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2014年1月28日 (火)

秘湯(4/4)

彼女の話は終わった。
だが、俺はこの先どうすれば良いのだろうか?
平均寿命を考え、それまでこの先ずっと若い女の姿でいなければならないのか?
「人間の女性は、若く美しい姿のままでいられるなら、お金をいとまないと聞いたことがありますよ。」
「俺は女じゃない!!」
「見た目は立派に女性ですよ。もしかして、まだ女性として経験したコトが無いんじゃないですか?」
「経験?…」
「離れの部屋にはまだ布団が残っています。女同士ですが、あたしでよければ♪」

 

 


俺は「ハジメテ」を経験してしまった。
男に戻れないという事は、俺はいつでもこの快感を得ることができるということなのだ。
「気を付けないとハマってしまいそうだ。」
「ハマっても構わないんじゃないですか?貴女はもう女性なのですから♪」
「俺は…」
俺は、何と答えたら良いかわからなくなっていた。
「明日になれば世界は変わって見えますよ♪」
と彼女の手が俺の体に触れる。
「んあん♪」
快感に俺は女のように喘いでいた。
そして、彼女の手技で幾度となくイかされ…
俺は甘美な快感の中で意識を失っていた。

 

 
宿は離れを残し、跡形もなく消え失せていた。
雑草の生い茂る原っぱに、ポツリと俺のバイクが残されていた。
エンジンを掛ける。
まだ活きている。
排気音が俺を現実世界に引き戻してゆくようだ。

振り向くと、離れもまた消え失せ、雑草の生い茂る野に還っていた。

俺はクラッチを繋ぎ、バイクを走らせた。

 

いくつかのトンネルを過ぎて振り返ると、後ろは皆、霧に包まれていた…


(了)

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