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2013年7月27日 (土)

逢い引き

「いらっしゃいませ~♪」
明るい女の子の声が店内に響く。
「ご注文はお決まりでしょうか?」
とメニューが指し示される。
「こ、これ…」
僕は予め決めておいた設定を登録した携帯を差し出した。
カウンターの女の子は携帯からの情報を読み取り、バックヤードに連携してゆく。
「お支払はクレジット一括でよろしいですね?」
と確認する。
僕が「ハイ」と答えると
「37番でお待ちください。」
と番号の書かれた紙を渡される。

案内板の指示に従い、37番のブースに辿り着いた。
上着をハンガーに掛け、ふかふかのソファに座り待っていると、目の前のスクリーンがガイダンスを開始した。
既に解っていることなのでスキップを指示すると「しばらくお待ちください」の画面に変わる。

そして「準備完了」の画面に変わる。
ブースの扉がロックされ、ソファの背もたれが倒れてゆく。
僕はふかふかのベッドに寝ている形になった。
「プログラムをスタートします。」
女性の声とともに、僕は眠りの中に没していった…

 

気が付くと、僕は街角に立っていた。
これはマシンの造り上げたバーチャル世界だ。が、その中にいる僕には、それが本物のように感じることができるのだ。
今の僕の容姿は、カウンターの女の子に渡した設定通りになっている筈だ。
手近の店のショーウィンドウを鏡代わりに確認してみる。
着ている服のデザインも設定通りだ♪
勿論、設定は僕の容姿だけではない。これから僕が体験することになるシチュエーションにも設定は及んでいるのだ。

「やあ、お待たせ♪」
と爽快な笑顔で僕に声を掛けてきたのは、もう一人の「僕」だ。
「僕」とは言っても、今の僕は「僕」の行動に干渉することはできない。
彼はマシンが作ったNPCでしかないのだ。そして、僕の設定により本来の僕より性格を明るくし、容姿も二割方UPさせている。
「ううん、あたしも今来たとこ♪」
僕の女言葉自動変換の設定も巧くいっているようだ。
そう、ここでの僕は女の子=女子高生なのだ。
今は野暮なセーラー服を着ているが、この後ブティックで色んな服を試着する予定になっている。
「けど、休日のデートだっていうのに、何で制服なんだ?」
「校則なんだモン。仕方ないでしょ?」
「これだからお嬢様は…規則なんて破る為にあるんだ。先ずはその服から何とかしよう♪」

という流れで僕逹はブティックで服を選んだ。
「可愛いよ」「似合うじゃん」服を替える度に彼が何か言ってくれる。本来の「僕」だったら何も言えないだろうし、即に飽きて苦痛しか感じなかっただろう。
女の子になった僕は、服を替える度に新しい自分を発見するみたいで、楽しくて仕方なかった。
チャイナドレス風のミニ丈のワンピースに決めて、髪の毛も両サイドでお団子にしてもらった。お化粧も少ししてみた。
特殊な人逹を除き、男には経験できない体験だ。

 
男には経験できないと言えば、この先のイベントがその最たるものだろう。
カラオケで思いきり女の子の歌を歌ったあと、公園を散歩した。
手を繋いで歩いていたのを、腕を絡めるように体を密着させる。
彼には僕のバストの存在が否応もなく知らされる。
彼もソノ気になってくれていった。
大きな樹の下に立ち止まる。公園の人逹から影になるように移動する。
彼が僕を抱き締めた。
見上げるとそこに彼の顔がある。何を言いたいか、手にとるように判った。
僕がそのままゆっくりと瞼を閉じると、唇に触れるものがあった。
軽く口を開くと、そこから彼の舌が差し込まれてきた。
それは僕も望んでいたことだ。彼の行動に僕も応じていた。

そして、二人の足はラブホテルに向かっていた。
鍵を開くとファンタジックな内装に囲まれてキングサイズのベッドが据えられていた。

彼の手が僕のドレスのファスナーを下ろしてゆく。
頭のお団子が解かれる。
下着姿のまま、僕はベッドに押し倒されていた。

再び唇が合わされた。そして、彼の唇が僕の体を這うようにして移動してゆく。
喉から胸、そして乳房の山を登ってゆく。
ブラのカップがずらされていた。彼の唇が僕の乳首を挟み、口の中に吸い込んでいった。
チュウチュウと音をたてて吸いあげる。
むず痒さに
「んあん♪」と喘ぎ声をあげていた。

彼の手がショーツに延びていた。
既に僕の股間は濡れ始めていた。
彼の手がショーツの中に入ってくる。濡れた秘部に指が触れていた。
そのままゆっくりと割れ目の中に侵ってくる。僕の「オンナノコ」が彼の指を咥えていた…

 

「あん、ああん♪ああ~~ん!!」
僕の発するオンナの喘ぎ声と、ベッドの軋み音。そして淫液が発するくちゃくちゃいう音に満たされていた。
僕は彼に貫かれ、オンナの快感を貪っていた。

(終了の時間になります。延長なさいますか?)

冷めた女の声が耳元で聞こえた。
と同時に僕の快感も褪めてゆく…
「終わりで良いわ…」
と見えない女に延長がないことを告げると、目の前の景色が褪せてゆく。
俺の内にあった「彼」の存在も消えてゆく。

 
目の前にスクリーンがあった。
「お疲れ様でした」の画面が表示されていた。

ソファの背もたれがゆっくりと元に戻ってゆく。
「ご利用ありがとうございました。」
と画面が変わり、システムは停止した…

立ち上がるとハンガーに掛けておいた上着を手に取りブースを出る。
足を一歩すすめる度に揺れていたバストがない事に慣れるのに、しばらく時間が掛かった。
追加料金がないので、そのまま店の外に誘導された。

 

「やあ、お待たせ♪」
店を出てしばらく歩いていると、「俺」に似た若い男が声を掛けてきた。
勿論、俺に向けて発せられたものではない。
振り向くと、彼の視線の先にはショーウィンドウを覗き込んでいるセーラー服の女の子がいた。
「ううん、あたしも今来たとこ♪」

 
もしかすると、彼女はさっきまでの僕自身なのかも知れない…

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