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2014年10月 5日 (日)

セイカンスプレー

『セイカンスプレー』
読みは同じでも、一般的な『制汗スプレー』とは効果は全く異なっていた。

『制漢スプレー』

『漢』を『抑制』する…
痴漢や悪漢を寄せ付けないものだと思いがちだが、痴漢・悪漢と、あまり良くないイメージがあるのだが、漢はオトコ=男性を示す文字でもある。
まあ、男が近寄れなければ、世の女性が痴漢や悪漢に襲われる可能性は極端に低くなるのだから、あながち間違った解釈ではないとも言える。
が、これを男性が使用した場合、その効果には劇的なものがあった。
男性が「男を寄せ付けなくする」と言っても、その本人もまた「男」なのである。制漢スプレーを吹き付けると、その箇所から男性性が失われてしまうのだ。
つまり、腕や足に吹き付ければ濃い体毛や脛毛が消失し、胸に吹き付ければ乳房が膨らみ乳首が飛び出る。
そして、股間に吹き付けるとペニスが消失して割れ目が生まれ、お○んこが出来上がるのだ。
つまり、全身に吹き付けてしまうと、その男は「男」ではなくなり「女」になってしまうのだ…

 

そんな事も知らずに、あまりの暑さにコンビニに飛び込んだオレは『セイカンスプレー』を買い、外に出るとキャップを外して首の回りに吹き付けた。
ひんやりとした感覚が首のまわりから全身に広がってゆく。
「ふ~う♪」
と一息吐いた…

(?)

何か喉の調子がおかしいのか?別に痛みとかはないのだが、出てきた声が、裏返っている訳でもないのだが、妙に高く感じていた。
実際、スプレーを吹き付けたオレの喉からは、男性特有の出っ張り=喉仏が消えていたのだ。
同時に声帯も女性のように短くなり、女のような声しか出せなくなっていたのだ。

その時のオレは(夏風邪でもひいたか?)ぐらいにしか思っていなかったのだ。
「風邪をひいたみたいで喉の調子がおかしいんだ。」
と周囲に言い訳していた。

 

一仕事終えて、再び灼熱地獄に踏み出す事になった。
下着が汗でぐっしょりと濡れてしまいそうだ。流石にパンツの中にまでは手出しできないが、周りから死角になる場所を見つけてカバンの中から『セイカンスプレー』を取り出し、ワイシャツのボタンを外して下着にしているティーシャツの中に吹き込んでいた。
背中、胸、腹、脇の下にまんべんなく吹き付けると、上半身の全体が気持ち良くなった。

しかし、ここは死角ではあっても往来の只中である。いつ、だれに下着姿を見られるかわからない。
ボクは恥ずかしさにしゃがみ込みたくなるのを我慢して、シャツのボタンを止めていった。
が、どこか違和感があった。指が巧く動いてくれない。
(ボタンの左右が逆なら楽に嵌められるのに…)
男と女ではボタンが左右逆に付いていると言う知識はあった。が、ボクが着ているのは男物のワイシャツである。ボタンはいつもと同じ側に付いている…
(いつも…って、ボクは男物を着ていたっけ?)
ボクは急に男物を着ている事に不快感を感じた。いや、服だけではない。「男」そのものが怖くなっていたのだ。
男性に接触したり近づく事はおろか、男性が持っている物にも触れたくなくなっていた。

(着替えなきゃ!!)

ボクは近くにあったユニク○に飛び込むと、下着から一式の女物の衣服を買っていた。
あまり奇異にみられなかったのは、ボクの胸が膨らんでいて、男物を着ていても「女」に見られたからだろう。

トイレに飛び込み、下着から全てを着替えてみた。
が、股間はもっこりと盛り上がり、足には脛毛が密生している。

(嫌!!何なのよコレは(T_T))

その頃にはボクも『セイカンスプレー』の効能を理解し始めている。思い切ってショーツの中に吹き付けてみた。
股間は平らに…更に縦の筋まで入ってきた。
足に吹き付けると脛毛が綺麗に無くなっていた。更に腕や頭と、これまで吹き付けていなかった場所にもまんべんなく吹き付けてしまった。

アタシの姿はどこから見ても「女」だった。

 

 

ふと、足元を見た…
膝丈のスカートの下にはストッキングに包まれた脚…その下方、地面に接する箇所で靴を履いている。
それは男物の革靴だった。
(いつまでこんなの履いているのよ!!)
アタシは革靴を脱ぎ捨てた。
…が、替わりに履く物は何も用意していなかった。
アタシはさっきまで着ていた物をユニク○の袋に詰め込み、近くのごみ箱に捨てると、はだしのまま、近くの靴屋に入った。
サンダルを買い、そのまま履いて店を出た。

アタシはようやく「男」から離れる事ができてほっとした。

スプレーの効果か、男がアタシに近づく事はない。歩道を向かい側から歩いて来る男がいても、彼は脇に避けてアタシに路を譲ってくれる。
電車では女性専用車両でゆったりと電車に揺られ、アタシは家路についた。

 

 
部屋のドアを開けると、むっとした「男」の臭いに襲われた。
(何で?!)
と思うと同時に、アタシは自分が「男」であった事を思い出した。
(アタシの部屋なんだから入らない訳にはいかないわよね…)
意を決して乗り込むと、即座に窓を全快して空気を入れ換えた。
(これが効果があるかわからないけど…)
と、アタシは『セイカンスプレー』を中身が無くなるまで部屋の中に撒き散らした。

 

臭いは収まったが、男の物が女の物に変わる筈もない。
(スプレーなくなっちゃった…)
アタシはため息と共に部屋の真ん中に座り込んでしまっていた。

が、いつまでもそうしている訳にもいかない。アタシは気分転換も兼ねてシャワーを浴びる事にした。
全裸になり、シャワーの湯滴に打たれていると、スプレーの成分が流されていったのか、次第にオレ本来の肉体と意識が戻ってきた。
胸は平らになり、股間にはペニスが戻っていた。
「あ、ああーっ」
オレの喉からは野太い男の声を出すことができた。

 

オレは風呂場から出てきたが、部屋の中に撒いたスプレーはまだ効果を持続していたようだ。
(この部屋に「男」が居てはいけない!!)
脅迫観念のようなものに教われる。
(一刻も早く出ていかなければ…)
オレの目の前には、さっきまで着ていた女物の服があった。
(着替えなど用意している暇などない!!)
オレはもう一度ソレを着て、踵の高いサンダルを履き、部屋の外に出ていた。

 

オレは部屋に戻ることもできず、とぼとぼと薄暗い夜道を歩いていた。
道端に『痴漢に注意』と看板が立っていた。
今のオレは女物の服を着ている…こんな暗がりでは、オレは「女」に間違えられるに違いない。
勿論、今のオレにスプレーの効果はない。痴漢に襲われる可能性も否定できない…

 
背後から「男」の靴音が近づいて来た?!

 
近くにコンビニの灯りが見えた。
オレは駆け込んでいった。
アタシは『制漢スプレー』を買うと、所構わず全身に吹き付けていた。

 

異世界にて(前)

僕が気が付いた時、そこが異世界である事は即に判った。

空には二つの太陽が在り、近くに羽の生えた小妖精が飛び廻っている。
心配そうに僕の顔を覗き込んでいた少女の瞳は金色に輝き、耳が頭の両脇に細長く突き出ていた。

「気が付いたのね?」
少女が鈴を鳴らしたような声で言った。その言語は僕の知るどこの国の言葉とも違っていたが、僕は彼女の言葉を理解していた。
「あ、ああ…」
そう答えた。
ここが何処かとかを聞こうとも思ったが、ここが異世界である以上、固有名詞を連ねられても何の意味もないと気付いた。
辛うじて
「君は?」
と聞くと、彼女は驚いたように目を見開いた。
「ネネ?あたしの事が解らないって言うの?!」
「済まないが、僕は君とは初対面なんだ。」
「ばか言わないでよっ!!ネネとあたしは昔からの親友でしょ?」
(ネネ?)
彼女は僕の事をネネと呼んでいる?
「人違いだよ。僕は君の友人のネネではない。そもそも、この世界の人間ではないんだ。」
「ネネ?何、変な事言ってるの?…いえ、ネネはそんな風には言わないわね。あなたはネネじゃない…何者なの?」
彼女は取敢えず僕が「ネネ」でない事を納得してくれたようだ。
「僕もどうしてこうなったのかは解らない。気が付いたらここにいたんだ。僕は別の世界からここに迷い込んでしまったようなんだ。」
「別の世界?信じられない。けど、あなたはネネでない事は確かなようね。名前はあるの?」
「ああ。僕は庄司悟だ。」
「ショージーサール?変な名前ね。」
「サトルで良いよ。」
「サウル?言いにくいわ。ネネのままで良い?」
「ネネ…って、女の子みたいな名前だね。」
「みたい…って、ネネは女の子よ♪」
「僕は…?」
僕は今まで、自分の体を確認していなかった。僕は自分の体ごとこの世界に飛ばされたとばかり思っていた。しかし、よく考えれば、彼女が僕をネネという女の子と見間違う訳などない筈だ。
つまり、僕は精神だけをこの世界に飛ばされ、ネネという女の子の体に納められていたのだ。
(女の子ね体?)
確かに、目に写る手の指は白く細い。何より、胸元に視線を落とせば、形の良い膨らみが存在している♪
「ま、まさかあなた男なの?!だめよ!!そんな厭らしい目であたしのネネを見ないでっ!!!!」

そうは言われても、これが今の「僕」の体なのだ。何をするにも見ないで済ます訳にはいかない。
「ごめん。気を付けるよ。」
そう言って僕は立ち上がった。
彼女が僕の服に付いた汚れを叩き落としてくれる。僕は衣服の端が太股に触れるのを感じた。
そう、僕の体はネネのままであり、彼女が着ていた衣服をそのまま着ているのだ。つまり、今の僕はスカートを穿いている…
スカートだけではない。下着から足元のサンダルまで、全てが女物なのだ。
「取敢えず、あたし逹の部屋に戻りましょ♪飛べる?」
(飛ぶ?)
良く見ると彼女の背中には羽が生えていた。どうやら僕の背中にも彼女と同じように羽が生えているみたいだ。
確かに周りでは小妖精が羽ばたいており、その向こうにも空を飛ぶ妖精の姿があった。
何をどうやったかを表現する事ができないが、僕は彼女につられ羽ばたくと、体は宙に浮いていた。

 

そこは学校の寮のようなものだった。
ネネと彼女=マリは同室だった。
「パートナーだからね♪」
とマリは言ったが、「パートナー」の本当の意味を知るのはしばらく先の事だった。

当然だが、寮は女子寮で周りは女の子ばかりである。そんな中に(意識だけではあるが)男の僕を放り込むのは双方に問題がある。と、マリは
「ネネは魔法の実験に失敗して落ち込んでるから、そっとしておいてあげてね。」
と、皆にふれまわっていた。
ここまできてはもう「魔法」という単語が出てきても驚く事はなかった。
「実験って、何をやっていたの?」
マリは少し考えた後、
「あたし逹はパートナーで、あたしが攻撃、ネネが防御を担当しているの。ネネはあたしが攻撃している間も防御魔法が使えないか考えていたみたい。」
僕はマリの説明に少し違和感を感じていた。
そう、攻撃と防御を分担しているのならば、攻撃している間も防御には何の影響も出ない筈なのだ。
「とにかく、今日は早く寝てしまいましょ♪」
とマリがネネの寝間着を出して僕に手渡した。
マリは男の僕が目の前にいるにもかかわらず、さっさと着ていた服を脱ぎ、裸になると新しい下着とパジャマを着ていった。
「何ぼーっとしてるのよ。ネネも着替えちゃいなさい…って、見てた?」
僕は正直に首を縦に振った。
「あなたは女の子なんだから、そんな淫しい目をしないの!!他の女の子逹とも自然に接するようにならないとね♪」
「努力する…」
と僕は渡された寝間着を広げた、
(…)
それはパジャマではなく、ネグリジェだった。
(コレを着るのか…)
気が重くなっていると、
「ちゃんと下着も替えるのよ♪」
と追い討ちを掛けられた。

 

翌朝はマリに起こされ、眠い目をこすりながら彼女と同じ制服を着せられた。
「中身は変わってもネネが朝弱いのは変わらないのね♪」
と僕が身支度するのを手伝ってくれた。
勿論、右も左もわからない僕は彼女に付いていくしかなかった。

「おはよう。マリ、ネネ♪」
と同じ制服を着た女の子逹に声を掛けられる。寮が女子寮であるのはわかっていたが、校舎に入っても女の子しかいない。
「男はいないの?」
と聞くと、
「男と女が一緒にいるなんて考えられないわ。」
との事。
つまり、学校はおろか彼女逹の生活圏内には「男」は存在しないらしい。
(僕がもっと大胆だったら、これは最大のハーレム状態なんじゃないか?)
そうは思っても、そんな状況を作れない自分を情けなく感じていた。

「今日は実技試験だから、HRが終わったら着替えて訓練場に行くわよ。」
と、更衣室に連れていかれた。
勿論「女子」更衣室と唱わなくとも、ここには女子しかいない。
彼女逹が一斉に体操着に着替えてゆく。
「ネネも遅れないようにね。」
とマリから体操服が渡された。

女の着替えに慣れていない僕は、かなり手間取ってしまい、訓練場に辿り着いたのは開始時間ぎりぎりになってしまった。
僕は「実技試験」がどういうものであるか何もわかっていなかった。
「幸い、あたし逹の順番は後ろだから、皆のやってるのを見ておいてね。」

かなり広い空間のこちら側に3組のペアが浮かんでいた。
教官の「始め」の合図とともに反対側に3体のモンスターが現れた。各ペアが各々に割り当てられたモンスターに向かって飛んでゆく。
「前を行くのが防御担当。敵からの攻撃を防御魔法で退けてゆくの。」
モンスターから放たれた火焔弾が魔法障壁に跳ね返る。
「敵の懐に飛び込むと、攻撃担当が前に出て攻撃を加える。この入れ替わりのタイミングが問題なの。」
攻撃担当が前に出ると、防御担当は後方に退いてゆく。
「防御担当は残りの力がないから、敵に近づき過ぎると防御しきれなくなるの。」
「かと言って、離れた場所で入れ替わると攻撃が届かないって事だね。」
戦いを見ていると、攻撃担当は開始時には持っていなかったと思われる武器を手に戦っていた。
しばらくして最初のグループの決着がつく。そして次のグループの戦いが始まった。
確かに攻撃担当は何も武器を持っていない。
そして、防御担当と入れ替わった。その直後、攻撃担当の手には武器が握られていた。
(武器はどこから?)
見ていると、彼女逹は入れ替わりの際、体を寄せ合わせていた。
そして、離れる時、攻撃担当の掌がもう一人の女の子の胸に触れていた。
そこには武器の「柄」が生えている?!
彼女はソレを掴み、引き抜いた!!

彼女は手にした武器を振りかぶって、モンスターにダメージを与えようとする。
武器が襲い来る火焔弾を跳ね返す。
彼女逹はモンスターの懐に飛び込み、斬り掛かった。

勝敗が決まる。

勝者の対峙したモンスターは消え、敗者は地面に落ちていった。
「あの武器って…」
僕の呟きにマリが答える。
「あたし逹の武器はパートナーのマナを実体化したもの。マナを失ったパートナーは防御魔法を維持できなくなるので、一旦後方に退くの。」
僕はマリの説明を頭の中で反芻しながら、次の対戦を見ていた。

「ネネも戦い方を覚えたでしょ?解らなくても、多分体が覚えているわよ♪」
とマリが立ち上がった。
とうとう僕逹の順番が廻ってきたのだ。
僕はマリと一緒に定位置まで舞い上がった。
「魔法障壁を展開して!!」
マリの声にこれまで防御担当の娘逹がやっていた動作を真似た。
「OK。行きましょう♪」
今度は僕が先に立ち、モンスターに向かってゆく。
火焔弾が障壁にぶつかる。
それに抗するために僕の内のマナが消費されてゆくようだ。
「まともに受けないで左右に弾くように受け流すと良いわよ。」
マリからアドバイスがあるものの、実戦で即に対応できるものでもない。
「マナの消費が激しいようね。あたしが出るわ!!」
とマリが僕に触れた。
体が熱を帯び、胸元に輝きが宿る。
僕の胸元から刀の柄が突き出ていた。
「行くわよっ!!」
柄に手を掛けたマリが一気に抜き放った。
ふっと意識が遠くなる…

 
「はあぁぁぁ!!」
マリの叫びが耳元で聞こえた。
目を開けるとモンスターの胸のアップが目の前に…そのまま僕はモンスターにぶち当たっていた。
「もう一丁!!」
僕の下半身が更に強く絞めつけられた。
僕は再びモンスターにぶつかる軌道に乗っていた。
僕がモンスターの首にぶつかる…そのまま前方に抜ける。
体が反転すると、そこには脇腹から血を長し、首が斬り落とされたモンスターがいた。
モンスターは敗北を認め、その場から消えてゆく。
「ふうーっ」
とマリのため息…
僕は頭が下になり見えるものの天地が逆転した。
下半身を締め付けていた力が弱まる。
が、僕は一向に体を動かす事ができなかった。

視界が地上に近づいてゆく。
「ネネー♪やったね♪」
と、その先に「ネネ」の姿があった。
「マリちゃーん♪」
と手を振っている。
僕の目の前にネネの胸元が迫り、僕はネネの胸にぶつかっていった。

一瞬、ふらりとする。
再び両足に重力を感じた。
目の前にはマリがいた。
「どうしたの?」
とマリ。
「何がどうなっているのか僕にはさっぱりわからないよ!!」

 

「つまり戦いの間、あなたは刀そのものになっていた…って言うのね?」
「そうとしか考えられないよ。」
そして僕が刀になっている間もネネの体は問題なく活動できていたみたいだ。
多分、僕が刀になっている間、本来のネネが復活しているのでは?

その夜、二人で昼間の戦いを振り替えってみた。
結論として、僕が刀となった後のネネ本人に聞くしかない…となった。
マリが僕に触れ、体が熱くなる。胸元に光が宿り、刀の柄がぬっとせり上がってきた。
マリが柄に手を掛ける…僕の意識が遠くなり、目を開けると頭上から二人の女の子を見下ろす感じになった。

「はーい♪マリちゃん。久しぶり♪」
とネネが両手を振った。
「ネネ?ネネなの」
マリの手から刀が落ちる…つまり、僕は落下して床に転がった。
今の僕は「刀」なので痛いとは感じないが、身動きはとれず、目の前の床から視線を外す事ができなかった。
多分二人は再会に歓び抱擁し合っているのだろうが、僕にはそれを見ることができなかった。

「彼…サールさんには迷惑を掛けてしまったわね。」
ようやく僕の事に気付いたようだ。
「刀になっても見たり聞いたりする事はできるそうだよ。」
と、マリが僕を拾い上げ、傍らに立て掛けた。
「サールさん。すみませんでした。あたし、魔法書を調べていたら武器の強化方法っていうのがあって…」
これを試してみたというらしい。
単純に男性から生み出されるような硬さと鋭さを備えた武器にしたかった…という事だが、異世界から僕が召喚され、体を乗っ取られてしまう事までは想像していなかったようだ。
「でも、このまま刀を出しっぱなしにしておけば、ネネはネネのままでいられるんじゃない?」
とマリが確認したが、
「そうもいかないと思うの。武器を出しておくとどんどんマナが放出されてしまうの。」
ネネは僕を手にした。
「通常はパートナー本人のマナを使っているから、パートナーが衰弱してゆくの。」
ネネの掌が僕の刀身を撫であげてゆく。
「でも、今のあたしからはマナは失われていない。多分サールさんのマナが消費されていると思うの。」
「で、どうなるんだ?」
「マナが失われれば、刀身は脆くなって、最悪の場合消滅してしまうわ。」
僕はネネの言葉に凍りついた。
「だから、刀は鞘に納めておかないとね♪でも、マリちゃんとはいつでも会えるから…」
「ち、ちょっと待て!!」
とのマリの制止も効かず、ネネは僕を自らの体に納めていった。

 

 

しばらくは無言だった。
ネネの「消滅」という単語にショックを受けていたが、実際「マナ」も消費してしまったのだろう。頭の中がボーっとしていた。
「マナの補給…必要ならシてあげるわよ…」
オズオズといった風にマリが申し出てきた。
「補給?って、簡単にできるの?」
「あなたが男だって事に抵抗はあるけど、ネネが必要とするなら…ね♪」
「確かに…補給できるならしてもらった方が良いと思う…」
「じゃあベッドに行きましょ…」
と、僕の手を引いてベッドに向かった。
「ネネは何もしないであたしに身を任せていれば良いからね♪」
と僕の着ていた服を脱がせると、マリも自分の服を脱いで全裸となった。
(こんなに間近で全裸の女の子を見たのは初めてじゃないか?)
もし、僕が男の体だったら、おちんちんがビンビンに勃ってしまって恥ずかしさに耐えられなかっただろう…
「緊張しないでね。深呼吸でもしてリラックスしていて♪」
彼女は僕を押し倒すと、その上に被さってきた。
他人の肌の温もりを直に感じる…
マリの唇が僕の胸の先端に触れる…ぷっくりと膨らんだ乳首が彼女の口の中に含まれる…舌がその先端を刺激する…
「んぁん…」
艶ましいオンナの喘ぎ声のようなものが僕の口から零れた。
触れられた所から「快感」が広がってゆく…股間が熱を帯び…濡れていった。
「ああっ♪」
彼女の指がもう一方の乳首を摘まんだ。痛みもあったが、それ以上の快感に全身が痺れたように感じる。
(!!)
彼女のもう一方の手が太股の内側に触れた。
その手が上に動いていけば、僕の股間が濡れているのが見つかってしまう…
(だめっ!!)
僕は彼女の手を押し止めようとした。が、刀を振り回す彼女の筋力に抗えるものではない。
更に彼女は僕の脚の間に体を割り込ませた。僕の股間が大きく開かれてしまった。
彼女の手が濡れた股間に触れ、更にその中心に指を差し込んできた。
そこは「男」には存在しない器官である。言い様のない違和感…でも、その先には快感が待っていた。
「準備は良いようね。じゃあマナを送り込むから受け取ってね♪」
マリは上体を起こすと、彼女の股間と僕の股間が密着するように動いた。
そして…
「な、何?」
重ね合わされた股間を通して、彼女の胎から僕の胎の中に送り込まれてくるものがあった。
柔らかな棒状のもので、この体勢と結びつけると「男」のぺニスに近いものがあった。
その棒状の内部を通って、彼女からマナが送り込まれ、僕を充たしてゆく。それは暖かく包み込むような優しさを伴っていた。
「ああん、あん♪」
漠は快感に埋め尽くされてゆく。すぐそこに「限界」があるように思えた。
「これがイクっていう事?」
「そうよ♪イッちゃいなさい!!」
マリが最期のひと押しを加えた。
「あぁ………」
僕は快感とともに意識を失っていた。

 

異世界にて(中)

サイレンが鳴っていた。
「どうしたの?」
僕はマリを探した。
彼女は既に軽装備を装着していた。
「敵よ。これは訓練じゃないの。ネネも支度して!!」

確かにこの数日の授業で「敵」について学んでいた。また、敵に対する行動も覚えた。
異世界から来た僕であっても、今は何をすべきかは心得ている。
マリと一緒に部屋を飛び出すと、担当のエリアに向かった。

『皆さん。これは訓練ではありません。』
校長の念話が頭の中に響いた。
『敵は、明確な意図をもってこちらに攻撃を掛けてくるようです。訓練を思いだし、落ち着いて敵に対峙してください。』
既に火焔弾がいくつかこちらにも飛んできていた。
「まだ魔法障壁は要らないわ。マナはできるだけ温存しておきましょう。」
とマリ。
周囲には既に魔法障壁を展開しているペアもいたが、火焔弾が障壁に触れる事はほとんどなかった。
「このエリアの敵は6体か。取り敢えずは肩慣らしね♪」
と敵の頭上高くまで舞い上がる。敵はまだこちらには気付いていないようだ。
「ネネ。行くわよ!!」
とネネの体から僕=刀を引き抜いた。
ネネは上空に止まっているようだ。
マリは自由落下のまま敵に接近する。
すれ違いざまの一瞬で2体を葬った。
他の4体はまだ何が起きたのか理解していない。
マリは横から加速をつけて敵に肉薄する。
3体目、4体目を斬り捨てる。
4体目は辛うじて僕逹の存在に気付いたが、何もできないままに葬られていた。
が、残りの2体はそうもいかない。
火焔弾を投げてよこす。
マリは巧みに交わして5体目に斬りつけた。が、相手もこれをかわす。
マリは体を捻り反転する。
敵はマリのスピードには付いていけない。そこにできた隙に2閃目を切り込む。
致命傷ではないが、敵の動きが止まった。
「はあぁぁー!!」
気合いと伴にマリが一撃を加えた。

残りは一体。
そして、そいつはマリの戦い方を見ていた。
十分な間合いを取り、火焔弾を投げつけて来る。
マリは避けるので精一杯のようだ。
今、魔法障壁が展開できればかなり有利になるが、防御魔法にはネネの体がいる。
所詮「刀」でしかない僕には、何も手出しする事はできない。
しかし、このエリアに配置されたのは僕逹だけではなかった。遅ればせながらも他の娘逹が駆けつけ、敵への攻撃を開始した。
敵の注意が一瞬逸れる。
その隙を逃すマリではなかった。真っ直ぐに突っ込み、敵の目前でフェイントを加える。
敵の反応が遅れた所に一撃を加えると、そのまま離脱した。
とどめは長槍の娘が刺していた。その間にマリはネネの元に戻る。
「ご苦労様♪」
労うネネの胸に刀=僕を戻した。
「まだ終わった訳じゃないわ。次の敵はどこか聞いておいて。」
校長からの念話はマリも受けられるが、念話を発信するのは防御担当の僕がすることになっている。
『マリとネネです。こちらの敵は撃退しました。次の指示をお願いします。』
『マリさんの活躍は確認しています。そのエリアは他の娘逹に任せて、貴女逹は正面に廻ってください。』
マリを見ると、彼女も了解したと頷いた。
『わかりました。正面に向かいます。』
そう言って僕逹なこのエリアに残る娘逹に手を振って離脱した。

 

正面には僕逹が相手にしてきたよりも遥かに大勢の敵が押し寄せていた。
勿論、こちらも上級生を中心とした精鋭が相対している。
「どうする?」
と僕が聞くと、
「後方から回り込んでいきましょうか♪」
とマリ。既に攻撃プランは出来ているようだ。
しかし、後方にいる敵はまだ本格的に戦闘に参加していない。体力などは殆ど消耗していない筈だ。
「ほら。隙だらけじゃない♪」
僕逹は再び上空に舞い上がった。
「行くわよ!!」
と、僕=刀を抜いた。

 

最後尾の3体を斬り捨てると、マリはそれ以上の戦闘をすることなく圏外に離脱した。
次に左翼の後衛を攻撃し、大きく回り込んで右翼に斬り掛かった。
彼女の3旋で7体の敵が脱落した。全体から見れば微々たる損害であるが、敵側の動きに変化があった。
今まで全面の娘逹だけに向けて火焔弾が、辺り構わずに打ち出されてきた。
これでは「正面」「後衛」の区別がなくなる。今までのように簡単に近づけさせてもらえない。
「こうなると、ネネの魔法障壁が必要になるわね。」
マリは一旦ネネと合流した。
ネネの体に納まると刀身にはマナが補給される。が、今度は魔法障壁にマナを消費する事になる。
「ちょっと無茶する事になるわね。」
とマリが作戦を告げた。

 

 
僕逹は谷間の地面すれすれを猛スピードで飛んでいった。
障害物は数えきれない。が、何一つ無視できない。
条件反射のように左右に交わしてゆく。まだ敵には気付かれていない。まぐれのように火焔弾が降ってくるが、簡単に当たるものではない。

僕逹は奴らの陣形の内側に潜り込んでいた。
「ネネ。魔法障壁!!」
僕はマリの上に重なり魔法障壁を最大強度で展開した。
「いくよ!!」
マリの合図で急上昇に変わる。
敵が僕逹に気付き始めるが、投げつけられる火焔弾は遥か後方に置き去りにされる。
マリの手が僕の胸に伸びてくる。

奴らの陣形の真ん真ん中で僕=刀を抜き放った。
奴らは同士討ちを恐れ火焔弾を投げて来ない。
奴らの狙いはマリに集中する。
ネネは上空に離脱していた。
「いくよーーっ!!」
マリが敵に斬り掛かっていった…

 

もう何体の敵を斬り倒しただろうか?
マリの呼吸もかなり乱れている。
僕逹が戦っている間にも状況は変化しているのだろうか?

奴らは僕逹との間に間合いを取っていた。
これまで、敵は組織的に動く事はなかった。が、今は明確な指示の元、僕逹との間に間合いを取っている。
「マリちゃん!!下へ!!」
ネネが叫び声とともに上空から飛び込んできた。
魔法障壁が張られている。
さっきまで僕逹がいた所に火焔弾の塊ができていた。
精度を上げ、一点に集中させてきたのだ。
巨大な火焔弾は臨界に達しようとしていた。
僕逹が地面に降り立つと同時にそれは爆散した。
強烈な爆圧が魔法障壁に襲いかかる。がネネ本人のマナは温存されていたので、なんとか凌ぐ事ができた。

 

巨大火焔弾の爆散は敵側にもダメージを与えていたようだ。
とりあえず、僕逹の周りには襲いかかってくる敵はいなかった。
「ネネ。無茶な事は止めて頂戴!!」
「無茶な事はマリちゃんだって同じでしょう?あたしには魔法障壁とそれを維持できる十分なマナがあった。それだけの事よ♪」
「確かに助かった事には感謝するわ。」
「何言ってるの。あたし逹はパートナーでしょ♪」
そう言ってネネはマリの手から刀=僕を取り上げた。
「サールさんも大分ボロボロになってしまったわね。時間が許す限りマナの補給をしておきましょ♪」
と自らの胸に僕を納めた…
僕の意識がネネの体に戻った。ネネ自身もかなり消耗しているのがわかった。

「歩ける?」
マリが僕に声を掛けた。そう言うマリにしても、気力でのみ立っている風であった。
「とりあえず学校に戻りましょう。」

 

僕逹が校門に辿り着く頃には、残敵も引き上げていた。
皆、疲労困憊で校庭のあちこちに座り込んでいた。
校長から戦闘終結の念話が届き、緊張の糸が一気に外された感がある。

校舎の中からは地下シェルターに退避していた下級生逹が先輩逹の介護に出てきはじめていた。
何人かの娘に声を掛けられたようだが、マリも僕も応える余裕はなかった。まっすぐに寮の僕逹の部屋に向かった。

マナが不足していた。
不足しているマナを補給したいと体が欲していた。
今はマリにも十分なマナの蓄えがない事もわかっている。
が、マナが不足した時の行動が習慣付いてしまっていた。

部屋に入るなり互いに服を脱ぎ捨てる。
そのまま絡まるようにしてベッドに倒れ込んだ。
既に僕の股間は準備を終え、ぬるぬるに濡れていた。
僕は残ったマナをかき集め、マリに癒しの波動を送った。
「ネネ、無理しちゃダメじゃない。」
マリに怒られたが、マリの活力は復活したようだ。
「言う事を利かない娘は徹底的に苛めてあげるからね♪」
マリの指が僕の乳首を摘まみあげた。
「ああん♪意地悪しないで。早くマナを頂戴♪」
「いいえ♪焦らすに焦らしてあげるわよ♪」
そう言って、マリはその通り実行してしまった。
僕は途中からほとんど記憶が残っていなかった。
気が付くと朝になっていて、マナも十分に満たされているのを感じていた。

異世界にて(後)

 
 
その後、しばらくは敵にも動きはなく、あたし逹は普通の学校生活を送っていた。
「ネネ?」
「なあに、マリちゃん?」
あたしは他の友達との話を切ってマリの方を向いた。
「そうやってると、本来のネネと変わりがないね。」
「そう?あたしは特にこれといって変わりはないんだけど。」
「自覚なし…か。」
「それがどうかしたの?」
「ここでは言えないよ。放課後、部屋に戻ってから話すよ。」
あたしは去ってゆくマリちゃんに背を向けると、中断していたお菓子のレシピに話を戻した。
この間の調理実習の後、何故か料理に目覚めてしまい、特にお菓子は何度か本を見ながら自分で作ったりもしてみた。

 

部屋に戻るとマリが待っていた。
「ネネに替わってもらうよ。」
とあたしの胸に手を当て、刀を引き抜いた。
「ネネ。あんたの意見を聞きたい。」
マリは刀を置き、ネネに迫った。
「サールさんの事ね。多分あたしのマナに染まってしまったんだと思う。」
そう言って刀を取り上げた。刀身に触れ、撫であげる。
「かなり脆さが出てきているわね。もう、この間のような使い方には耐えられないかも。」
「どうすれば良い?またアレをやるのか?」
「もう一度やって、同じ結果が得られるとは限らないわ。」
「刀を鍛え直す事はできないのか?」
「武器はマナによって創られるものよ。物理的な刀とは違うわ。」
「打つ手なし…か。」
「可能かどうかわからないけど…」
「何か手があるのか?」
「サールさんを一度、元の世界に帰すと良いかも。マナの無い世界に戻ればあたしのマナも抜けて、本来のサールさんに戻れるかも。」
「仮定が多いな。だが、今はそれしか手はないんだろ?」
「まあね。」

 

 

 
あたし…ボクは一瞬で元の世界に戻っていた。
目覚めたのは「僕」の部屋のベッドの中だった。
カレンダーを見る。
ネネとして過ごした日々は一日や二日ではない。が、ボクがあの世界に呼ばれてから、1日しか経っていなかった。
つまり、それは一晩の出来事…誰もボクが異世界に行っていたとは気づいていない…

元の日常が戻っていた。
一週間経っても、ネネに呼び戻される事はなかった。
ネネ逹の世界がどうなったかを気にしつつも、ボクはこちらの世界での生活を続けていた。
でも、今までとまったく同じとはいかない。ネネであった時に染み付いた癖とかがしばしば出てしまう。
他人からは「女っぽくなった」と見られているだろう。それはボクも十分に認識していた。
身体の違和感にはどうしても馴染めなかった…

 
この世界に戻ってからも、ボクは体の内にマナの存在を感じていた。
マナがあれば魔法が使える筈である。ボクは残っていたマナを全部使って、自分の身体に魔法を掛けた。
この世界に魔法は存在しない。魔法を使う事でどういう結果を引き起こすかまで、深く考える事はできなかった。
それほどまでに、ボクはこの違和感に耐えられなかったのだ。だから…いちかばちかでやってみた♪

 
結果…魔法は成功し、ボクは身体に感じていた違和感を無くす事に成功した。

が、当然それだけでは終わりはしない。
いち早く、親友のマサトにボクの身体の事が知られてしまった。
マサトは彼の部屋にボクを呼び、服を脱がせた。
「その体…本物なのか?」
ボクはそのままマサトのベッドに押し倒された。
マサトの太いモノがボクの中に入ってくる。それはマリからマナを受ける時と同じに思えた。
「(マナを)ちょうだい♪」
あたしは無意識のうちにそう言っていた。
マサトの動きが激しくなる。
そして、マサトの精液があたしの中に放たれた。
それは、マリが与えてくれたのと同じ快感…放たれたものは全くマナと同じものに感じた。

 

 

あたしの内にマナが復活した。魔法も問題なく使える事ができた。
あたしはもう一度マリ逹に会いたかった。あの世界に戻る事ができないか、あたしの内に残っていたネネの記憶を呼び覚ましたが、どうやら術者の元に呼び寄せ、送り返す事しかできないようだ。
なら、彼女逹をこちらに呼ぶ?

向こうとこちらでは時間の流れが違うようだ。彼女逹は浦島太郎になってしまうだろう。
でも…

 
あたしは欲求に抗う事ができなかった。
あたしは毎日のようにマサトに抱かれ、マナを溜め込んでいった。
そして…
 

「こ、ここは?」
マサトの内にマリが宿ったようだ。
そして、ネネもまたあたしの内にあった。
「マリ?ネネ?あたしは悟。ようこそあたしの世界へ♪」

 

宅配で届けられたものは…

「お届けものです。」
普段は家にほとんどいない俺が、たまたま家にいるのを見透かしたかのように宅配のお兄さんがドアを叩いた。
差出人には覚えがないが、受取人の住所と氏名は確かに俺だったので、何の躊躇いもなく荷物を受け取ってしまった。

ドアを閉め部屋に戻ると、受け取った荷物を確認した。
包み紙を破ると、何の装飾もない紙箱が現れる。何かの商品であれば、中の物が何か判るような印刷がされている筈。
少なくとも、送り元のメーカーなり店なりのロゴが入っていてもおかしくはない。
生成のボール紙でできた箱を開けると、中から出てきたのはバイブレーターだった。
勿論、健康機器のマッサージ用のものではない。所謂「大人のオモチャ」だ。
成人男性の局部を象った本体から延びたケーブルがスイッチと電池ボックスに繋がっている。スイッチを入れると、モーター音と共に本体が震えながらくねりだした。
つまり、これは女性の局部に入れて、女性に快感を与えるものである。が、俺が持っていて何の価値があるか?
これを使う相手はなどいる訳もない。ましてや、自分自身に使うなど論外である…

(?」

バイブを取り出した箱の中に小さな箱が入っていた。こちらの箱には商品の図が印刷され「Vスキン」というロゴも印刷されていた。
(?)
印刷されているのが商品の図である事は判ったが、それは一風変わっていた。
スキンであるから、男性性器に被せて使うもの…というのは判るが、そこから矢印が出て女性器になっているのはどういう事なのだろうか?
スキンを着けてする事は女性器に填める事以外にある筈もない。当然の事をわざわざ描いて何のメリットがあるのだろうか?
俺は箱を空け、中身を取り出してみた。確かに「スキン」には違いなかったが、普通のものにはない付属物が付いていた。
(何なんだ、これは?)
と、箱の中に入っていた紙が説明書であると判った。

 

(女性器が出来る?!?!)

 
そこには驚愕の記載があった。何とこれを装着すると、男の股間が女の股間に変化するというのだ。
(つまり、ソコにバイブを挿れ悦しめ…ということなのか?)

それがバイブの送り主の思惑であるに違いない。
簡単にその思惑に乗るのも癪ではあったが、女性器がバイブから得られるであろう快感には興味があった。

(…)

俺はその誘惑に抗う事ができなかった。

 

俺はズボンとパンツを下ろすと、説明書を見ながらVスキンを装着した。
スキンの付属物の先のカプセルに入っていた薬液が下半身に染み渡ってゆく。
キュッとペニスが絞め付けられる。見ると既に小指の先程まで縮んでいた。
玉袋も平らになり、中にあったものは胎内に引き上げられてしまったのだろう。腹の中では様々な臓器が位置を変え、女性器の納まる場所を確保しているようだ。
俺は自らの股間に指を這わせてみた。ペニスのあった場所から縦に溝が刻まれていた。
玉袋だった名残の皮膚の合わせ目がモゾモゾ蠢いている。指の腹でソコを弄っていると、合わせ目が解けた。
女性の膣口のような肉襞が生まれ、その中心に奥へと続く穴が開いていた。
それは「ような」ものではなく、女性の「膣」そのものだった。
ゆっくりと、中に指を送り込む。しっとりと濡れている。本当に女性の膣そのものだ。
そして、それを感じているのは、俺の指先だけではない。俺の股間に侵入してくるモノを「俺の膣」が捉えていた。
(女はこんなふうに感じているのか…)

そんな事を思う俺の視界に「バイブ」が映った。
それは女性の局部に入れて、女性に快感を与えるものである。そして、今の俺には女性の局部がある。
(バイブは俺にも女が感じている快感を与えてくれるだろうか?)

 
バイブは俺の手の中にあった。
差し込んでいた指を抜き、代わりにバイブを咥え込ませた。
俺の股間はバイブを根本まで咥え込んでいた。
それだけで満たされるような快感がある。しかし、バイブはまだ動いていない。
バイブは動かすことで更なる快感を与えてくれる筈だ。
俺はバイブのスイッチを入れた…

 

 
一気に来た強烈な刺激で、俺は意識を失っていたようだ。
俺は徐々に肉体の感覚を取り戻していった。
俺の股間にはまだバイブが挟まっていた。その存在を感じ、その振動を感じる。
そこには確かに快感はあった。が、それは機械に強制させられた快感である。
(もし、これが本物なら…)

俺は本物のペニスに貫かれる快感を想像していた。
と同時に、それは俺が男に抱かれることであるとの認識に至る。が、俺は男に抱かれる趣味はない。
純粋に俺の膣に本物のペニスを挿れられた時にどのような快感がえられるか?を確認したいだけなのだ!!

(どうすれば良い?)
女装して街角に立つ?…むりむり。今の俺は膣はあっても外面は「男」でしかない。
友達に頼み込む?…そんな事を頼めるような奴など居る筈もない。
ペニスを持った女の子を探す?…いるのか?そんな奴!!
まだ男を抱くのに抵抗のないホモ野郎を探す方が早いんじゃないか?

そこに…
「ごめんください♪」
という声。
コレを持ってきた宅配のお兄さんだった。
「お届けもののアフターフォローに来ました♪」
「アフターフォロー?」
と俺が聞き返すと、お兄さんはヒソヒソ話しをするように声を小さくした。
「アレを使ってみたんでしょ?何か物足りないと思ってるでしょう?…本物…が欲しいとか…」

 

 

俺は宅配のお兄さんを部屋に招いていた。
彼のペニスが俺の股間に突き立てられている。
「ぁあ…♪イイっ!!」
俺は歓声をあげていた。
彼がくれたチョーカーを首に巻いていると、その声はオンナの淫声のように聞こえる。
「あん、ああん♪」
喘ぐ「オンナ」の声に、更に気分は高揚してゆく。
「ああん。イクゥ…イッちゃうのォ~~♪」
俺は何度目かの絶頂に達し、股間からダラダラと愛液を垂らしていた。

「もう一回♪」
俺は躊躇うことなく、彼のペニスを咥えて再び勃起させようと懸命に奉仕した。
「これが最後ですよ♪」
俺は口の中で彼のペニスが更に大きくなった。
口から離れたペニスが再度俺の膣を満たした。
「ああん♪」
カリ首が敏感なトコロを擦りあげ、俺は思わす喘ぎ声をあげてしまう。
「もっと、激しくぅ~♪」
オンナの声に彼が応じる。
俺の内で快感が高まってゆく。
俺は本能の侭に嬌声をあげまくる。
彼のひと突き、ひと突きが俺を快感の頂へと押しあげてゆく。
「ああん♪イイ~ッ。もっとぉ~~♪」
「これでフィニッシュだ!!」
彼の言葉と同時に、熱い塊が俺の膣の奥に向けて送り込まれる…
俺は快感とともに意識を失っていた。

 

 

 
俺は疲れた足取りで部屋に戻ってきた。
「本物」が欲しくなると、俺はちょくちょく女装して街に出る。が、無料で俺を抱いてくれる男などそうそういるものではない。
成果もなく部屋に戻ると、化粧も落とさずにベッドに倒れ込む。
そして、枕の下からバイブを取り出し、濡れている股間に挿れてやる。
「んあん、あ~ん♪」
虚しいオンナの喘ぎ声が俺の部屋を満たしていった…

before/after

CM にStoryを付けてみました
==============================================================

「あの~、コレ間違いではありませんか?」
受付の娘が確認する。
「おたくの広告は嘘なんですか?」
と俺。俺の指した広告には「理想のボディを手に入れられます」と書かれている。男性コースならムキムキのマッチョマンに、女性コースならボッ、キュン、ボンのナイスバディのbefore/afterが掲載されていた。
そして、申し込み書には男性コース、女性コースの選択欄がある。つまり、男性が女性コースを選択する事も可能な訳だ。
つまり、受付の娘は俺が提出した申し込み書の「女性コース」にチェックしているのを指摘してきたのだ。
「お客様こそ、本当によろしいんですね?」
彼女は逆に俺を脅すように言った。
「あ、ああ。」
少したじろぎながらも肯定する。
「申し込みは受理されました。係の者が案内しますので、そちらのソファでしばらくお待ちください。」
(って、本当に申し込みが通っちゃったよ♪)
俺は内心のドキドキを隠せずにいた。

 
係の人に更衣室に連れて行かれた。
「今回は初回なので、標準のトレーニングウェアとなりますが、個室に移られたら専用のロッカーもありますので、運動に支障がないものであれば選択は自由になります。」
そう言えば…個室レッスンを謳い文句にしていたと思い出す。更衣室も各々の個室に付属しているのだろう。
当然、共用の更衣室はあまり広いものにはなっていなかった。
次に基本的な身体測定が行われ、最後に上半身裸の状態で写真が撮られた。
「申込書で同意されていると思いますが、この写真は弊社の広報活動に使用される場合があります。問題ありませんね?」
つまり、俺が見た広告のbefore/afterに使われる可能性があるという事なのだろう。
「構いませんよ♪」
と俺は答えていた。

 

「先ずは余分な体脂肪を削ります。その後で理想的な体型に近付けるよう調整していきます。」
専属のトレーナーに言われるがまま、脂肪の燃焼効率を高めるためと、特別に調合されたドリンク剤を飲みながら、エアロビクスに明け暮れていた。
確かに、体重はどんどん落ちていった。
特に食事制限を指示されていないので、飲み食いはいつも通りだった。
(それでも体重が落ちるというのは、如何に運動不足だったという事か)

運動をする事で筋肉が解れ慢性的だった肩凝りが取れた。間接周りも動くようになり、体の柔軟性も増したようだ。
前屈で床に掌が着いたどころの話ではない。180度の開脚や女の子のぺったんこ座りも苦もなくできるようになっていた。

「大分絞り込めましたね。それでは仕上げの体型の調整を行います。」
トレーナーがそう言ってきた時には体重は50kgを切るまでになっていた。余分な脂肪は根こそぎ搾り取られている。
筋肉を強化することはしなかったので、腕や脚はかなり細くなっている。
ウエストに至っては女性モデル並みにまで絞り込まれていた。
「貴方の頑張りのおかげで調整のプログラムは随分楽になりましたよ。」
と、新たに調合されたドリンク剤が渡された。
軽めのエクササイズの後に入念なマッサージが行われた。
骨格を矯正し、脂肪の蓄積場所を移動させるという。
実際、骨盤が広げられると、ウエストから腰のラインはかなり女性的なものになっていた。

更に、エステで全身が磨かれ、無駄な体毛が消し去られるとともに、栄養を補給された肌はモチモチと触り心地も良くなっていた。
「夜、寝る時にはコレを着けておいてください。」
と渡されたのはスポーツブラだった。エステの揉み上げ効果で胸に脂肪が集められているが、微かに膨らんでいるがブラを着ける程ではない。が…

 

翌朝、目が醒めると胸に違和感があった。着けていたスポーツブラを押し上げるように立派なバストが出来上がっていたのだ。
ブラの中を見てみると、愛らしい乳首も飛び出ている。いつものように直にワイシャツを着ると生地に乳首が擦れ、痛みがある。
(女性にはブラジャーは必需品なのだな)と理解できたが「男」の俺にはブラジャーの買い置きなどある筈もない。
一晩着けていたスポーツブラを再び装着してワイシャツを着た。が、今度はバストが邪魔をしてボタンが止められない。
大きめのティーシャツなら問題ないが、これで仕事にでかける訳にもいかない。
取敢えず今日は休むと連絡した。が…
「ご家族の方ですか?えっ、本人?!大分喉をやられているようだね。ゆっくり休んで早く直すんだよ♪」
と、最初は「俺」とは認識してくれなかった。喉がおかしいと言われても俺自身に風邪等の症状は出ていない…

「あ、ああー」
俺はようやく、自分の声がいつものものでない事に気付いた。意識して低い声を出しても「男」の声には聞こえない。
普通に声を出せば、それこそ「女」の声そのものだった。
慌てて鏡の前に立ってみた。
(…)
そこには寝乱れた髪の見知らぬ「女」が映っていた…

 
その「女」が俺自身である事は疑いようもない。辛うじて顔の造作の中に「俺」の痕跡を見つける事ができた。

俺は全身を映せる鏡の前に立った。
ブラを外し、上半身裸になる。
どう見ても男物のパジャマのズボンを穿いた「女」だ。
更にズボンに手を掛け、パンツと一緒に引き下ろした。
鏡に映っているのは全裸の「女」以外の何者でもなかった。

 

 

「これで全てのプログラムは終了です。良くがんばりましたね。おめでとう♪」
と、トレーナーからbefore/afterの写真を手渡された。
「男」だった俺と「女」になった俺…
とても同一人物には見えないけど、これは現実に起きた事だ。

 
俺はスカートを穿き、女として仕事をしている。
時には俺に声を掛けてくる男もいる。俺は快く付き合ってやる。
勿論、男と女の関係に発展するのだが、どんなに俺を悦ばせてくれた男でも、俺が男であった事を告げると、二度と声を掛けてはくれなかった。

今も、ベッドの上で俺の膣に熱い迸りを注ぎ込んでくれている男がいる。
「あん♪あああ~ん!!」
快感に俺は淫声をあげる。
この快感を得られただけでも、俺は女になって良かったと思っている♪

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