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2013年5月26日 (日)

ボーナスステージ

「ヒャッホーーッ!!」
俺は歓声を上げた。

投下した爆弾は、敵基地の中心部に繋がる排気筒の中に真っ直ぐに吸い込まれていったのだ。
数瞬置いてから、辺りは地鳴りの轟音に包まれる。そして、敵基地は内側に崩れるように崩壊していった。

☆Mission_Complete☆
の文字が前面に浮かぶ。
俺はボーナスステージに移動した。

ファンファーレが鳴り響いている。
目の前の巨大な扉が開かれると嵐のような拍手に包まれた。
「勇者よ。ステージに上がってくれ。」
アナウンスとともに左右から押し出される。赤いカーペットを真っ直ぐ進んだ先にステージがあった。
ステージの上には、俺に勲章を授与すべく、王と王妃そして美しい「姫」が待っていた。

王から勲章が授けられる。
「勇者よ。あなたの望みは何だね?可能なものであれば叶えよう。そこの姫との婚姻が希望であればそう言ってくれ。」
見ると、姫は俺を見てポウッと顔を赤らめていた。
「俺の希望は新たな冒険にこの身を投じることです。もし姫がよろしければ、一夜だけでもお相手いただければ♪」
俺がそう言うと、隣に控えていた王妃がプルプルと震え始めた。
「な、なんと言う冒涜。一夜だけなどと…姫を町中の遊び女と同じに考えて…」
王妃の言葉は王の手のひと振りで止められた。
「姫さえ良ければ、それもよかろう。で、姫はどうなんだ?」
皆の視線が姫に集まる。
「あの…わたくしでよければ…」
か細い声がそう答えた。
「善きかな、善きかな♪今宵は宴じゃ!!」

 

足元は多少ふらついていたが、俺の頭はすっきりしていた。
寝室に案内されると、そこにはスケスケの薄衣を着た姫が待っていた。
外で見た時は幼く見えたが、薄衣越しに覗く肉体は十分に成熟しているようだった。
「勇者さま♪」
と姫が誘う。
俺は一気に服を脱ぎ去ると、姫に挑んでいった。
「そ、そんなに慌てなくても…」
と言われても、俺のペニスは抑えきれない。
ベッドに姫を押し倒し、薄衣をはだけて、俺は一気に突入していった…

 

「少しは楽しんだ方が良かったんじゃないか?」
男の声に意識が戻った。
「まだ全然快感を感じていないみたいだぞ。この体は。」
その男が誰であるかは即に判った。が、何故そこに居るのだろうか?

その男は「俺」であった…

「っま、それはあんたも同じだがな♪じゃあ、今度は俺があんたに快感を与えてやるよ。とびきりの…」
奴はにやりと笑った。
「とびきりの、オンナの快感をな♪」

 

 

 

それは呪いのようなものだった。
勇者となった男が、冒険を忘れ、姫を選ぶと発動する。
姫とのSEXを契機に、勇者と姫の魂が入れ替わるのだ。そして、姫の中に封じられていた前回の勇者の魂が「男」の肉体を取り戻すのだ。
「あんたが一夜限りと言ったもんだから、俺も明日には出立しなければならない。もっと姫の肉体を堪能したかったが、そうもいかない。が、朝まではまだたっぷり時間がある♪」
「まだ…やるのか?」
聞き返した俺の声は、か細い女の…姫の声そのものだった。
「心配するな。俺が出ていっても、王と王妃がお前を可愛がってくれる。もちろん、オンナとしてな♪」
俺のボーナスステージは、その先も終わることがなかった。

タ…

その夜は良い気分で、アルコールが幾分か多目に体を巡っていた。
道端で手を上げ、近付いてきたタクシーを停めた。
見慣れない提灯だったが、気にせずに乗り込む。
家の住所を告げると、車は静かに走りだした。

 

「良かったら、酔い醒ましに丁度良い立ち寄り湯があるんですが、寄っていきませんか?」
運転手がそんな事を言った。
普段、タクシーの運転手と会話などしないので、その提案が普通ではありえない事である事にも気付かなかった。
酩酊状態もあいまって、その提案を受け入れていた。
「それでは♪」
と運転手がハンドルを切る。
しばらく走ると「温泉」の文字が妖しくライトアップされた白亜の建物が現れていた。

玄関の前にタクシーを停めるとドアが開かれた。
運転席側のドアも開き、シートベルトを外して運転手も降りてきた。
「さあ、こちらにどうぞ♪」
ドアを開けたままの車をそのままに、運転手が案内をしてゆく。
階段を降りていった先に「湯」の暖簾が掛かっていた。
「さあ、どうぞ♪」と大小のタオルが渡された。
脱衣所で運転手と並んで服を脱いでいった。

そこには檜の湯船があった。
「さあ、入りましょう♪」
と促され、一緒に湯船の中に体を沈めた。
「どうです?酔い醒ましには丁度良いでしょう♪」
と運転手は言うが、逆に強烈な眠気に襲われていた。

 

…意識が…途切れ…てゆく…

 

 

気が付くと、そこはタクシーの中だった。
「如何でした?体は新品同様になってません?」
そう言う運転手は先程とは別人であった。何より、この運転手は女性である。
「彼は?君と代わるなんて聞いてなかったが…」

そう言っている間に妙な違和感を感じた。
「いえ、お客さんとはずっと一緒でしたよ。そう、お風呂のナカも♪」
不意に淫らなイメージが想い浮かぶ…全裸の彼女が目の前に居たような記憶が…

「で、あの温泉は酔い醒ましに効果ありましたか?」
確かに「酔い」は醒めていた。まるで一滴も飲んでいなかったかのように…
「でも、もうお酒は飲んじゃだめですよ♪未成年の飲酒は法律で禁止されていますからね。」
「だ、誰が未成年だ?」
「貴女の事よ。お嬢ちゃん♪」
「なっ?!」
次の言葉が続かなかった。
ふと見下ろすと、素足が目に映った。
それは剛毛に被われた自分のものではない…すべすべで健康的な…その太股に掛かるタータンチェックの布。規則的な折り目が付いている…
どこかの女子高生の制服にでもあるかのような…スカートの…一部だった。
胸を締め付けているのはブラジャーか?
胸が膨らんでいるのは確かだった。
バックミラーに自分の顔が映る。
ショートカットの髪、大きな瞳、プルンとした唇…

 

「はい、着きましたよ♪」
タクシーのドアが開き、学生鞄を胸に抱くようにして降りた。
背後でタクシーが走り去ってゆく音がした。

 

夜の住宅街に独り立ち尽くしていた。
目の前には門扉があり、その向こうには小綺麗な戸建ての家があった。
(これは自分の家?)
記憶が混濁している。
足は無意識に前に出てゆく。
ポケットから取り出した鍵が鍵穴に入る。
カチャリと鍵が外れた…

 
「おかえり。」とママの声がした。
「ただいま。」と答えて2階のあたしの部屋に向かう。

タンスの扉の裏の姿見に自分を映した。
(これは「あたし」だよね?)
自問しても答えは出てこない…

 
制服を脱ぐ

…下着姿のあたし…

下着も脱ぐ

…生まれたままの姿のあたし…

(さっきは、この胸をあの女性に弄られていた?)
記憶が曖昧になっていた。
あたしの胸を弄っていたのはオジサンだった。
胸だけじゃない…
女の子の大事な処も弄られ…太いペニスに貫かれていたんだ!!

チガウ…ツラヌイテイタノハ…

 

 

 

「おおい、あんた。大丈夫かぁ?」
男の声に我に返った。
犬を散歩させているのだろう。男の手に握られた紐の先にいる犬が先を急ごうと紐を引っ張っている。
「狸に化かされたんだな♪時々いるんだよ。そんな人が。」
男は犬に引かれ、離れてゆく。
「人目に付かないうちに着替えておいた方が良いよ~」

男の忠告に、自分が何を着ているのか確認した…

毛むくじゃらの足…太股に掛かるタータンチェックの生地…

皆まで確認する必要はなかった。
「ああ…」と吐息を漏らし空を見上げる。

空はまだ白み始めたばかりのようだ。

選択(A)

(とにかく、こいつを何とかしなくては…)

俺の目の前に転がっている物体…「俺」の肉体をどうにかする必要があった。

 

確かに俺はドジを踏んでしまった。
その家の厳重な監視の死角を探し出し、まんまとお宝を手に入れた所までは良かった。
その家からの脱出の直前に、あろうことか、この家の幼い娘とばったり出会ってしまったのだ。
(半分寝ぼけている。お前の顔なんて覚えてはいないさ。)
と囁く声と
(見られたのなら殺してしまうしかないぞ。)
との二つの声の間で俺の心が揺らぐ。
しかし、今即決しなければ、リスクはどんどん高まってゆく。

俺は…

 

娘をそのままに脱出する方を選択した。
が…

やはり、顔を見られた事が気になって仕方なくなっていった。
夜も眠れなくなる。
お宝は現金に替わり、それ以外に足の付く心配がなくなった事で、更に心配が増していた。
(顔を整形して別人になるか?)
だが、中途半端な改造では「俺」だと気付かれる可能性は0ではない。
全くの別人に成り済ます事ができなければ話にならない!!

 
そんな俺の元に夢のような「アイテム」が存在するという情報が舞い込んできた。
俺は直ちに「アイテム」を取り寄せた。
それは30cm四方の黒い箱とそれに繋がるヘルメット状の装置だった。
俺は寸暇を惜しんでヘルメットを被り、スイッチを入れた。

黒い箱が唸り始めると同時に頭がクラクラしてきた。
堪らずに膝を突き、座り込んでしまった。更に、手足から力が抜けてゆく…
俺が体を横たえると、目の前の黒い箱からムクムクて膨れあがるものがあった。
やがてそれは人間の形を取り始めた。
手足が延びてゆき、胴体が引き締まる。頭が生じ、首が締まり形の良い顎が出来上がった。
頭には目、鼻、口が刻み込まれる。髪の毛が延びて頭を被ってゆく。

黒い箱の唸りが一段と高まった。
と同時に耳鳴りがし、視界が狭くなってゆく。

そして…
音が途絶えた。

俺は閉じていた瞼を開いた。
目の前には相変わらず、黒い箱に繋がった人型の物体があった。
が、何か違った。
ソレは服を着ていた。さっき迄は全裸だった筈…
それに頭には俺と同じヘルメット状の装置を付けている。
(俺と同じ?)
いや…今の俺はヘルメットを付けていない。それに、服も着ていないようだ。
もう一度、箱に繋がれた物体を確認する…

それは「俺」だった。
(では、今の俺は?)
慌てて立ち上がり、鏡を覗き込んだ。
そこに映っていたのは、箱から出てきた人形の物体の最終形態だった。
(つまり、俺の意識がこの中に送り込まれたと言うことか?)
この体であれば、誰もこれが「俺」だとは思わないだろう。
これは、本来の俺の体よりも一回り小さい「女」の体なのだ。
たとえ、女装や性転換しても、元々の骨格を変えることは困難であろう。
それに顔形も全然違う、整形してもどこかに面影は残るに違いないが、この顔は全くの別人だった。

(「女」と言うのはやり過ぎだが、これならバレることはない。安心していられるぞ♪)
と上機嫌で元の場所に戻っていった。
そこには未だ黒い箱と「俺」の肉体が残っていた。
当然、いつまでもここにあっては邪魔なだけである。
俺は「俺」を動かそうとした。が、その際ある事に気づいた。
「俺」は息をしていなかった。
胸に耳を当て、手首を握ってみる。
(脈がない?!)
つまり、この肉体は死んでいると言う事だ。

(とにかく、こいつを何とかしなくては…)

だが、一回り小さくなった今の俺では、どうする事もできない。
となればコレはここに放置するしかないのか?
もし、放置した場合、今度はこの体が…殺人犯とは言わないまでも、重要参考人として追われることになる。
幸いにも、この姿は誰にも見られていない。暗くなってから闇に紛れて出て行けば良いだろう。
あとは、この体の痕跡を残さなければ良い。髪の毛一本も残さないようにするんだ。

…とは言え、今は全裸である。何か着るものが欲しい。
俺は着れそうなものを物色し、大きめのトレーナーに決めた。これなら、ミニのワンピースとあまり変わらないに違いない。
ただ、下着だけはどうにもならなかった。まあ、ブラブラするモノがないので、問題はないと思う。

キャスター付きの鞄に黒い箱と換金した現金を詰めるだけ詰め込んだ。
(黒い箱がなければ残さずに済むのだが…)
そうも言っていられずに、鞄を閉じる。
もう一度、痕跡が残ってないか確認し、スニーカを履いて外に出ていった…

 

 

 

「信じる・信じないは貴方の勝手よ。」
あたしはベッドの上であたしを抱いている男にそう言った。
「つまり、俺が今抱いているのは男だと言うのか?」
「萎える?」
「萎えないさ♪」
「貴方…ホモ?」
「違うよ。君の話を信じなかっただけさ♪こんなに感度が良いお×んこの持ち主が女じゃないなんてあり得ないだろう?」
「んあん♪あああ~ん!!」
あたしは彼の責めに媚声をあげることしかできなかった。

 

アナタは信じる?
    信じない?

選択(B)

(とにかく、こいつを何とかしなくては…)

俺の目の前に転がっている物体…「俺」の肉体をどうにかする必要があった。

 

確かに俺はドジを踏んでしまった。
その家の厳重な監視の死角を探し出し、まんまとお宝を手に入れた所までは良かった。
その家からの脱出の直前に、あろうことか、この家の幼い娘とばったり出会ってしまったのだ。
(半分寝ぼけている。お前の顔なんて覚えてはいないさ。)
と囁く声と
(見られたのなら殺してしまうしかないぞ。)
との二つの声の間で俺の心が揺らぐ。
しかし、今即決しなければ、リスクはどんどん高まってゆく。

俺は…

 

娘の口を塞ぎ、首を絞めあげた。しばらくすると娘はぐったりした。
俺は娘の心臓が止っている事を確認してから脱出した。
が…

やはり、人を一人殺したと言う事の事実は俺に重く伸し掛かっていた。
同じ犯罪でも、盗みとは次元が違う…
俺は夜も眠れなくなっていた。

 

枕元に「娘」が立っていた。
(あたしの人生を返して!!)
俺の頭の中に娘の声が響き渡る。
(何であたしが殺されなければいけなかったの?)
娘は責めるように俺を睨みつける。
しかし、俺にはもうどうしようもない。殺してしまった娘を生き返らす事など出来はしない。
(なら、あたしに新しい肉体を用意するのね♪)
「新しい肉体」?
どう言うことだ?
別の娘を捕らえて、「娘」の魂と入れ換える?そんなこと出来るのか?
そもそも「魂」などという非科学的なものなど存在しないのだ!!

では、枕元に立つこの「娘」はどういう存在なのだ?

 

枕元に立つ「娘」は無視できず、眠れぬまま朝を迎える。
そんな日々が続けば精神に異常を来すのも即であった。
朝から公園のベンチに座っていた。
公園には様々な人々がやってくる。赤ん坊を連れた若い主婦達に占拠されたかと思うと、学校の下校時刻に合わせて、各々の年代の子供達が代る代る公園を占拠する。
やがて夜になると、浮浪者が寝る場所を求めてやってくる。
二日目には「娘」と同じ年代の子供達を観察した。
三日目に、目を付けた娘を捕らえようとしたが、流石に不審に思われたか、警察官が近くを彷徨いていた。

 

(別に他の娘を連れて来なくても良いのよ♪)
と「娘」が言った。
(貴方は信じないでしょうけど、今のあたしは黒魔術の力で存在しているの。)
黒魔術?!
(所謂「悪魔の力」ね。貴方が契約に同意すれば、あたしの肉体は甦るわ。)
俺の同意が必要なのか?
(あたしを殺したのは貴方なんでしょ?)
そこまで言われて、拒否できるものではない。
(契約成立ね。じゃあ、あたしの肉体を再生させてもらうわね♪)

悪魔の力なのか、俺は身動きができなくなっていた。
「娘」は俺に近づくと、口から俺の中に侵入してきた。
勿論、実体があるわけではない。顎が外れる事もなければ、喉が詰まる事もなかった。
が、彼女が食道を通り、胃から俺の腹の中に入っていった感じが手にとるようにわかった。
腹の中に止まった彼女がそこで何を始めたかは解らないが、みるみるうちに俺の腹が膨らんでいった。
まるで妊婦のように膨らんだ腹の中には何かが存在した。
別の生き物のように、俺の腹の中で好き勝手に蠢いている。
そいつは、俺の血・肉を吸収してどんどん大きくなってゆくようだ。
逆に、俺の手足は痩せ細り、干からびていった。

血が足りなくなったか、俺の意識が混濁し、頻繁に途切れるようになる。
そして、そいつが俺の腹から産み落とされた。
それは陣痛だったのだろうか?強烈な痛みに俺の意識が途切れた。
そして次に意識が回復した時には、俺の目の前に「俺」の肉体があった。
それは俺の服を着ていた。最初は事態を把握できず、それが「俺」であるとは気付かなかった。
俺の目に、自分の腕が見えた。先程まで細く干からびていたものが、同じ細さでも全体が縮小された感じで、皮膚は健康的な瑞々しさに溢れていた。

これが自分本来の肉体ではないと解り、目の前の物体が「俺」の肉体であると認識できたのだ。
そして、今のこの肉体は「俺」の腹から産み落とされたものに違いない。

 

俺はゆっくりと立ち上がった。
(ご苦労様。ちゃんと再生できたようね♪)
娘の声が聞こえた。
全まで確認せずとも、この肉体が「娘」のものである事は確かであった。
(これであの人達の娘は蘇った。これからは貴女が彼らの「娘」だからね♪)
「ど、どう言うこと?」
俺の口を吐いたのは甲高い女の子の声であった。
(あの人達は娘を甦らせる事を悪魔と契約した。悪魔は因果の法により、貴方の肉体から「あたし」を再生した。)
「それで?」
(それで終わり。契約は完遂されたの。契約にはあたしの魂の復活までは含まれていなかったわ。)
「それじゃあ、君は?」
(あたしはこれで「ジエンド」。成仏すわね♪)
と、一瞬で彼女の気配が消えてしまった。
後に残されたのは俺と「俺」…

 

元に戻せ!!と言っても、聞いてくれる相手がいない。
いや、いたとしても、彼女にはどうする事もできないのだろう。

結論としては、俺はこの「娘」の姿で生きて行かければならないという事だ。
と、なった場合に問題となるのは…

(とにかく、こいつを何とかしなくては…)
俺の目の前に転がっている物体…「俺」の肉体をどうにかする必要があった。

このまま放置していると、ややこしい事になりかねない。
(彼女と同じように、フッと消えてくれれば良いのだが…)
と、俺が「俺」に触れた途端…「俺」の肉体なボロボロと崩れ落ち、塵の固まりと化していった。
ドアと締め切っていた窓を開けると、風が吹いてきて、何処かへと「塵」を運び去ってしまった。

結局、「俺」は行方不明となり、「俺」に誘拐されていた「あたし」は無事保護されて、パパとママの元に戻された。
そして、何事もなかったかのように、日々が移ろいでいった。

 

 

「信じる・信じないは貴方の勝手よ。」
あたしはベッドの上であたしを抱いている男にそう言った。
「つまり、俺が今抱いている君の中身は男だと言うのか?」
「萎える?」
「萎えないさ♪」
「貴方…ホモ?」
「違うよ。中身はどうであろうと、君の肉体は女の子な訳だろう?中身だってもう女の子に染まってるさ♪こんなに感度が良いお×んこに萎える訳ないだろう?」
「んあん♪あああ~ん!!」
あたしは彼の責めに媚声をあげることしかできなかった。

 

アナタは信じる?
    信じない?

選択(C)

(とにかく、こいつに何をしてやろうか?…)

俺の目の前に転がっている物体…「俺」の肉体をどうするか迷っていた。

 

確かに俺はドジを踏んでしまった。
その家の厳重な監視の死角を探し出し、まんまとお宝を手に入れた所までは良かった。
その家からの脱出の直前に、あろうことか、この家の幼い娘とばったり出会ってしまったのだ。
(半分寝ぼけている。お前の顔なんて覚えてはいないさ。)
と囁く声と
(見られたのなら殺してしまうしかないぞ。)
との二つの声の間で俺の心が揺らぐ。
しかし、今即決しなければ、リスクはどんどん高まってゆく。

俺は…

 

そこで時間を使い過ぎてしまったようだ。
「さて、君はココで何をしているのだね?」
俺と娘の間に男が割って入ってきた。
この家の主人である。
「パパ?」
と娘が見上げると
「お前は部屋に戻ってなさい。」
と優しい声を掛けた。
勿論、俺に対しては正反対の威圧的な口調になる。
「もしかして、口封じに娘を殺めようと考えていたか?ゲスが…それなりの仕置きが必要だな。」
男はにやりと笑った。
「今日はもう夜も遅い。明日から、じっくり相手してやる。」
と、空いていた部屋に放り込まれた。
窓はなく、ドアには鍵を掛けられていた。
部屋の中にはベッドがあったが、眠れる筈もなかった。

 

ガチャリと鍵が外されドアが開かれた。
「何だ、寝ていなかったのか?」
入ってきたのはこの家の主人だった。
「これに着替えるんだ♪」
彼から渡されたのは「メイド服」だった。
勿論、女物でひらひらのスカートになっている。下着も女物で、ブラジャーまで揃えてあった。

にやにやしながら見守る彼の前で着替える事になる。当然、下半身も履き替えることになるが、今の俺に拒否権がある筈もなかった。

「ふーむ。着れたようだな。しかし、体毛が気になるな。特に脚はストッキング越しにはっきりと見えてしまう。食事が済んだら脱毛しよう。」
そう言って、彼は部屋を後にし、再びドアに鍵を掛けた。

 

彼が食事を終えると(後でわかるのだが、俺の食事は夜一回であり、その中身も残飯でしかなかった)俺は外に連れ出された。
勿論メイド服のままである。車に乗せられ、小綺麗な建物の前で降ろされた。
建物の奥へと連れていかれると、看護士のような服を着た女性スタッフ達に服を剥ぎ取られ、髪の毛を除く全身にクリームを塗りたてられ、全身脱毛の作業が始まった。

いつの間にか寝てしまっていた。
目が覚めた時には、再びメイド服を着せられていた。さらに、顔面が少し突っ張る感じがしたのは脱毛の影響だけではなかった。
俺の顔には化粧が施され、指の爪にはマニキュアが塗られ、耳にはピアスが下げられていた。
「メイドにしてはケバ過ぎるな。戻ったら別の服を用意してやる♪」
奴はにやつきながら、再び俺を屋敷に連れ戻した。

 

渡されたのはチャイナ服だった。
スリットから覗くスベスベの太股がセクシーだろう♪…って、何を俺はポーズなんかとっているんだ?!
「ふーむ。着れたな。しかし、胸がナイのはいただけないな。」
俺は手近なものを丸めてブラカップに詰め込んだが、奴は納得できないようだった。
「それは明日にするか…」
と、俺はその日は解放された。が、部屋の中から俺の着ていた服が消えていた。
つまり、着替えることができない。裸になるか、このままチャイナ服を着ているかだった。

誰かに見られる訳でもない。俺はチャイナ服のまま、夕食を食べ、眠りに就いた。

 

「何だ、その顔は?」
朝になり現れた奴は、俺を見るなりそう言った。
鏡に顔を映すと、化粧が崩れ酷い事になっていた。
「その裏にシャワーがあるから、先ずは綺麗にしてこい!!」
目立たないように設えられた扉の裏には部屋付きのユニットバスがあった。
言われるがまま、服を脱ぎ、シャワーを浴びた。

「これを貼り付けるから、裸のままベッドに横になれ。」
奴が持ってきたのは人工乳房だった。
胸全体に接着剤が塗られ、その上に人工乳房が貼り付けられた。
奴は人工乳房の接着状態を確認した後、俺に今日着る服を渡してきた。
それはアイドルが着るような裾が広がったヒラヒラスカートのワンピースだった。
その日は部屋で化粧の練習をするように言われた。

 

奴は毎日違った服を俺に着せた。と同時に、毎日一つづつ女に近づくアイテムを追加していった。
ロングヘアのカツラであったり、ペニスを胎内に隠す前貼りだったり、女の声を出すために喉に填める器具だったりする。
そして女の仕草、女の喋り方を強要された。

 

粗末な食事の所為か、体はみるみる痩せてゆく。腕や脚は脱毛しているため、より女みたいに生白くなっていった。
腹回りは特に顕著に贅肉が落ち、女の腰の括れのように細くなっていた。
人工乳房などのアイテムにより、俺の外観はほとんど「女」になっていた。

その日、寝ているうちから下腹部に鈍い痛みがあった。
股間がぬるりとする。トイレで確認すると、そこが紅く染まっていた。
(な、何なんだ??)
俺の頭はパニックに陥ったが、何とかシャワーで洗い流す事には思い至った。
が、紅く染まった下着を奴に隠す事はできなかった。
奴は俺をベッドに寝かすと、俺の股間を覗き込んだ。
「ふーむ。順調にいっているようだな♪」
と、俺のペニスを胎内に押し込んで固定していた前貼りを剥がした。
「後は家内に任せるとしよう。2~3日は体がだるくなるから、休んでいてよいぞ。」
と出ていった奴に代わり、奴の奥さんがやってきた。
「貴女もあのひとの道楽に付き合わされて大変ね♪」
とベッドの脇に座った。
「まあ、大変なのは俺のした事への罰ですから。で、道楽って何です?」
「あら、まだ気付いてないのかしら?あのひとは若い男性を生娘に変えて、その処女を召し上がるのが趣味ですのよ♪」
「処女?」
「ほら、貴女もまだ男性経験はないのでしょう?」
「男性…って、俺はホモじゃないですよ!!」
「ね♪貴女は身も心も処女よね。でも、女の子になりたてだから、生理も初めてでしょ?」
「生理?」
「この袋にナプキンとか入っているわ。使い方も紙に書いてあるから読んでみてね。」

 

俺は頭の中を整理するのにしばらく時間がかかった。
先ずはベッドを立ち、股間を映せる手鏡を持ってきた。
股間を広げ、そこを映し出してみる。
前貼りによりペニスを押し込められ、女のような谷間ができていたが、それは前貼りの所為と深くは考えていなかった。
しかし、今そこを押し広げると、その先には肉襞が連なり、その奥に胎内に続く穴が穿たれていた。
(ペニスは?)
と押し込められた辺りを探ってみたが、胎内から戻って来る気配さえなかった。
…いや、俺は鏡の中、肉襞の手前に…俺のペニス…ペニスの痕跡と思われるものを見付けてしまった。
女性でいうところの陰核である。
触れてみると、確かにこれはペニスの名残であった。
奥さんが言ったように、俺は奴に完全な「女」にされてしまったと考える他はなかった。

その夜の食事は、残飯ではなく。温かな赤飯が用意されていた。

 

 

「さあ、そろそろ良いだろう♪」
「こ、今度は何をするんですか?」
「ふーむ。その怯えた表情が良いな♪最近の生娘だと、そうはいかない。」
つまり、奥さんが言っていたように、女となった俺を抱く…俺の処女を召し上がろうとしているのだろう。
奴は俺の着ていた服を脱がした。
奴は裸になり、俺に伸し掛かってきた。
奴の硬くなったペニスが、俺の股間に押し当てられ…グイと突き込まれた。
引き裂かれるような痛みに、俺は女のように叫び声を上げていた。
「生娘の裂声は何度聞いても良いのぉ♪」
余裕たっぷりの奴の声に、悔し涙が溢れてきた。
奴は上機嫌で腰を振る。
俺は痛みにのたうちまわる。
その俺を見て、奴の機嫌が更に良くなり、動きが激しくなる。
その動きで、痛みが更に増してゆく。その痛みは限界を越えていった…

 

 

 

「少し良いかしら?」
と奴が居ない時に奥さんが独りでやってきた。
俺はほぼ毎日奴に犯されていた。彼女が来たのは奴の来る数時間前だった。
「あのひとの道楽も、やはり行き過ぎていると思います。でも、あたしから止めろと言っても聞くようなひとではありません。そこでひとつ貴女に協力してもらいたいのです。」
「協力?」
「はい。あのひとは相手の同意も得ずに、勝手に男の人を娘に変えて悦んでいます。たまには自分か娘に変えられてみると良いんだわ!!」
「そ、それは…」
あまりの過激な発言に、俺は言葉を失った。
「まあ、一時的なものですけどね。このお札を貴女とあのひとの体に貼ると、入れ替わりが起こります。」
「入れ替わりですか?」
「そう。貴女があのひとに、あのひとが貴女になるの。そしてあのひとに女としての辱しめを与えてあげてください。」
「つまり、俺に女となったあんたの旦那を犯せと言ってるのか?」
「まあ、そう言うことね♪協力してくれたなら、貴女をここから解放してあげます。」

俺はその夜、お札を手に奴がやって来るのを待っていた。
そして、俺を組み敷こうとした奴の額にお札の一枚を貼り、俺の額にも残りの一枚を貼った。
一瞬、意識が遠くなるが、即に回復する。
すると目の前に「女」の裸体があった。意識はないようで、ぐったりしてる。入れ替わりは成功したようだ。
(とにかく、こいつに何をしてやろうか?…)

俺の目の前に転がっている物体…「俺」の肉体をどうするか迷っていた。
「俺」の内には奴の意識があり、俺は今、奴の肉体の中にある。
奴の肉体は、目の前の「俺」=女の裸体に反応していた。
俺は即にでも犯りたい衝動に駆られたが、それでは奥さんの要求には応えていないと思われた。
俺はシーツを切り裂き、女の手足を縛りあげた。
「おい。いつまで寝てるんだ。さっさと起きないか。」
軽く頬を叩くと、奴の意識が戻ってきた。
「だ、誰だ!!お前は??」
女は目を見開き、叫ぶ。
俺は余裕で答えてやる。
「俺は貴様だ♪これから、貴様がやったように女となった貴様を犯ってやる♪」
と奴の乳首を捻りあげた。
「な、何?!わたしが女だと?」
「そうさ♪もう、生娘ではなくなったが、可愛い艶声は聞かせてもらえるだろう?」
俺は娘の敏感な股間を撫であげてやった。
「やめろ!!わたしに触れるな!!」
娘らしからぬ口調で抗っている。煩いので口を塞いでしまいたかったが、それでは愛らしい媚声を聞くことができない。
「やめて良いのかい♪それはあんたに開発された肉体だろう。我慢できるのかな?」
奴は返す言葉もなく、腰をもじもじとくねらしている。
その股間は洪水状態となっていた。
「まあ、俺の方も我慢できなくなっている。一気に挿れてやるぜ!!」
俺はそれが「俺」の肉体であることも忘れ、雄の本能のままに娘を犯しまくっていた。

 
「さあ、今のうちよ♪」
奥さんが俺の手足の拘束を解いてくれた。服とバッグが渡された。バッグには着替えと化粧道具、そしていくばくかの現金が入っていた。
俺は闇に紛れて、裏口から屋敷を出ていった。

 

 

 

「信じる・信じないは貴方の勝手よ。」
あたしはベッドの上であたしを抱いている男にそう言った。
「つまり、俺が今抱いているのは男だと言うのか?」
「萎える?」
「どうだろう?たとえばお札での入れ替わりを体験したら信じるしかないね♪」
「やってみる?」

 
「んあん♪あああ~ん!!」
あたしの責めに彼=彼女は媚声をあげることしかできなかった。

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