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2013年8月14日 (水)

無題

「んあぁあ~ん♪」
艶かしいオンナの喘ぎ声がした…

 

またか…
俺は金縛りにあった身体を無理に動かそうとはせず、成り行きに委せるようにした。
もう何度目だろう?夢の中で俺は金縛りにあっていた。
いや、金縛りというのは正確ではない。俺は身体の自由を奪われているのだ。
夢の中で、俺の身体が勝手に動いてゆく…これも正確ではないか…
俺の意識は俺自身の身体ではなく、見知らぬ、この「女」の身体の内にあった。

女はいつも情事の最中であり、男に身体をまさぐられ、責められ、貫かれている。
その全ての感覚を女は快感として感じ、俺もまた同じ快感を強制的に共有させられるのだ。
俺はこの身体を動かす事ができない。俺に拒否権はなかった。
男に貫かれるだけでなく、女が自ら快感を求めて男に跨がる行為さえ俺にはどうする事もできず、女の快感に翻弄されるしかないのだ。

女は快感とともに淫声をあげる。
女と感覚を共有している俺もまた、彼女があげる淫声を聞き、発している喉の震えも感じている。
それが、膣を貫かれる快感とシンクロしていると、あたかも俺自身が快感に女のように声をあげてしまっているように感じてしまう。
「ああん、あん♪」
快感に声をあげるが、まだ快感が足りない。
「もっと激しく…おねがい♪」
俺は尻を突き上げ、バックから侵入してくる男との密着度を深めていた。
「んあっ!!そ、それ…イイ~♪」
ペニスの先端が子宮口を突付いていた。
俺はどんどん昇り詰めていった。
男も限界に達しそうにしている。
あと少し…
「っああ…イ、イク…」
「お、俺も…」
どくりと熱い固まりが俺の内に放出された。
それが、最後の一押しとなる…
「あっ、ああああーーっ!!」
俺は女とともに絶頂に達していた。

 

目が覚めると、俺は自分の部屋のベッドの中にいるのが解った。
金縛りは解けている。が、パジャマは汗でぐっしょりと濡れていた。
ズボンの股間は更に別のものでも汚れていた。が、夢精した訳ではない。そこを汚しているのは精液ではなく、女の愛液に相当するものだった。
所謂、ドライオーガスムというやつなのだろうか?
毎度の事なので、もうこの事で悩むのは止めてしまっていた。
俺は身支度を整えると家を後にした。

 

 

 

俺は電車に揺られていた。
たまたま空いていた席に座ると、一気に睡魔が襲ってきた。

尻をまさぐられる感覚に目が覚める。
いや、これもまた夢の中か?俺は座っていた筈なのに、吊革に掴まって立っていた。
いつもより吊革が遠く感じるのは、背の低い女の身体だからか?
電車が駅のホームに入り乗客の乗り降りがあった。その移動の間に、俺は閉じているドアの隅に押しやられていた。
その後ろに尻を触ってきた痴漢がピタリと寄り添っていた。
「お姉ちゃんイイ肉体してるね♪」
耳元に痴漢が囁いてくる。
巧みにこの女の動きを封じている。痴漢の手が胸を掴み揉みあげる。
密着させてくる下半身では、硬く奮った塊が太腿に押し付けられる。
「や、やめてください…」
女の抵抗する声はか細く、今にも消え入りそうだった。
「そんなコトいって…感じてるんだろ?乳首、勃ってるぜ♪」
ブラウスのボタンが器用に外され、痴漢の手がブラの中まで入り込んできていた。
痴漢の行為は他の乗客からは死角になっていて見られる事がない。
大声でもあげられれば、逃れる事ができるのだが、俺には声をあげることはできない。
女も声をあげられず、痴漢の為すが儘にされてしまう。

女の身体は確かに快感を感じていた。
感覚を共有している俺には手に取るようにわかる。下着に染みが浮かんでいた。
「敏感なんだね♪もう濡れ始めているじゃないか…」
痴漢の掌が内腿を滑り上がり、彼女の股間に達していた。
「むむん…」
快感に喘ぎ声をあげそうになって、彼女は必死に堪えていた。
俺の頭の中では、はっきりと(ああ~ん♪)と響いている。
我慢せずに快感に身を委せてしまった方がどれ程感じられるだろう?
身を捩り、痴漢が俺の股間をもっと弄り易いようにしてやりたかった。
(ああん♪ソコ…もっと激しくぅ♪)
俺は痴漢に届くように声を掛けてやりたかった。
が、女は堅く口を閉ざし快感を無言で耐え続けていた…

ガタン

車両が揺れた。
痴漢の手が離れる。
(ぁあん♪)
物欲しげに俺は喘いだ。
ブレーキが掛かり、電車は次の停車駅に辿り着く。
彼女が居た側の扉が開き、人の流れに押し出されてゆく…

はっ…
俺は目を覚ました。
俺は電車のシートに座ったままだった…

 

 

 
不意に股間にモノが挟まる感じがした。
俺は今、まだ起きている!!しかし、夢の中と同じように、彼女の快感が俺に伝わってきたようだ。
胸が掴まれた。どうやら男は背後から彼女を責めているようだ。
「ぁあん♪」
快感に自然と喘いでしまう…
が、その声は「俺」の喉を通って発っせられていた。
周囲の視線が「俺」に向かう。
俺は逃げるようにしてその場を後にした。

が、彼女の行為はその間も続いていた。
その間、俺に快感を与え続けている。そして、快感はどんどんエスカレーションしていった。
実際に「俺」の肉体を責められている訳ではないのだが、快感に膝ががくがくし立っていられなくなる。
もし、このままここで意識を失ったら、俺の肉体はさっきのように女の喘ぎ声をあげ続けてしまうのだろうか?

目の端にカラオケボックスの看板が写っていた。
俺は気力を振り絞り、その店に向かった。
ドアを閉め、崩れるようにソファに倒れ込む。
「ぁあ…ああああっ♪」
彼女の快感にシンクロして、俺の口からも喘ぎ声が漏れる。
ここでなら誰に聞かれる事もない…俺は張り詰めていた緊張を解き、彼女から届く快感に身を委せた。
胸が男の愛撫に熱を帯び、乳首が疼いている。
男を受け入れている股間はとろとろに蕩けているようだ。

ズボンのベルトを外し、パンツの中に手を差し込んだ。
そこは既に愛液に溢れていた。指先に愛液が絡み付く。更にその奥へと指を伸ばす。
既に彼女の膣には男のモノが納まっている。俺は彼女と同じ快感を追い求めていた。
一本、二本と俺の指が咥え込まれていった。少しもの足りないが、かなり彼女に近づいていた。
空いた手で胸を揉みあげる。勃起した乳首を摘まみあげる。
「んあ!!っ、ああああ~ん♪」
俺は彼女とともに昇り詰めていった…

 

ふ~う…と息を落ち着かせる。
既に、彼女とのリンクは絶たれていた。が、俺はまだ快感の余韻に浸っていた。

俺はまだ、股間に指を差し込んだままだった。
もう一方の手も乳首を弄び続けていた…
(?)
どういう事だ?
愛液に濡れた股間には、俺の男のシンボルの存在が確認できなかった。
蕾のような乳首の下にはバストが膨らんでいる?

慌てて股間の指を引き抜くと、平らな胸をした「俺」の肉体が戻っていた。

 

 

 
気が付くと、俺は街を歩いていた。
いや、歩いていたのは彼女で、俺はその内に目覚めたのだ。
男に抱かれている訳ではないが、股間からは鈍い唸り音があり、膣の中で蠢くものがあった。
ローター?
勿論、俺は体にローターを突っ込まれた経験などない。ただ、これまで見聞きした情報からそう判断しただけだ。
彼女が歩いている場所には見覚えがあった…と言うより、ここは俺の家の近くである。
彼女は真っ直ぐに目的地に向かっているようだ。その先は図らずも俺の家の方向…
いや、彼女は真っ直ぐに俺の部屋に入ってきた。
ベッドの上には「俺」が転がっていた。

彼女はその場で服を脱いだ。
下着も取り、全裸となっていた。
そして、ベッドの上の「俺」に覆い被さる。股間からローターを取りだし、代わりに勃起した「俺」のペニスを咥え込んだ。

が、十二分に開発された彼女の肉体は、それだけでは殆んど快感が感じられなかった。

「もっと欲しい?」
彼女が聞いてきた。
「こんなんじゃ物足りないわよね?もっと激しい快感が欲しいと思わない?」
俺はもう、彼女の肉体で何度もイかされていた。だから、この程度では満足できないのは彼女の言う通りだ。
子宮が疼き、快感を欲している。既に火の付いた肉体は、一度イかなければ鎮まることなど許されないのだろう。
「じゃあイかせてあげるから、貴方の体を借りるわね♪」

次の瞬間、この肉体から彼女の存在が失われたような気がした。
そして、閉じていた筈の「俺」の瞼が開かれた。
腕が伸び、俺の腰を安定化するように添えられると…
ズンッと突き上げられた。
俺の内でペニスが更に硬く、太くなっていた。
強烈な刺激が俺を襲う。
「あっ!!ああっっ!!」
俺の叫びはそのまま女の口から溢れ出ていた。
「そら、もっと可愛い声で啼いてみな♪今なら女の声で思いきり喘げるんだぞ。」
俺の下で「俺」がにやりと笑った。
それは、俺が今、彼女自由に動かすことができると言うことだ。俺なりに、もっと快感を得られる体位を取れるということ…
だが、主導権は「俺」の方にあった。
俺は快感に翻弄され、自分の意思を形作ることが難しくなっていた。
命じられるままに体位を変えてゆく。が、それは新たな快感の始まりでしかなかった。
次々と襲い来る快感に、俺は成す術もなく、艶やかな喘ぎ声をあげ続けるだけだった…

 

俺はベッドに寝ていた。
肉体はまだ彼女のままだった。
股間から鈍い唸り音がする。
「その肉体が快感を感じていないと維持できないからね。」
と彼が俺の疑問に答えてくれたが、今の俺には殆んど理解できなかった。
「出掛けるから服を着るんだ。」
と彼女の服の一式が渡される。膣の中で蠢いているローターをそのままにショーツを穿いた。
ブラジャーは背中のホックがなかなか止まらない。見かねて彼の手が伸びてきた。
彼の手は更に、ブラのカップの中にまで入ってきた。
「少しは形を整えるくらいの気を使うもんだ。」
そう言って周囲の肉を寄せ集めるようにして形を整えた。
服を着終えると次は化粧だった。当然、俺一人でできる訳がない。彼の手で俺の顔に様々な化粧品が塗り込められていった。
「じゃあ行こうか♪」
と外に連れだされた。

 

行き先は以外と近かった。
そこは俺の住処よりかなり高級なマンションだった。
部屋の中は見覚えがあった。
彼女はこの寝室で男に責め続けられていたのだ。

「今日からお前がここの住人だ。せいぜい可愛がってもらうんだな♪」
「俺」はそう言うと、俺を残して出ていってしまった。
慌てて後を追いかけたが、何故か俺は扉の外に出ることができなかった。

(これの所為か?)
と股間からローターを抜き取ったが、状況が変わる事はなかった。
そのまま夜になる…

「待ち遠しかったかい?」
いつの間にか男が現れていた。
「さあ、始めようか?」
俺は何の抵抗もできないまま、裸にされていた…

 
「んあぁあ~ん♪」
艶かしいオンナの喘ぎ声が部屋の中に響く。

 
俺は毎夜、この部屋で男逹に抱かれていた。
気がつくと朝…昼近くなっている。
快感の余韻に浸っていると、即にまた夜がやってくる…
俺の肉体にオンナの快感が休まる事はなかった。

 

 

 

そんなある日、部屋の中に第三者の気配を感じた。
それは俺の内側に在るように感じられた。俺と一緒にオンナの快感を共有しているような…

俺はそいつに最大限の快感を教えてやる。逃れられない甘美な罠に誘い込んでやるのだ…

淫魔

「ほら♪咥えてみろよ!!」
そう言って、美味しそうな肉棒が突き出された。
以前のボクだったら、この強烈な臭いに顔をしかめていただろう。
しかし「サキュバス」となった今、その臭いを芳香と感じ、頭の中が蕩けてしまう。

 

そう、ボクは今「サキュバス」にされていた。

 

 

 
ボクの前に現れた悪魔が言った。
「お前。魔の力を欲したな?」
ボクはこくりと頷いていた。
ボクは毎日のようにイヂメにあっていた。使われていない第二実験棟にボクを呼び出す。授業中もお構い無しだ。
教師は「何も見ていないぞ」と無言の意思表示を続ける。
仕方なく奴等の所に行けば「つまみを買って来い!!」と缶ビールを手にボクに命令する。
もちろんお金はボクの小遣いから出ていく事になる。

で、買ってきたものが気に入らないと、ボクを殴って憂さ晴らしをする。
気を失っていたボクが目を覚ました時には、そこには誰も居ず、奴等の散らかした跡を片付けてから夜の学校を後にする…そんな日々の繰り返しだった。

 

ある日、ボクの前に突然悪魔が現れた。
そいつが言うように、魔の力でも良いから強力な力があれば、ボクは奴等の言いなりになんかならない筈なのだ。
「何でも良いです。奴等に仕返しができるなら、どんな力でも良いんでボクに下さい。」
「お前が人間を止める事になっても良いのだな?」
「はい。」と即答する。
「では、お前が本当に力を欲したとき、お前にサキュバスの力を与えてやろう…」
その言葉とともに、悪魔はボクの前から消えていた。

 

「また、こんなモノを買ってきおって!!」
またしても奴等の逆鱗に触れてしまった。
勢いに任せた拳がボクに向かって飛んできた。
ボクは悪魔に届くように叫んだ。
「力を!!今こそサキュバスの力をボクに下さい!!」

次の瞬間、ボクは光に包まれていた。
着ていた服が弾け飛ぶ。頭から角が生え、ボクは悪魔に…サキュバスに変身していた。

 

…って、何でボクは女の子になっているの?

変身したボクは悪魔の特徴を有していたが、それより顕著なアイテム…むっちりと膨らんだバストがボクの胸に存在していた。
「サキュバス…淫魔の女性体。男性に淫らな快感をもたらし、その精力を食する者…」
奴等の中の一人、ヲタクを体現したような奴が知った風にコメントする。
「サキュバスは己の欲求を満たす為には男の言うことは何でも聞く筈です。」
その言葉に奴の目がギラリと輝いた。
「本当か?ならお前の着ている服を脱いで全裸になれ。」
ボクはその言葉に抗うことができなかった。
「ほ~♪本当にオンナになってるんだ。」
奴等の視線がボクの股間に集中する。
「床に座って脚を広げろ。もっと良く見せるんだ♪」
ボクの股間から男性のシンボルが消えているのは解っていた。が、そこに男逹の視線が集中していると意識してしまうと、恥ずかしさに身体が火照り始める…
たらりと太腿を濡らすものがあった。
「お、おい♪こいつ濡れてやがるぜ!!」
奴等の一人が目敏く指摘する。
いや、気付いたのは一人だけではないだろう。奴等の下半身が硬く膨らんでいるのが確認できた。
「本当に欲しそうな顔をするんだな♪」
奴がズボンのチャックを降ろしてボクの前に立った。
「ほら♪咥えてみろよ!!」
そう言って、ボクの前に勃起したペニスを突き出した。
「お、おい。正気か?こんな姿をしてても、こいつは男なんだぜ?」
「これだけ可愛けりゃ、関係ないさ。第一、こいつには男を待ってるお○んこがあるんだぜ♪」

咥えて良いと言っていながら、いつまでまたせるんだ?
ボクは奴のペニスから目が離せず、あと少しの所で「お預け」を喰らわされ、気も狂わんばかりだった。

「良いぜ♪」
ようやく奴が咥えることを許してくれた。
ボクはそれを一気に口の中に放り込んだ。

「ち、ちょっと…」
奴がボクを制止しようとしたが、それより早く「どくっ!!」と熱いモノがボクの喉を通過していった。
一瞬の早業で奴は絶頂に達し、精液を放出させられた。が、肉棒はまだ硬く屹立している…
いや、放出直後に一瞬萎えたのだが、ボクの魔力で即に勢いを取り戻させていたのだ。
そして、2発目、3発目を立て続けに戴く。
段々濃さが薄まっていくがお構いなしだ。
奴は立っている事ができず、その場に膝を落とした。
ボクは口から奴のペニスを離さず、彼を床に転がすとその上に体を重ね、最期の一滴まで絞り取ってしまった。

 

干からびたミイラのようになった奴の体から離れる。
奴の命が尽きているのは誰の目にも明らかだった。
「ねぇ、次を頂戴♪」
廻りの奴等は金縛りにあったように動けないでいた。
奴等の股間を眺め、一番逞しそうな奴に声を掛けた。
「良いわよ。犯らせて、あ・げ・る♪」

奴は恐怖に顔を引き吊らせながら、ボクの前にやってきた。
「慌てないで♪先ずは服を脱いで頂戴。」
ボクがそう言うと、目の前に来た奴だけでなく、周りを囲んでいた奴等も全裸になっていた。
「他の人逹はちょっと待っててね♪」
そう言って、目の前の奴を引き寄せる。
奴はボクに覆い被さるようにボクの上に倒れ込んだ。
奴のペニスの先端がボクの股間に触れた…
するりとソレはボクの中に入ってきた。
「んぁん♪」
ボクは喘ぎ声をあげていた。
これがボクの声?それは艶っぽく、官能的な声だった。
周りの男逹のペニスが一層硬くなったみたいだ。

ボクに挿入した男がピストン運動を始める。
何これ?凄く気持ち良い…
快感を感じているうちに、男は限界に達しボクの膣に精液を放出した。
それはそれで美味しいのだが、こちらはまだイッていないのだ。
更にこいつから精を絞り取ることもできたのだが、周りにはまだ他に男がいる。
続けて摂ると薄くなってしまうようだ。ここにはまだ濃いいのが残っている。
ボクは次の男と交代させた。

一巡りした中でボクも何度かイくことができた。

 

 

 
第二実験棟はボク逹の溜まり場になった。
もうイヂメはない。イヂメられていたボクが支配者になったからだ。
放課後はボクのお食事タイムだ。ボクは皆から美味しい精をもらい、ボクは彼等に極上の快感を与えてやる。
死なない程度にしていれば、教師は何も言わない。
「さあ、今日は誰から?」
ボクは制服のスカートを捲り上げ、ノーパンの股間を彼等に見せつけてあげた…

制服を着て…

 

 


「…」

暫く、もう一度考えてみる。

 

やはり、内側から沸き起こる欲求を抑えることはできなかった。

ボクはマウスをクリックしていた…

 

 

 

数日後、品物が配送されてきた。
ボクがクリックしたのは通販サイトの購入ボタンだった。
もちろん、配達人が包みの中を知る筈もない。が、ボクは顔を真っ赤にして受け取りの印を押していたに違いない。

ドアの鍵を閉め、カーテンを閉じ、誰からも覗かれていないことを確認して、ボクは包みを解いていった。
初心者パックという事で、本体のパッケージの他に無愛想な大きめの段ボール箱が入っていた。
本体の方は可愛い女の子の立ち姿が大きくプリントされている。
先ずは本体のパッケージを開いてみる。
ビニールの袋の向こうにパッケージに描かれたものと同じ女の子の顔があった。
袋を裂き、中のものを取り出す。彼女の顔の後ろに折り畳まれていたものを広げる。
肌色の全身タイツのようなもの…顔を支えていた補助材を外せば、それは全身タイツそのものだった。

勿論、ボクはこれを着るために買ったのだ。
背中のファスナーを開く。特に問題は見られない。
ボクは全裸になり、その中に足を入れた。

男と女では体型が違う。何より設定でも身長差が20cmもあるのだ。
最初はきつくなると思っていたが、かなり伸縮性があり、難なく手足も収まってしまった。
彼女の頭の部分を後頭部から広げ、ボクの頭をその中に押し込んだ。
目鼻の位置が重なるように調整すると、何の障害物もなく「見る」事ができた。
鏡を置いておけば良かったと思う。即に今の自分の姿を見れたからだ。
仕方なく風呂場に向かう。
洗面台の鏡を覗き込んだ。

目の前に「彼女」がいた。
3D…リアル…等身大の彼女がそこにいた。
全身タイツはピタリとボクに貼り付き、本物のボクの皮膚のように感じられた。
背中のファスナーも自然に閉じられたようだ。
気がつかないうちに手足が絞り込まれ、彼女の細い手足が再現されていた。
逆に胸にはどこからかかき集めてきたのか、ずっしりとしたおっぱいが存在していた。
手を持ち上げ、そこに在るおっぱいを掴んだ…
(!!)
ボクの胸からおっぱいを掴んできた手の指の圧力を一本一本感じる事ができた。
そればかりではない。
20cmあった身長差がなくなっていた。
ボクの身体が20cmも縮んでいたのだ。

たぶんスリーサイズも彼女と同じになっているのだろう。
部屋に戻り、初心者パックに付いてきた段ボールを開けてみた。
そこには女の子の普段着の衣服が一揃いと、パッケージと同じ「制服」が入っていた。
先ずは下着を手に取る。
白いショーツを手に取り穿いてみた。
ピタリと肌に触れる感触は男のものとはだいぶ違った。
次にブラジャーを手にした。
肩紐を掛け、背中のホックに手を伸ばす。普段のボクなら届きそうもない場所にも難なく手が届いた。
カップの中におっぱいが収まると、何となく気分が落ち着いた。

白いキャミソールを被り、制服のブラウスに腕を通した。
男とは袷が逆なので、ボタンを止めるのに手間取ってしまった。
パッケージを見ながら首にリボンを結わえた。
洗面所の鏡で確認した。
白いソックスを履く。
黒のローファーは部屋の中で履く訳にいかないので、玄関に持っていった。

「ふう…」

溜め息を一つ吐いた。

ボクが今、手にしているのは「スカート」だった。
下着はどさくさに紛れて着てしまったが、今は大分気持ちが落ち着いている。
ここまできて何を躊躇っているのか?と言われそうだが、男のボクがスカートを穿くという事は、完全に「女装」するという事なのだ。
(下着はどさくさ紛れだったし、外からは見えない所だからノーカウントだ…)

ごくりと唾を飲み込み、スカートに足を通した。
腰まで引きあげ、ブラウスの裾を中に入れ、フックを掛け、ジッパーを上げた。
再び洗面所の鏡に向かう。
(…)
あれだけ悩んだスカートであるが、鏡に映してみれば、女の子の制服の一部でしかなかった。
何の事はない。今のボクは「彼女」なのだから、スカートを穿いても女装とは言えないのだ。

 

そう。今のボクは「女の子」なのだ。
胸にはおっぱいがあり、さっきは良く確かめなかったが、股間におちんちんは存在しないのだ…
では、ボクはどこまで女の子なのだろうか?
おっぱいに触れた時は確かに触られた感じがしたし、今もブラジャーが触れているのを感じる。
声は?
「あ、ああ~。」
ボクの声じゃない。甲高い女の子の声だ。

ボクはスカートの上から股間に触れてみた。
いや、触らなくても解っている。そこにおちんちんはないのだ。
が、どこまで女の子になっているの?
たかが全身タイツ…と思っていたのに、膨らんだ胸は偽物なんかじゃなかった。
とすると、股間も?

その時、ボクのお腹の中で「ジッ…」と音がしたような気がした。
股間が暑くなり、蒸してきた。
お腹…下腹部の奥で何かが起きていた。
何かが滴り落ちてくる。
もしかして、女の子の愛液?

ショーツが湿り気を帯びていた。
ボクはスカートの中…ショーツの中に手を入れていた。
指先が女の子の割れ目を捉えていた。
勿論、そこにはおちんちんなどない。
更に奥に進めると、指がぬめりとした湿り気を感じた。
その先には、奥に通じる穴があった。
ボクはその穴に指を入れてみた。
暖かく、ぬめぬめして…
「ぁあ♪…」
ボクは喘ぎ声をあげていた。
これまで経験したことのない快感に襲われた。
ボクはその快感をもう一度感じたくて、穴に入れた指を蠢かした。
「んあっ!!何コレ?だ、駄目…止まんなくなっちゃう!!」
次々と襲ってくる快感にボクは指を止められなくなっていた。
快感はどんどんエスカレーションしてゆく。
「す、凄い!!」
快感で頭の中が真っ白に染め上げられていった…

 

 

気が付くとボクはベッドの上にいた。
指はまだボクの中にあった。
今、ボクは女の子としてイッたの?

それ以外の回答は見つからなかった。
これからどうしよう?
もう一度イッてみたい気もしたが、病み付きになりそうで怖かった。
せっかく女の子になったのだから、この姿で外に出てみる?
これは女装じゃない。この姿を見てだれも「ボク」だとは思えない筈だ。
じゃあ行く?
そうしよう♪…と決まったが、さっきのオナニーでショーツは濡れているし、服もしわくちゃになっていた。

もう一着あった普段着に着替えた。
セットになっていたポシェットの中にピンクのリップクリームが入っていたので付けてみた。
踵の高い女の子のサンダルを履いて外に出てみた。

 

お腹が空いたので、喫茶店でサンドイッチを食べた。
何故かいつもの珈琲ではなく紅茶を頼んでしまっていた。まあ、この姿の女の子には珈琲より紅茶の方が似合うから良いか♪

街を歩くと、普段は目にも止めないショーウィンドウの中が気になって仕方なくなっていた。
そこには基本的に、女の子の喜びそうな服やアクセサリーが展開されている。
あの服をこの姿のボクが着てみたらどんな感じになるのだろう。
あのバックって似合うかしら?
ピアスもしてみたいわね♪

そして、男性がまずは足を踏み入れられないランジェリーショップの前にいた。
そう言えば、段ボールに入っていたのは2組の服で、もちろん下着も2セットしかなかった筈…
と、ボクは無意識のうちに禁断の領域に足を踏み入れていた…
カラフルな色使い、様々なデザインに圧倒されてしまった。
店の人にサイズを測ってもらうと、お薦めを何点か持ってきてくれた。
大きなフリルの付いたブラは胸元の開いた服で見えても可愛く見えるようになっているらしい。
セクシーなランジェリーも気になったけど、誰の為になるのだろう?
ここは年齢相応に健康的なパステル調の大人しいデザインが良いかも…
って、ボクが店を出るときには、商品が詰め込まれた紙袋を手にしていた。

財布の中も心許なくなっていたので、これ以上ココを彷徨いていては危険、と家に帰ることにした。

(?)

ボクの家ってどこだったっけ?
頭の中に二つの場所が浮かんでいた。
ひとつは花柄のカーテン、壁には男性アイドルのポスター、ベッドのまわりにはぬいぐるみが並んでいた。
もう一方はモノトーンの閉めっぱなしのカーテン、壁には少女アニメキャラの等身大ポスター、ベッドのまわりにはUFOキャッチャーでゲットした得体の知れないぬいぐるみが転がっていた。
一瞬、どっちがボクの部屋か判らなかった…

 

 

何なんだろう、あの女の子の部屋の記憶は?
その時はそのままスルーしてしまったが、何かの折りにふと「女の子の記憶」が甦ることがあった。
そう。ボクはその晩になっても彼女を脱がずにそのまま寝てしまっていた。
その次の日も「彼女」のまま、一日を過ごしていたのだ。
そんな中で時々彼女の記憶が目を醒ます…

朝起きて制服が目に入った。脱ぎ散らかしたまま。ブラウスはしわくちゃになっている。
何で吊るしておかなかったんだろう?
けど、今日は日曜だもの。学校はお休みだったわね♪
と、服をハンガーに吊るし、汚れた下着を洗濯機に放り込んでいた。
その時イメージしていた「学校」は、これと同じ制服を着た娘に満たされていた。

しわくちゃのブラウスにアイロンをかけていると、学生鞄の中が気になってきた。
確か、英語と現国のノートは入れてあった筈。月曜の授業には間に合うわね♪
…い、いや…「ボク」の月曜の時間割りに現国は無い!!

お昼ご飯何にしよう?と冷蔵庫を漁る。もともと大した物が入っていなかったが、更に閑散とした感じがした。
うちの冷蔵庫ってもっと大きかったんじゃない?あたしの好物のヨーグルトがないなんて信じられない!!

 

結局、近くのスーパーに買い出しに出掛けていた。
勿論、お気に入りのヨーグルトもゲットしている。
お昼は出来合いの素麺にした。隣にあった冷やし天婦羅蕎麦に一瞬手が伸びたのだけど、カロリー表示を見て手が止まってくれた。
ちゃんとした天婦羅のお店以外の天婦羅など食べたくない筈なのに、どうしちゃったんだろう?

 

何かがおかしい気がするけど、それが何なのかが一向に判らない。
そんなモヤモヤを抱えながら夜を迎えていた。

夜ご飯はパスタを茹でた。
やはりひと手間入った料理は味が違う。あたしが作ったからという訳じゃないのよ♪
アイドルの出ているテレビをチェックする。ナオミ逹も見ている筈だ。
あの外したギャグは話のネタになるわね♪

…ナオミって誰?

クラスの娘よ♪席が近いからよく話をしてたじゃない?
…そう言われればそんな気もする
何かモノ忘れが激しくない?もしかして、自分の名前も忘れてたりして♪
…自分の?
そうよ♪あたしの名前。思い出せる?
…ボク…あたしの名前?
工藤優菜でしょ♪

そう…あたしは工藤優菜だ。
何で思い出せなかったんだろう?
けど、自分の名前を思い出せた事で、何か吹っ切れた気がした。

 

 

晴れている月曜の朝は気分が良い。
あたしは制服を着て部屋をでた。
…て、何であたしはここにいるのだろう?あたしの家はもっと離れた所の筈…

「優菜♪おはよう!!」
声を掛けてきたのは尚美だった。
「どうしたの、こんな所で?」
「ぁ、うん。ちょっとね♪」
「まあ、優菜の事だからそんな所ね。今日は学校行くんでしょ?」
「ぁ、うん…」
「じゃあ、一緒い行こう♪」
と、あたしは尚美に手を引かれて学校に向かった。

 

退屈な授業に飽きていた。
たしか、あたしは我慢できずにこの生活を放り出した筈…
そう、あの男は言っていた
「君の替わりをしてくれる人がいるから、君はもう退屈な学校になんか行かなくて良くなるんだよ♪」
何であたしはまた学校なんかに来ているんだろう?

あたしは学校の帰りに、あの男の所に行った。
「ああ、また来てしまったんだね?」
「また?」
「いや、君には関係ない事だよ。じゃあ、君の皮をもらうから、服を脱いでもらおうか?」
男性の前だというのに、あたしは躊躇いもなく服を脱いでいった。
下着姿になると、男はあたしの後頭部に指を立てた。
プチンッと何かが弾けるような音がして、あたしの背中がツーッと割れていった。
「さあ、脱いじゃってくれないかな?」
男の言葉に「皮」から手足を抜き取る。完全に裸状態になってしまったのに気付き、慌てて皮に絡まっていたショーツを着けた。
男はあたしの裸体には関心がないようで、剥ぎ取った皮を丁寧に畳んでいた。

あたしが残りの服を着ようとすると
「制服はそのままにしておくんだ。向こうに着替えが用意してある。」
と顎で指図する。
あたしは仕方なく、言われた方に向かう。
男はあたしの制服も綺麗に畳んでいた…

 

 

(今回も喰われてしまったか…)
男は出荷準備を始めながら独り愚ちていた。
まあ「皮」も「女」も元手を掛けずに売れるから助かるが、俺の趣味的には男の意識を残したままの「女」を犯りたいのだがな…
と、男は新たな注文が来ていないかPCの画面を覗き込んでいた。

 

竜騎士

僕は竜騎士に憧れていた。

しかし、竜騎士になれるのは女性だけと決められていた。
勿論、竜騎士の養成所に入れるのは女の子だけだ。また、養成所に入ったからといって、全員が竜騎士になれる訳ではない。
多くの女の子逹が泣きながら中途で養成所を後にしなければならないのも事実だ。

 

竜騎士になれないまでも、竜に跨がり颯爽と竜騎士のように空を飛んでみたい…僕は竜騎士の鎧を纏い空を翔る自分の姿を想像していた。

いや、僕の願望は想像では済まされない域にまで達していた。
前の年の夏休みは、自分用の竜騎士の鎧を手作りした。
今年の夏休みは、これを着て竜に跨がるのだ。

もちろん、テーマパークには竜の自動人形があり、本物そっくりの鎧を貸してくれて、決められた空間をぐるりと廻り竜騎士の気分を味わうことのできるアトラクションはあった。
が、僕が向かったのは人里離れた山奥だった。
そこには野生の竜が生息していたと言われている。

現在、竜の全ては人間の管理下に置かれ、野生の竜などは一匹もいない事になっている。
が、竜は賢いのだ。
黙って人間の管理下にいられない竜がいてもおかしくはない。
人間にみつからないように隠れていられる知性を持っているのだ。が、子竜がたまたま誤って人間に見られる事がある。

この山には度々そんな目撃談が生まれていた。
勿論、全ての目撃情報は政府の手で「誤認」のレッテルを貼られる。政府の役人が追調査しても、竜の痕跡さえ掴えられないのだ。

しかし、僕には確信があった。
ここには野生の竜が生息していると…

 

 
そこは「竜の谷」と呼ばれている所だった。
その奥まった所にある泉の畔にテントを張り、ここを拠点に竜を探すつもりだ。
2週間を期限と決めていたが、装備は3週間分を用意してある。いざとなれば、節約して一ヶ月は対応できる筈だ。
一応、ろ過装置も持ってきたが、泉の水はそのまま飲んでも問題なかった。
竜の谷に到着した日はテントの設営などの作業に追われ、竜の探索はできずに夜を迎えていた。

 
朝…竜の谷は霧に覆われていた。
この霧なら、竜も姿を隠して出てこれる感じがする。
とはいえ、初日からご対面できるとは思ってもいない。
僕は地図を広げ、これまで練りに練った探索ルートを再確認した。
先ずは1週間かけて南から順に竜の痕跡がないか調べてゆくのだ。
が、この霧は想定外だった。もし、毎朝がこんな状態なら、探索時間が限定されてしまう。探索ルートの見直しも考えなければならない。

最初は泉から流れ出る川に沿って南に向かう。
比較的平坦なため、霧による朝の出遅れはなんとか挽回できそうだ。
藪の中、岩陰…このルートは竜の痕跡が残りそうなモノが殆んどなかった。
政府の役人もこんな所しか調査しなかったのかも知れない。

 

翌朝も谷は霧に覆われていた。
これでは、真剣に探索ルートを見直す必要に迫られる。南側は平地が多いが、他の方角は山の中に分け入る事になる。
2日分のルートを3日で回すようにする。今日は谷の南西側に時間が許す分だけ分け入ってみよう。

流石に平坦な南側と違い、昼までに進めた距離は昨日の半分近くしかなかった。
午前中と同じ作業をすすめ、陽が傾くまでに当初予定の8割りを踏破した。
明日はここから更に奥に向かい、北上し、当初3日目に予定していたルートを時間の許す限り、逆行してくることになる。

 

3日目の朝も谷は霧に覆われていた。
泉の水で食事を作る。昼用の弁当も一緒だ。
この霧で予定より探索の日数が掛かりそうなので、食材を少しづつ節約し始めていた。
が、普段より運動量が多いにも拘わらず、空腹になっても少し食べただけで充分満腹になるので、苦にはならなかった。

 

6日目は5日目に探索した北側の更に奥に向かった。
何故かいつもよりも髪の毛の伸びが早く、鬱陶しかったので荷物の中に入っていた布切れで縛ってみた。

鬱蒼とした木々が途切れた所に、地下に続く大きな洞窟があった。
これなら竜も出入りできるな…
と考えながら、中に入っていった。
入り口から暫くは外の光が届くが、やがて闇に包まれる。
ライトを点けようかとも思ったが、もし竜がいた場合に警戒される可能性もある。
闇に目が慣れれば、朧げに輪郭は判別できた。良く見ると、洞窟の壁のそこここに、仄かに発光する苔のようなものが生えていた。

洞窟の奥からゴーッという音が聞こえてきた。風の音だと思うが、竜の息吹にも聞こえた。
僕は音の源に向かって洞窟の奥に降りていった。

 

そこには巨大な空間が広がっていた。
岩壁の上部をよく見ると、何体もの竜がいた。
眠っている?
竜逹は彫像のように壁に張り付き、微動だにしなかった。

(彼らは冬眠状態にある。時がくれば、翼を羽ばたいて天空を疾駆するであろう。)
突然、僕の頭の中に「声」が響いた。
これが竜の声?
(念話というものだ。我々は音声では意思の疎通は行っていない。)
あのぉ、僕は…
(解っている。竜騎士になりたいのであろう?お前の行動は充分観察させてもらった。だからこの室に導いたのだ。)
ぼ、僕を乗せてくれるの?
(確かに、お前には竜騎士の素質はある。が、今は私がお前を乗せてやるだけだ。竜を御すにはまだ早すぎるからな。)

 

僕は何と言って良いかわからなかった。ただ、乗る前に…
と、持ってきた竜騎士の鎧を着ける事だけは忘れなかった。

目の前に忽然と竜の背中が現れた。
(さあ、跨がりなさい♪)
言われるがまま、僕はその背中に跨がった。
竜が大きく羽ばたくと、地下の空洞を勢い良く上昇する。
目の前に天井が一気に迫る…そこに魔方陣が輝いた…

ぶつかる!!
と、目を閉じた瞬間…空気が変わっていた。

目を開けると、僕は空を飛んでいた。
(どうだい♪空は?)
竜の問いに、僕は「感動している」としか答えられなかった。
髪を縛っていた布が解け、長い髪が風に舞った。
鎧を身に着け、空を舞う僕は竜騎士そのものだった。

 

(竜騎士となれば、竜と一体となり己自身が飛んでいるように感じられるよ♪)
ぼ、僕も竜騎士になれるの?
(素質は充分だ。が、竜騎士になるには己の竜を卵から育てていかなければならない。お前が望むなら卵をさずけてやっても良い。)
本当?
(だが、一度受け入れると元には戻れないぞ。それでも良いか?)
竜騎士になれるなら…
(皆がなれる訳ではない。育てた竜と己が互いに受け入れあう事ができなければ竜騎士にはなれないのだぞ。)
そ、それでも僕は竜騎士になりたい!!

 

 

 

 
僕の願いは叶えられた。
気がつくと、僕はテントの中で眠っていた。
その日の朝は珍しく霧が晴れていた。
いつものように、泉で調理用の水を汲む。泉の水面が鏡のように僕を映した…
「誰っ??」
そこに写っていたのは可愛らしい女の子の顔だった。
「な、何?今の声!!」
僕の耳に聞こえたのは女の子の声だった。
よく見れば、水面に映った女の子も僕自身だった。

僕は女の子になっていた。
竜騎士になれるのは女性だけ…だから僕は女の子になったの?

 

 
街に戻ると、僕は竜騎士の養成所に連れていかれた。
僕は単に女の子になっただけではなかった。僕の胎内には竜の卵が存在していた。
僕はそのまま養成所に入所する事になった。
他の竜騎士の候補生の女の子逹と一緒に竜騎士になるための様々な事をするのだ。

 

制服が用意された。
勿論、女の子しかいない養成所だ。男物の制服などない。
僕は初めてスカートを穿いた。
「似合ってるわよ。」
そう言われて鏡を覗く。確かにここの制服が似合っている可愛い女の子が映っていた。
が、この娘が僕自身であることになかなか慣れるものではなかった。

 

僕は「女の子」として養成所で暮らすしかなかった。
ここには僕と同じように竜の卵を胎内に持つ女の子が何人もいた。

と言うより、竜騎士の適正が認められた女の子は、竜の卵が授けられるのだ。

この養成所で一番重要な事は、胎内の卵から産まれた竜を育てる事なのだ。
普通の女性が赤子を産み育てるように、竜騎士の候補生は竜を産み育てる。
そして、産み育てた竜が成竜となったあかつきには、その者の永遠のパートナーとなり、候補生だった者は正式に「竜騎士」となるのだ。

 

竜を産む…だから竜騎士は「女性」なのだ。
僕のお腹の中…そこには子宮があり、その中で竜の卵が成長していた。
卵が大きくなれば、お腹も妊婦のように大きくなる。(ここにはマタニティ用の制服もあった)
臨月が近づくにつれ、乳房も張ってくる。生まれてくる子竜に与える母乳が準備されているのだ。
男だった僕が母乳を与える…有り得ないコトとは思ったが、竜の魔力に抜かりはなかった。

僕は分娩台の上で子竜を産んだ。

僕の乳を飲み、子竜はすくすくと育ってゆく。
僕が男であった事などは何の問題でもないように、養成所のカリキュラムに従い竜は成長し、僕は一歩一歩竜騎士に近づいていった。

 

竜の成長は人間とは違い、幼竜から成竜には一気に成長する。

(覚悟は良いか?)
これから僕のパートナーとなる竜が語りかけてきた。
(私は成竜となった。私は私を産み育ててくれたお前をパートナーとしたい。その証として契りを交わす。)
養成所で散々教えられてきた事だった。
僕は躊躇わずに頷いた。
成竜は人変が可能である。次の瞬間、竜は逞しい男性の姿で僕の前に現れた。
その全裸の股間には、隆々とペニスが勃起していた。
教えられた手順に従い、僕は服を脱ぎ全裸となって彼の前に膝を付いた。
目の前に彼のペニスが迫る。
教えられた事ではあったが、そんな事など関係なく、僕自身がソレを欲していた。
僕の股間が熱くなり、女陰から愛液が滴っていた。

僕はソレを口の中に送り込み、啜りあげた。
何度か繰り返してゆくと
(そろそろいくぞ。)
と彼が伝えてきた。
そして、濃厚な精液が僕の喉に送り込まれた。

僕がそれを飲み込むと、僕の身体は更に熱を帯びてきた。
「ああ、凄い。何なの、この疼きは?」
それが何であるかは聞かなくても判っていた。そして、この耐えられそうもない疼きを鎮める方法も…
(さあ、私を受け入れなさい。)
僕は「はい♪」と応え、彼の前に仰向けに肉体を広げた…

逞しいペニスとともに彼が伸し掛かってきた。
男だった僕が「男」に貫かれていた。が、決してそれは不快なものではなかった。
僕は彼により満たされ、快感と幸福感に塗り込められてゆく。
(我々はお互いを受け入れた。ひとつになろう…)

竜の言葉とともに、僕の感覚が広がっていった。
僕逹は二人の肉体を共有していた。
僕は僕であり、彼でもあった。
彼は彼であり、僕でもあった。
僕は彼に貫かれていると同時に、僕自身を貫いていた。
僕の腕の中で、可愛らしい女の子が快感に喘いでいた…

 

 

僕は竜騎士となった。
僕の騎竜とともに天空に翔あがる。

僕が跨がっている竜の首筋から触覚が伸びてきた。
僕はそれを股間に挿入する。

感覚の共有が始まる。

僕は竜となり、自らの翼で更なる高みに躍り上がるのだった…

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