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2013年7月27日 (土)

夜の公園で♪

俺は、この公園のベンチを離れられないでいた。

 

所謂「地縛霊」というやつだ。
酒に酔って、ここで寝ていた所をガキに襲われ、カッターで切られて失血死してしまったのだ。
その後「地縛霊」となり、24時間365日ここから離れられないでいるのだ。

まあ、既に死んでいるのだから、餓えることもなければ渇きに悶えることもない。
暑さ寒さも気にならない。唯一、気になるのは、殺された時の服のまま…着た切り雀だ…ていうことだ。
まあ、これ以上汚れる事もないし、誰かに見られる訳でもない…

そう。特に日中は誰も俺に気づく事がないのだ。ぶつかっても擦り抜けてしまう。幽霊なのだから当然である。
夕暮れ時などは、時々子供逹の中に気づくやつがいる。が、それも一瞬の事。ベンチに近づいて確認しても、もうその時には俺の姿を見る事はできなくなっている。
そして、丑三つ時。まあ、こんな時間にこの辺りをうろつく者など皆無に等しいのだが…大人にも俺の姿が見えるらしい。が、俺が声を掛けようとすると、決まって叫び声をあげ逃げ出してしまうのだ。
「お化けが出る」との噂が広がったのか、最近は更にこの辺りをうろつくやつも減ってきていた。

 

夜中に人が寄り付かない公園…となると、今度はまた変な輩が来るようになった。
特殊な性的嗜好なのだろう。黒の雨合羽を脱ぐと、そこには全裸の女体が現れた。
真っ赤なパンプスだけを身に付けた女は公園内を何度か往復し、茂みの脇にしゃがみ込むと放尿を始めたのだ。
その後、女は着てきた合羽に包まれると、足早に公園を後にしていった。

女はその後も時々現れた。
その晩は雨合羽を脱ぐと、俺の向かい側のベンチに座った。
脚を広げているので、彼女の秘部が俺の目の前に開かれている。
既に感じているのか、そこにはテラテラとした輝きがあった。女は胸を揉みしだきながら、もう一方の手をゆっくりと内股に這わせていった。
「んあっ…♪」
彼女の指先が濡れた肉襞に触れた瞬間、淫靡な吐息を漏らしていた。
彼女は膣口に二本の指を咥え込み、一気に昇り詰めていった。

 

また、別の晩。
今度はあろうことか、俺の居るベンチに彼女は腰を降ろした。
俺の姿など彼女には見えていない筈が、彼女は「俺」の居るまさにその場所に座ったのだ。
当然、俺と触れ合うことはない。彼女の尻は俺をすり抜けてベンチに降りる。
すなわち、俺と彼女の肉体が重なり合う状態が生まれる。
と、彼女が感じている感覚が俺にも伝わってきた。
尻から伝わるベンチの固さ、冷たさ。
風が体温を奪う。風に揺れる髪が肩に触れていた。
手足の存在を感じる。
重力に引かれる胸の膨らみ。
俺の胎の中で子宮が疼いていた。

湿り気を帯びた股間に指が延びてゆく…

「ん…ぁあん♪」
俺はオンナの喘ぎ声をあげていた。
女が感じている悦感を俺も感じていた。指が膣口を割って押し入ってくる。

俺は女の指に犯されていた。

俺は「男」だ。が、この女の感覚を共有している。そして、俺自身は自ら動く事はできない。
彼女にとっては、単なる自慰であっても、今の俺は彼女の指に犯されている「女」にしか過ぎない。

彼女と一緒に俺も昇り詰めていった。
喘いでいるのは彼女なのか、俺自身なのか判らなくなっていた。
快感に俺の頭の中は真っ白に塗り潰されていった…

 

 
気が付いたのは「女」の部屋だった。
何が起きたのか、即には理解できなかった。
俺は彼女の肉体を自由に動かす事ができた。「彼女」の存在を感じる事さえできない。
今は「俺」が彼女自身なのだ。

どうやら、俺は彼女の肉体を奪ってしまったようだ。
俺は彼女のフリをして、このまま第二の人生を歩む事にした。

が、ひとつだけ彼女がやっていた事をしないでいる。
夜な夜な肉体が疼きだすが、俺は二度とあの公園に近づく事はなかった♪

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