?)
見ていると、彼女逹は入れ替わりの際、体を寄せ合わせていた。
そして、離れる時、攻撃担当の掌がもう一人の女の子の胸に触れていた。
そこには武器の「柄」が生えている?!
彼女はソレを掴み、引き抜いた!!

彼女は手にした武器を振りかぶって、モンスターにダメージを与えようとする。
武器が襲い来る火焔弾を跳ね返す。
彼女逹はモンスターの懐に飛び込み、斬り掛かった。

勝敗が決まる。

勝者の対峙したモンスターは消え、敗者は地面に落ちていった。
「あの武器って…」
僕の呟きにマリが答える。
「あたし逹の武器はパートナーのマナを実体化したもの。マナを失ったパートナーは防御魔法を維持できなくなるので、一旦後方に退くの。」
僕はマリの説明を頭の中で反芻しながら、次の対戦を見ていた。

「ネネも戦い方を覚えたでしょ?解らなくても、多分体が覚えているわよ♪」
とマリが立ち上がった。
とうとう僕逹の順番が廻ってきたのだ。
僕はマリと一緒に定位置まで舞い上がった。
「魔法障壁を展開して!!」
マリの声にこれまで防御担当の娘逹がやっていた動作を真似た。
「OK。行きましょう♪」
今度は僕が先に立ち、モンスターに向かってゆく。
火焔弾が障壁にぶつかる。
それに抗するために僕の内のマナが消費されてゆくようだ。
「まともに受けないで左右に弾くように受け流すと良いわよ。」
マリからアドバイスがあるものの、実戦で即に対応できるものでもない。
「マナの消費が激しいようね。あたしが出るわ!!」
とマリが僕に触れた。
体が熱を帯び、胸元に輝きが宿る。
僕の胸元から刀の柄が突き出ていた。
「行くわよっ!!」
柄に手を掛けたマリが一気に抜き放った。
ふっと意識が遠くなる…

 
「はあぁぁぁ!!」
マリの叫びが耳元で聞こえた。
目を開けるとモンスターの胸のアップが目の前に…そのまま僕はモンスターにぶち当たっていた。
「もう一丁!!」
僕の下半身が更に強く絞めつけられた。
僕は再びモンスターにぶつかる軌道に乗っていた。
僕がモンスターの首にぶつかる…そのまま前方に抜ける。
体が反転すると、そこには脇腹から血を長し、首が斬り落とされたモンスターがいた。
モンスターは敗北を認め、その場から消えてゆく。
「ふうーっ」
とマリのため息…
僕は頭が下になり見えるものの天地が逆転した。
下半身を締め付けていた力が弱まる。
が、僕は一向に体を動かす事ができなかった。

視界が地上に近づいてゆく。
「ネネー♪やったね♪」
と、その先に「ネネ」の姿があった。
「マリちゃーん♪」
と手を振っている。
僕の目の前にネネの胸元が迫り、僕はネネの胸にぶつかっていった。

一瞬、ふらりとする。
再び両足に重力を感じた。
目の前にはマリがいた。
「どうしたの?」
とマリ。
「何がどうなっているのか僕にはさっぱりわからないよ!!」

 

「つまり戦いの間、あなたは刀そのものになっていた…って言うのね?」
「そうとしか考えられないよ。」
そして僕が刀になっている間もネネの体は問題なく活動できていたみたいだ。
多分、僕が刀になっている間、本来のネネが復活しているのでは?

その夜、二人で昼間の戦いを振り替えってみた。
結論として、僕が刀となった後のネネ本人に聞くしかない…となった。
マリが僕に触れ、体が熱くなる。胸元に光が宿り、刀の柄がぬっとせり上がってきた。
マリが柄に手を掛ける…僕の意識が遠くなり、目を開けると頭上から二人の女の子を見下ろす感じになった。

「はーい♪マリちゃん。久しぶり♪」
とネネが両手を振った。
「ネネ?ネネなの」
マリの手から刀が落ちる…つまり、僕は落下して床に転がった。
今の僕は「刀」なので痛いとは感じないが、身動きはとれず、目の前の床から視線を外す事ができなかった。
多分二人は再会に歓び抱擁し合っているのだろうが、僕にはそれを見ることができなかった。

「彼…サールさんには迷惑を掛けてしまったわね。」
ようやく僕の事に気付いたようだ。
「刀になっても見たり聞いたりする事はできるそうだよ。」
と、マリが僕を拾い上げ、傍らに立て掛けた。
「サールさん。すみませんでした。あたし、魔法書を調べていたら武器の強化方法っていうのがあって…」
これを試してみたというらしい。
単純に男性から生み出されるような硬さと鋭さを備えた武器にしたかった…という事だが、異世界から僕が召喚され、体を乗っ取られてしまう事までは想像していなかったようだ。
「でも、このまま刀を出しっぱなしにしておけば、ネネはネネのままでいられるんじゃない?」
とマリが確認したが、
「そうもいかないと思うの。武器を出しておくとどんどんマナが放出されてしまうの。」
ネネは僕を手にした。
「通常はパートナー本人のマナを使っているから、パートナーが衰弱してゆくの。」
ネネの掌が僕の刀身を撫であげてゆく。
「でも、今のあたしからはマナは失われていない。多分サールさんのマナが消費されていると思うの。」
「で、どうなるんだ?」
「マナが失われれば、刀身は脆くなって、最悪の場合消滅してしまうわ。」
僕はネネの言葉に凍りついた。
「だから、刀は鞘に納めておかないとね♪でも、マリちゃんとはいつでも会えるから…」
「ち、ちょっと待て!!」
とのマリの制止も効かず、ネネは僕を自らの体に納めていった。

 

 

しばらくは無言だった。
ネネの「消滅」という単語にショックを受けていたが、実際「マナ」も消費してしまったのだろう。頭の中がボーっとしていた。
「マナの補給…必要ならシてあげるわよ…」
オズオズといった風にマリが申し出てきた。
「補給?って、簡単にできるの?」
「あなたが男だって事に抵抗はあるけど、ネネが必要とするなら…ね♪」
「確かに…補給できるならしてもらった方が良いと思う…」
「じゃあベッドに行きましょ…」
と、僕の手を引いてベッドに向かった。
「ネネは何もしないであたしに身を任せていれば良いからね♪」
と僕の着ていた服を脱がせると、マリも自分の服を脱いで全裸となった。
(こんなに間近で全裸の女の子を見たのは初めてじゃないか?)
もし、僕が男の体だったら、おちんちんがビンビンに勃ってしまって恥ずかしさに耐えられなかっただろう…
「緊張しないでね。深呼吸でもしてリラックスしていて♪」
彼女は僕を押し倒すと、その上に被さってきた。
他人の肌の温もりを直に感じる…
マリの唇が僕の胸の先端に触れる…ぷっくりと膨らんだ乳首が彼女の口の中に含まれる…舌がその先端を刺激する…
「んぁん…」
艶ましいオンナの喘ぎ声のようなものが僕の口から零れた。
触れられた所から「快感」が広がってゆく…股間が熱を帯び…濡れていった。
「ああっ♪」
彼女の指がもう一方の乳首を摘まんだ。痛みもあったが、それ以上の快感に全身が痺れたように感じる。
(!!)
彼女のもう一方の手が太股の内側に触れた。
その手が上に動いていけば、僕の股間が濡れているのが見つかってしまう…
(だめっ!!)
僕は彼女の手を押し止めようとした。が、刀を振り回す彼女の筋力に抗えるものではない。
更に彼女は僕の脚の間に体を割り込ませた。僕の股間が大きく開かれてしまった。
彼女の手が濡れた股間に触れ、更にその中心に指を差し込んできた。
そこは「男」には存在しない器官である。言い様のない違和感…でも、その先には快感が待っていた。
「準備は良いようね。じゃあマナを送り込むから受け取ってね♪」
マリは上体を起こすと、彼女の股間と僕の股間が密着するように動いた。
そして…
「な、何?」
重ね合わされた股間を通して、彼女の胎から僕の胎の中に送り込まれてくるものがあった。
柔らかな棒状のもので、この体勢と結びつけると「男」のぺニスに近いものがあった。
その棒状の内部を通って、彼女からマナが送り込まれ、僕を充たしてゆく。それは暖かく包み込むような優しさを伴っていた。
「ああん、あん♪」
漠は快感に埋め尽くされてゆく。すぐそこに「限界」があるように思えた。
「これがイクっていう事?」
「そうよ♪イッちゃいなさい!!」
マリが最期のひと押しを加えた。
「あぁ………」
僕は快感とともに意識を失っていた。

 

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