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2013年9月27日 (金)

召喚の魔法

…召喚の魔法…

偶然のようにして手に入れた魔法書であったが、そこに書かれている事を理解しようとすると、僕の事を嘲笑うかのように文字が踊りだす。
結局、僕がなんとか意味を捉えることができたのが、この「召喚の魔法」だった。

元々僕が「魔法」に手を染めたのが、恋人イナイ歴=僕の人生と言うお寒い状態から、手っ取り早く抜け出したかったからだ。
どんな娘でも僕に恋するようになる「ホレ薬」や本物の人間でなくても良いから僕の恋人になってくれるホムンクルスを作るとか…
いろいろ期待していたが「召喚」は想定していなかった。
が、考えようによっては良い選択だったかも知れない。
「ホレ薬」はその娘を強制的に僕の恋人にしてしまう事になる。その娘の人生を大きく狂わしてしまう事になるのだ。
ホムンクルスは正体が人間ではない。やはり本物の人間を恋人にしたい。
「召喚」であれば、呼ばれるなは人間である。条件として僕の恋人になってくれる娘としておけば、その事を強制する訳ではない。
(まあ、強引に呼び寄せるのだから、彼女にとっては困った事には違いないが…)

 

僕は「僕の事を理解し、僕に優しく、僕の言う事をきいてくれる。僕と恋人になってくれる可愛い娘。」を召喚する魔法を発動させた。

魔法陣から煙があがり、その中に人影が二つ?!

「無茶な条件付けるからだ。僕が二人存在する事になってしまう。僕か君が消えない事には、魔法が安定してくれないぞ。」
どうやら煙の中に居るのは男と女のようだ。そして男はもう一人の「僕」らしい。
(何でこんな事に?)
「考え込んでいる暇はないぞ。早く決断するんだっ!!」
そう叫ぶ男の声は確かに僕の声と同じ…
「早く!!!!」
だから、僕が二人いたらまずいんだろう?
でも、どちらも「僕」なんだ。だから消えるのは僕?

 

魔方陣の煙がゆらいだ。

煙は僕に迫り、僕を取り込む。
視界が煙に塞がれ…
次の瞬間、あっと言う間に煙は引いていた。

そして目の前に「僕」がいた…
「あっ…」
「僕」が片手でこめかみを押さえ、小さく叫んだ。
「それ程までに僕が彼女を望んでいたと言うことか?」

「な、何が起きたんだい?」
僕は独り言を呟く「僕」に声を掛けた。
彼は僕に近づくと優しく微笑んだ。
「取り敢えず説明できる所までだけどね♪」
何故か僕は彼を見上げる形になる。
「その前に、倒れても良いようにベッドに行こう。」
と、僕は「僕」に抱きかかえられた。
(これって「お姫様だっこ」?)
訳が解らないまま、僕はベッドの端に座らされた。
彼は勉強机の椅子に、いつも僕が座るようにして座った。
「何かの手違いで二つの身体が召喚されてしまった。初心者がニ体同時召喚を行うのは無理だというのにだ。さらに…」
その一体は「僕自身」だった。同一世界に同時に同一人物が複数存在する事は不可能ではないが、バランスが悪い状態を作り出すらしい。
バランスを欠いた魔法はいつ暴走してもおかしくはない。通常は魔法力の安定した空間を作り、そこに召喚するらしい。
魔方陣もそんな空間を作る一種であるが、所詮は素人が作ったもの。当然のように暴走した。
「…その結果、僕が残り、君は消えた。」
「でも、僕はここにいるよ。」
「まだ気付かないのですか?君は今、僕の恋人として存在しているのですよ。可愛い女の子としてね♪」
「僕が…?」
確かにこの声は僕の声じゃない。女の子みたいに甲高くなっている。
さっき、彼を見上げる形になった。それに簡単にお姫様だっこされた。身長も体重も女の子サイズなのだろう。
ようやく今になって、僕はスカートを穿いている事に気付いた。胸には大きな膨らみがあり、ブラジャーも着けているようだ。
(!!)
僕はスカートの上から股間に手を押し付けてみた。
「ナイ?…」

サーッと頭から血が引いていくような音がした。
目の前が真っ暗になってゆく…
………
……

 

 

僕は夢を見ていた。
それが「夢」なのは、僕が決して経験した事のないシチュエーションになっていることから断定できる。

僕は可愛い女の子と遊園地でデートしていたのだ。
さまざまなアトラクションを制覇し、ベンチでアイスを食べて小休止。
お化け屋敷で急接近し、肩を寄せ合ったまま静かな庭園を散策した。

陽が傾いてきた。
「あれに乗ろう♪」
僕が大きな観覧車を指差すと、彼女はコクリと頷いた。
ゴンドラがゆっくりと昇ってゆくのにあわせて太陽が西の空を降りてゆく。
空が一面、茜色に染まる。
「綺麗♪」
と彼女
「君の方がもっと綺麗だよ♪」
と僕
「えっ?」
と彼女が僕の方に振り向いた…
僕はにっこりと微笑む。
そしてゆっくりと顔を近づける。
ゴンドラが頂上に達するところで、僕は彼女の唇を奪った。
彼女はそんな僕を拒絶せず、受け入れてくれた。
ざらりとした舌が僕の内に入ってきた。
その舌に僕の舌を絡める。
ぎゅっと僕の肩が抱き締められた。
二人の身体が更に密着する…

 

ゴンドラが下降し始めると同時に、お互いの唇が離れてゆく。
僕はゆっくりと瞼を開いた。
僕の目に爽やかに微笑む「僕」の顔が写っていた…!?

 

 

「…ぉぃ…おい、大丈夫か?」
男の声に悪夢から目覚めた。
「かなり呻いていたようだが?」
「ああ、女の子とデートしていたら、突然体が入れ替わって、僕は僕に…男にキスされ…舌まで入れられていたんだ!!」
「ふ~む。それは正夢かも知れないね。もしくは君の願望♪」
「な、何で僕が僕とキスしなくちゃいけないんだ?」
「それは君が僕の〈彼女〉だからね♪」
その言葉に、ようやく僕は思い出した。
彼は「召喚」されてしまった僕自身であり、その所為で暴走した魔法力で、僕が僕の恋人…女の子になってしまったのだ。

「それに、夢は本当に悪夢だったかな?キスされて気持ち良くなってなかった?」
彼の言葉で夢の記憶を呼び覚ます。
包まれるような安心感…彼の暖かさ…優しさ…
そう。僕は彼を受け入れていたのだ。

何故なら…
僕は彼の恋人なのだから♪

 

「落ち着きましたか?」
「な、なんとか…」
僕を覗き込む「僕」の顔にはいまだ違和感があるものの、僕は女として彼を愛しているのを感じていた。
彼の顔が間近に迫っていた。
僕は期待して瞼を閉じた。
彼の手が肩に掛かり、僕を抱き締める。
唇が合わさる。
力を抜き、軽く口を開くと、彼の舌が侵入してきた。
僕はそれを受け入れていた。
彼は僕の愛する男性なのだ。
二人の唾液が混ざり合い、それを飲み込むと身体が火照り始めた。
あたしは愛する男性を抱き締めていた。
胸の先が硬くなっていた。
そのまま、二人の身体がベッドに倒れ込む。
彼の硬いモノがあたしの太股に触れた。
あたしはソコに手を伸ばしていた。
チャックを降ろし、彼のモノに直に触れた。
愛しさが膨れあがる。
あたしはキスを中断し、頭をそこに移動させた。

見慣れた筈の…でも、初めて見たような…彼のぺニスを目の前にしていた。
そして、躊躇わずにソレを口の中に入れていた…

 

あたし逹は恋人同士なのだから、こんなコトは何度もしているのだろう。
けど、あたしはこれを「ハジメテ」のように感じていた。
「あん、ああ~ん♪」
いつの間にか裸にされ、身体中の性感帯が責められてゆく。
あたしはその度に、淫声をあげて悶えまわっていた。

「じゃあ、いくよ♪」
全裸の彼が伸し掛かってきた。
あたしは脚を大きく広げ、彼を迎え入れていた。
破瓜の痛みが全身を貫いてゆく。
ハジメテじゃない筈なのに…

じゃあ、ハジメテはいつだった?
彼と付き合い始めたのが…いつだったっけ?
あたしの頭の中で、いくつもの記憶が錯綜する。
造られた記憶、記憶の矛盾を埋めるために造られた記憶、さらに上書きされた記憶…
どれが本当の「あたし」の記憶なの?

(いや!!全部が偽物だっ!!)

あたし…僕は男だ。
それも、目の前の彼こそが本来の「僕」自身なんだ。
僕は「僕」という存在を乗っ取られ、「彼女」の役割を押し付けられていたんだ。
僕は「彼女」が欲しかったんであって、「彼女」になりたかった訳じゃない!!

「何を考えているのかな?」
奴がニヤつきながらそう言った。
「こんな筈じゃなかった。彼女を抱きたかったけど、彼女として抱かれるなんて…とか思ってたんじゃないか?」
図星…
「何故、僕にそれがわかるかって?簡単さ。君は僕だったんだからね♪」
「…」
「でも、今の君は僕じゃない。君は僕の彼女…僕に抱かれて、あんあんと可愛く喘ぐ女の子だ♪」
「ぼ、僕は…」
「君はもう女の子なんだから、ボクはおかしいよ♪」
「僕は女の子じゃ…ぁあんっ…」
僕が女の子であることを否定しようとすると、彼が腰を突きあげる。
僕は条件反射のように快感に喘いでしまう…
「僕と繋がっていて、まだ自分が男だと言い張るのかい?」
「ぼ、僕は…」
否定を続けようとすると、彼は腰の動きを激しくした。
快感が快感を呼び、快感がどんどん積み重なってゆく。
「ぁあ…な、何?」
意識が軽く飛んでしまう。
「どうだい?イきそうかい?」
イく?って、女の子が性的な快感の絶頂に達するやつ?
僕が「女の子」として…
「イっちゃうの?」
「そうだ!!イっちゃえ~♪」
彼のペニスが僕の膣の中に精液を叩き込む…
「あん、あああ…ああ~ん!!」
これがイくってこと?
僕は嬌声とともに意識を失っていた…

 

 

僕は「僕」を召喚する。

暴走した魔法力で僕は「僕の彼女」として固定されてしまったようだ。
召喚されていた「僕」は、一定時間が経過するとどこかに戻ってしまう。
僕は彼の「恋人」なので、長時間離れていると逢いたくて仕方なくなる。
他の誰でもない「彼」でないとダメなのだ。
日一日と彼に逢えない事に堪え切れなくなった僕は「僕」を召喚する…

魔方陣に煙が上がり、人影が浮かぶ…
「ああ、逢いたかったわ♪」
僕は「僕」に飛び付いた。

彼に逢えない何日もの間に、僕は自分が何者であるかが曖昧になってゆく。
僕…あたしは、彼の「恋人」。単純にそれだけになる。
あたしは、彼の理想の恋人であろうと研究し、努力していた。
召喚された彼は、そんなあたしを可愛いと言ってくれる。
あたしの努力のご褒美に濃厚なキスをしてくれた♪
「愛してるよ♪」
その一言であたしはぼーっとなり、疼き続けたあたしの肉体は彼に捧げる準備もできあがっていた。
服を脱がされ、折り重なるようにベッドに倒れ込む。
あたしはもう、とろとろになって、快感を貪るように追い求める。

あたしは彼の「彼女」♪
彼の手で、あたしは何度も快感の高みに放り投げられる。
再び、彼が戻ってしまうまでの間、あたしは際限なく「快感」を追い求める…

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