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2013年12月24日 (火)

クリスマスの夜

雪が降っていた。
まだチェーンをする程ではないが、このまま降り続ければ、明日の朝は交通マヒになっているかも知れない。
サンタのように空を飛ぶソリにでも乗っていれば、地上の渋滞は関係ないだろうが、サンタのように防寒具に身を包まなければならないのも面倒である。

 

などと妄想を膨らませていられるのも、クリスマスイブを独りで過ごす童貞男の特権なのだろうか?

ホワイトクリスマスだと言ってムードが先行する女に、寒い街中を引きずり回されるより、暖かな部屋でネットサーフィンに興じている方が、どんなに幸せだろう?
と、強がりを言ってみた所で、彼女が居ない事実は変えようもない。
女の子に声を掛けられずに二十数年…PC越しであれば、少しは…とは言うが、相手が本物の女の子であるとは限らない。
結局、彼女がいないまま、またひとつ年を越すことになるのだ。

 

〈そんな寂しいコト言ってないで、声を掛けてみれば良いのに♪〉
画面に現れたのはミカからのメッセージだった。
彼女?がネカマと言われる存在である事は、かなり早い段階で知らされていた。
「お前に言われてもなぁ…リアルの女性なら少しは信じられるんだけどな♪」
〈言ってくれるわねプンプン!!ネットの中のあたしはリアル女なのよ(`_´メ)〉
「ネットの中ならって…そこが問題なんだってorz」
〈じゃあ、あたしとイブを過ごさない?〉
「このままネット越しと言うのもなぁ…やはり、彼女の温もりを感じてたいな♪」
〈だから、外で会わない?もう夜だし、コートを着れば体型も誤魔化せると思うの♪〉
「女装なんてするのか?」
〈ネットの中のあたしは本物の女の子なんだから、今もスカート穿いてお化粧だってしてるのよ♪〉
「本格的なんだなァw(゜o゜)w」
〈じゃあ一時間後に駅前で♪〉
それだけ言って彼女は落ちていった。

 

 
「あのぉ~ミカさんですか?」
一時間後、俺は雪の中待ち合わせ場所に居たそれらしい女性に声を掛けた。
彼女は縦に首を振ると、一枚のカードを俺に見せた。
〈声を出すと「男」ってバレちゃうからね♪〉
「わかりました。で、どこかに移動しましょうか?」
〈カラオケBOXが良いわ。防音になってるからあたしの声を他の人に聞かれる事がないの♪〉
「了解。じゃあ行きましょうか♪」

こんな俺逹でも、童貞男逹が羨むような「カップル」に見えるだろうか?…などと考えながら、繁華街に向かって行った。

 

 
「改めまして。ミカです。」
彼女?の声はやはり「男」だった。
「カラオケっていうのがイマイチだけど、イブの夜を女の子と過ごせて幸せでしょ?」
っとか…男声でなければ何とか我慢できるんですが…

カラオケなんで、一応は歌を歌う。
ミカは好んで女性シンガーの曲を選ぶが、男の声では興醒めする。
が、他人の事を言える義理でもない。
俺は音痴で、普通の曲でさえ、まともに歌えないのだ。故に、マイクはミカが握りっぱなしになる。

「これなら歌えるんじゃない?」
とポピュラーなデュエット曲が流れ始めた。
何を間違えたか、ミカが男性パートを歌い始めた。
「はいっ♪」
と振られたのは女性パートだった。
慌てた俺はメロディーに合わせて歌い出していた。
そしてサビの部分。
綺麗にハモッていた…

(って、俺…女声出していた?)

「凄い!!キレイな声じゃない。音痴だって思ってたのは、キーが合わなかっただけなのよ♪」
「キーが合わなかった…って、そういう問題じゃないだろ?」
「じゃあ、試しにコレ歌ってみて。勿論、女の子声でね♪」
ミカは俺に一歩も退かせない勢いだった。
前奏が終わった。

(…)

あっと言う間に歌いきってしまった。
何か、いつもより歌い易い?
「次コレね♪」
ミカのレパートリーだった曲が続いた…

「もうちょっと雰囲気盛り上げない?」
とミカがレンタル衣装を注文した。
店員は俺がミカに着せるものと勘違いしているに違いない。
アイドル風のステージ衣装を着て、ミカのカツラを被され、お化粧までされてしまった。
「ミカちゃん可愛いよ♪」
小さなステージに立ち、マイクに歌声を乗せる…

 

「ほら♪」
と見せられた写真には可愛い女の子が写っていた。
俺が歌っている間に、何度もフラッシュが焚かれていた…
つまり、この女の子が俺自身って事になる。
「羨ましいね。可愛い声が出せて♪これなら誰も男だなんて思わないよ。」
と、俺の前に居たのは「ミカ」だった男…化粧を落とすと、それなりのイケ面。俺が女の子なら即に恋してしまいそうだ♪って…
「お、おい!!何で俺の服を着てるんだよ?」
「ミカちゃん♪女の子が〈俺〉だなんておかしいよ。〈あたし〉って言うか、せいぜい〈ボク〉じゃないと♪」
「ミ、ミカはお前じゃないか?俺は男だ!!」
「残念だが、俺も男なんだよ。この店に入ったのは男女のカップルだ。出る時に男同士だと変に思われるだろ?」
「それは、お前がミカに戻れば良いだけの話しじゃないか!!早くその服を返せっ!!!!」
と、その時内線電話が鳴った。
「はい。延長はなしで。今彼女に着替えさせてますから。」
と奴が勝手に答えていた。
「と、言うことだ。さっさと着替えてくれないか?」
とミカの服を寄越した。
時間が迫っている事を盾に、俺が着替えるのを急かす。
仕方なくミカの服を着て部屋を出た。
奴が「俺」の財布から金を出して会計を済ませていた。
「お、おい!!それは俺の金だろう?」
「ミカちゃん。声、声。気を付けないと変に思われるよ♪」
「だ、だから…」
仕方なく、俺は声のトーンを上げた。
そして、
「全部あたしの財布から出したの?」
と慣れない女言葉を口にした。
「いやぁ、御免ごめん。ここは割勘だったね。じゃあ、ミカちゃんのバックを開けてくれないか?」
とわざとらしく俺が肩に掛けていたバックから女物の財布を取り出した。
「これで良いね♪でも、この先は僕に払わせてよね。」
とミカの財布に入っていたクレジットカードを抜き取り、ちらつかせた。

 

外はまだ雪が降っていた。
ブーツは暖かいが、厚手のタイツを穿いていても太股あたりはかなり寒い。
「どこに行くんだ?」
「先ずは食事だな。その後は俺の部屋にでも来るかい?」
「お前の部屋に行ったって男同士じゃ虚しいだけだろ?」
「俺にしてみれば、彼女の温もりを感じながらイブを過ごす事になって嬉しいんだけどな♪」
「良い加減、俺を帰らさせてくれないか?これ以上お前に付き合ってはいられないよ。」
とは言っても、服を元に戻してもらわないと帰るに帰れない。

奴も手詰まりのような顔をした。そして…
「なら仕方ないか…サンタにもらったこのカードを使うしかないか♪」
「なによコレ?」
あたしは渡されたカードを見た。
「〈一日彼女券〉?!」
「そう。これを受け取った人は今日一日、俺の彼女になってもらえるんだ♪」
「バカじゃないの?いつあたしがあんたの彼女じゃなくなったって言うの?」
なんかチョット違和感があったけど、あたしはカードをバッグに入れ、彼の腕に身を絡めた。
「先ずは食事に行くんでしょ?それよりも、もっと早くクリスマスプレゼントが欲しいの?」
「プレゼント?そんなのいつ買ったんだい?」
「買った訳じゃないわよ。今年のプレゼントは…あ・た・し♪」

 

 

恋人と過ごす夜は暖かい。
それがクリスマスのイブならなおさら♪
外でどんなに雪が降り積もっていても、あたし逹には関係ナイ…

あたし逹はクリスマスのプレゼントに心行くまで悦しんでいった♪

 

2013年12月16日 (月)

Re:夫婦生活

奈落の部屋に「Re:夫婦生活」をUPしました。

沙亜矢さんの所の「夫婦生活」がツボに填ってしまい、妄想が膨らんで、ついついこんなモノを書いてしまいました。

沙亜矢さんに送ったところ、こちらで公開しては…とのコメントを頂きましたのでUPしました。

幸せって?

こんな事があり得るなんて、想像もしていなかった。
安直なSF話にしか聞こえない。
「俺」と加奈子の体が入れ替わってしまうなんて…

 

 
「ただいま。」
玄関のドアが開き「俺」が帰ってきた。
結婚と同時に加奈子は会社を辞めていたが「俺」は会社に通わなければならない。
幸いと言って良いのか俺達は職場結婚だったので、俺がどんな仕事をしていたのかを加奈子も十分に把握している。
加奈子が「俺」に成りきるのに、あまり障害となるようなことはなかった。
が、俺には「妻」としても「女」としても何のスキルも無かった。

俺はこもっていた寝室から、仕事から帰ってきた「旦那様」を迎えに玄関に向かった。
「おかえり。」と加奈子が持っていた鞄を受け取る。
今までは何気なく持っていた鞄が重く感じる。これも、俺が女になったからだろう。
背広をハンガーに掛け、壁のフックに吊るした。簡単に届いていた所も爪先立ちしないと届かない。

「お疲れ様。」
と「俺」として一日を過ごした加奈子を労う。
「僕の方はどうってことないよ。それより君の方が心配だ。男はなかなか女に馴染めないだろうからね。」
「だ、大丈夫だよ。」
とは言っても全然大丈夫でない事は明らかだった。

それでも、加奈子はそんな俺をぎゅっと抱き締める。
そのひととき、俺は安らぎをおぼえるのだった。

見上げると、そこに「俺」の顔があった。キスを求めているとわかる。
俺が瞼を閉じるのと同時に「俺」の唇が俺の口を塞ぐ。
俺は「女」として受け身のキスをする事になる。
別に嫌ではない。相手は「俺」であり、愛しい加奈子なのだ。
ただ、俺がこのような立場に慣れていないだけなのだ…

 

「今日はスカートを穿いているんだね♪可愛いよ。」
「加奈子はスカートしか持ってないじゃないか。俺の服が着れないのは昨日思い知らされたからね。」
「お化粧もしてみたら良かったのに♪」
「流石にそれはハードルが高いよ。」
「そお?」
加奈子はそう言ってキッチンに向かい、二人の夕食を作り始めた。

 

加奈子にはそう言ったものの、何もしないで寝室にこもっていると手持ち無沙汰になる。
寝室にある加奈子のドレッサーには、綺麗に化粧品の瓶などが並べられていた。

(このまま加奈子として生活しなければならないとなると、化粧をしない訳にはいかないだろう…)

俺はスツールに座り、加奈子を真似て口紅を塗ってみた。
…が、なかなか巧く濡れない。はみ出した所を誤魔化すようにしてゆくと、どんどん面積が広がってゆく。
鏡の中に化け物のような唇の加奈子を見て…俺は一気に冷静さを取り戻した。
口紅を元の場所に戻し、洗面台で何度も顔を洗い口紅の痕跡を消し去っていたのだ。

 

「おまたせ。」
と加奈子が出来上がった夕食をテーブルに並べた。
今の俺は「妻」なのだから、疲れて帰ってきた旦那様に夕食を作らせるなんて…とは思うものの、今まで料理などした事もない。
結局加奈子に頼るしかないのだった。

「ちょっと味が濃かったかな?この体の味覚にまだ慣れてないんだ。」
「そんな事ないよ。多分タバコを吸ってるから、味覚が鈍っているんじゃないかな?」
「タバコかぁ。イライラした時など無意識にポケットを探してたのはその所為かな?」
俺はタバコを切らしていた事を思い出した。
そう言えば、入れ替わってからこっちタバコを吸おうと思ったこともなかった。
「これを期に禁煙するのも良いかもな♪っあ、お前はタバコを吸っちゃだめだぞ。子供ができた時、胎児に影響がでるといけないからね♪」
と加奈子。
…胎児って…
もし、このまま元に戻らないと…
「俺が産む事になるのか?」
「そんな今すぐって話じゃないから心配する事ないよ。今までだってちゃんと避妊してきただろ?だから、子供を作るにはヤる事をやらないとね♪」
「ヤる事…って…」
勿論SEXである。
この状態でヤるとなると、俺が「受け」となるしかない。
加奈子に抱かれ「俺」のペニスを俺の股間に受け入れるのだ。
今の俺には、それを受け入れる為の器官が存在している…

「心配する事はないよ。ママやお義母さんを始め、世の女性逹の殆どが経験している事なんだから♪」
「いや、遠慮しとくよ。その女性だけの特典は加奈子のものだ。早く元に戻れるように頑張ろう♪」
「そ、そうだね…」
加奈子の気のない返事は、彼女は元に戻りたくないということなのだろうか…

 

 

寝室のベッドはダブルベッドである。
夫婦で枕を並べて寝たいと言われ、大きめのサイズを選んでいた。
だから、俺の隣には加奈子が横になっている。
「どうした?」
加奈子が半身を起こし、俺を見下ろしている。
それは加奈子ではあるが「俺」の肉体で「男」だった。
そして、今の俺は「女」である。今、ベッドの上に男と女がいる事になる。

(さっきの話を思い出してしまう)

「この状態、いつまで続くのかな?」
「耐えられない?」
「それはそうだろう?俺は男なんだ。女の真似なんかできるか。」
「真似なんかじゃないよ。君はもう女なんだ。女である事を受け入れてしまえば良い。」
加奈子の「受け入れる」という言葉が「肉体的」な「受け入れる」に重なる…
「頭から拒否しているから辛いんじゃないか?一度、女に成りきってみたら?」
「成りきる?」
「頭で考えないで、肉体の反応に素直に従ってみるんだ。少なくとも君は僕とキスをしている時はそんな感じになっているよ♪」
「何も…考えない?」
「そう。意識は五感に集中させ、極力抵抗しないようにする。できれば、その中から快感を探しだすんだ♪」
と、加奈子が俺の上に伸し掛かってきた。
唇が塞がれる。
ここまではいつものキスだったが、今夜は加奈子の手が動いてゆく。
(…)
パジャマの上から胸を揉まれた。
俺の胸には加奈子の…女のバストがあった。
「力を抜いて♪」
加奈子の指がゆっくりと動き、俺のバストを揉みあげてゆく。
チリチリと乳首がむず痒さを訴える。
「そう。素直にね♪」
パジャマのボタンが外され、加奈子の指が直に俺の肌に触れる。
「ぁっ…」
微かな喘ぎ声…それは、俺が何度もベッドの上で聞いた…加奈子の喘ぎ声が、俺の喉を吐いていた。
「ちゃんと感じてるようだね♪」
加奈子は俺の乳首を摘まむと、更に刺激を加えてゆく。
得体の知れない疼きが全身に広がってゆく。
(これが「女」の感じる快感なのだろうか?)
加奈子の体をずらし、その口に俺の乳首を咥えた。
その際、パジャマの上が手際よく脱がされていた。
加奈子の指が俺の肉体を撫であげてゆく。
性感帯というやつなのだろうか、触れられる度にゾクゾクする。
元々が自分自身の肉体である。どこが感じるかは加奈子は十分に把握しているのだろう。
加奈子の掌が太股を撫であげていた。いつのまにかパジャマの下も脱がされていた。

「ああんっ!!」
俺は一際大きな艶声をあげていた。
「これがクリトリスだよ。ペニスの代わりみたいなものだけど全然違うだろ?」
「な、何と言って良いか…凄い。」
「それに、お汁も大分出ているね♪」
「お汁って?」
「愛液って言った方が良かったかな?十分に濡れているよ。君は女として正しく反応しているようだね♪」
「濡れてる…って、この体は加奈子のものだから反応しているだけだよ。」
「じゃあ、この先も大丈夫だね?」
「この先って?」
「僕も男としての肉体に正直になりたいだけだよ。いつもやっていたコトだろう?問題ないよね♪」
(…っ!!)

俺には加奈子の行為を阻止する事はできなかった。
脚が広げられ、加奈子が伸し掛かってくる。
股間にソレが触れたかと思うと、ソレはぬっと俺の内に侵入してきた。
「ああ、加奈子のナカは最高だ♪」
そう言って加奈子は腰を揺すり始めた。
俺の膣の中を加奈子のペニスが擦りあげる。
「そして、ココがGスポットだ。」
その瞬間、俺はとんでもない叫び声をあげていた。
「どうだ?凄いだろ♪」
加奈子はそい言うが、俺は半分意識が飛んでいて、まともに返事ができなかった。
「ああ、加奈子♪君は何て可愛くて、淫らなんだ。僕は何度でも君をイかせてあげるよ♪」
加奈子が俺を責めたてる。
俺は女の快感に翻弄され続ける。
そして…

俺の膣内が加奈子の射した精液に満たされてゆく。

「加奈子。愛してるよ♪」
加奈子は俺のことを「加奈子」と呼び続ける。
この肉体は加奈子のものであるのだから、間違ってはいない。
快感に満たされながら、俺は「加奈子」と呼ばれる事に違和感がなくなってきた。
そして、何度目かの絶頂の後、俺は自分が「加奈子」であることを受け入れてしまっていた…

 

 

カーテンの隙間から朝日が溢れ落ちてきていた。
隣では加奈子=彼が寝息をたてていた。彼は俺の旦那様である。
旦那様を起こさないように、そっとベッドを抜け出し風呂場に向かう。
俺の…加奈子の肉体にこびりついた、昨夜の汚れを洗い流すのだ。
立ち上がると、膣内に残っていた彼の精液が筋を引いて内股を流れ落ちてゆく…
(俺達が避妊の手段を何もしていなかった事に気付くのは、もっと後になってからだった)

バスタオルでシャワーの水気を拭き取ると、新しいショーツとブラジャーを出した。
(俺がブラジャーをするのか…)
昨日、加奈子の服を着てみたのだが、女の体にはブラジャーが必需品であることを十分に感じる事になった。
今朝は躊躇わずに加奈子の下着を着け、スカートを穿くことができた。
ブラウスのボタンが男とは左右逆なのに戸惑いながらも、加奈子の服を一通り着終えた。
お化粧は次の機会に頑張る事にして、俺は加奈子のエプロンを着けて台所に入った。

勿論、料理などできる訳でもないが、トーストを焼き、コーヒーを淹れるくらいはできそうだった。
冷蔵庫にハムがあったので、何枚か取ると二つ折りにして皿に並べた。

トーストが焼きあがるのと前後して、旦那様が起きてきた。
「お早う♪今日の奥様は健気ですね。」
と俺を軽く抱き締めると、額にオハヨウのキスをしてくれた。
「卵は僕が料理するよ。」
と手際よくフライパンに卵を流し込む…
あっと言う間に皿の上に敷いたレタスの上に目玉焼きが乗っかっていた。

「気が向いたら料理を練習してみても良いと思うよ♪」

二人で作った朝食を食べ終わると彼がそう言ってくれた。
「今はまだ料理教室とかは無理だろうから、簡単な料理の入門書でも買ってきておくよ。」
俺はそう言う旦那様を、妻らしく玄関で見送った。

リビングに戻ると、テーブルの上に食べ終えた皿とコーヒーカップが置かれていた。
中身はどうであれ、俺は…加奈子は専業主婦なのだ。
主婦としては、テーブルの上も、台所の食器め洗って片付けなければならないのだろう。

エプロンを着け後片付けをする。
台所が終わると部屋に掃除機を掛けた。
が、主婦初心者であるので手際が良くないのだろう。気が付くと正午を大分回っていた。
昨日は朝ご飯の残りを食べていた。今日は残りものなどない。
パンも今朝のトーストで使い切っていた。
お米を炊くにしても、磨がなければならないのだろう。
それ以前に、炊飯器など触った事がない。使い方の解らないものには手を触れない方が良い。

冷蔵庫を探してみた。ハムはまだ残っているが、それだけでは何にもならない。
卵はあっても料理法を知らない。
茄子やきゅうりもあった。

その形状から、ふと「アレ」を連想してしまった。
そう…昨夜の俺は「オンナ」そのものだった。
股間に彼のペニスを受け入れ、快感に喘ぎ続けていたのだ。
ジンっと再び下腹部の奥が…子宮が疼きだした。
股間が熱を帯びている。
昨夜の快感が蘇る。
(挿れて頂戴♪)
俺は「加奈子」として旦那様にねだっていた…
(欲しいの♪)

目の前にあるきゅうりはさすがにイボが痛そうだ。
加奈子の化粧品の中に丁度良いスプレー缶があったのを思い出した。
冷蔵庫のドアを閉め、寝室に向かう。

ドレッサーの前でスプレー缶は即に見つかった。が、実際に見てみると、太過ぎたり短かったりする。
他にないか?と引き出しを開けてみた。
そこにはキラキラと様々なアクセサリーが並べられていた。
(綺麗…)
一瞬、当初の目的を忘れて魅入ってしまった。

が、本来の目的を思い出して他の引き出しも開けた。
次の引き出しには生理用品が入っていた。
(いずれ、これを使う日が来るのか…)
他に何か入ってるか?と見てみると、ゴロリと音がした。
そこにはスカーフのような布に包まれた棒状のものがあった。
取り出してみる…

(何でこんなモノがあるんだ?)

それはディルドゥ…所謂「疑似ペニス」であった。
(何で加奈子がこんなモノを持っているんだ?)
という疑問が沸くが、それ以上に
(何と丁度良いモノがあるんだ♪)
と驚喜する自分が居た。

俺は一気に服を脱ぎ、全裸となっていた。
ベッドに上がり、股間を開く。
既にソコには淫らな蜜が溢れていた。
ディルドゥの先端で股間に触れる…
「んぁん♪」
クリトリスが刺激され、快感が走り抜けてゆく。
「ああん、早く頂戴♪」
俺は加奈子に成りきって、そこには存在していない「俺」におネダリする。
(何が欲しいんだい?ちゃんと言わないとわからないよ♪)
「俺」にそう言われ、俺…加奈子=あたし…は…
「お…おちん…」
(何?良く聞こえないよ♪)
「あぁ、早く、貴方のおちんぼをあたしのナカに挿れてぇ!!」
(よし。わかった♪)
そう言って彼が体を重ねてくる。
ぬっと彼の硬いペニスがあたしの膣に侵入してくる。
「ああ~ん♪」
快感が広がる。
(いくぞ♪)
根本まで差し込まれたところで、ディルドゥのスイッチを入れた。
「ああっ!!…」
強烈な快感に喘ぎも止まってしまう…

 

 

「おや、早速ですか♪」
振り向くと旦那様がそこにいた。
「加奈子は淫乱女だと暗示を掛けておいたのですが、これ程とはね♪」
「暗示?」
「そう。加奈子は僕が想う通りになって欲しかったのでね。最も暗示に掛かり易い君に加奈子になってもらったんだよ♪」
「加奈子になる?」
「僕は加奈子でいるよりも、男として実力の世界で生きていたかったんだ。そんな僕の元に換魂丸とかいう薬が手に入った。」
「換魂丸?」
「文字通り、魂を入れ換える薬だ。…ああ、一度使うと魂に抗体のようなものができて、元に戻る事はできないそうだ。」
「元に戻る?」
「そうだね。今の加奈子は快感に飢えていてまともな思考ができなかったんだね♪」
「そう、欲しいの。いっぱい愛して♪」

あたしはあたしの前に来た旦那様のズボンを脱がすと、目の前にそそり立つペニスを手にした。
「やはり、本物の方が素敵っ♪」
あたしはソレを口に咥えると、心行くまで味わっていた。

 

 

 
加奈子…旦那様は俺への暗示を軽くしてくれた。
元に戻れない事は理解したし、戻ったとしても今の旦那様程会社で働く事はできないと思う。
無気力社員だった「俺」とは違い、程なく課長に昇進し、まだ若いのに部長への声も掛かっている。

それに、今のあたしには手放せないものができていた。
入れ替わって最初にシた時に当たったようで、あたしは生理を経験する前に、妊娠~出産を経験することになった。
今あたしの腕の中で母乳を飲んでいるこの子…あたしがお腹を痛めて産んだ…と、旦那様との幸せな家庭は、今はもう手放したくはない。

そう。あたしは今、幸せのただ中にいるのだから♪

 

無題

ボクが聞いているのはネットからダウンロードした「催眠音声」。
これは最近のボクのお気に入りで、聞いているだけで気持ちがリラックスする。
誰が何の為に作ったかなど無粋な事は言わずに君も聞いてごらんよ♪

何がヤバイんだって?これのお陰でボクは気分爽快で体調も良いよ♪
麻薬みたいに変な化学物質を体に入れる訳じゃないんだ。体に悪い訳ないじゃないか?
なんだったら裸になって見せてあげても良いんだぜ♪

裸にならなくても見れば判るって?だから、ボクは健康だって言ってるじゃないか。
何?胸が変だって?まあ、豊胸効果もあるって言ってたからね♪
でも、形は良いだろう?ブラなしでも垂れてこないんだよ♪

勿論、ブラジャーなんかしていないよ。ボクは「男」だもの。

本当に「男」かだって?以前、一緒に立ちションしただろ?
流石に今は小さくなって立ってする事はなくなったけど、おちんちんはちゃんとあるよ。
勿論、擦れば気持ちが良いし、高まればピュッと精液も飛び出て来るよ。

そりゃー、以前に比べれば透明に近いよ。って「潮吹き」じゃないかって?
~んと…もしかすると、おちんちんの先端からではなかったかなぁ…
おしっこ?座ってやってるから、出ている所なんて見てないよ。
ちゃんとおちんちんの先から出てるかって?改めて聞かれると不安になるじゃないか…

 

…き…君…の、言う通り…割れ目の奥に「穴」が…あった…よ…
どうしよう…
ボク…このまま女の子になっちゃうのかなぁ?

い、今でも十分女の子だって!?
ボクは「男」だよ!!

涙目で力説されても説得力ないって?
…だって、このスカート…可愛かったんだもの。衝動で買ってしまったんだ。
これを着て美容院にいったら、お姉さんがこの方が服に合うって…
ブラはしてないけど、下はスカートが捲れて見られても恥ずかしくないようにしているよ♪

く、口紅じゃないよ。リップクリーム!!
この色綺麗でしょ?
保湿クリームは塗ってるけど、これはお化粧じゃない…筈たよ…

 

催眠音声でいろいろ教えられたんだと思う。
元に戻れるかなぁ?

いや、別にどうしても…ていう訳でもないんだ。
このまま「女の子」でも…君が良ければ…
って、何するの?

 

 

初めてのキスだったんだぞ!!
責任は取るって?
だから…最後までってどういう事?
いやっ!!
そ、そこは…
中に入れないで!!

 

 

まだ、じんじんしてる♪
本当にセキニン取ってくれるんだよね?

じゃあ、もう一回っ♪

 

鏡に映っている「俺」の姿…

これは、本来の俺自身の姿ではない。
俺の胸は鍛え上げ、それなりの厚みを持っていたが、こんなに膨らんではいなかった。そもそも、これは筋肉ではなく、単なる脂肪の塊ではないか?
他にも違いはある。
俺の鍛え上げ、逞しい筋肉の盛り上げを見せていた腕や太股は、細くなり、肌も生っ白くなってしまっている。
更に、股間は…

 
鏡の中に写る「俺」は、どこから見ても「女」でしかなかった。

 

 

なぜ、こんな事になってしまったのか?
俺が気が付いた時には、既にこの部屋でこの姿にされていた。
それより前の記憶?…

 
白衣を着た気色悪い顔の男があたしの肌を撫であげていた。
「補修は完璧、仕上がりも上等だ。もうすぐお前を外に出してあげるよ♪」
そう言って白衣の男はあたしの脇に置いてある操作パネルからコマンドを入力してゆく。
あたしの頭に差し込まれたプローブが抜き取られてゆく。
栄養を補給したり、老廃物を廃棄したりする幾本ものチューブが外される。
肉体を拘束していたベルトが外れる…
(あたしは自由なの?)
「こっちに来るんだ。」
白衣の男に手を引かれ、あたしは隣の部屋に続く扉を潜った。
そこには機械を挟んで二つの椅子が並べられていた。
そのひとつは空いていて、もうひとつには…

「俺」が座っていた。

…これは…俺の記憶ではない。
この肉体が記憶している、この女の記憶なのだろう。
「あたし」は「俺」を「見知らぬ男性」として記憶していた。

 
あたしは白衣の男に誘導され、空いている方の椅子に座った。
「これから、お前に〈魂〉を与えてやる。これでお前は自らの意思で動くことができるようになる。」
そう…あたしは彼によって造られた合成人間なのだ。
魂のないあたしには「自由意思」はない。彼や他の「人間」の命令に従うだけだ。
あたしは「魂」をもらう事により自由意思を持った「人間」となれる。
自らの意思で行動することが可能になるのだ。

 

 

あたしは「彼等」に言われるがまま、ベッドに横になり、様々な男逹に抱かれるのが嫌だった。
SEXは良い。
あたしを気持ち良くしてくれるからだ。
だが、男逹は言われた通りにしか動かないあたしを「まぐろ!!」と言って蔑むのだ。
動かないのはあたしの所為ではない。あたしは言われた通りにしか動けないのだ。
あたしはそんな憤りさえ表情に出すことも許されなかった。

あたしは「魂」を得て「人間」になる。自由になるのだ!!

 
あたし…俺は肉体の記憶に引きずられてしまったようだ。
その「記憶」は、あまりにも生々しく、強烈であった。

造られた肉体は性奴隷として扱われていた。元々は「道具」でしかないが、道具を使えない人間はしばしば道具にアタる。
この肉体もそのような使用者に、一旦は破壊されてしまったようだ。
記憶にあった白衣の男に再生されたようだ。

 
そして今、「魂」を入れられたのであろう「彼女」は自らの意思で起き上がっていた…
(彼女の意思?)
いや!!これは「魂」の主…すなわち「俺」の意思だ。
この「肉体」の主である「彼女」には意思なんてないのだ!!
(本当にそうか?)
彼女の記憶には、彼女の「意思」のようなものが残っている。

俺が彼女に代わり、彼女のやりたかった事をしてあげたとき、それは彼女の意思で自らを動かした事になるのではないか?

俺はそんな事を考えながら、鏡の中の彼女=俺自身を見ていた…

 

 

「彼女」であれば先ず何をする?
彼=白衣の男を探すだろうか?
いや、その前に「服」だ。
(恥ずかしい…)
そんな感情が俺の中にあった。
他人…それも、異性の前に自らの裸体を晒すのは嫌だ。
例え、それが「あたし」を造った人物であっても…

だが、部屋の中に「服」はなかった。
仕方なく、ベッドに掛かっていたシーツを体に巻き付けた。
見ようによってはドレスに見えないこともない…

 
次の部屋に続く扉を開けた。

それは見覚えのある風景だった。
唯一の違いは、部屋の中に彼がいないことだけだろうか?

機械を挟んで椅子が並んでいる。
そのひとつは空いていて、もうひとつには…「俺」が座っていた。
さっきの記憶にあった、彼女が見ていた風景だ。
しかし、今のこの風景は記憶ではない。俺が動けば、即にでもこの「現実」に干渉できる。
俺は足を進めて「俺」の前に立った。

「魂」を抜かれた「俺」は、果たして「生きて」いるのだろうか?
近付くと、息をしているのが判る。が、意識はないようだ。
目は開いている。見えない訳ではないだろう…
まるで「魂」が抜けたよう…って、俺の魂は今、この女の中にあるのだ。
「俺」と「女」との立場が入れ替わっているよう…もしかすると「女」がそうであったように、今の「俺」は命令された通りに動くだけのモノになってしまっているのではないだろうか?
「立ってみて。」
「俺」に声を掛けると、素直に立ち上がった。

 
俺の目の前に日焼けした逞しい「男」の肉体があった。

 
どくりと心臓が大きく鼓動した。
女の肉体が反応していた。
女の…性奴隷として開発された肉体は、容易に「男」に反応してしまう。
下腹部に疼きが生まれ、膣が熱を帯びる。
陰唇から愛液が溢れ落ちてゆく。
(あたしを抱いて♪)
そんな命令を発してしまいそうになるのを、俺は必死で堪える。

胸の筋肉に魅とれていた視線を剥がす…が、その視線は次に彼の股間を捉えていた。
そこに在る、逞しくそそり立つペニスから目が離せない…
俺の「意思」は必至に阻止しようとしているが、ソレに俺の手が伸びてゆく。
俺の「細い指」が絡めるようにしてソレを掴んでしまう…
(覚えてる…コレはあたしを悦楽に導いてくれるモノ♪)
否!! 俺自身にそんな記憶はない。が、俺の脳はその時の快感を追体験していた。
(あの快感をもう一度…)
内なる欲求は更にエスカレートしてゆく。
(欲しいの♪)
濡れた股間をソコに近づけてゆく。
が、高さが違う。爪先立ちをして…さらに片脚を上げ…
「支えて。」
倒れそうになった俺に太い腕が伸びてくる…

ぬっ!!
そのタイミングで俺のナカにソレが填まり込んでいた。

俺の爪先は殆ど床に付いていない。
逃れようにも「俺」がしっかりと支えてくれている。
(俺は本当に逃れたいと思っているのか? 俺はこの状態に悦んでいないか?)

この感覚は記憶にあった。この状態で男が腰を振れば、更に快感が…
「腰を振れる?」
それが命令であると認識したようだ。「俺」は俺を抱え、支えながら腰を揺らす。
俺の膣の中でペニスが蠢き、俺に快感をもたらす♪

「ベッドに運んで。」
そう言うと、俺を抱えたまま、隣の部屋に向かう。
「後ろから突いて。」
俺は彼女の記憶にある様々な体位を「俺」に指示していた。
記憶にある快感を俺も感じている?

いや、いづれも気持ち良いが、いまひとつイく事ができない。
記憶にある快感には中々及ばないみたい。最も満足できそうなのは騎乗位かな?
ベッドに男を寝かせ、その上に跨がる。記憶ではあまり快感を得られない体位だった。
が、それは自分から動くことができなかったからなのだろう…
今は自ら腰を振れば、思った通りの快感が得られる♪
「んあっ、ああん♪」

もう少しでイけそうな感じ?
空いた手を胸に充て、バストを揉みあげる。
いつもは男の方が揉んでくれるのに、この木偶の坊は指示した事しかやらない!!
「あっ、あっ、あっ…」
それでも、もうすぐイけそうだ♪
「い、一緒にイける?」
そう言った直後、あたしの膣の中で男のペニスが膨らんだ。
「あっああーーっ!!」
男が射精すると同時にあたしも達していた♪
嬌声をあげ、全身で快感を受け止める。
(いつも通りの快感…)
微睡の中で快感の余韻に浸る。

でも、あたしは生まれて始めてこの快感を経験したような気もしていた…

 

 
カチャリと扉が開いた。
あたしは微睡の中から上半身を起こした。
「さっそくでしたか?」
それが、部屋入って白衣の男=センセイの第一声だった。
「一人にさせて済まなかった。服を調達するのに以外と時間が掛かってしまったんだ。」
と男は持っていた紙袋をあたしに手渡した。
「服を着る前にシャワーを浴びてくると良い。」
「はい。センセイ♪」
「その間にコレを処分しとくよ。命令した通りにしか動かないモノなんてつまらないだろう?」
「その分、センセイがシてくれるの?」
「いろいろ考えてはあるよ。」
「なら良いわ♪」
そう言って、あたしはシャワー室に向かった。
(今、お…あたしは何かトンデモナイ決断をしなかった?)
あたしの内でそんな声が上がったが、あたしには何の事かわからない。
この後、センセイがどんな風にあたしに快感を与えてくれるか?その事だけで頭が一杯だった♪

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