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2013年6月 7日 (金)

頼みごと

「なぁ、頼みがあるんだが…」
そう言って勇一が頭を下げてくる。
僕にはそれを断れないと解っているのだろうか?

 

彼の頼みの内容は、いつもはそれほど苦になるようなものではなかった。
が、今回は…

「俺とデートしてくれ。」との事。
(デート♪)と喜ぶ訳にはいかない。僕は「男」で、勇一の恋人なんかではない、ただの男友達(古くからの腐れ縁ではあるが)でしかないのだ。
サークル仲間との些細な意地の張り合いから、自慢の恋人を見せ合う事になったらしい。
当然の事ながら、勇一には恋人はおろか、親しく話のできる女友達もいないのだ。
「つまり、僕に女装させてサークル仲間逹の前に晒すってことなんだね?」
「そ、そんな晒すって…お前は元が良いから、化粧すれば美人になるぞ。間違いない!!」
「でも、服とかはどうする?」
と、一応聞いておく。聞きながらも、僕はクローゼットにあるワンピースの中からどれを着ていこうか迷っていた。
「か、買ってやるよ。そうだ、今から行こう。」
と僕の手を引いていった。

その店には可愛らしい服が沢山並んでいた。
同じフロアに男物も並んでいるので、勇一も入り易かったのだろう。
いくつか選んで試着室に入る。
「どお?」
と着てみた服を見せてみた。
「か、可愛いよ…」と言う勇一の視線はあさっての方をさ迷っていた。
「ちゃんと見てるの?」と聞いても生返事しか返らない。
が、僕のコトをしっかり「女の子」として見ていることは、彼の股間が雄弁に語っていた。

服に合わせてサンダルも買わせてしまった。
結構散財させてしまったので、少しはサービスしてあげよう♪と思った。
「ねぇ、カラオケいかない?」と腕を絡める。
勇一の腕に緊張が走った。多分、ブラに積めた三枚重ねのパットを本物のバストと勘違いしているのだろう♪
二人で個室に入った。
「我慢できないんでしょう?お口でシてあげようか♪」
僕は勇一の股間を撫であげた。
勇一は否定も肯定もできないでいた。
僕は彼の前に回り込み、膝の間に座り込んだ。
ジッパーを下ろす。
むあっと「男」の匂いがする。
パンツの中から硬くなったペニスを引きだす。
(僕のとは違うなぁ…)
それは単に見ている角度が違うだけではない。これは逞しい牡の性器そのものだった。
(僕のは皮を被ったままだし、太さも長さも違うよね♪)
僕が本物の女の子なら、この逞しい牡で僕を貫いてもらえるのに…今は膣の代わりに僕の口を責めてもらう事で満足するしかない。
僕は口を開き、彼のペニスを受け入れていった…

 

 

デートの当日、僕は勇一に買ってもらった服を着て、待ち合わせ場所に来ていた。
もちろん、今日はお化粧もしている。
「ゃ、やあ…待った?」
勇一が緊張しながら声を掛けてきた。
「ううん。あたしも今来たところよ♪」
誰が見ても今の僕は「女の子」なので、らしい話し方を心掛ける。
「じ、じゃあ…行こうか?」
「ウン♪」と勇一に腕を絡めて歩き始めた。

「で、サークルの人逹とはどこで合うの?」
と僕が聞くと
「ん?ああ、あれは止めにしたよ。折角のデートを邪魔されたくないからね♪」

僕は思う存分デートを楽しんだ。
「今」だけは、僕は勇一の「恋人」として存在できるのだ。
女の子として、勇一に甘えられる。
勇一に優しくしてもらえる。
快感を与えてくれる…

 
今日、何度目かのキスをした。
宵闇が迫っていた。
「このまま、帰したくない…」
勇一が呟く。
「あたしは構わないわ♪」
僕はこの展開を望んではいたが、実現しようとは思ってもいなかった。
それでも、女の子として抱かれる準備だけはしてきた。
「良いのかい?」
あたしはコクリと首を縦に振った…

 

 
「本当は女の子だったんだ?」
あたしの裸に勇一が驚いていた。
「タックって言うの。隠してあるだけよ。それに、胸もないし…」
「単に発育が遅いだけだよ。胸の大きさなんて人それぞれだろう?」
そう言ってあたしをベッドに押し倒した。
「んあん♪」
舌先で乳首が撫でられ、快感に思わず媚声が溢れてしまう。
「感度は良いんだ♪」
「誰と比較してるの?」
「女の子とこんな事するのは初めてだけど、AVは十分に研究してきたからね♪」
そう言って全身に舌を這いまわした。そしてあたしが感じた所を集中して責めたててゆく。
「ああん、あああ~ん♪」
あたしは立て続けに沸き上がる快感に嬌声を止められなかった。

 
勇一があたしの脚を抱えていた。
「濡れてるね♪」
あたしの股間は愛液とは別のもので潤んでいた。
(僕が本物の女の子なら、このまま彼を受け入れられるのに…)
勇一はそのまま腰を近付けてきた。彼のペニスの先端が、あたしの股間に触れていた。
そして…

 
するりと彼のモノがあたしの内に入ってきた。
痛みはなかった。
彼と繋がれた悦びだけがそこにあった♪

「ああ、気持ち良い♪最高だよ♪♪」
「あんっ♪あたしもぉ~!!」
あたしのナカを満たす勇一のモノ…それだけで幸福感に満たされているのに、更に動きが加わる事で、あたしはもう何も考えられなくなっていった。

あたしは「牝」となって彼に組み敷かれ、彼を受け入れている。
(あたしの望んでいたことが…)

そして…

「んああ、イクよ♪」と勇一。
その直後、あたしの内に彼の精液が放たれていた。

(もし、許されるのなら、この精液で妊娠できたら良いのに…)
あたしは彼との子供を産めるのであれば、悪魔に魂を売ってしまうのも臆さないと考えていた。

 

 
「なあ、何でいつもの格好に戻ってるんだい?」
いつものように勇一と歩いていると、そんなことを言ってきた。
「ど、どういうコト?」
と聞くと、勇一はやっとのことで言ってくれた。
「俺はあの娘を本気で好きになってしまったんだ。あの娘以外の女性とは付き合うことができないと思う。」
勇一は立ち止まり、僕に深々と頭を下げた。
「お願いだ。これからは恋人として俺と付き合ってくれないか?」
僕には勇一の頼みを断れないって解っているのかな?

あたしは頭を上げた勇一に抱きつくと、その唇に吸い付いた。
「こんなあたしで良ければ♪」
今度は勇一があたしの唇を奪っていた。

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