« 荒野(3/4) | トップページ | 荒野(1/4) »

2014年6月19日 (木)

荒野(2/4)

俺の服装は、軍から支給された扇情的な衣服である。
ボトムは極端に丈の短いショートパンツ。トップは辛うじて胸を覆うだけ。肌の露出面積が極端に高くなっていた。
軍内であれば、所属を示せばそれで済むが、民間人相手ではそうもいかない。
俺の皮膚は陽に焼けることはないが、少しでも奇異に見られないよう、マントと帽子を調達した。
靴もサンダルからブーツに変えようとしたが、川を渡った後に歩き辛くなるので、サンダルのままにすることにした。

山岳地帯に入ってゆく。
これまでの平面的な荒野と事なり、一直線で目的の場所に向かう事ができなくなった。
地形を確認する。
状況を確認しながら進む必要があるため、視界が確保できる日中にのみの移動となる。
一日に踏破する距離が極端に短くなっていた。

山岳地帯に近づくにつれ、荒廃の度合いが低くなる。尾根の影には幾分かの植生が残っていた。
荒廃した道路が見つかった。それは爆撃等による荒廃ではなく、その道を通るものがいなくなり、見捨てられ、何十年も整備されずにいたのだろう。
道は山岳地帯の中へと続いていた。いくつかの橋は落ち、隧道は埋もれていたが、なんとかその道を辿る事ができた。

道は崩れたダムの端で終わっていた。
シェルターは更にこの奥にあるのだろう。
干上がったダム湖の底に降り、細々と流れる川を上流に向かう。

シェルターの場所に近づいた。
俺の目の前には岩壁があり、滝が落ちていた。
滝の脇の壁面が登れそうだったので、迂回せずにそのまま壁面に手足を掛けてよじ登っていった。

滝の上には湖があった。
度重なる土砂の流入で塞き止められてできた湖だ。やはり、人工的に塞き止められたダム湖とは面持ちが湖となる。
湖岸には植生が残されており、湖の中には魚まで生息しているようだ。
多分この湖底にシェルターが隠されているに違いない。
まだ陽は高いが、俺は夜営地を確保し、翌日の探索に備えた。

 

「俺」は眠る必要はない。今日は岩壁のよじ登りをしたので、通常よりエネルギーの消費が多かったが「寝る」までもなく数時間立ち止まっているだけで回復する。
俺は大きな岩を背に座り込んでいた。

(?)
人の気配を感じた。
俺の存在に気付き、シェルターから出てきたのだろうか?
夜の闇に紛れて出てきたという事は、あまり友好的な接触とは思えない。とはいえ、殺意を感じた時点で抵抗を試みても余裕で対応できるので、俺は寝ているフリをする事にした。
足音が近づいて来る。
「本当に防護服もなしでここまで来たんだ…って、女じゃないか!?」
予想外の事態に男は困惑しているようだ。どうやら、俺に危害を加えるようにはみえない。
「誰?」
俺は眠そうな声をあげてみた。
「あんたこそ何者なんだ?何でここにやってきた?」
「貴男に逢いたかったの♪って、半分は本当よ。あたしは軍の特殊強化人間。だけど軍が崩壊してしまった今、軍の命令で動いている訳ではないの。誰もいなくなって、人恋しくなってしまったの。詳しくはシェルターの中で話したいわ。案内してくれるかしら?」
彼がどこまで理解できたかわからないが、どうやら俺をシェルターに入れてもらえるようだ。

岩影に開いた洞窟の入り口から湖底に向かって降りていった。
殆ど照明もない。彼のように隘路を把握できていないとまともに進めるものではない。
この洞窟は人工のものではなく、自然の風穴を巧く利用していた。単純に下降するだけでなく、上下を繰り返し、他の風穴からの空気の流れに干渉され、地表に有害ガスが撒かれたとしても、シェルターに及ぶことがないようになっていた。

洞窟の先に人工の構造物があった。
二重扉の向こうにシェルターがあった。
「話は明日に聞こう。今日はもう遅い。右手の部屋を使ってくれ。」
と彼がドアを開けるとベッドが置かれた部屋があった。
「シャワーはあるが、夜間は冷水しか出せない。それでもよければ使ってくれ。」
と俺を送り込み、ドアを閉めた。
カチャリと鍵の掛かる音がした。
「当然よね。でも、シャワーにベッドなんて何日ぶりかしら?」
薄暗い部屋の中で、俺はそう呟いていた。

天井を見上げる。
エネルギーの節約のため、夜間は照明を落としているようだ。微かな灯りは天井の窓からもたらされていた。
シェルターは湖底にあり、窓の外は湖の水である。
その先、湖面に差し込む月明かりが、弱々しくも部屋の中まで届いていたのだ。
「水はシェルターの外に沢山あるという事ね♪」
俺はありがたくシャワーを使わしてもらう事にした。

裸の肉体に毛布だけ掛けてベッドに横たわった。
「俺」がベッドの上で「寝る」のは任務遂行時…則ち男たちに快楽を与えるためである。シェルターの中には「男」がいた。
俺の肉体が「任務」を思いだし、準備を始めていた。
肉洞内の湿度が上がり、熱く潤み始める。「女」の器官が疼き「男」を求めている。
フェロモンが部屋の中に充満してゆく…
(今はダメだ。彼には何も説明していない。)
理性で抑えようとするが、肉体が「彼」を求めて止まない。
俺は少しでも鎮めようと、股間に手を伸ばして「彼」に代わって自らの指を挿入した。
俺の膣は餌を待つ雛鳥のように勢い良く指を咥え込む。更に奥に送り込もうとする。
抗うと…
「あ、ああん♪」
肉襞が刺激され、快感がもたらされる。快感に艶声が漏れる。
艶声に刺激され、肉体が更なる快感を欲する。俺は指先を曲げ、肉壁の感じる場所を探る…
「っあ…、あああんっ♪」
感じる場所が見つかると、集中的にソコを責めたてる。
「あん、あん、あん♪」
もう片方の手は乳房を捏ねあげ、乳首を刺激する。
「ああん。ああああん!!」
自らの手で登り詰めてゆく。
頂きが見え隠れしている。
「ああん♪イクのぉ…イクぅ…イッちゃう~~♪」

 

肉体の火照りが徐々に治まっていった。
快感の余韻に浸っていると、カチャリと錠が外れる音がした。
「ま、待って♪あたし今、何も着ていないの!!」
俺は毛布を手繰り寄せ、体を隠した。
「判ってるさ。監視カメラで見てたからな♪」
男が部屋に踏み込んできた。
勿論、カメラの件など俺が知らない筈もない。
「お願い。ドアを閉めてくれる?」
男は素直に応じてくれた。
部屋の中には俺が発したフェロモンが充満している。ドアから漏れでてしまったが、男の理性を消失させるには十分な濃度を保っていた。
「ずいぶんとご盛んだったな♪お前、かなりな淫乱だなぁ。男が恋しくてたまらないのだろう?」
「シてくれるの?」
「お前次第だな♪」
彼のズボンの前面は痛いくらいに膨れあがっていた。
「どうすれば良いの?」
俺は自らの裸体を晒し、男の前に歩んだ。
男のズボンのベルトを外し、下へと擦り降ろしてゆく。と同時に俺も男の前にひざまずいた。
目の前に張りきった男のペニスがあった。そこに、俺の細い指を絡める。
「シてくれるのか?」
俺はゆっくりと首を縦に振ると、それを咥え込んだ。
久しぶりのペニスだった。
が、じっくりと味わう前に彼が暴発してしまう。
「貴方もずっと禁欲していたんじゃない?」
男は答える代わりに、俺にベッドに上がるよう命令した。
「さあ♪いらっしゃいな。」
俺がベッドの上で股間を広げると、男はふらふらとベッドに上がってきた。
上着も脱がずに俺に伸し掛かってくる。彼のペニスは既に回復していた。

 

 

男は疲れはて、イビキとともにベッドの上にあった。
俺はシャワーを浴びると、いつもの服を着てシェルター内を確認してまわった。

日の出とともに太陽光発電が起動し、照明を始め各機器が動きだした。
通信装置も生き返っている。が、前回俺が確認した時から情勢に大きな変化は見られなかった。
しばらくはこの男を相手に任務に相当する行を行おうと考えた。

 
軍務とは違い、相手をするのはこの男一人である。当然四六時中を性行為に充てる訳にいかない。
また、生身の人間の生活のリズム、必要な行為等に合わせる必要があった。
当然のように性行為は宵の口にのみ行うこととなる。その後は彼の睡眠時間となる。
俺は寝る必要などないのだが、シェルター内の機器が動かなくなるので、何もできない。仕方なく、彼の隣で夜が明けるまで待機状態に置く事にした。
当然の事ながら、日中には性行為は行わない。何もしないでいるのも何なので、プログラムされた機能を使い彼の為の料理を作る事にした。
男に対し好感を得るためのスキルであると同時に裸エプロンなどの性行為シチュエーションの為にも料理のスキルは必要とされていた。
シェルターには食材は多くないが、前線での活動も想定されており、俺の作った料理には彼も満足してくれたようだ。

 
そして夜になり、各機器が停止し、最小限の照明の下で俺達は肉体を重ねていた。
俺は知る限りの全ての技で彼に快感を与えてやった。
…が、俺は「限度」というものを知らずにいた。
一部隊を相手にするのと、一人を相手にするのでは訳が違う。当初に予定されていた要人相手では、別の目的があり、達成すればそれで終わりであった。男に快感を与えるのは目的の為の手段であった。
が、彼に対しては快感を与えるのが目的となってしまっていた。際限のない快感を与え続けた結果…

彼は肉体の負荷に耐えきれず、命を落とす事になってしまった。

 

俺は彼を埋葬すると、シェルターを後にした。
この肉体は「男」なしではいられないのだ。他に生存者が残っていそうなシェルターは洗い出してある。
俺は、ここに辿り着いた時と同じ格好に戻り、次の目的地に向け歩きだした。

いくつかのシェルターは、既に生存者が存在しなくなっていた。
女しかいないシェルターもあった。
女たちはモデル並みの容姿を持った俺を快く思う事はなかった。特に男女数が均衡している場合は、自分たちの男が誘惑されないかと考える。
(俺の目的は正ににソレであるのだが…)
中には男女一組だけのシェルターもあった。
そのような場合は彼女らの生活を乱さないよう、即行で退散することにしていた。

« 荒野(3/4) | トップページ | 荒野(1/4) »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 荒野(2/4):

« 荒野(3/4) | トップページ | 荒野(1/4) »

無料ブログはココログ