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2013年4月25日 (木)

ピットイン♪

爆音を轟かせてモンスターが駆け抜けていった。

俺が組み上げたモンスターを操るのは、親友の大原剛だ♪
奴のパワーは俺のモンスターを抑えて余りある。加えて、奴のテクニックがモンスターの能力を2倍にも3倍にも増幅させてくれる。

「次の周回でピットに戻せ。もうタイヤが保たないぞ。」
チーフの声にスタッフの動きが慌ただしくなった。
俺はそんな彼等の動きには左右されず、モンスターから送られてくる情報を見逃さないよう、モニタにかじり付いていた。

(ッ!!!)

一瞬の事だった。
コーナーからの立ち上がりに、一本のビスが断末魔の叫びをあげた。
モンスターのバランスが崩れる。
奴がモンスターを捩じ伏せようとした瞬間、タイヤがバーストしていた。

モンスターは大きく跳ね上がり、剛を絡め取ったまま路面に激突した。
その一瞬後、炎が立ち上がる…

コーススタッフが消火器をモンスターに向かって吹き付ける。
救急車がサイレンを鳴らして駆け寄ってくる。
モンスターの残骸から剛が救出される…

救急車が走り去っていった。

 

 

空白の時間が過ぎ去った。

「よう♪」
俺は病室の扉を開けた。
ベッドの上から剛が笑い顔を返してくれた。
剛はまだしばらくはベッドを離れられない。そして、ベッドを離れたとしても、この先一生を車イスの上で過ごすことになる。
そう…もう、マシンに乗ることができないのだ。
「なあ…」
剛が俺に呼び掛けた。
「お前の本業…確かバイオロイドって言ったっけ?そいつで、もう一度俺をマシンに乗れるようにできないか?」
剛のマシンに対する執着が並大抵のものではないとは知っていた。
確かにバイオロイドの肉体を手に入れれば、これまで以上に自在にマシンを御すことができるだろう。
俺が「本業」としているバイオロイドの開発は奴の要求を受け入れる事が可能なレベルまで来ている。が、それはあくまでも「理論上では」と但し書きが付く。
「何も開発途上のものに頼らなくても良いんじゃないか?今のお前の状態で乗ることのできるマシンなど、これからいくらでも造ってやれるぞ。」
「ほう…お前はそれで良いのか?いや、モンスターに他の奴を乗せるつもりか?」
「モンスターはもう造らん…」
「いや、お前は造らずにはいられない。俺もモンスターに乗り続けたい!!」
「しかし、バイオロイドは…」
「もう、ほぼ完成していると聞いているぞ?試作体って言ったっけ♪」
「試作体は試作体だ。お前用のバイオロイドはこれから培養を始める事になる。」
「それは何時できあがるんだ?」
「早くて3年だな。」
「待てるかよ!!そいつができるまでの間、俺に試作体とやらを使わせろよ♪」
「…」
「適合試験の被験者を探していると聞いているぞ。所謂、人体実験だろ?それを俺がやってやろうと言っているんだ♪」
「ど、どこまで知っているんだ?」
(試作体の存在を含めプロジェクトの情報は極超が付く機密事項の筈だ…)
「っま、いろいろとな♪もとより、この命、無くしたも同然の俺だ。人体実験にはうってつけだろ?」

まあ、奴が知っていたとしても、奴の口からバイオロイドの情報が他に流出する事はない。が、奴の元に情報がある限り漏洩の危険は免れない。
であれば、バイオロイドの体を提供し、奴を手元に置いておけば、その危険は回避できる。
それにしても…
「本当に良いのか?試作体のスペックが本来のお前のものとはかけ離れているのも知っているか?」
「当然♪即にモンスターを御せるよう、鍛えあげてやるよ。」

 

 

マシンの轟きが近付いてきた。モンスターに比べれば囁かな響きではあるが、女子供にはおいそれと扱うことのできないパワーを持ったマシンだ。
剛が操るマシンは、俺の前にピタリと止まった。
「調子良さそうじゃないか♪」
俺が声を掛けると、奴はエンジンを止め、ヘルメットに手を掛けた。
ヘルメットが外れるとファサッと髪の毛が広がり、甘い香りが漂ってきた。
「まあね♪」
奴の紅い唇が、以前の奴とは正反対の鈴を鳴らすような声を紡ぎ出す。

 

バイオロイドの試作体は女性体であった。剛は「それでも構わない」と試作体への適合を求め、無事、適合を終えた。
「自由に手足を動かせるのは気持ちが良いな♪」
と剛は適合した試作体のスペックを隅々まで確認していった。
「ん?」
と剛の声が上がる。
「これは?」

俺は「それ」を隠し通す事ができないと感じた。俺は「それ」についての情報を与えることにした。
「多分、それはリミッターだ。君にどのように見えているかは解らないが、そいつのスイッチを切ると、バイオロイドの能力が100%解放される。」
「何で能力に制限を掛けるんだい?折角の能力なのに勿体ない。」
「100%解放すると、その反動が凄いんだ。いくらお前とはいえ、耐えられるものではないぞ!!」

 

そんなやり取りも過去のものとなってしまった。
奴は100%の能力を己のものとし、その「反動」をも殆ど克服してしまったのだ。
「慣れたとはいえ、反動はいつもきついな♪」
マシンから降りた剛が俺の耳元で囁く。ツナギの胸元が開かれ、中にこもった熱気を解放すると同時に、強烈なオンナの香が俺を包んだ。
「付き合ってくれるわよね♪」
「反動」は奴を性的に興奮させる。それはバイオロイドの性別に対応した興奮状態を作りだす。
つまり、奴はオンナとして「男」を受け入れずにはいられなくなるのだ。

キャンピングカーのベッドに倒れ込む。
姿はとびきりの美女である。が、その頭脳は「男」である。
オンナのようにシナを作り、俺を誘っても、彼女の向こうに「彼」が見えてしまう…
しかし、肉体は俺の意思とは無関係に「オンナ」に反応してしまう。俺の股間は痛い程に硬くなっていた。
ズボンのベルトが外され、下半身が剥き出しになる。
その上に「全裸の美女」が跨がってくるのだ。
ねっとりとした暖かなモノにペニスが包まれる。
「んあん♪」と艶かしいオンナの喘ぎ声が俺の耳に届く。
「ぁあ…良いわぁ♪アナタはそのままで良いから、しばらく我慢しててね?」
「反動」に支配された剛は、単なる牝獣と化して、俺から精液を吸い尽くそうとしていた。

俺の上で剛が艶かしく肢体をくねらせている。奴の正体を知らなければ、俺は立て続けに精液を放っていたであろう。
とは言え、肉体的な限界は訪れてくる。
「ああっ、ああ~~~ん!!」
俺が放つて、剛も盛大に嬌声をあげて達していた。
そして、力尽いた肉体を俺の腕の中に横たえる。
意識を手放した彼女からは「剛」の存在を感じる事はできない。
只の「愛らしい女」となって、俺の腕の中で寝息をたてていた。
俺は彼女を愛しく思い始めていた。
今まで女性と付き合った事がない事を差し置いても、俺は彼女を自分のモノにしたいと思った。
が、彼女の正体は俺の親友の「大原剛」なのだ。奴のバイオロイドが出来上がれば再適合を行って「男」に戻るのだ。
俺の腕の中にいる「女」は幻に過ぎないのだ…と自分自身に強く言い聞かせ続けるしかなかった。

 

 

「どうしたの?元気ないわね♪」
居酒屋で俺は剛と飲んでいた。剛とは復帰後も時々、こうして杯を交わしていた。
以前と違うのは、剛はいつものツナギではなく、可愛らしいワンピースを着ているので目のやり場に困るのと…

「たまのデートなんだから、もう少し嬉しそうな顔をしたら?」
「デート?」
「んもう♪ニブイんだから。年頃の男と女がこうして居るなんてデート以外の何物でもないでしょ?」
「そ、そうなるのか?お前、単に雰囲気を変えたいだけ…だって言ってたぞ。」
「だから、それがデートでしょ?最後にはヤることはヤってるでしょ♪」
「ヤる…って、あれはバイオロイドの反動でどうしようもない…」
「デートの時はリミッターはそのままよ。つまり、あたしの意志で抱かれているってこと♪」

俺は剛の言っている意味を即には理解できないでいた。

 
「ねっ♪反動でなくてもちゃんと濡れてるでしょ?」
ホテルのベッドの上で全裸の美女が俺を誘っていた。
立ち上るオンナの香にふらふらと魅き寄せられてゆく…
「もし、今度の適合に失敗したら、あんたと結婚してあげようか?」
「結婚?」
「そう♪あたしはこの先、一生をこの体で…女として、あんたのお嫁さんになってあげる♪」
俺は何も言えなかった。
「その代わり、適合が上手くいったら、その先も反動の対応はあんたに付き合ってもらうわね♪」

 

 

爆音を轟かせてモンスターが駆け抜けていった。

俺が組み上げたモンスターを操るのは、親友の大原剛だ♪
奴のパワーもテクニックもバイオロイドの能力で更に強化されていた。
「じゃあ、次の周回でピット入りの指示を出せ。」
俺の隣でチーフが指示を出す。最近はモニターの監視は若いエンジニアに任され、俺はモニターから引き離されてチーフの隣に来させられていた。
そして、俺の手にサインボードが渡される。
「今の奴は恋女房からのサインしか目に入らないからな♪」
俺はチーフに促されて前に出ると、サインボードをコースに向けた。
モンスターの咆哮とともに奴がやってくる。その騒音に負けじと俺も声を張り上げる。
「剛ーっ!!」
スレ違うその一瞬、剛は俺にウィンクを投げていった…

 

モンスターがピットに入ってくる。
「お疲れ様♪」
俺の労いの言葉も半ばに、
「さあ、行こうぜ♪」と、文字通り俺を肩に担いでキャンピングカーに向かう。
「お、降ろせよ。恥ずかしいだろ!!」との俺の抗議も毎度のように無視される。
「反動への対処は早い方が良いからな♪」
確かに奴の反動は時間が経つほど攻撃性が増すのだが…

奴が俺をベッドに投げ落とすと、着ていたツナギを脱ぎ捨てた。
ムッと奴の汗…雄の匂いがキャンピングカーの中に充満する。
「さあ、ヤろうぜ♪」
奴はベッドに転がされた俺のスカートの中に手を入れると、一気に下着を脱ぎ取っていった。
そのまま、俺の脚を抱えると、奴の股間の奮ったモノを突っ込んできた♪

「んあああん♪」
俺の口から甘美なオンナの媚声が漏れる。
充満した雄の匂いだけで、俺の股間は充分に濡れていた。
バイオロイドの活力と奴のテクニック、そして何より、奴はこの肉体の感じる所を実体験として熟知しているのだ♪

俺は奴の「反動」が解消されるまで、その快感に翻弄され続ける。何度もイかされ、頭の中が真っ白になってゆく。
いつしか自らも剛を求めて腰をくねらせていた…

 

オフの日、奴は俺に可愛らしいワンピースを着せ街に連れ出した。
「な、何だよ突然に?」
「デートって知ってるだろう?俺がその体の時、何度か付き合ってくれたじゃないか♪」
確かに、あれはデートだった。とすると、その最後には…
「お、俺はお前の反動の処理のためにこの体に適合させているんだ。それ以外にこの体を使う事はないだろう?」
「本当にそうか?お前の体は嫌がってはいないだろう?」
確かに肉体は奴の言葉に反応を始めていた。
「それに、俺はもうお前ナシではいられなくなっているんだ。レースを離れていてもお前と一緒にいたいんだ。」
剛はポケットから四角い箱を取り出した。
「この先、一生を俺のそばにいてくれないか?俺と…結婚して欲しい。」
箱の中には指輪が入っていた…

 

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