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2013年7月27日 (土)

ナリキリ

クローゼットには幾枚もの「皮」が吊るされている。

勿論、毛皮のコートなんかではない。
正真正銘、女の子逹から剥ぎ取った「皮」である。
この「皮」の中に入れば、「俺」がその女の子そのものに変身できるという逸物だ。

「皮」を剥がされた娘逹も、別にその姿を失った訳ではないので、俺が「皮」に入っている間は、その娘が同時に二人存在している事になる。
まあ、これまでその事で不便を感じた事もないので、「皮」を戴いた娘逹はそのままにしている。

 

「皮」の優れている所は、完全な変身を可能としているだけではない。その娘の記憶も読み取る事ができるのだ。
だから、俺の知らない彼女の友達に出会っても、それなりの対応をする事ができるのだ。
だから…

「もしもしィ?ひろしぃ♪今ヒマでしょ?」
と、この娘のボーイフレンドに電話なんか出来たりしてしまうのだ。
待ち合わせの時間と場所を決めると、俺は別のクローゼットから服を取り出した。可愛らしいワンピースだ。
こっちのクローゼットには女の子の服がぎっしりと詰まっているのだ。
ワンピースを着て、長い髪をまとめてシュシュで留める。
彼女の記憶を使ってお化粧を仕上げる。
ピアスを遠し、ネックレスを重ねて身支度は整った。
時間を確認して、赤いパンプスを履いて外に出た。

 

誰も俺が「男」だとは気づかない。
男どもは卑しい目で俺を見ている。(奴らは頭の中で俺の服を剥ぎ取ってみてるに違いない♪)
奴らの妄想に油を注いでやろうと、俺は偶然を装ってスカートの裾を捲り、太股の上部…ビキニラインぎりぎりまでをちらつかせてやった…

ゴチッ!!

拳骨で頭を叩かれた。
「何やってるのよ!!」
そこに立っていたのは「ひろし」だった。
「た、単なるサービスのつもりよ♪」
と俺の台詞が終わるのも待たずに
ゴチッ!!
と再び拳骨が落ちてきた。
「いた~い;」
泣き顔でひろしに抗議の視線を飛ばす。
「ミドリはそんなハシタナイ事なんてしないの。」
つまり、彼は俺の中身がミドリ本人でない事を知っているのだ。
「で、でも…ひろしも語尾がおかしくなってるよ。女の子みたい♪」
実際、彼の中身は女の子…ミドリ本人なのだ。
「愛する彼と一心同体になりたい♪」と、俺にひろしの「皮」を作らせて彼本人に成り代わってしまっていた。
が、その事を知っている俺といる時は、ついつい地が出てしまうようだ。

むふんっ、と咳払いをして気を落ち着ける。
「で、ミドリは今日は何がしたい?」
「もちろんエッチしよ♪」
俺が即答すると同時に再び拳骨が…
「とりあえずゲーセンいくか?」
とひろし。
「うん」と頷いて彼の腕に絡み付いた。

 

 
「んああ~ん♪」
部屋の中に甘美な吐息が響く。
何と言おうが、結局はこうなるのだ。
俺は全裸になってひろしに抱かれていた。
この肉体は元々は自分自身のものなので、感じるツボを心得ているのか、他の男に抱かれるのとは快感の質・量ともに違っている。
俺自身は男の何十倍もの快感が得られるのだから良いとして、彼女は自分自身を抱くことについてどう思っているのだろうか?
「ひろしに抱かれて良い女はミドリだけだからね♪だからあんたもしっかりカンジて頂戴ね…って確認する必要もナイか♪」
そう言っている間にも、俺は何度目かの絶頂に達していた。

 

 
今日はまた別の女の「皮」の中に入っていた。
アカネ…この「皮」の本体その娘から、この「皮」で来るように呼び出されたのだ。
勝手に「皮」を奪った負い目もある。俺は彼女の指示した場所に向かった。
「これに着替えて♪」
と清楚なドレスが差し出された。
「またか?」と俺。
「良いでしょ。終わったらちゃんとイイ事してあげるんだから♪」

「また」とは、これまでに何度かやっている彼女の身代わりだ。
彼女が「男」に興味がないと知っていても、頻繁に「見合い」を押し付けてくる叔母さんがいるらしい。断りきれなかったものが俺に廻ってくる事になる。
メモられたホテルのラウンジで待っていると
「アカネさん?」
と声を掛けてきた男がいた。渡された見合い写真の男だった。
お茶を飲みながら当たり障りのない話をしていた。
が、突然男が「自分は身代わりだ」と告白した。
男は写真と寸分違わない容姿をしている事から、俺と同じように「皮」を使っていると思われた。
互いに「断る」前提であるのが確認できた事で、一気に場の雰囲気が和んでいった。

食事に誘われ、少しアルコールが入り、気分が高揚していたのか、俺たちはホテルの上層階の客室に居た。
勿論、俺は服を脱ぎ、彼に抱かれていた。
「アアアア~ン♪」
俺の嬌声が部屋の中に響く。彼は荒々しく俺を突き上げた。
快感以前に彼の激しさに圧倒されてしまう。
「ああ、イイッ!!」
彼を抑えようとしても、それより先に快感に翻弄され、思った言葉を作れない。
俺の喘ぎ声に、彼は更に激しさを増す。
快感に頭の中が真っ白になっていた。

 

気が付くと、俺は独り部屋に残されていた。
「急な用事ができたので、先に帰ります。」
との書き置きが残されていた。
俺はシャワーを浴びるとアカネの元に戻っていった。

「あんたも男のくせに、良く平気で男に抱かれるわね♪」
お見合いの経過を最後まで聞いたアカネは呆れるように言った。
「快感を求めるのに、男も女もないと思ってるからね。」
「あたしはダメね。あの毛むくじゃらの男と重なり合うなんて、考えただけでも虫酸が走るわ。」
「俺なら良い訳?」
「今のあんたは、もう一人のあたしだからね♪どう見ても男じゃないでしょ?」
と俺の濡れた秘所を責めあげる。
「あうん♪」
柔らかなタッチに物足りなさを感じつつも、快感に翻弄されてしまう。
「あぁ…あたしにも♪」
とアカネが俺の顔の上に跨がる。
俺が舌を伸ばし蜜壷を舐めあげると、彼女もまた淫声をあげる。
互いに責め合い、昇り詰めてゆく。女同士の果てることのない饗宴が夜が明けるまで続いていった…

 

 

 
「アオイちゃん?」
背後から声を掛けられた。
「っあ、ユキ?」
そこにいたのはアオイの同級生の白井ユキだった。
化粧でもして派手なドレスでも着ていれば他人の空似とシラを切ることもできたのだが、素っ面に学校の制服ではそうもいかない。
「どうしたの、こんな所で?」
確かに夜の繁華街は制服の女の子が独りでうろつく場所ではない。
「お、お父さんと逢う事になってるの。」
「へえ、そうなんだ。でも、制服はないんじゃない?」
「ち、ちょっと訳アリでね。」
「ふ~ん。あっ、あたしも待ち合わせの時間だから。じゃあね♪」
とユキは離れていった。

俺がアオイの父親と逢うのは間違いではない。
この「皮」を手に入れるのに協力してもらった代償として、月に一回逢うことになっている。
もちろん、目的はSEXである。
俺としては、男だろうと女だろうと俺を満足させてくれればそれで良い。
のだが、この親父の変態ぶりには閉口するものがある。
よりにもよって、自分の「娘」を…「皮」を被っているので、本人ではないが…犯ろうとは、近親相姦の願望は俺には理解できない。
更にロリと言うのか、制服や体操着・水着等を着たままでプレイするのが好みらしい。

「どうだい?このままアオイに成り代わっては♪」
「また、その話ぃ?」
彼はしきりに、俺が彼女に成り代わる事を勧める。
「パパも、あたしの中身が男だって知ってるんでしょう?」
「この肉体のドコが男なんだい?好きなんだろう、男にマンコを貫かれてアンアン言うのが♪」
「それはそうだけど…」
「そうすれば、月イチじゃなく、毎日できるようになるぞ♪」
「で、でもママは?」
「あいつもアオイと一緒に消えてもらうさ。そうすれば、いつも二人きりでいられるぞ♪」
俺は奴の瞳の奥に狂気の輝きが宿っているのを見た。
これ以上は危険である。この男は殺人さえもいとわないだろう。
本物のアオイには悪いが、この男には消えてもらうことにする。

俺は鞄の中から麻酔針を抜き出した。
奴の首筋に針を突き立てると即座に昏倒した。
服を脱がし「皮」を剥ぎ取った。
そして、俺が入っていた「皮」の中に奴を入れる。
奴は「アオイ」になった。

作業が一段落した所でドアを叩く音がした。さっき俺が呼び出しておいたミドリの姿のひろしだった。
「これが男の皮だ。」
と奴の「皮」を渡した。
「本当にこの男に成り代わってしまって良いのか?」
ひろしが再度確認した。
「それはこちらの台詞でもある。ここで皮を固定してしまえば、もう二度と脱ぐ事はできなくなる。」
ひろしは大きく頷いた。
そして、俺は二人の「皮」を固定した。

ひろしはアオイとその母親の待つ家に「帰って」いった。
入れ替わるようにして黒尽めの人相の良くない男逹がやってきた。
「こいつかい?」
リーダー格の男が俺に聞いた。
「ああ、肉体はこいつ自身で慣らされているが、中身は生娘だ。」
「なら高く売れるな♪」
「くれぐれも表に出ていかないように頼むよ。」
「承知している。」
とアオイの姿の奴を抱えて男逹は去っていった。

 

 

俺は鞄の中から、また別の「皮」を取り出した。
背格好はアオイとほぼ同じだ。アオイとして着てきた制服をそのまま着込んだ。
鏡の中の自分を確認する。

「あ、あ、あ~っ。あたしは白井ユキよ♪」
どこにもおかしな所がない事を確認して、俺もまたその場所を離れた。

部屋に戻った。
クローゼットを開けると、そこには幾枚もの「皮」が吊るされている。
が…

「今日はこのままで良いか♪」
俺は制服を脱ぐと、そのままベッドに転がった。
ユキの記憶を探り、お気に入りのシチュエーションを思い出す。
「ぁあ…影山クン♪」
大好きな彼に抱かれた記憶を辿りながら、俺は股間に指を伸ばして快感を追い求めていった♪

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