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2014年6月19日 (木)

実験

俺の目の前のベッドには、全裸の少女が眠っていた。

少女は少しだけ胸を上下させ、息をしている…ように見せている。
この少女は「人間」ではなかった。高度な科学技術により造られたアンドロイドである。

少女アンドロイドは、造られてからこの方、ずっと眠り続けていた。
何故ならば、この少女には「魂」がないからだ。
色々と研究を重ねてきたが、「魂」だけは人工的に造り出す事ができなかった。
造れないのであれば、他から持って来れないだろうか?
「魂」はそこいら中に浮遊しているものと考えていたが、これを捕まえる手段がなかった。
ならば、生きている人間の魂を使う事はできないだろうか?魂を完全に抜き取ってしまうと、命に拘わる筈である。その魂の一部でも切り取る事はできないか?
との思いで出来上がったのが、今俺が装着している装置だ。

俺はアンドロイド体を前に、装置を起動させた。
想定通りであれば、俺の魂の一部を取り込んだアンドロイドは瞼を開いてくれる筈だ…

が、アンドロイドに変化は見られない。
装置の感度を調整してみる。
装置が唸り始めた。
アンドロイドに変化はない。
唸り音が高くなる。
これ以上は危険だ。
俺は装置を停止させようと手を動かした…

 

 
辺りがザワついていた。
俺は気を失っていたようだ。気を失っている間に、俺はベッドに運ばれていた。
が、ザワつきは俺の周りではなく、少し離れた場所にあった。
ゆっくりと目を開く。そしてザワつきの源を確認する。
どうやら、俺はまだ実験室の中にいるみたいだ。
俺のいた「装置」の周りに人垣ができていた。
彼らの囲む「装置」の椅子の上にはぐったりとした、意識を失ったような人物…「俺」がいた。

(?)

俺は、今自分のいる場所に思い当たる。
実験室にベッドは一つしかない。
そのベッドにはアンドロイドが寝かされていた筈だ。
誰かがアンドロイドを別の場所に移動し、俺をそこに寝かせてくれたのだろうか?
否、「俺」はまだ装置の椅子の上にある。

つまり、俺は俺の魂とともにアンドロイドの中にあるという事なのだろう。
ベッドの上で起き上がってみる。見慣れてはいたが、アンドロイドは少女の姿をしている。その胸には膨らみがあり、俺は自分の胸にその膨らみが存在している事を改めて確認した。

ベッドから降り、その端に掴まりながら足を屈伸してみる。
バランスが取り辛いが、日常動作には問題ないようだ。
裸足のまま、彼らの元にゆく。
俺は彼らの背後から声を掛けた。

「ああ、えへん。君たち。実験の成果は確認してもらえないだろうか?」
彼らの視線が一瞬で俺に集中する。
「俺の魂のほとんどがこちらに移ってしまったようだ。今は俺の意思でこの体を動かしている。どうだ?この体が動いているのを見るのは?」
彼らは何も動けなかった。
真っ先に呪縛から立ち直ったのは主任研究員の渡瀬だった。
「本当に教授なんですか?」
「嘘を言って誰が得するんだね?」
「ああ、本当に教授なんですね?」
「判ったのなら、実験の確認を始めてくれないか?こうなっては、俺自身が指揮を取るのは難しいからな♪」
「わ、判りました。が、その前に何か着てもらえませんか?見慣れていたとはいえ、普通に動かれてはどうも生々し過ぎるので…」
とりあえず、俺は渡瀬の差し出した白衣を羽織った。
(この先、俺が女の下着を着け、スカートを穿く事になるとは考えもしていなかった)

 

「教授の体は機能的にはノーマルです。」
「俺の体…というより、アンドロイドの体だろう?」
「そうですが、これはもう教授ご自身の体と考えていただいた方が良いと思います。元の教授の肉体は完全に心肺停止してしまいました。脳内細胞の崩壊も始まっています。元に戻られるのは不可能かと…」
「冷凍保存も間に合わなかったのか?」
「対応が遅すぎました。いくつかの部位は保存が可能ですが、移植臓器としての扱いとなります。」
「実験に事故はつきもの…仕方ないという事か。」
「はい。もし、反対がなければ教授の精子だけでも冷凍保存させていただきたいのですが?」
「俺の遺伝子を残すためか…好きにしてくれ。」
「いえ、単に教授の遺伝子を残すだけではありません。提供卵子と受精させ、教授ご自身で出産していただく事も考えております。」
「お、俺が?」
「機能的に問題がない事は教授もご存じの筈ですよ。もっとも、当初は人工受精ではなく…」
「み、皆まで言うな。それのテストもしなければならないのだろう?まさか、俺が男に抱かれるとは…」
「どなたかご希望の職員はおいでですか?教授の精神的負担はなるべく減らしたいと考えています。」
「なら、お前に頼む♪」
何故か俺は、そう即答してしまっていた。

 
「な、何なんだ??この感覚は!!」
「気持ちが良ければ、声を出すと良いですよ。教授♪女の子は快感を我慢する必要などないんですから。」
その違和感は到底「快感」とは言い難かった。が、声が出そうになるのを我慢していたのはその通りだった。
言われるがまま、喉の緊張を解く…
「んあん…っあ!!、ああ~ん♪」
俺の口から出てきたのは、愛らしく淫らなオンナの媚声だった。

そして、違和感が快感に変わった。

突かれる度に快感の波が広がってゆく。波は乳首の先端で折り返され、新たに起こった波とぶつかり合い、更なる刺激をもたらしてくる。
頭の中が真っ白になってゆく。これ以上快感に晒されていると、俺が俺でなくなってしまいそう…
「怖い…」俺はそう呟いていた。
「大丈夫♪その先には幸せが待っています。イッとしまいなさい♪」
「イクの?これってイッちゃうってコト?」
(もう、何も考えらんない!!)
「あぁ…、イクの…イッちゃう~~!!」

 
彼に頭を撫でられていた。
厭な感じはしない。むしろ心が落ち着いてゆく気分…
(これがオンナの幸せ?)
「お願い…」彼の顔を見る。
次を言おうとする前にキスされた。
「何?」と彼…
俺=あたしは恥ずかしげにこう言っていた。

「もう一度シて♪」

 

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