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2014年1月28日 (火)

12時を過ぎたら…

時計の針は、あと少しで12時を指そうとしていた。
(魔法が解けてしまう!!)
俺は王子様の手を振り解き、慌てて舞踏会の会場を後にした。

 

母や姉逹が着飾ってはいそいそと出掛けてゆく「舞踏会」とはどんなものなのか?
俺は好奇心を抑えきれず、隣の叔母さんに訊ねてみた。

「へぇ~、舞踏会に興味があるんだ。百聞は一見にしかず。お前さんも行ってみないか?」
「お、俺が?可能なのか?」
「まあ、ちょっと魔法で変装してもらうことになるけどね♪」
隣の叔母さんは魔法使いだった。
俺が同意すると、叔母さんが魔法の呪文を唱えた。
すると、俺の体が煙に包まれる…
腹の周りが締め付けられる。
髪の毛が引っ張られ、頭の上にまとめられる。
かかとが持ち上がり、足元が涼しくなる。

煙が晴れると、俺は姉逹が着ていたような「ドレス」に身を包まれていた。
「服に合うように、顔や体も少し弄ってあるから、夜中の12時までには戻って来なさいね。そうしないと大変な事になるからね。」
そう言って、魔法で呼び出した車で俺を舞踏会の会場に送り出してくれた。

 

舞踏会はドレスで着飾った女逹で溢れていた。
俺は何喰わぬ顔で、彼女逹の中に埋もれていた。
クラシカルな楽器がワルツを奏でている。
フロアの中央では数人の若い男が曲毎にパートナーを変えて踊っている。
女逹は彼らに誘ってもらおうと、必死にアピールしている。
中でも人気があるのが「ナイト」と「王子様」と呼ばれる二人だった。
そのうちの一人、王子様が俺に近づいて来た♪
「シャルウィ、ダンス?」
優しげな声とともに、俺に向かって手が伸ばされた。
「えっ?あ、はい♪」
俺は彼の差し出した掌に自分の手を乗せ、フロアに歩み出ていた。

ダンスなんか踊った事なんかないのに…
あたしは王子様にリードされて華麗なステップを踏んでいた。
曲が変わっても、王子様はパートナーを変えず、更にあたしとの距離を詰めてきた。
抱き締められ、ピタリと体が密着している。
太ももに彼のおち○ち○を感じる。そして、それはどんどん硬くなっていった♪
「姫♪君が気に入ったよ。一緒に外に出ないか?」
彼が耳元で囁く。
あたしは…

 
何で一人称が「あたし」になってるんだ!?
俺は我に返っていた。
そして、その目の端に時計が映った。
(えっ?もう12時!?)
時計の針は、あと少しで12時を指そうとしていた。
(魔法が解けてしまう!!)
俺は王子様の手を振り解き、慌てて舞踏会の会場を後にした。

が、慣れないハイヒールに足を取られバランスを崩す。
倒れ込んだ先は王子様の腕の中だった。
「大丈夫。怖いことはない。優しくしてあげるからね♪」
彼の声とともに、時計の針は12時を指し、時報を告げていた。

 

俺は王子様に抱かれたまま、舞踏会の会場脇の小部屋に連れ込まれた。
そこには大きなベッドが据えられていた。
「僕に身を任せていれば良い。姫を快感の渦で溺れさせてあげるから♪」
手際よくドレスが脱がされていた。
「さあ、横になって♪」
下着も外され、ストッキングだけを身にまとうだけになっていた。

俺の思考回路は完全に凍結してしまっていた。
何が起きようとしているかを把握はしていたが、それを自分の身に起こる事だとは理解できていなかった。

俺の上に全裸となった王子様が伸し掛かってきた。
熱い接吻に全身が熔けてゆく。
俺の肉体は快感に敏感になっていた。

王子様の指が触れる。
それだけで「ああ♪」と快感の吐息を漏らしてしまう。
全身が性感帯になってしまったかのようだ。
早くも股間からは愛液が滴り始めていた。

(!?)

今になって、俺は俺の肉体が完璧に女のそれになっている事に気がついた。
ドレスの胸元を美しく見せるためだけに胸が膨らんでいただけではなかった。
乳房と呼べる胸の膨らみの先端には「乳首」が存在しており、快感に硬く尖らせている。

下腹部を美しく見せるために、股間の邪魔者が消えただけではなく、そこには深い溝が穿たれていた。
細く括れたウエストの奥では、体内器官も大きく変貌していた。
俺の肉体は「男」を受け入れる事を前提とした完全な「女」の肉体に変容していた。

男の愛撫に素直に感じて股間を濡らしてしまう。
男が愛撫したくなる魅惑的な容姿。
男を寄せ集めるフェロモンもたっぷり振り撒いていたのだろう。
このような状態に導いたのは「俺」であり、彼には何の非もないのだ…

 

「いくよ♪」
王子様の手が俺の脚を広げ、腰を割り込ませてくる。
王子様のモノが俺のナカに入ってくる。
俺は快感に支配されてしまう。
「んあん。いいわぁ♪キテ♪もっと激しくぅ~!!」
俺は牝獣と化して、王子様からの快感と精液を貪っていった…

 

 

 

夜が明け、王子様がいなくなると、魔法が解けていた。
母や姉逹にコキ使われる毎日に戻っていた。
昼過ぎに隣の叔母さんとであった。
「どうだった、舞踏会は?」
俺は彼女にどう話したら良いか迷った。
そして、迷った末に俺はこう言った。

「まだ良くわからなかったので、次の舞踏会にも行かせてもらえませんか?」

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