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2013年12月16日 (月)

幸せって?

こんな事があり得るなんて、想像もしていなかった。
安直なSF話にしか聞こえない。
「俺」と加奈子の体が入れ替わってしまうなんて…

 

 
「ただいま。」
玄関のドアが開き「俺」が帰ってきた。
結婚と同時に加奈子は会社を辞めていたが「俺」は会社に通わなければならない。
幸いと言って良いのか俺達は職場結婚だったので、俺がどんな仕事をしていたのかを加奈子も十分に把握している。
加奈子が「俺」に成りきるのに、あまり障害となるようなことはなかった。
が、俺には「妻」としても「女」としても何のスキルも無かった。

俺はこもっていた寝室から、仕事から帰ってきた「旦那様」を迎えに玄関に向かった。
「おかえり。」と加奈子が持っていた鞄を受け取る。
今までは何気なく持っていた鞄が重く感じる。これも、俺が女になったからだろう。
背広をハンガーに掛け、壁のフックに吊るした。簡単に届いていた所も爪先立ちしないと届かない。

「お疲れ様。」
と「俺」として一日を過ごした加奈子を労う。
「僕の方はどうってことないよ。それより君の方が心配だ。男はなかなか女に馴染めないだろうからね。」
「だ、大丈夫だよ。」
とは言っても全然大丈夫でない事は明らかだった。

それでも、加奈子はそんな俺をぎゅっと抱き締める。
そのひととき、俺は安らぎをおぼえるのだった。

見上げると、そこに「俺」の顔があった。キスを求めているとわかる。
俺が瞼を閉じるのと同時に「俺」の唇が俺の口を塞ぐ。
俺は「女」として受け身のキスをする事になる。
別に嫌ではない。相手は「俺」であり、愛しい加奈子なのだ。
ただ、俺がこのような立場に慣れていないだけなのだ…

 

「今日はスカートを穿いているんだね♪可愛いよ。」
「加奈子はスカートしか持ってないじゃないか。俺の服が着れないのは昨日思い知らされたからね。」
「お化粧もしてみたら良かったのに♪」
「流石にそれはハードルが高いよ。」
「そお?」
加奈子はそう言ってキッチンに向かい、二人の夕食を作り始めた。

 

加奈子にはそう言ったものの、何もしないで寝室にこもっていると手持ち無沙汰になる。
寝室にある加奈子のドレッサーには、綺麗に化粧品の瓶などが並べられていた。

(このまま加奈子として生活しなければならないとなると、化粧をしない訳にはいかないだろう…)

俺はスツールに座り、加奈子を真似て口紅を塗ってみた。
…が、なかなか巧く濡れない。はみ出した所を誤魔化すようにしてゆくと、どんどん面積が広がってゆく。
鏡の中に化け物のような唇の加奈子を見て…俺は一気に冷静さを取り戻した。
口紅を元の場所に戻し、洗面台で何度も顔を洗い口紅の痕跡を消し去っていたのだ。

 

「おまたせ。」
と加奈子が出来上がった夕食をテーブルに並べた。
今の俺は「妻」なのだから、疲れて帰ってきた旦那様に夕食を作らせるなんて…とは思うものの、今まで料理などした事もない。
結局加奈子に頼るしかないのだった。

「ちょっと味が濃かったかな?この体の味覚にまだ慣れてないんだ。」
「そんな事ないよ。多分タバコを吸ってるから、味覚が鈍っているんじゃないかな?」
「タバコかぁ。イライラした時など無意識にポケットを探してたのはその所為かな?」
俺はタバコを切らしていた事を思い出した。
そう言えば、入れ替わってからこっちタバコを吸おうと思ったこともなかった。
「これを期に禁煙するのも良いかもな♪っあ、お前はタバコを吸っちゃだめだぞ。子供ができた時、胎児に影響がでるといけないからね♪」
と加奈子。
…胎児って…
もし、このまま元に戻らないと…
「俺が産む事になるのか?」
「そんな今すぐって話じゃないから心配する事ないよ。今までだってちゃんと避妊してきただろ?だから、子供を作るにはヤる事をやらないとね♪」
「ヤる事…って…」
勿論SEXである。
この状態でヤるとなると、俺が「受け」となるしかない。
加奈子に抱かれ「俺」のペニスを俺の股間に受け入れるのだ。
今の俺には、それを受け入れる為の器官が存在している…

「心配する事はないよ。ママやお義母さんを始め、世の女性逹の殆どが経験している事なんだから♪」
「いや、遠慮しとくよ。その女性だけの特典は加奈子のものだ。早く元に戻れるように頑張ろう♪」
「そ、そうだね…」
加奈子の気のない返事は、彼女は元に戻りたくないということなのだろうか…

 

 

寝室のベッドはダブルベッドである。
夫婦で枕を並べて寝たいと言われ、大きめのサイズを選んでいた。
だから、俺の隣には加奈子が横になっている。
「どうした?」
加奈子が半身を起こし、俺を見下ろしている。
それは加奈子ではあるが「俺」の肉体で「男」だった。
そして、今の俺は「女」である。今、ベッドの上に男と女がいる事になる。

(さっきの話を思い出してしまう)

「この状態、いつまで続くのかな?」
「耐えられない?」
「それはそうだろう?俺は男なんだ。女の真似なんかできるか。」
「真似なんかじゃないよ。君はもう女なんだ。女である事を受け入れてしまえば良い。」
加奈子の「受け入れる」という言葉が「肉体的」な「受け入れる」に重なる…
「頭から拒否しているから辛いんじゃないか?一度、女に成りきってみたら?」
「成りきる?」
「頭で考えないで、肉体の反応に素直に従ってみるんだ。少なくとも君は僕とキスをしている時はそんな感じになっているよ♪」
「何も…考えない?」
「そう。意識は五感に集中させ、極力抵抗しないようにする。できれば、その中から快感を探しだすんだ♪」
と、加奈子が俺の上に伸し掛かってきた。
唇が塞がれる。
ここまではいつものキスだったが、今夜は加奈子の手が動いてゆく。
(…)
パジャマの上から胸を揉まれた。
俺の胸には加奈子の…女のバストがあった。
「力を抜いて♪」
加奈子の指がゆっくりと動き、俺のバストを揉みあげてゆく。
チリチリと乳首がむず痒さを訴える。
「そう。素直にね♪」
パジャマのボタンが外され、加奈子の指が直に俺の肌に触れる。
「ぁっ…」
微かな喘ぎ声…それは、俺が何度もベッドの上で聞いた…加奈子の喘ぎ声が、俺の喉を吐いていた。
「ちゃんと感じてるようだね♪」
加奈子は俺の乳首を摘まむと、更に刺激を加えてゆく。
得体の知れない疼きが全身に広がってゆく。
(これが「女」の感じる快感なのだろうか?)
加奈子の体をずらし、その口に俺の乳首を咥えた。
その際、パジャマの上が手際よく脱がされていた。
加奈子の指が俺の肉体を撫であげてゆく。
性感帯というやつなのだろうか、触れられる度にゾクゾクする。
元々が自分自身の肉体である。どこが感じるかは加奈子は十分に把握しているのだろう。
加奈子の掌が太股を撫であげていた。いつのまにかパジャマの下も脱がされていた。

「ああんっ!!」
俺は一際大きな艶声をあげていた。
「これがクリトリスだよ。ペニスの代わりみたいなものだけど全然違うだろ?」
「な、何と言って良いか…凄い。」
「それに、お汁も大分出ているね♪」
「お汁って?」
「愛液って言った方が良かったかな?十分に濡れているよ。君は女として正しく反応しているようだね♪」
「濡れてる…って、この体は加奈子のものだから反応しているだけだよ。」
「じゃあ、この先も大丈夫だね?」
「この先って?」
「僕も男としての肉体に正直になりたいだけだよ。いつもやっていたコトだろう?問題ないよね♪」
(…っ!!)

俺には加奈子の行為を阻止する事はできなかった。
脚が広げられ、加奈子が伸し掛かってくる。
股間にソレが触れたかと思うと、ソレはぬっと俺の内に侵入してきた。
「ああ、加奈子のナカは最高だ♪」
そう言って加奈子は腰を揺すり始めた。
俺の膣の中を加奈子のペニスが擦りあげる。
「そして、ココがGスポットだ。」
その瞬間、俺はとんでもない叫び声をあげていた。
「どうだ?凄いだろ♪」
加奈子はそい言うが、俺は半分意識が飛んでいて、まともに返事ができなかった。
「ああ、加奈子♪君は何て可愛くて、淫らなんだ。僕は何度でも君をイかせてあげるよ♪」
加奈子が俺を責めたてる。
俺は女の快感に翻弄され続ける。
そして…

俺の膣内が加奈子の射した精液に満たされてゆく。

「加奈子。愛してるよ♪」
加奈子は俺のことを「加奈子」と呼び続ける。
この肉体は加奈子のものであるのだから、間違ってはいない。
快感に満たされながら、俺は「加奈子」と呼ばれる事に違和感がなくなってきた。
そして、何度目かの絶頂の後、俺は自分が「加奈子」であることを受け入れてしまっていた…

 

 

カーテンの隙間から朝日が溢れ落ちてきていた。
隣では加奈子=彼が寝息をたてていた。彼は俺の旦那様である。
旦那様を起こさないように、そっとベッドを抜け出し風呂場に向かう。
俺の…加奈子の肉体にこびりついた、昨夜の汚れを洗い流すのだ。
立ち上がると、膣内に残っていた彼の精液が筋を引いて内股を流れ落ちてゆく…
(俺達が避妊の手段を何もしていなかった事に気付くのは、もっと後になってからだった)

バスタオルでシャワーの水気を拭き取ると、新しいショーツとブラジャーを出した。
(俺がブラジャーをするのか…)
昨日、加奈子の服を着てみたのだが、女の体にはブラジャーが必需品であることを十分に感じる事になった。
今朝は躊躇わずに加奈子の下着を着け、スカートを穿くことができた。
ブラウスのボタンが男とは左右逆なのに戸惑いながらも、加奈子の服を一通り着終えた。
お化粧は次の機会に頑張る事にして、俺は加奈子のエプロンを着けて台所に入った。

勿論、料理などできる訳でもないが、トーストを焼き、コーヒーを淹れるくらいはできそうだった。
冷蔵庫にハムがあったので、何枚か取ると二つ折りにして皿に並べた。

トーストが焼きあがるのと前後して、旦那様が起きてきた。
「お早う♪今日の奥様は健気ですね。」
と俺を軽く抱き締めると、額にオハヨウのキスをしてくれた。
「卵は僕が料理するよ。」
と手際よくフライパンに卵を流し込む…
あっと言う間に皿の上に敷いたレタスの上に目玉焼きが乗っかっていた。

「気が向いたら料理を練習してみても良いと思うよ♪」

二人で作った朝食を食べ終わると彼がそう言ってくれた。
「今はまだ料理教室とかは無理だろうから、簡単な料理の入門書でも買ってきておくよ。」
俺はそう言う旦那様を、妻らしく玄関で見送った。

リビングに戻ると、テーブルの上に食べ終えた皿とコーヒーカップが置かれていた。
中身はどうであれ、俺は…加奈子は専業主婦なのだ。
主婦としては、テーブルの上も、台所の食器め洗って片付けなければならないのだろう。

エプロンを着け後片付けをする。
台所が終わると部屋に掃除機を掛けた。
が、主婦初心者であるので手際が良くないのだろう。気が付くと正午を大分回っていた。
昨日は朝ご飯の残りを食べていた。今日は残りものなどない。
パンも今朝のトーストで使い切っていた。
お米を炊くにしても、磨がなければならないのだろう。
それ以前に、炊飯器など触った事がない。使い方の解らないものには手を触れない方が良い。

冷蔵庫を探してみた。ハムはまだ残っているが、それだけでは何にもならない。
卵はあっても料理法を知らない。
茄子やきゅうりもあった。

その形状から、ふと「アレ」を連想してしまった。
そう…昨夜の俺は「オンナ」そのものだった。
股間に彼のペニスを受け入れ、快感に喘ぎ続けていたのだ。
ジンっと再び下腹部の奥が…子宮が疼きだした。
股間が熱を帯びている。
昨夜の快感が蘇る。
(挿れて頂戴♪)
俺は「加奈子」として旦那様にねだっていた…
(欲しいの♪)

目の前にあるきゅうりはさすがにイボが痛そうだ。
加奈子の化粧品の中に丁度良いスプレー缶があったのを思い出した。
冷蔵庫のドアを閉め、寝室に向かう。

ドレッサーの前でスプレー缶は即に見つかった。が、実際に見てみると、太過ぎたり短かったりする。
他にないか?と引き出しを開けてみた。
そこにはキラキラと様々なアクセサリーが並べられていた。
(綺麗…)
一瞬、当初の目的を忘れて魅入ってしまった。

が、本来の目的を思い出して他の引き出しも開けた。
次の引き出しには生理用品が入っていた。
(いずれ、これを使う日が来るのか…)
他に何か入ってるか?と見てみると、ゴロリと音がした。
そこにはスカーフのような布に包まれた棒状のものがあった。
取り出してみる…

(何でこんなモノがあるんだ?)

それはディルドゥ…所謂「疑似ペニス」であった。
(何で加奈子がこんなモノを持っているんだ?)
という疑問が沸くが、それ以上に
(何と丁度良いモノがあるんだ♪)
と驚喜する自分が居た。

俺は一気に服を脱ぎ、全裸となっていた。
ベッドに上がり、股間を開く。
既にソコには淫らな蜜が溢れていた。
ディルドゥの先端で股間に触れる…
「んぁん♪」
クリトリスが刺激され、快感が走り抜けてゆく。
「ああん、早く頂戴♪」
俺は加奈子に成りきって、そこには存在していない「俺」におネダリする。
(何が欲しいんだい?ちゃんと言わないとわからないよ♪)
「俺」にそう言われ、俺…加奈子=あたし…は…
「お…おちん…」
(何?良く聞こえないよ♪)
「あぁ、早く、貴方のおちんぼをあたしのナカに挿れてぇ!!」
(よし。わかった♪)
そう言って彼が体を重ねてくる。
ぬっと彼の硬いペニスがあたしの膣に侵入してくる。
「ああ~ん♪」
快感が広がる。
(いくぞ♪)
根本まで差し込まれたところで、ディルドゥのスイッチを入れた。
「ああっ!!…」
強烈な快感に喘ぎも止まってしまう…

 

 

「おや、早速ですか♪」
振り向くと旦那様がそこにいた。
「加奈子は淫乱女だと暗示を掛けておいたのですが、これ程とはね♪」
「暗示?」
「そう。加奈子は僕が想う通りになって欲しかったのでね。最も暗示に掛かり易い君に加奈子になってもらったんだよ♪」
「加奈子になる?」
「僕は加奈子でいるよりも、男として実力の世界で生きていたかったんだ。そんな僕の元に換魂丸とかいう薬が手に入った。」
「換魂丸?」
「文字通り、魂を入れ換える薬だ。…ああ、一度使うと魂に抗体のようなものができて、元に戻る事はできないそうだ。」
「元に戻る?」
「そうだね。今の加奈子は快感に飢えていてまともな思考ができなかったんだね♪」
「そう、欲しいの。いっぱい愛して♪」

あたしはあたしの前に来た旦那様のズボンを脱がすと、目の前にそそり立つペニスを手にした。
「やはり、本物の方が素敵っ♪」
あたしはソレを口に咥えると、心行くまで味わっていた。

 

 

 
加奈子…旦那様は俺への暗示を軽くしてくれた。
元に戻れない事は理解したし、戻ったとしても今の旦那様程会社で働く事はできないと思う。
無気力社員だった「俺」とは違い、程なく課長に昇進し、まだ若いのに部長への声も掛かっている。

それに、今のあたしには手放せないものができていた。
入れ替わって最初にシた時に当たったようで、あたしは生理を経験する前に、妊娠~出産を経験することになった。
今あたしの腕の中で母乳を飲んでいるこの子…あたしがお腹を痛めて産んだ…と、旦那様との幸せな家庭は、今はもう手放したくはない。

そう。あたしは今、幸せのただ中にいるのだから♪

 

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